Friday, January 30, 2009

交流年



 こんにちは。クンシです。


 皆さんは、「交流年」という言葉を聞かれたことがありますか?


 


 例えば、最近では、日英交流150周年(2008)日インドネシア国交樹立50周年(2008)日タイ修好120周年(2007)などなどが、交流年に当たります。

 国交樹立●周年など、国同士の記念に当たる年には、政府間で交流年を設定することがあり*1、交流年に合わせて各種様々な文化イベントが催されます。ジャパンファウンデーションも、日本の文化交流年には中核機関として多くの文化事業を行います。

 さて今年2009年は、というと、日本ドナウ交流年2009日メコン交流年という、ドナウ川の流域4カ国(オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア)、メコン川の流域5カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)*2との交流年にあたっているんです。


 国ではなく、「川」の流域で記念の年を設けることもあるのですね・・・、クンシも初めて知りました・・・(勉強不足、、汗)。




 ちなみに、昨年2008年は、日仏交流150周年記念*3でもあったのですが、たまたま2008年11月に出張でパリを訪れたクンシは、イベントの一部を見ることができました。思った以上に各地で日本にまつわるイベントが用意されていて、びっくりしました。夜の空いた時間やフライト待ち時間を使って見て回ったのですが、日本の地域文化、生活用品、現代プロダクト(商品)など、いずれも日本に対する着眼点のユニークなもので、非常に驚きつつ、勉強になりました。


例えば、こんなイベント↓。





ケ・ブランリ美術館「日本民芸の精神― 手工芸からデザインまで)」展


 



日本の民芸運動を率いた哲学者である柳宗悦、その息子で工業デザイナーの柳宗理親子を軸に、日本の民芸を紹介する展覧会。日本民藝館(目黒区)から多くの所蔵品(陶磁器、漆器、織物、染物、木工品等)が出展されていたほか、栃木、神奈川、福井、岐阜、京都、岡山、島根、沖縄といった日本の地方都道府県の歴史博物館から、地域特有の民芸品が多数出展。






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日本にいても、地元や旅行先以外で、その地域の伝統工芸品を知る機会って、あまりないですよね。パリで、一度にこのような日本の地域文化を知ることになるとは・・・(´・ω・`;)。親日家が多いと聞きますが、改めて感銘を受けました。





さて、「伝統的な」生活用品に対して、「現代的な」プロダクトに焦点を当てたのが、ジャパンファウンデーションが海外拠点のパリ日本文化会館で行ったこちらの展示↓。





パリ日本文化会館「WA-現代日本のデザインと調和の精神」展


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日本のすぐれたプロダクトデザインに焦点を当てて、生活に根ざした品々を、食器/水まわり/家電/情報/遊具/文具/雑貨/ウェア/包みとバッグ/乗り物/家具/あかりといった12カテゴリーに分けて展示。現代のものが中心。



一見ショールームのようにも見えたのですが、利用者の使いやすさを徹底的に追求する日本の商品の背景にある精神性は、まさにそれ自体日本文化なのだと気付きました(*o*)。





交流年のイベントの着眼点は、おそらく、日本とその国/地域との交流の歴史や深度によっても変わってくるのでしょう。交流年に合わせて、海外の国や地域を旅行してみると、面白い発見があるのかもしれませんね!(もちろん、日本側では、逆にその国や地域を紹介するイベントが開催されますので、そちらを見てみるのもよいと思います。)




*1:外務省のウェブサイトをご参照ください→こちら


*2: 近年、政治、経済、文化、青少年、観光等幅広い分野で関係が急速に深まっている日本とメコン地域諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)との間で、更なる交流の拡大を実現するため、2008年1月に東京で開催された日メコン外相会議において、2009年を「日メコン交流年」とすることが合意されました。


*3:在仏日本大使館のウェブサイトはこちら。在日フランス大使館のウェブサイトはこちら





Monday, January 26, 2009

 Elephant Vanishes!!






