Thursday, February 26, 2009

会社説明会レポート2009






村上春樹さんの最新長編小説が今年の初夏に発売されると聞いて


もう居ても立ってもいられない久保田です。


全世界に流れたエルサレム賞のスピーチもかっこよかったですよね。


社内でもかなり話題になっていました。





さて、今日は毎年恒例の会社説明会潜入レポートをお届けします。


今年の説明会は<基礎編>と<応用編>の2種類。


<基礎編>は当基金の就職説明会に初めて参加する方に向けて


<応用編>は学内セミナー等で既に参加したことのある方むけに開催されました。


説明会はどの回も満席の盛況ぶり。


残念ながら来られなかったみなさん、申し訳ありません!




実は僕も<基礎編>に「先輩職員」の1人として参加しました*1


潜入取材を決行しました<応用編>のほうもあわせて


印象深かった質疑応答のやりとりをご紹介してみたいと思います。





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【日本研究・知的交流分科会の様子】






質問1:私は企画の立案に興味があります。


職員は企画の立案にどの程度、関わることができるのでしょうか。






これは<応用編>2日目の日本研究・知的交流分科会で出た質問です。


やはりみなさん、自ら企画を発案することに興味をお持ちのようですね。


これについてはすでに2年前の会社説明会でもやりとりが行われており、


オレペコさんが過去に取り上げていらっしゃいましたので、


こちらをご覧ください。先駆的・創造的事業も含めて、


いまもだいたい同じだと思います。








僕個人としては、もちろんいつかは自分でも企画を立案してみたいけれど、


いまはまだまだ実力不足、もっと地力をつけてからだな、と思っています。


僕も基金を受験していたとき、エントリーシートや面接の場で、


「こんな企画をやってみたい!」と意思表明していました。


ただ、働きはじめて実感したのは、自分からよい企画を発案し、


それを最後までやりとおすのは、想像以上に難しい仕事だということでした…


なんて、僕の弱気発言なんかに受験者のみなさんは囚われないでくださいね。





さて次の質問です。





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【文化芸術交流分科会…ではなく日本語教育分科会の様子】






質問2:事業の評価はどのように行われるのでしょうか?






この質問は<応用編>2日目の文化芸術交流分科会で(2回も!)


出ました。ジャパンファウンデーションの事業をどう評価するか。


参加者のみなさんが「評価」に(かなり強い)ご関心をお持ちと


いうことにちょっとびっくりしましたが(すばらしい着眼点!)、

この古くて新しくかつ重要な問題に対して職員はどう答えたのでしょう?*2 









たとえばある展覧会の事業評価を行うときには、


来場者数といった数値やアンケート調査を通じた


満足度を基本的な評価の材料とします。


調査は1つのイベントごとに行われるのですが、


この調査だけでは零れ落ちてしまう点があります。





その一つは、私たちは事業の成果を1つのイベントの枠内


だけで考えていないことと関係があります。





例えばパリで日本の生活雑貨の展覧会を開いたとします。


その展覧会に興味を持ってくれた現地の芸術家の方々が


現れたら、次はその方々と展覧会出品者とでコラボレーション


ができないかとか、あるいはその方々を日本へお招きして


さらに日本の生活雑貨の様式美への関心を深めてもらおうとか


いうふうに次のステップを考えます。





1つの出会いが、次の出会い、また次の出会いへとつながっていく。


そのような中長期にわたる事業の成果を、現在の評価方法では


はかることができないのです。





事業評価はまさに現在進行形の課題だといえると思います。






この受け答えを聞いて「そうやって漏れてしまう視点があるのか」


と唸ってしまいました。





昨年行われた若手の社内勉強会や、ジャパンファウンデーションも


非常にお世話になっている評価の専門家、東京工業大学の


牟田博光先生をお招きしての内部向け講演会などを通じて、


事業評価は進化の真っ只中である一方、かなりのところまで深く


評価できるんだという感触を得ていたのですが、


評価という課題はまだまだ奥が深いんだなと改めて感じ入りました。





そして最後の質問。






質問3:私は政府系団体を回っています。JFの理念は


例えばJICEの掲げているそれと重なる部分も多いように感じましたが


そのあたりをどう考えますか。






これは<基礎編>初日に出た質問、この問いもまた


古くて新しいものだと思います。大局的には


ジャパンファウンデーションと他の政府系機関、


他の民間のアクターとの関係は?


