Wednesday, February 28, 2007

会社説明会の季節です!



みなさんこんにちは、オレペコです。

このブログでも先日から「国際交流の舞台裏」と題して職員紹介シリーズを始めていますが、先週の金曜日から、6回にわたる「会社説明会」が始まりました*1!というわけで、残念ながら来られなかった方のためにも、潜入レポートをお送りしたいと思います。≡≡≡ヘ(*゚∇゚)ノ


f:id:japanfoundation:20070228154123j:image:w230 <2/23 説明会の様子>





まず、会社説明会の構成は、


 


 1.会社説明ビデオの上映(10分)


 2.採用についての説明(10分)


 3.若手職員からの業務紹介(20分)


 4.Q&Aコーナー(20分)





という流れ。全体で1時間という限られた時間の中、できるだけ効率よくみなさんに基金像、あるいは「基金で働くということ」の具体的に抱いていただけるよう、職員とのコミュニケーションに多くを割いた構成となっています。


今回基金から参加した若手職員は3名(総務課、舞台芸術課、日米センターの3部門より)。彼らにぶつけられた、学生の皆さんからの質問とそれに対する回答からいくつかピックアップしてご紹介しましょう(^^)





:業務紹介の中で「六カ国協議の勉強会」のお話が出てきましたが、こういう勉強会などは頻繁に行われるのですか?



:事業の直接の担当者だけでなくても、関心のある職員は、JFがお手伝いをして実施する舞台・映画祭等を観にいったり、内部で開催される専門家のワークショップに参加したりできます。すべてがJFで仕事をする上で非常に勉強になりますし、海外の劇団の公演情報をいち早く手に入れて見にいったりできるのは、ある意味「お得」とも言えます。





また、イタリア語、スペイン語などの語学の勉強会などはお昼休みを利用して有志が積極的に実施しています。海外事務所の駐在経験者や、英語以外の言語を話せる職員がたくさんいるので、講師には事欠きません(笑)。また、JFが派遣したいろんな分野のフェローの帰国報告会や、招聘している研究者による勉強会なども頻繁に開催されており、自由に参加することができます。



:日本語教育事業について、専門員としての採用もあるかと思いますが、この分野で、総合職の職員はどのような役割を果たしますか?


:専門職の先生方は、浦和関西の日本語センターで外国からの研修生に日本語や日本語教授法を教えたり、年に1回実施する「日本語能力試験」の問題作りなど、まさに日本語教育の専門家として事業に参加されます。一方、職員は、日本語の専門家ではないので、日本語の先生の海外への派遣や海外からの研修生の受け入れ事業、教材の制作や日本語教育機関の調査などの事務局、研修事業であれば日本語教育以外の研修生の日本での生活のケアや研修全体の運営管理などを主な業務とします*2



:主に文化芸術交流事業において、演劇など、実施する事業の企画やアイデアは職員から募るのでしょうか?


:どのような事業を実施するかについて翌年度の計画を立てる際には、現場である海外事務所や外務省の在外公館からの要望を取り入れながら決めていきますので、職員が一から提案して実施する事業というのは多いとはいえないかもしれません*3。しかし、いくつかの事務所や公館から似た要望が出てきた場合には、いずれの事務所・公館の要望も満たすことができるような事業を選んで巡回させるなどのアレンジは職員が考えます。



:国際交流に携わっている他の団体(財団やNPO等)とのネットワークはあるのでしょうか。


:最近は特に、NPOや他団体との連携を重視しています*4。また、基金は海外にも拠点を持つ、国の唯一の文化交流団体として、これまでに蓄積されたたくさんのネットワークや情報がありますので、内外の交流団体の間で積極的に仲介的機能を果たしてゆきたいと考えています。



他にもいろいろご質問があったのですが、紙面の関係もあるので主に関心が高いと思われるものをピックアップしました。おゆるしください。m(_ _"m)ペコリ





ところで、この会社説明会に参加してくださった皆さんからのコメントを拝見していると、 



 ・先輩社員の話が中心で、仕事への思いがよく伝わったのでよかった


 ・なぜ基金に入ったのかや、実際仕事をするなかでの面白い点、辛い点の両方について率直かつ具体的な話が聞けたのでよかった



と肯定的に評価してくださる声がある一方、



 ・時間が足りなかった。会社説明のビデオも全部見られなかったのが残念だった


 ・仕事の具体例をもっとじっくり聞きたかった


 ・研修制度や採用情報についてもっと情報がほしかった



という声も多くいただきました。


これから5回開催を予定している会社説明会では、いただいた率直なご意見を参考に、より良い説明会となるよう工夫していきたいと思います!