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皆さんこんにちは、オレペコです。


バンコクからの2009年初レポートは、素敵な再会Yについてお届けします。





このブログの読者の皆さんの、一体どのくらいの方がご存知かわかりませんが、タイにはジャズ大好きっ子があふれています。その一因は何と言っても、現国王がジャズ好きで自ら作曲されたり楽器を演奏されたりするため。そんなジャズファンが、昨年、大熱狂したイベント、それが





”Unit Asia Jazz Concert 2008 in Chiang Mai"





日本の3人の気鋭のミュージシャンに、タイの第一線で活躍するサックス・プレーヤーKoh Mr. Saxmanと、マレーシアの新進気鋭のピアニストTay Cher Siangが加わり、新たに"Unit Asia"というグループを結成して、一ヶ月にわたって東南アジア5カ国ツアーを敢行したんです!その詳細はHPに譲るとして・・・実はこの1月頭に、メンバーの一人であるTayさん が、Thai Jazz Conference という、ジャズの催しに参加するということで来タイ!およそ2ヶ月ぶりの再会を果たしました。





f:id:japanfoundation:20090119193022j:image:left:w150イベント実施期間中は、やれ機材がうまく動かないだの、やれ空調が途中で切れただの(苦笑)、次から次へと問題が発生し、担当者はとにかく事業を成功させることで必死。なので、ミュージシャンの方たちとゆっくり語り合う、、、という精神状態にはなかなかなれません。なので、こうやって、別の機会にゆっくり話ができるのはヒジョーに貴重なことなのです。





いまやとっても真摯にピアノに取り組んでいる彼が、幼いころにどうやってピアノの練習をサボっていたかや(笑)、より高い次元を目指してアメリカに渡ったときのエピソード、敬愛するミュージシャンについて、、、そんな話から、東南アジアでの歴史教育、ガザの問題などなど、お互いひとりの人間として、普段考えていることをぶつけながらいろんな話をすることができて、とっても良い時間でした。




中でも、彼が言っていておもしろいJと思ったのは、彼は外国の都市や町を旅すると、必ず「本屋さん」を巡るのだと。どんなに瀟洒な高層ビルが立ち並び、ブランドショップで埋め尽くされていても「本屋さん」が充実していない都市・町は薄っぺらい。彼なりの判断基準なんだそうです。 本屋については私も一度、バンコクの街を歩きながら同じようなことを考えたことがあったので、わが意を得たり、という感じでした。そうなんです。実際住んでいると見逃しがちですが、日本って本当に街に本屋さんがあふれている。どんな小さな町にも、本屋さんがあって、ちょっと気難しそうなおじさんがレジに座ってたりする(笑)。そういう光景が残っているだけでも、まだまだ日本は捨てたものじゃないかも!と思えるのです*1





そんなTayさんが大好きな作家のひとり、それが「村上春樹」


そういえば、彼が Unit Asia のために作曲した曲のうち1曲のタイトルは"Elephant Vanishes." 春樹の本からインスピレーションを得たんだよ、とにこりと笑うTayさん。同じく村上春樹好きの私。国を超えて、一人の日本人作家の話ができるなんて!心の中で、勝手に「村上春樹さん、ありがとう」と叫びました(笑)。





そんなこんなであっという間に数時間。


今度は、マレーシアで会おうね、といってお別れ。タイとマレーシアは近いし、またすぐに会えるよね、と。。。





がっ!!! 


みなさん!




f:id:japanfoundation:20090119202531j:image:right:w220 実は、私よりも先に、こんな素敵なTayさんに会えるのは、日本でこのブログを読んでいるあなたですJ な、な、なんと、東南アジア5カ国を熱狂の渦に巻き込んだ Unit Asia が、2月に日本で凱旋公演をやるんですっ! 日程は以下の通りですが、詳細はこちらをどうぞ*2


<2009年>


2月17日(火)京都/Live Spot RAG


2月18日(水)名古屋/ライブハウスTOKUZO


2月20日(金)東京/アムラックス・ホール(池袋、トヨタアムラックス5F)





ジャズ好きの方も、そうでない方も(?)、これは、ほんとに必見です。育った環境も、言葉も違う3つの国の人たちが、個性をぶつけ合い、やがてそれが溶け合って、すばらしい音楽を作り出しています!ぜひご自分の肌と耳、、、いやいや、五感全部で、これまでどこにもなかった新しいジャズを、感じ取ってみてくださいY




*1:最近、茂木健一郎氏のクオリア日記に、幼いころの「本屋」体験が書かれていました。ネットばかりで本を買っていてはいけない、という自戒とともに。こちら


*2:SIAMESE INDY さんも日本公演について紹介してくださっています!こちら





Friday, January 23, 2009

 世界の祝日 1月は成人の日です☆



世界の祝日として、12月はクリスマスについて、お届けしましたが、


1月は成人の日について、お届けしたいと思います。


日本では女性は振袖をきて、艶やかな姿でお祝いを行いますが、


さて、他の国々では成人の日ってあるんでしょうか?