ジャパンファウンデーションの独自の存在意義は?


というふうに言い換えられるのではないかと思います。


このときの回答者は僕でしたが、この問いを奇貨として


そのあとも、もう少し考えてみました。





と、ここまでで少し長くなってしまったので、


質問3を巡っての記事はまた次回にしたいと思います。


といいつつ、また弱音になるのですが、最近すごく忙しいんです…


書けなかったらごめんなさい。




*1:説明会にご参加頂いた読者の皆様、2年目の若造が生意気なことをたくさん言ってしまい、恐縮しております。


*2:応答部分は久保田が記憶をもとに再現したものです。





Friday, February 13, 2009

海外日本語教師長期研修インタビュー PART2






日本語国際センターでは昨年9月から、海外で活躍する比較的若い(35歳以下!)ノンネイティブ日本語教師の方々のための「長期研修プログラム」を実施しています。プログラムが始まってまもなかった10月にはこのブログでルーマニアのサンドラさんをご紹介しましたが、半年にわたる訪日研修も、残すところ1ヶ月を切りました。今日は2名の先生にお話を伺いました。




まずは、ミャンマーカンワさん(ヤンゴン外国語大学)です。長期研修プログラムが始まって5ヶ月以上たちますが、半年間の研修は長く感じますか?それとも短いですか?


今の私の気持ちとしては、早く国に帰りたいです。…と言っても日本が嫌だとかホームシックだとか言うのではなく、この5ヶ月間でいろいろなことを勉強したので、それらを早く授業で実践してみたい、という気持ちが強いのです。忘れないうちに実際に試してみたいので、とりあえず今はいったん国にかえってすぐに教壇に立ち、いろいろな経験をした上で、数年後に日本語国際センターの修士コース(日本語教育指導者養成プログラム)に挑戦したいと思っています。


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<11月の埼玉国際フェアでミャンマーの舞踊を披露したカンワさん>




とても前向きですねd(*^ー゚)b

カンワさんは課題や授業準備などのためいつも夜遅くまで勉強しているそうですが、とくに役に立った授業はどんなものがありましたか?


私が特に興味をもったのは、文法の授業でした。毎週水曜日に文法の授業があるのですが、体の具合が悪くてもこの日はどうしても出席したい、というくらい面白かったです。ミャンマーにいた頃、文法を教えるときはただ教科書に沿って教えていましたが、センターの文法の授業では、ある語法をとりあげるときに『日本人がどんな場面で、どんな考えにもとづいてその表現を使うのか』をとても具体的に考え、今まで気付かなかったことをたくさん学びました。私もこれからは文法をもっと面白く教えられる、と思っています。


授業以外の空き時間や休日はどんな風にすごしていますか?


土日は一人であちこち出かけています。私は今回はじめて日本に来ましたので、(教授法を学ぶだけではなく)自分自身が日本語がもっと上手になることが大きな目的です。センターの中だけにいたのでは日本語の練習としては不十分な面もありますので…。こないだは池袋に行きましたが、ミニスカートの高校生とか、センターの中にはいないようないろんな人たちが街中で観察できるので、面白いです(笑)。ミャンマーで日本語ボランティアをしていたことのある日本人の友人たちと居酒屋に行って終電で帰ってきたりしたこともあります…。でも最近は、ナタポンさんと一緒にセンターの管理室にいることも多いです。


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<カンワさん(左)とナタポンさん(右)>







そうそう、空き時間のすごし方で私も注目していたのはタイナタポンさん(泰日工業大学)です。ナタポンさんは夜や休日にセンターの管理室でスタッフと一緒に過ごしていることが多いですよね。いつからなんでしょうか?


去年の11月くらいからです。僕も授業後は外に出かけたり、友達に会いに週末に旅行したりすることも多いですが、センターで自分の部屋でただ本に向かって勉強してばかりいてはつまらないので、いつのまにか管理室でスタッフの皆さんが働いているところを見ていたり、話しに行くようになりました。僕は日本に来るのは留学も含めて今回で4回目なので、日本で生活するということについての新鮮な感動や驚きはカンワさんほど多くなかったかもしれません。