*1:好評につき、当初5回の予定を6回開催とし、さらに東京で行う説明会の定員枠も当初の予定より増やさせていただきましたが、残念ながら3月14日の回を除き、いずれの会も既に満員となっております。(2月28日現在)(3月14日の回も残席わずかです)  ただし、今後キャンセルにより空きが出る場合もありますので、ご興味のある方は時々ウェブサイトをチェックしてみてください。また、説明会の参加が選考を左右することはありませんので、ご出席いただけない方もご安心ください。


*2:日本語事業部の職員による担当業務紹介はこちら


*3:通常の事業の枠組みのほかに、このブログでも何度か紹介しているように「先駆的・創造的事業」という社内の事業の公募制度があります。ここでは、若手もシニアも同じ土俵で、事業のアイデアを競いあうことができます。先日ご紹介した「動画スクエア」もこの枠組みから生まれたものです。


*4:たとえば、地方公共団体や他の民間団体などが主催する国際交流フェスタにも積極的に参加しています





Tuesday, February 27, 2007

国際交流の舞台裏~Vol.2 :試験課Iさんの場合~



みなさん、お待たせしました!!職員採用の季節とあわせて、職員の生の声をみなさまにお届けするこのブログ企画、第2弾をお届けします☆!*1先日2月23日(金)にはついに第1回目の会社説明会を行いました。満員で会場に来られなかった皆さんにも参考になるような記事になれたらと思います。





今回ご紹介するのは平成19年度で4年目、ただいま日本語事業部試験課で活躍されている、晴の日は自転車通勤、牛乳大好きなIさんです!


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<Iさんのデスク周辺、このブログの下書きを確認しています。>


まずは略歴から~


===========略歴======================


1994年 4月 町会青年部(後述)入部


1997年 4月 文学部入学


         社会学を専攻する予定も、高校で国文法好きだった身には


         一般教養の日本語学の講義があまりにも面白く、


日本語学・言語学系を中心に軌道修正


1998年 3月 友人にいざなわれマレイシア初渡航。以後年々渡航回数が増加


2001年 3月 学部卒


2004年 3月 修士了(東南アジア政治。修士論文はマレイシアの言語政策について)


     4月 国際交流基金入社 経理部会計課配属


2006年 4月 日本語事業部試験課に配置換


=====================================





基金への就職に至るまで

 学部時代に日本語教育に関係することを勉強するなかで、国際交流基金の存在を、『日本語初歩』『日本語中級』といった教材を制作したり*2日本語能力試験を主催したりするなどして日本語教育を推進している政府関連団体、として認識するようになりました。ある晩、都内の駅で泥酔していた韓国人日本語教師二人組に道を聞かれ、二人の研修先だった国際交流基金日本語国際センター最寄りの北浦和駅まで送っていったことがある、という逸話もあります。





 修士課程では、その頃までに関心分野の重心の変化があり、マレイシアへの興味を背景に東南アジア政治のゼミに入りましたが、1年目も終わりに近づいた頃、ようやく修了後の進路を考え始めました。もともと修了後は少なくとも一旦は就職するつもりではあったのですが、関心分野の変遷に象徴されるように、自分は一つのことを学問として徹底的に極める種類の人間ではなく、それよりもある程度の専門性を背景に仕事をするほうがふさわしいのではと思い、真剣に就職を考えるようになりました。





 学部時代の経験を踏まえた日本語事業への関心や、修士課程での異文化社会研究の経験、そして後述するような町内活動における日本文化実践(大げさな言い方ですが)の経験を総合的に生かせそうな職場、そしてマレイシアへの転勤の可能性のある職場として国際交流基金が頭の中に再登場してからは他の会社への就職は全く考えられなくなり、実際他社の就職試験は一切受けませんでした。いわゆる就職サイトも利用したことがありません。無事採用されてただただありがたい限りです。