今回は、ジャカルタ、カイロ、そしてマニラの日本文化センターに聞いてみました!





●ジャカルタ



ジャカルタは本格的な雨季に入り、


道路や家が水につかる洪水の季節となりました。


さて、インドネシアでは通常17歳で成人となり、選挙にも参加できるようになります。


しかしながら、日本の成人式のような特別なお祝いというのはないそうです。


蛇足ですが、インドネシア人といってもたくさんの民族に


分かれており、それぞれの民族によって「成人」という認識は違うようです。


例えば代表的なエスニック・グループの一つであるバタック人ですと、 結婚するまでは「成人」とはみなされないというようなこともあるようです。


JF職員@ジャカルタ



ふむふむ、なるほど。いまさらながらインドネシアが多民族国家ということを思い起こされます。それぞれの民族で「成人」の認識って違うものなのですね。


さて、気になるエジプトは・・??


●エジプト



何かありそうなニオイがしたようですが、エジプトでもまったくお祝いの儀式や式典といったものはありません。


21歳で成人になります。


ちょうど成人になったばかりのローカルスタッフに聞いたら、なんにもないのでまったくつまらない、とグチをこぼしていました。


JF職員@カイロ



「まったくつまらない・・・」とのぼやきがなんだかほほえましいです。


うーん、成人のこんなにお祝いするのは、日本だけかしら?と思っていたところ


!! 


●フィリピン



インドネシア、エジプトとは異なり、フィリピンでは大盛り上がりです。


両国同様、特に何もお祝いはしないそうです、とクールに受け流したかったのですが・・・


お祭り好きのフィリピンの人々にとって、何もせずに記念すべき成人の日をやり過ごすことは許されないでしょう。


フィリピンでは、18歳で成人になります。


お祝いの儀式は、通常女性のみがするものだそうです。


このセレモニーは、”Debut”と呼ばれ、18歳の誕生日当日に行う場合が一般的です(要するに大きな誕生日パーティーです)。さらに、成人を迎えた人は”Debutante”と呼ばれます。


通常、Debutは、親族、友人、近所の方々などを大勢招いて、ホテルの宴会場などで大々的に行われます。


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このDebutのハイライトが、Cotillion Danceと呼ばれるもので、友人などから選ばれた9人の男性、9人の女性エスコートと一緒にワルツを踊るというものですが、このワルツに掛ける意気込みが尋常ではなく、専門の振付師を両親が雇い、ほぼ毎週末、自宅に振付師を招いて、6ヶ月間!にわたり練習をつむそうです(もちろん、個人差もありますが・・・)。


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その他に、バラをもった18人の男性(父親、兄弟、友人、隣人など)と順々にダンスをするという、18 Roses Danceというものもあります。。


さらには、18 Candles Presentationというプログラムもあり、18人の女性がロウソクをもったままDebutanteに祝いの言葉や成人にあたっての願いなどを伝え、ロウソクを吹き消すといったことをするようです。


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間に友人や家族、来賓の祝辞などが入り、最後はカラオケやダンスパーティーを延々深夜まで、場合によっては翌朝明け方まで続けるというのが定番のようです。


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写真を見ていただければ分かるとおり、まるで結婚式かと思うほど、衣装も会場もプログラムも凝りに凝った盛大なパーティーです。