でもその分、「もっといろいろな日本人と話したい!」という気持ちが強くて、授業以外の時間はセンターで働いている管理室のおじさんたちや受付の皆さんのところに行って、仕事の内容を教えてもらったり、本で覚えたばかりの日本語を使ってみて、おかしな反応が返ってこないかどうか試してみたりさせてもらっています。せっかく日本にいるので、たくさん日本人と話がしたいんです。毎日いろいろなことを教えてもらえるので楽しくて、僕はまだまだ国に帰りたくないです・・・。


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<センター管理室のS見さんと>




ナタポンさんは時には夜間当直のスタッフと一緒にセンター内の巡回に行くこともあるとか・・・w(゚o゚)w

いろいろなスタッフと仲良くなって、センターの隅々まで知っていそうですね。ひょっとしたらセンター勤務2年の私よりずっと詳しいかもしれません(苦笑)。…長期研修プログラムに参加している22カ国38名の先生たちは、2月半ばの期末試験、そして関西方面への研修旅行を終えるとまもなく、それぞれ国に帰っていきます。




Tuesday, February 10, 2009

世界の記念日 2月 ~&#9829;&#9825;日中韓のバレンタイン事情&#9829;&#9825;~






みなさま、こんにちは。蟹江です。


1月は各国の成人の日について、特集しましたが、2月はバレンタイン・デーについてお届けします。*♡





バレンタイン・デーの2月14日、日本では女性から男性にチョコレートを送りますよね。


そもそもバレンタイン・デーはイタリアのローマが発祥だそうですが、


日本でこういう風にお祝いするようになったのは、1950年から1960年ぐらいからだそうです。

*1





さて、今回は同じ東アジアの韓国と中国のバレンタイン事情についてお届けします!








まずは、ソウル文化センターから。*♡。*♡。*♡



韓国でも2月14日にバレンタインデー、3月14日にホワイトデーがあるのは


日本と同じですが、もう一つ4月14日にブラックデーというのがあるんです。


これは2月にも3月にも縁のなかった人が、男は男同士、女は女同士で、韓国


の子どもたちが大好きな国民的料理「ジャージャー麺」を食べるというもの。


ジャージャー麺には黒いアンがかかっており、これがブラックデーの由来と


なっています。


【ジャージャー麺ができるまで】


左(アン)、右(麺)


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アンをかけて、まぜると


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出来上がり!!


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あと、11月11日には「ペペロデー」なるものがあり、カップルでペペロ(日本


で言うポッキー)を食べるというもの。ポッキーも同じですが、ペペロの


形が1を並べたような感じなので、11月11日をペペロデーにしたんですね。


この日にはペペロの箱でハートマークを形作るカップルがいたりして、街は


ペペロで一杯になります。


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まあ、バレンタインデー同様、チョコレート会社の戦略らしいですが。


日本の「土用の丑」も元は鰻屋のアイデアから始まったものと言われていますよね。



ジャージャー麺美味しそうですね~


ペペロの箱の数を数えると・・・なんと10個! すごい!!


さて、その更にお隣の国、中国ではどんな風にお祝いするのでしょうか・・・?





北京日本文化センターにお聞きしてみました!。*♡。*♡。*♡



中国は広いので、地方によって違うかもしれませんが、北京や上海といった大都市では、


バレンタインデー(中国語で「情人節」)は恋人同士のお祝いの日として定着しつつあるようです。


日本と違い、男性が女性にバラの花やチョコレート等を贈り、レストランで食事するなどします。


男性が送るバラの花は、色によって花言葉が異なるだけでなく、本数によっても色々な意味があるようです。


例えば、11輪であれば「一」と掛けて【一心一意=一途な思い】とか


【一生一世只愛你一个=一生この世であなただけ愛す】となっています


、99輪であれば「九」と「久」の発音が同じであることから【天長地久=天地のように永久に変わらない=変わらぬ思い】といった具合です。


バレンタインの時期、日本の母の日のカーネーションの如く、バラの値段は急激に高騰します。


ちなみに、旧暦の7月7日の「七夕」(もしくは「中国情人節」)も、最近はバレンタインデート同じく恋人同士がお祝いする日として流行してきているようです。


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スーパーの果物コーナーにはバレンタインのプレゼント用にかわいらしく包装されたりんごが…。


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バレンタイン好適品が並べられた棚。チョコレートやペアのマグカップなど色々あります。ピンク色の紙には、バラの花言葉が説明されています。





バラの色による花言葉と、本数による花言葉の紹介。


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なぜか、2枚目には「日本では黄色いバラの花は別れる際の代表的な贈り物」という記述が…どこかのサイトからの引用でしょうか?f:id:japanfoundation:20090209133854j:image


