村上春樹さんの最新長編小説が今年の初夏に発売されると聞いて
もう居ても立ってもいられない久保田です。
全世界に流れたエルサレム賞のスピーチもかっこよかったですよね。
社内でもかなり話題になっていました。
さて、今日は毎年恒例の会社説明会潜入レポートをお届けします。
今年の説明会は<基礎編>と<応用編>の2種類。
<基礎編>は当基金の就職説明会に初めて参加する方に向けて
<応用編>は学内セミナー等で既に参加したことのある方むけに開催されました。
説明会はどの回も満席の盛況ぶり。
残念ながら来られなかったみなさん、申し訳ありません!
実は僕も<基礎編>に「先輩職員」の1人として参加しました*1。
潜入取材を決行しました<応用編>のほうもあわせて
印象深かった質疑応答のやりとりをご紹介してみたいと思います。
【日本研究・知的交流分科会の様子】
質問1:私は企画の立案に興味があります。
職員は企画の立案にどの程度、関わることができるのでしょうか。
これは<応用編>2日目の日本研究・知的交流分科会で出た質問です。
やはりみなさん、自ら企画を発案することに興味をお持ちのようですね。
これについてはすでに2年前の会社説明会でもやりとりが行われており、
オレペコさんが過去に取り上げていらっしゃいましたので、
こちらをご覧ください。先駆的・創造的事業も含めて、
いまもだいたい同じだと思います。
僕個人としては、もちろんいつかは自分でも企画を立案してみたいけれど、
いまはまだまだ実力不足、もっと地力をつけてからだな、と思っています。
僕も基金を受験していたとき、エントリーシートや面接の場で、
「こんな企画をやってみたい!」と意思表明していました。
ただ、働きはじめて実感したのは、自分からよい企画を発案し、
それを最後までやりとおすのは、想像以上に難しい仕事だということでした…
なんて、僕の弱気発言なんかに受験者のみなさんは囚われないでくださいね。
さて次の質問です。
【文化芸術交流分科会…ではなく日本語教育分科会の様子】
質問2:事業の評価はどのように行われるのでしょうか?
この質問は<応用編>2日目の文化芸術交流分科会で(2回も!)
出ました。ジャパンファウンデーションの事業をどう評価するか。
参加者のみなさんが「評価」に(かなり強い)ご関心をお持ちと
いうことにちょっとびっくりしましたが(すばらしい着眼点!)、
この古くて新しくかつ重要な問題に対して職員はどう答えたのでしょう?*2
たとえばある展覧会の事業評価を行うときには、
来場者数といった数値やアンケート調査を通じた
満足度を基本的な評価の材料とします。
調査は1つのイベントごとに行われるのですが、
この調査だけでは零れ落ちてしまう点があります。
その一つは、私たちは事業の成果を1つのイベントの枠内
だけで考えていないことと関係があります。
例えばパリで日本の生活雑貨の展覧会を開いたとします。
その展覧会に興味を持ってくれた現地の芸術家の方々が
現れたら、次はその方々と展覧会出品者とでコラボレーション
ができないかとか、あるいはその方々を日本へお招きして
さらに日本の生活雑貨の様式美への関心を深めてもらおうとか
いうふうに次のステップを考えます。
1つの出会いが、次の出会い、また次の出会いへとつながっていく。
そのような中長期にわたる事業の成果を、現在の評価方法では
はかることができないのです。
事業評価はまさに現在進行形の課題だといえると思います。
この受け答えを聞いて「そうやって漏れてしまう視点があるのか」
と唸ってしまいました。
昨年行われた若手の社内勉強会や、ジャパンファウンデーションも
非常にお世話になっている評価の専門家、東京工業大学の
牟田博光先生をお招きしての内部向け講演会などを通じて、
事業評価は進化の真っ只中である一方、かなりのところまで深く
評価できるんだという感触を得ていたのですが、
評価という課題はまだまだ奥が深いんだなと改めて感じ入りました。
そして最後の質問。
質問3:私は政府系団体を回っています。JFの理念は
例えばJICEの掲げているそれと重なる部分も多いように感じましたが
そのあたりをどう考えますか。
これは<基礎編>初日に出た質問、この問いもまた
古くて新しいものだと思います。大局的には
ジャパンファウンデーションと他の政府系機関、
他の民間のアクターとの関係は?
ジャパンファウンデーションの独自の存在意義は?
というふうに言い換えられるのではないかと思います。
このときの回答者は僕でしたが、この問いを奇貨として
そのあとも、もう少し考えてみました。
と、ここまでで少し長くなってしまったので、
質問3を巡っての記事はまた次回にしたいと思います。
といいつつ、また弱音になるのですが、最近すごく忙しいんです…
書けなかったらごめんなさい。