とっても素敵なドレスですね!!本当に結婚式のような、晴れやかな笑顔が素敵です。


今年度、世界の成人になられた皆様にとって良い年でありますように。+☆





Wednesday, January 21, 2009

 阪神・淡路大震災、中国・四川大地震そしてハリケーンカトリーナ 






ときどき、めずらしい名前の大学の学部や学科にお目にかかることがありますが、兵庫県立舞子高校には「環境防災科」という学科があるのを知っていささか驚きました。この学科は、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、日本ではじめて、2002年に設置されており、環境防災科の授業科目名には、「災害と人間」、「環境と科学」、「防災情報I」、「自然環境と防災I」など、大学の授業のような科目が並んでいます。




さて、ジャパンファウンデーションは、昨年10月に、中国・四川大地震の被災地へ、この舞子高校の環境防災科長で、防災教育の専門家の諏訪清二先生を派遣しました。諏訪先生と同校生徒お二人の一行は、神戸市内で行った街頭募金による義捐金と同校生徒の寄せ書きを持って、中国・四川大地震の被災者を訪ね、交流を行ないました。




ジャパンファウンデーションでは、毎月1回、サポーターズクラブの会員の方のために、講演会などのイベントを開催していますが、今月は、諏訪先生に、四川での交流のお話をうかがいます。諏訪先生は、防災教育に関する委員会の委員を務めるとともに、日本国内はもちろん、ネパール、スリランカ、インドネシアなど、海外においても防災教育の講演やカウンセリングのセミナーなどを行っておられる防災教育の専門家です。




今回のイベントでは、また、ジャパンファウンデーションの坂戸勝参与も参加して自身の経験を語ります。というのも、神戸出身の坂戸さんは、アメリカにニューオリンズ総領事として赴任していたときに、ちょうど2005年のハリケーン・カトリーナに遭遇し、総領事として、邦人保護の最前線に立った経験があります。今回は、そのときの経験も踏まえ、国際交流基金がその後実施した、ハリケーン・カトリーナに関する災害復興協力についての日米対話プロジェクトなどについてお話する予定です。




ということで、イベントの日程は以下の通りです。関西地区の皆様、どうぞお出かけください。(H.O)





日時: 2009年1月24日(土)14:00~17:00

会場: 人と防災未来センター防災未来館(http://www.dri.ne.jp) 5階 プレゼンテーションルーム

兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2

阪神電鉄「岩屋」駅、「春日野道」駅から徒歩約10分、

JR灘駅南口から南へ徒歩約12分

参加費: 入場無料。件名を「四川報告会」として、メールjfscmember@jpf.go.jpまたはFAX03-5369-6048まで、お名前と連絡先を明記のうえお申し込みください。





Tuesday, January 20, 2009

久保田、嘉数部長に会いに行く。






こんにちは、久保田です。





今日は前回からの流れで国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の日本語事業部長


嘉数勝美(かかず かつみ)部長とのおしゃべりの様子をお届けしたいと思います。


前回の記事はこちら。もうすぐ採用試験の季節でもありますが


基金のスタッフ紹介という面も少しあるかと思います。





ジャパンファウンデーションの3本柱の1つが日本語教育であることは


すでにご案内のとおりだと思いますが、その統括をする


日本語事業部長ってどんな方だと思いますか?




僕は2007年4月に入社してすぐに日本語事業部試験課*1に配属になり


嘉数部長は僕にとって最初の直属の部長でした。日本語事業部長としての職責以外に


日本語教育関連の教育、講演、執筆活動を精力的にこなし、同時に博士論文を執筆中


である研究者でもあり、流暢な英語を話し、書道や詠歌、少林寺拳法を嗜まれ、


根っからの阪神ファンで、そのうえ部下との時間も割いてくださる…、そんな方です。





そんな部長にお伺いしたかった質問の1つはずばり


どうしてそんなことが可能なんですか?」。


どうしてですか、嘉数部長( ̄ー ̄?).....????