3枚目一番最後、「贈るバラの本数が多ければ多いほど相手に対する思いが深いことを表しているとは言えません。男性は自分の経済力に見合った数のバラを送りましょう。女性にとっては一輪でも十何輪でも何十輪でも百輪でも意味は同じ。重要なのはあなたの誠意です!」とのこと…。


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日中韓、それぞれのバレンタイン事情、やはり大切なのは、誠意でしょうか・・・。


みなさまも、素敵なバレンタインをお過ごしください♥♡






Monday, February 9, 2009

 をちこち第27号「世界の研究者が見つめるNIPPON」☆制作担当者 後日談☆






こんにちは、くんしです。

既に手に取られた方もいらっしゃるかもしれませんが、「をちこち」第27号が2月1日に発行されました!




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くんしは表紙に釘付けになりました。白い背景にちりばめられる写真の数々。小さな写真がたくさん貼られているので一見モザイク模様のようにも見えるのですが、ぜひ一枚一枚ご覧になってみてください! これぞ、「あー、あるある!」っと納得してしまう、ステレオタイプに収まりきらない東京の風景の数々。満員電車のドアを駅員が閉めている風景、NHKのななみちゃんの人形の周りに集まる子どもたち、高層ビルから見た東京の夜景、夜の駅に横たわるホームレス・・・。*1




と前置きが長くなりましたが、さっそく本題に。をちこち担当者のYさんから、発行後日談もとい裏話を聞きました。







☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




日本が国際社会で活躍していくために重要なのは、日本を正確に理解してもらうこと。そして、そういった正確な理解が継続すること。そのためにも、日本を研究している海外の学者さんたちを、サポートしていく必要がある。




そういったことから、日本研究は、国際交流基金の活動の柱のひとつとなっています。「をちこち」としても、それをとりあげることになりました。

とってもマジメで堅く聞こえるかもしれませんが、面白い話も多々あります☆




ずは、猪木武徳先生(国際日本文化研究センター)が、じっくり読ませるページを執筆。これを読めば、日本研究がどのように変わってきたのか、ということも、一発でわかります。

国際交流基金賞を受賞したケネス・パイルさんと、実務家の立場から日本とのつながりの深いグレン・フクシマさんとの豪華対談。日本は、今、漂流しているように見えるけれど、「日本が積極的に国際貢献をするときが近づいている」という、前向きなメッセージが。




れから、いろんなNIPPONを研究している先生方に、ぞくぞくと登場していただきました。ヤクザにジャズ文化、シャーマンに数河獅子、米軍基地に日本企業、闘牛とくも合戦。まだまだあります。

なぜ、こんなNIPPONに興味をもったのか、実際にどのように日本の街を歩いて、人の話を聞いたのか、面白いエピソードが満載。

私自身も、くも合戦って何?ヤクザさんと仲良くなっちゃう!?ジャズ喫茶ではお喋り禁止??シャーマンに会ったら何を言われちゃうんだろう・・・・などなど、楽しみながら、自分が知らないNIPPONをたくさん教えてもらいました。



れ以外にも、シカゴをベースとした小説で有名なステュアート・ダイベックさんが来日したとき*2の話とか。(しかも、あの柴田元幸先生とダイベックさんの対談に、柴田先生のショート・エッセイつき())

ぜひぜひ手にとってみてくださいね!




話といえば、

ジャズ喫茶に詳しいモラスキーさん。原稿のやりとりをメールでしている中で、オススメのジャズ喫茶を教えてもらっちゃいました。仕事が落ち着いたら、一軒ずつ制覇するつもりです(笑)

ヤクザ研究。どういった画像を使うのか、頭を抱えました。××組の写真を使うのは、ちょっとコワイしと、思っていたところ、デザイナーさんが束芋さんのすてきな作品を探し出してくれました。(束芋さん、ありがとうございます☆)




して、次号は、ヨーロッパ。「ドナウ川流域」を特集します!

西欧と東方の中間地域であり、複数の民族・宗教(文明)の接点。東にロシア、南にトルコが存在し、そして西欧を向きつつ、そうはなりきれない。「間性(あいだせい=間に挟まれている意識)」のドナウ地域にせまります。どうぞお楽しみに!



