夏真っ盛りですね。夏休みシーズン、みなさまはどこかへお出かけになられたでしょうか。
暑い時には、甘いものが恋しくなりますが、国際交流基金ジャパンファンデーション
クアラルンプール事務所より、おいしそうな和菓子の写真が届きました。
7月のはじめに、和菓子にまつわる講演会と作り方のデモンストレーション事業が
東南アジアのインドネシア、クアラルンプール、シンガポール、ブルネイ総計4カ国で開催されました。
これは、日本文化紹介事業という事業の一つで、日本文化を紹介するため、色んな分野の文化人・専門家を海外に派遣して、講演やデモンストレーション、ワークショップを行う事業です。
今回は、島根の和菓子職人による講演会とデモンストレーション実演をして、和菓子の紹介と、その創作過程に流れる日本人の心も紹介しました。 テーマは、和菓子の創作過程『煮る』 『焼く』 『蒸す』。
『煮る』は、あんこ 練りきりの菊(一番上の写真ですね)
『蒸し』は、蒸し饅頭です。
『焼く』が、桜餅。
「え? 桜餅を焼く?」とびっくり意外に思いましたが、桜餅には関東風と関西風があって、関東風が(長命寺餅):小麦粉あるいは白玉粉の生地を焼いた皮で、餡をクレープ状に巻いたもの。*1どら焼きの皮のようなかんじなのです。桜餅にも色々とあるんですね~
中央右よりにいらっしゃるのが、今回派遣を受けてくださった専門家の方です。
職人さんたちは、松江の老舗和菓子屋さんで何十年も和菓子一筋に生きてきた方々、現在は松江の和菓子専門学校の講師をされているとのこと。
最後に今回事業を担当された文化企画課のKさんにご感想を伺いました。
Q:今回の事業、無事終えられて各地で大変反響が高かったとお聞きしました、事業を担当されて、いかがでしたでしょうか。
A:和菓子職人さんからこんなお話を伺いました。
お茶文化と共に栄えた和菓子ですが、お茶の席ではホストがゲストに「人生で2度と来ないこの時間をこうして一緒にお茶を飲むことが出来るこの時間を大切に過ごしましょう」という気持ちで
ホストは精一杯のおもてなしを提供し、ゲストはそのサービスに心から感謝し、お菓子と共にお椀の抹茶を飲み干すのだそうです。
その為、和菓子は、その場に相応しいものでなければならないため、
1.華美でお茶室の雰囲気を壊してはいけない。2.季節を窺える品でなければならない。3.お茶の香りを邪魔しない匂いの薄いものでなければならない。と考えられてきたそうです。
また、和菓子を頂く際に5つの感覚で食べるというお話を聞きました。視覚、嗅覚、触覚、味覚、聴覚で食べるそうです。
見る、匂う、触れる、味わうは理解できますが、「耳で聞いて味わう」とは何だろう?と思いました。
和菓子にはそれぞれ季節を窺える名前を付けるのが普通ですが、花や鳥や四季の風景の名前の他にも風や水にも四季を感じられる名前を付けると伺いました。
東南アジアでは認知度が高い「日本食」と比較すると「和菓子」はまだまだ知られていないと想像します。今回和菓子を紹介出来た事が少しでも日本の文化や風土を紹介する事になれば良いな、と思っていましたが、空港に専門家一向を迎えに行き皆さんの笑顔を見た時に、和菓子一筋に生きてきた実直な職人さん達を紹介する事が何よりも日本文化紹介になったのかも知れないな、と思いました。
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