基金での仕事について 


 入社試験の面接時に、高校時代から町内活動(町会の青年部。祭礼、ラジオ体操、餅つき、火の用心などといった町内行事を年配の町会役員と協力して運営する。)に従事していること、当時そこで会計を担当していることに言及し、「会計という役は、金勘定をしていればよいのではなく、1年の中でいつどういう行事があり、どういうものを準備しなければならないかを常によく把握している必要があることを身に染みて感じた」という感じのことを言った記憶があるのですが、そうしたら最初の配属先は経理部会計課でした。





 実際、金勘定ではなく「財産管理」をまず担当することになりました。職員宿舎と呼ばれる社宅のような大きなものの契約・維持に関することから、事務消耗品の予算管理に至るまで幅広い業務を担当しました。他に「契約審査」の一部も担当しました。業務遂行にあたって結ぼうとしている契約の内容や手続き、また数字等に問題がないかどうか、書類を審査する業務ですが、さすがに入社まもない新人には無理な話ですので、比較的定型的な(職員や外部専門家の出張、派遣等の)旅費の支出・精算の審査のみ担当しました。自分自身旅行好きかつ旅行計画好きで、出張旅費計算の書類とほとんど同じ内容のものを普段から自分で旅行前に作ったり、旅行後にレシートを並べて(旅の思い出に浸りながら)かかった費用の確認をしたりしていたので、これは個人的には実に楽しい業務でした。





 次に「出納」の担当になりましたが、これは専門家、外部業者、海外事務所等への金銭の支払い手続きやそのスケジュール管理が主な業務です。会社柄海外送金も多く、イレギュラーな事態も間々発生するので、毎日銀行の担当者とのやり取りが続きます。





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<2006年12月3日に実施された日本語能力試験の様子>

 全体的に会計課の仕事も嫌いではなく、人間環境も非常に居心地のよい部署だったのですが、ちょうど2年で当初からの希望部署である日本語事業部に異動し、試験課に配属になりました。試験課は、(日本語を母語としない人のための)公的な一般向け日本語試験として唯一最大である「日本語能力試験」*3の海外における実施を担当しており、年に1回の試験に向け、段階を追って必要な資材を手配して世界各地の実施機関に送付しつつ全体を統括したり、試験実施に関する方針を決めていく専門家の会議を運営したりするのが主な業務です。会計課で私が担当していた業務は月に6回ある支払日を基準に5日単位で仕事が回っていましたが、試験課では1年単位で仕事が回っているという点で大きな違いを感じました。さらに、日本語能力試験の改定に向け、数年単位の仕事も進んでいます。また、事業部門の他の部署では各担当者がそれぞれ個々のプロジェクトを担当する、というスタイルが多いですが、各担当者で仕事を分担しつつ課全体が1つのプロジェクトに向けて進んでいるという点は、試験課の特徴です。(横浜トリエンナーレを運営しているトリエンナーレ準備室なども同様かと思いますが。)現在は、異動後初めての試験も終わり、ほっとする間もなく早速2周目に突入したところです。


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Iさん、ありがとうございました。


管理部門での業務内容などはあまり想像できないことも多いので、具体的な様子を知れて潮風も参考になりました。


ちなみに試験課は今後、新たに「試験センター」として日本語能力試験の改定など、業務を拡充させていこうと検討中です!!


では、そんなIさんの試験1ヶ月前のとある1日の様子はこんな感じだったそうです。


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*1:バックナンバー⇒国際交流の舞台裏~Vol.1 海外事務所で働く醍醐味:堀川さんの場合~
毎日就職ナビにも職員の声が載っています


*2:潮風より:『エリンが挑戦!にほんごできます』関連でもご紹介している、日本語国際センター制作事業課の事業のことです。


*3:潮風より:2006年は12月3日に実施され、ブログでも関係者皆さんの声をご紹介しましたー
  世界につながる日本語学習者の輪(学生編)
  世界につながる日本語学習者の輪(先生編)





Monday, February 26, 2007

★2007年は日印交流年です★(「アジア4カ国共同演劇・後編)






普遍性をかなり意識したイランやウズベキスタンと、どこまでもインド色の強いインド。共同演劇が完成するまでにはどんな困難が待ち受けていたのでしょうか?前回に引き続き、「アジア4カ国共同演劇」の後編をお届けします!