嘉数部長:僕は今、ジャパンファウンデーションの日本語事業部長という実務者でもあり、大学院などで教壇にも立ち、同時に博士論文を執筆中の研究者、学習者でもあります。こういうと僕は多くの仕事をこなしているように見えるかもしれませんが、そうでもないんですよ。





興味自体は一貫しています。言語と文化・社会が自分のテーマです。このテーマから派生することをいろいろな立場からやっているということなんです。





困難に直面して行き詰ったら僕は視点を変えてみます。立場を変えてみます。実務者として「困ったな」と思ったら、研究者の立場から問題を見てみます。あるいは研究者として困ったら教師の立場から、問題をとらえなおしてみます。視点の切り替えが有機的に機能するようになると行き詰まりに穴が開きます。





こういう僕の経験は、いま仕事に行き詰っていたり、疲れてしまっている基金職員にとっても参考になるかもしれませんね。いろんな理由で行き詰まることもあると思います。行き詰るときには状況を見る視点が単一に固まってしまっていることが多いように思います。





まったく別のものを一度にやろうとすることには無理がありますが、自分にとって切実なテーマにいろんな視点や立場から迫ってみるというやり方をとると、仕事もうまくいくんじゃないでしょうか。






嘉数部長、ありがとうございました!


同時にいくつもの(別々の)ことをやるのではなく、


1つのことをいろんな角度からやるということなんですね。





ただその前提として、健康と体力を維持する必要がありますよね。

体力的に知的に精神的に負荷が大きいことには変わりないですから*2




そのためにも(?)こんな本を読み直してみようと思いました*3






走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること










これを読んだら走りたくなること間違いなしです。






佐藤可士和の超整理術

佐藤可士和の超整理術










僕の机の上の惨状(泣)を見かねた上司に薦めて頂いて読みました。


以来、仕事を有効に進めるためにも身辺の整理整頓を始めました。





話題が転々としましたが、機を改めまして基金の「広報」についても


このブログのなかで考えられたらと思っています。


そのときには嘉数部長から伺った話をまたご紹介したいと思います。




*1:現在は日本語試験センターに改組しました。


*2:話に飛躍が…


*3:またも飛躍が…





Thursday, January 15, 2009

同期との晩餐で






今日は仕事以外の雑感です。





先週、外大時代の同期(+後輩1名)が久しぶりに一堂に会したのですが、


大学入学から8年を経た今、みんなの立ち位置はいろんな方向に展開していました。





1.ウルドゥー語専攻*1卒業、大学3年から考古学を専攻し、


インド・プネの大学院(考古学)を修了。次は博士課程進学を目指す。





2.ヒンディー語専攻卒業、大学3年から環境経済学を専攻、大学院(環境経済)


修了後、環境アセスメントやコンサルティングを行う会社でSE職に就く。





3.中国語専攻卒業後、大学院(地域研究)進学。在学中に中国に留学し、


昨年9月から中国の大学院(公共政策)に入学。同時に環境コンサルティング会社で


継続的にインターン。今回の一時帰国時に日本の大学院に修士論文を提出し一区切り。





4.ポルトガル語専攻卒業後、日本のコンサルティング会社に就職、SE職に就く。


入社3年目で、早くも後輩の面倒を見る立場に。





5.スペイン語専攻卒業後、日本の出版社に就職。社会人1年目。


激務の営業職をこなしつつ、未来の編集者に向けて修行中。





6.台湾留学を経て、中国語専攻卒業後、国際交流基金

(ジャパンファウンデーション)に入社。日本語教育の分野で奮闘中(久保田)*2






はやくも2年目が終ろうとするジャパンファウンデーションの同期と年末に


大久保の韓国料理屋で忘年会をしたときも、お正月に実家に帰って、


高校の同級生10人と飲み会をしたときも、かつては同じスタートラインにいた


「同期」の異なる立ち位置での活躍ぶりに、何と言うか物思いにふけって


しまいました。高校の同級生のなかには大阪の病院でソーシャルワーカー


として働いていて、近い将来JICAの派遣で海外に行きたいという人もいて、


持ち場は違うなかでの親近性に驚いたりもしました。





話は戻ってその日、過去-現在-未来にわたる四方山話をしていると


1~6のなかで1人だけ他の5人と違うね、という話になりました。


3番の彼だけ2足の草鞋を履いて、他の5人は研究にしても、


就職にしても履いている草鞋は1足、立ち位置は1つという点で違うと。





当然、3番の彼はたいへんだと思います。異国の地で留学生として


修士課程で学びながら、会社で働いているわけですから。一方で


特に2と6(久保田)は3番の彼の立ち位置をとてもうらやましい


と言いました。働くなかで出てきた興味や疑問を学術的に突き詰めて


考え、それをまた仕事にフィードバックすることが可能な立場にいる


3番の彼はいいな、と思ったわけです。





そんなことをつらつら考えながら最終電車で家に帰ったのですが、


考えてみると、基金にもそんな人は少なくないことに気づきました。





真っ先に思いつくのは日本語事業部長の嘉数勝美さん


僕は「嘉数部長は一体どんな生活をしているんだろう」


といつも不思議に思っていました。


時間に比してパフォーマンスが明らかに多すぎるんです!