*1:写真家のクリス・スティール=パーキンスさんが、東京のイメージをコラージュによって表現した作品です。

*2:2008年10月20日~11月1日、ジャパンファウンデーションの文化人招へい事業で来日されました。




Friday, February 6, 2009

[みなさんへの]『地球のステージ ありがとうの物語』



久保田です。今日は1本の映画を紹介させてください。




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先週の金曜日、JICAの大先輩とお酒を飲んでいるときに

この映画のことを聞いて、見に行ってきました。




タイトルは『地球のステージ ありがとうの物語』

2月20日まで東中野ポレポレ座で上映中です。

関連ウェブサイトはこちら。




東中野ポレポレ座 http://www.mmjp.or.jp/pole2/ 

本作ウェブサイト http://officeraft-qua.co.jp/e-stage2.html

地球のステージ  http://www.e-stageone.org/index.html




2月1日の最終回、急遽決まったこの映画の主人公、桑山

紀彦医師によるトークとライブも偶然聴くことができました。




トークのなかで桑山さんは

戦争がいまも続く国に住む人たちに「何が一番恐い?」

と尋ねた話をしてくださいました。すると返ってきた答えは





「戦争も恐い。だけど一番恐いのは(世界の人々に)忘れられること」





桑山先生は続けてこんな主旨のことを仰っていました。





今日、会場に来てくれた人たちは、自分の意思で、

この映画を観ようと関心を持っている方々だと思います。

この自発的な関心の蓄積こそが希望です。





僕自身は、映画の率直な語りかけに心を動かされました。

そして「無関心から遠く離れて」という姿勢は

ジャパンファウンデーションが目指すものと

深く繋がっているんじゃないかと思いました。




このブログを読んでくださっているみなさんのなかで、

もしご関心をもってくださった方がいらっしゃいましたら、

上映期間中にぜひ東中野ポレポレ座に足をお運びください。




Thursday, February 5, 2009



○。*【速報!】地球市民賞授賞式が行われました。○*

昨日、国際文化会館にて、地球市民賞授賞式*1が行われました。







今回の2008年度の受賞団体*2


☆ 特定非営利活動法人S-AIR (北海道札幌市・柴田尚代表)


☆ 特定非営利活動法人大泉国際教育技術普及センター(群馬県大泉町・高野祥子代表)


☆ スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会(富山県南砺市・橋本正俊実行委員長)


の3団体。


蟹江もお手伝いとして、地球市民賞授賞式に参加しました☆ 授賞式では、各団体からのスピーチが行われました。


今日は、少しだけその様子をご紹介します。





。*.” 。*.” 。*.” 。*.” 。*.” 。*.” 。*.” 。*.” 。*.” 


特定非営利活動法人S-AIR は今年が設立10周年だそうです。


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代表、柴田尚さんは、設立当時は、「アーティスト・イン・レジデンスをやりたい」、という強い意志がとにかくあって、


英語も他の語学もまったく出来ない中、アパートの101号室、102号室に海外アーティストが住み、103号室に事務居のスタッフが住むという


まさに24時間体制の国際長屋だったそうです。








スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会は、地元が「ワールド・ミュージックって何?」というところから、


活動を開始し、今では地元の方々が各国の伝統音楽を演奏するなど、地域に世界の文化を根付かす一助となっています。


授賞式後のレセプションでは、このフェスティバルと関係の深い、セネガルのアーティストによるパーカッション・ライブが行われました。


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素晴らしい受賞団体の中でも、蟹江が個人的に特に印象に残ったのは、


大泉国際教育技術普及センターでボランティアとして活動している、群馬の大学生のスピーチです。


彼らは、大泉国際教育技術普及センターの卒業生だそうで、彼ら自身が、小学校のまだ10代のときに来日し、まったく日本語が出来なかったそうです。


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「日系人としての誇りを持ってこれからも頑張っていきたい、将来は日本語とポルトガル語とを使って、日本とブラジルをつなぐような仕事がしたい」


という話しを聞いて、「地球市民」の1人として、これからも頑張っていってほしいと思います。




*1:地球市民賞とは、単なる交流や相互理解を超えて、地域の変革や活性化につながる国際的な地域間交流や文化交流、相互理解の促進に貢献された団体・個人に贈呈しています。


*2:授賞団体の詳細はコチラ→ http://www.jpf.go.jp/j/about/citizen/08/chiiki08.html#01