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<稽古風景>                   <会場に列をなす人々@ニューデリー>





敵か? 味方か?  




:そんなインドと準備万端のウズベキスタンとイランでは、ことはスムーズには進まなかった。


:言葉の問題もありますし。共通語が英語だと、どうしてもインド人が有利になるでしょ。


:インド人にしゃべられたら、ストレス溜まりそうですねえ(~ヘ~;)。


:言葉だけじゃないですけど。やはり、人との関係性の問題ですね。作業が始まって1週間くらいして、なにかうまくいってないと感じて、稽古が終わってから安い食べ物を用意して、パーティーを企画したんです。そしたら、え?っていう感じ。みんな即、大爆発で踊りだして、大ディスコ大会。


:コミュニケーションがスムーズになった。


:それでも、作業に戻るとまたいろいろある。で、今度はインドの俳優さんたちが週末に、他の国の人たちを地元のクラブに誘ったの。だれも行かないだろうって思ってたら、全員参加して、また大騒ぎ。やりすぎでお店に怒られちゃって。


:これで、みんな友だちになった。


:いや、やっぱり敵(笑)。ウズベキスタンとインドは、キャリアの豊かな演出家で、ウズベキスタンは自分の確立したスタイルを迷わず出してくる。インドの演出家はせっかく環境が整ってるんだからと、新しいことに挑もうとするタイプ。イランの演出家は一番若手で、負けるかっていう意地がある。






完成へ


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:でも、今は初演が終わって、演出家は3人とも、お互いがどんな物語をどんな手法で提示してくるか、わかってますよね。


:ええ、公演が終わってから大ミーティングをやって、問題点を洗い出しました。今は各自が自分の国で、それを熟成させているところです。


:10月の日本公演で完成をむかえるわけですね。


:初演させてもらったインドには申し訳ないですけど、日本で見るほうがオイシイでしょうね。(゚∇^*) テヘ♪


:インド人も日常から離れた世界で演劇に打ち込めるわけですね。


:インドは順番が最後だから、大団円を締めくくる責任とおもしろさを背負っていますし。


:では10月の日本公演を楽しみにしています。この『演じる女たち』のウズベキスタン・パートと繋ぎの音楽を担当したウズベキスタンのアルチョム・キムさんの音楽は10月の公演に先行して聴けるんですね。


:そう、彼は、3月に日本公演をするウズベキスタンのイルホム劇場の作品でも音楽を担当しています。

:それはマルク・ヴァイル演出によるプーシキン原作『コーランに倣(なら)いて』ですね*1。なんだかウズベキスタンづいてますね。(~O~;)


:このプロジェクトを始める時、ウズベキスタンからオブリヤクリ・コジャクリマルク・ヴァイル、どっちに入ってもらおうか、すごく迷ったんです。2人はまったく違うスタイルだけど、どちらも捨てがたい。最終的に、共同制作にはオブリヤクリを選んだんですけど、マルクもぜったい紹介する必要があると思って、彼には自分の作品で日本に来てもらうことにしました。


:では、『コーランに倣いて』も楽しみにしています。



インドでの公演は、お互いの作品を全く知らない状態から一つの作品に仕上げていった。それにはそれの、ダイナミックなおもしろさがあると思いますが、10月の日本公演までには、じっくりと練り上げる時間が与えられている。・・・ということで、全体として、どのような変貌を遂げるのか、ひじょーに楽しみですね!この、日本公演については、このブログでもまた取り上げていく予定ですのでお楽しみに!!!