そんな疑問を、昨年末、嘉数さんに直接ぶつけてみました。


談論風発、話題は転々として奇を究めた1時間半でしたが、


次回は、嘉数部長への突撃インタビューの様子を


少しだけご紹介したいと思います。




*1:外大生はみんな「外国語学部○○(例:東アジア)課程○○語専攻」という所属をもち、1、2年生のときは言語を集中的にやります。3年生からは専門科目の比率も高くなり、みんなそれぞれゼミに所属するようになります。


*2:8年前に大学入学した僕が2年目というのも象徴的ですが、外大生って4年間で大学を卒業してない人がほんとに多いです。今回集まった人たちは誰1人4年で卒業してません。





Tuesday, January 13, 2009

「災害」からアジアをとらえてみよう!






年末に観て「おもしろい、95点!」(100点満点)と思った『K-20 怪人二十面相・伝』


へのライムスター宇多丸さんの扱き下ろしぶりにショックを受けている久保田です。





国際交流基金(ジャパンファウンデーション)のホームページをご覧頂くと、

いま真っ先に目に入るものの1つが「2008年度第2期 異文化理解講座」*1のバナーです*2





今期の開講は来週から。計4講座のうち


世界の人々を魅了するチベットの仏教思想・歴史・美術・自然はすでに


満員御礼の盛況ぶり!その他の3つの講座についてまだご応募を受け付けています。





私、久保田が興味深いなと思ったのは「災害に向き合うアジアの人々」です。


各回の講座タイトルから、アジアに住む多くの人々にとって自然災害は切っても


切れない関係にあることが改めて感得されます。





ジャパンファウンデーションでも、日米センター(CGP)や日本研究・知的交流部で

「自然災害」をテーマにしたシンポジウムが行われています*3


「自然災害」が1つ重要なテーマであることは間違いありませんよね。





今回の講座を担当している関口さんから告知をお願いしたいと思います。


関口さーん (」°ロ°)」オーイ!!






市民青少年交流課の関口です。





第一線で活躍する専門家の方々を講師として招き、


海外の国や地域を多様な視点から取り上げる異文化理解講座。


今期、毎週曜日は、アジア各地での災害による人びとの


生活への影響、被災地支援の在り方、生活再建の課題、


防災・減災への取り組みなどについて連続講座


災害に向き合うアジアの人々」を開講いたします。





昨今、インド洋沖地震やミャンマーのサイクロンなど、多くの災害が


アジアで発生していることはご存知の通りと思います。


その被害の状況や、被災地の人びとがどのように生きているのか、


各地域の専門家から詳しくお話が聞けるセミナーです。是非是非お見逃しなく!





■アジア理解講座「災害に向き合うアジアの人びと」


毎週水曜日(1月14日~3月25日)全10回


http://www.jpf.go.jp/j/culture/civil/cross/lecture/asia/index.html#01


主催: 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)


日時: 2009年1月14日から3月25日 19時から20時30分 週1回


定員: 80名(先着順)


受講料金: 全10回分 10,000円(割引有り)





お申込みはWEBサイトより行っていただくか、


異文化理解講座事務局(03-5562-0756)までご連絡下さい。





●コーディネーター


林 勲男(国立民族学博物館民族社会研究部准教授)





●講師および日程・テーマ(*変更となる場合もあります)





1月14日 総論


林 勲男(国立民族学博物館民族社会研究部准教授)





1月21日


アチェ紛争と2004年スマトラ沖地震津波:契機としての自然災害


西 芳実(東京大学大学院総合文化研究科助教)





1月28日 サイクロン・ナルギス被害の背景


飯國 有佳子(国立民族学博物館民族社会研究部外来研究員)