*1:今度の週末、3月3日と4日は長野公演、8日~11日が東京公演です!詳しくはこちら





Friday, February 23, 2007

★2007年は日印交流年です★(「アジア4カ国共同演劇・前編) 



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表題にあるように、実は今年は、日本とインドの文化協定締結から50周年を祝って様々な交流行事を行う「日印交流年」に指定されています!*1去る1月7日~8日、その幕開けを飾るアジア4カ国(インド、イラン、ウズベキスタン、日本)共同演劇『演じる女たち--メデイア、イオカステ、クリュタイメストラ』がインドのニューデリーにて開催されました。「ギリシャ悲劇の女性」という共通テーマのもとに、どのような創作活動が行われたのでしょうか?今回は、「日本・南アジア5ヵ年計画」作りに携わった足澤さんが、この演劇をプロデュースした畠さんにインタビューしてくれました!早速どうぞ。





変わるインド



足澤(以下、足) :畠さんはずっと複数の国による共同制作演劇を手がけますよね。今回は、どんなものですか。

:3人の演出家が、ギリシャ悲劇の女性を素材に今日の世界を描くというプロジェクトです。ウズベキスタンのオブリヤクリ・コジャクリが「メデイア」、インドのアビラシュ・ピライが「トロイアの女」、イランのモハメド・アゲバティが「オイディプス王」を使っています。日本からは現代アートの中山ダイスケさんが舞台美術で参加しているほか、照明、音響などを担当しています*2


:3年間の準備を経て1月にニューデリーの国際演劇祭で無事初演。2007年は日印交流年として日本とインドでさまざまなイベントが行われます。今回の『演じる女たち』初演はそのさきがけですよね。ご成功おめでとうございます。大変だったでしょう。


:ほんとうに大変でした。劇場の舞台技術責任者が意地悪で…。


:そんな インド的な 大変さじゃなくて(笑・(-_-;)(;-_-) チガウチガウ)。パンフもかっこいいですよね。


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:ええ。事前に何人かの候補者の中から一番いいと思ったデザイナーさんを選んでいました。日本にいる時からやりとりはしていましたが、インドに着いてすぐに1週間くらい、コンピュータの前にいっしょに座って作業したんです。


:パンフのデザインは昔、畠さんがいろんな南アジア芸能を初来日させてたころ、ヌスラット・ファテ・アリ・カーンが来たときやクリヤッタムとかのパンフを彷彿とさせますよね。


:今回のデザイナーさんに渡したサンプルは日本のデザイナーさんのものですが、アジア的デザインを意識したものだったので、それに逆にひきずられたかもしれないですね。


:引きずられたというか、インド人デザイナーにとっては、これでいいんだ、って感じ? ホームグラウンドでデザインできたのでしょう。全体が統一されて美しいですね。色とかも。


:でも、色ではもめたんですよ。


:このピンクっぽい色?


:そう。テーマが女性だからって女性っぽい色はいやだったの。でもデザイナーさんは紫が好きな人で、「これはピンクじゃない、薄いムラサキなんだ」って。


:きれいな発色ですよ。全ページカラー印刷だけど、それもきれいだし。インドで印刷したとは思えない。

:昔みたいに3原色がずれて3Dになったりしてない(笑)*3


:インドも変わった。


:そうなんです。お客さんも、新しいものを見ることに馴れて、洗練されてきた感じがしました。


:昔はインドで西洋音楽の公演があったりすると、楽章のあいだでも、とにかく、音がやめば拍手してましたよね。インド音楽はシタールでもボーカルでも即興するので、今そのメロディが良ければ、それをその場で褒めるのが常識だから、良いと思えば素直に反応しますよね。


:演劇でも、少し前までは暗転のたびに拍手が起きて、演じるほうが戸惑ってましたけど、今回は最後の最後まで見届けるという態度で見てくれました。



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<参加国の役者が集まっての稽古中の様子1>  <稽古中の様子2>  





インドはインド




:客席がまとまってたにしても、舞台はどうですか。イラン、ウズベキスタン、インドの3原色なんて全然重ならないし、混ざらないという感じなんですけど。


:まあ、女性というテーマだけが共通で、3ヶ国の3人の演出家がそれぞれ作品を作って持ち寄った格好ですからね。


:それをつき合わせて、練って、まとめていったんですか?


:基本的には各自が作ったものはそのまま並べて―ウズベキスタン、イラン、インドの順で―、各パートの間の繋ぎを新しく創ることで、全体としてのまとまりを出そうとしました。


:どうしてその順序になったんです?