2月4日 メトロマニラ、マリキナ市の住宅耐震プロジェクト


田中 聡(富士常葉大学大学院環境防災研究科准教授)





2月18日 インド洋津波後のスリランカ漁村


高桑 史子(首都大学東京人文科学研究科教授)





2月25日 「洪水」と共に生きる人々:バングラデシュの生活


高田 峰夫(広島修道大学人文学部教授)





3月4日 2004年インド洋津波災害と南インド文化遺産


深尾 淳一(映画専門大学院大学専任講師)





3月11日 インド、震災を乗り越える染色職人集団


金谷 美和(国立民族学博物館研究戦略センター外来研究員)





3月18日 インド西部地震被災地のNGO活動


三尾 稔(国立民族学博物館研究戦略センター准教授)





3月25日 トルコ、被災地を結ぶ人々のつながり


木村 周平(京都大学東南アジア研究所特定助教)






関口さん、ありがとうございました! 


皆様のお越しを心よりお待ちしております。




*1:異文化理解講座って何?という方はこちら、講座の舞台裏についてはこちらをご覧ください!


*2:もう1つはジャパンファウンデーションWebサイトに関するアンケート。締切は1/19までです、ドシドシご応募ください。抽選で賞品もあたりますよ!


*3:CGPの事業はこちら、日知部(基金内では「にっちぶ」と略して読んでいます。課の名前も、企画調整・米州課は「企米課(きべいか)」、アジア・大洋州課は「ア大課(あたいか)」、「欧州・中東・アフリカ課」は「欧中ア(おうちゅうあ)」です。)は今度、神戸でフォーラムを行います。詳細はこちらです。





Friday, January 9, 2009

年始のご挨拶



皆様


新年あけましておめでとうございます。





本年も、ブログチームは、最新のオススメイベント情報や、職員の思い、はたまた事業の舞台裏など、表面にはあまり取り上げらないけれども「これぞ国際交流の現場!」という情報を皆様にご提供していきたいと思います。





週に2回程度の更新を目指します!





本年もどうぞよろしくお願いいたします!





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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


ここで、ブログチームメンバーより一言ずつご挨拶を。





エム:本部ビルの門松(↑上記写真のもの)をいつまで出しておくか、関西と関東で違うことを先日知りました(社内で議論になった)。


いろいろと日本文化について学ぶことの多いお正月です。


日本のお正月っていいですね。私の幼少時には羽子板や独楽や凧揚げをして遊んだものです。今は場所の確保も難しいのか、あまり凧揚げしている人の姿も見かけないのが残念です。凧揚げは大好きだったんです。


実家に帰り、父母からお正月について教わっておこうと思いましたが、15年ぶりぐらいの久々に正月に帰った実家では、高齢となった父母は昔と比べるとかなりいろいろと省力化(=省略)したお正月を迎えていました。でも、幼少時におまいりした神社に四半世紀ぶりに行き、感動しました。HPによると日本最古の厄除けの霊地だそうです。皆様も今年も元気で過ごせますように。





HO:いつもお読みいただいてるみなさま あけましておめでとうございます。


久しぶりに郷里で迎えたお正月でしたが、年々お正月の風情が変わってきたことに、あらためて驚きます。


今年も、このブログのことを、どうぞよろしくお願いいたします。





久保田:読者のみなさま、新年あけましておめでとうございます。


お正月は地元・宮崎でゆっくり休養してきました。


心機一転、またがんばっていきたいと思います。


よろしくお願いします!


写真は昨年11月末のハイキングで撮った富士山です。


みなさんの初夢に富士山は出てきましたか?


みなさんにとって今年がよい1年でありますように!


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蟹江:新年あけましておめでとうございます。


2008年は大変お世話になりました。


ブログチーム員になって早くも残すところあと3ヶ月です!!


基金の様子を楽しくお伝えできるよう、


2009年もどうぞ宜しく御願い致します。





クンシ:あけましておめでとうございます。今年は、より双方向的なブログをめざし、頑張っていきたいと思います。


年末年始は郷里(三重の山間部)に帰っていました。ここで一句、郷里の元日の様子を詠んでみます。





外に犬内に猫ゐるお正月





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