ズベキスタンは、問題を提起する形でした。ランは内省的。ンドは今日的な世界に言及するような展開。で、このような順番になりました。


:実はすごくまとまった作品になってる?


:テーマにはそうかな。でも、スタイルは3人ともまったく違うから、見た目にはバラバラですよ。┐('~`;)┌ ズベキスタンはスタイリッシュな衣装とオペラ的なスタイルで全体に様式美の世界。ランはミニマルっぽい現代の感じがするし、ンドは実験的です。


:それは各国のカラーが出ているからですか?


国のカラーが一番強く出ているのは、インドですねランは、衣装とか目に見える個性を取り去ったら、どこの国の演劇かわからないくらいような普遍性をむしろ意識しています。ズベキスタンは、衣装や音がとっても中央アジア的ではあるんだけど、内容的には割とシンプル。ンドは衣装や音楽を取り去ってもまだまだインドが見える、という感じですね。


:斬新で実験的なのに?


:そうなんです。ズベキスタンもランも自分たちの社会について意識的に批評的なんですが、批判の先にあるのは割と普遍的な内容。ンドは、言いたい放題言ってると、それがインド的になる。


:自分のコアにあるインドをためらわずに出せる。ということは、インドはお坊ちゃんなんだ。


:国立演劇学校があって演劇の高等教育の必要性と地位が認められているし、演劇的に恵まれた環境だとは言えるでしょうね。


:しかも、そのインドがニューデリーという地元で上演するから、なおさら余裕があるんですね。


:その余裕は悪く働く場合もありますけど。


:というのは?


:上演1ヶ月前に集まったら、インドだけ、ぜんぜん仕上がってなかった(笑)。


:インド的ですね。でも、インドでは音楽でも詩でも、みんな、即興が基本で、その場でどんどん作っちゃう。


:だけど、地元にいるというのはある意味、損ですよ。よそから来たら、泊り込みで、自分の日常とは切り離された場で、その作品に打ち込めますよねえ。


:インド人は自宅に帰って日常の仕事までこなしながら、大イベントに参加しているわけですね。


:彼らも、海外でやるならもっと早く仕上げようとするんでしょうけどね。 (つづく・・・)



共通事項はテーマだけ。それで集まってみると、国によってこんなに個性がでるんですね!これこそ共同制作の醍醐味ではないでしょうか。はじめはぎくしゃくしていた現場を、どうやって盛り上げて本番に臨んだのか、、、次回はそのあたりを聞いてみたいと思います。ヽ(^◇^*)/




  • - - - - - - - - - - - - - - -




*1:外務省の公式ホームページはこちら。以前このブログで2006年は「日豪交流年」とご紹介したことがありますように、毎年、日本といろんな国との外交関係の記念年が設定されているんですよ。今年はインドのほかにも、中国、タイ、マレーシアなどとの間でも記念行事が予定されています。


*2オレペコより:それぞれの方の略歴等はこちら


*3オレペコより:なんともインドらしいですね(^^;)自然に3Dになってたなんてヾ(ーー )ォィ





Wednesday, February 21, 2007

 JOY FACTOR~楽しいと思えること;ワクワクする気持ち(後編)~ o(*^▽^*)o~♪






今日は、先日ご紹介した、日米センターの「イノベーターズ・プロジェクト」後編をお届けします。担当の稲田さん、"JOY FACTOR"という言葉がずいぶんと印象に残ったようですが、、、その理由を聞いてみましょう!!!


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前回からの続き)・・・ソフィアバンクの田坂広志氏が紹介した"Joy Factor"というキーワードがとても印象に残りました。"Joy Factor"とは、一人一人が持っている、喜びや遊び心、楽しさといった気持ちのことです*1





これまでの社会は、「お金が儲かるかどうか」を基準とする市場原理や経済性などのマネタリー・エコノミーの原理に従って動いてきました。しかし最近では、ボランタリー・エコノミーが大きな影響力を持って、社会のあり方を変えようとしています。ボランタリー・エコノミーとは、マネタリー・エコノミーとは対照的に、お金儲けのためではなく、働き甲斐や他人を幸せにすること、人の役に立つこと、自分を進化させること、可能性を花開かせること、人間としての成長など、喜びや遊び心、楽しさといった"Joy Factor"を原動力とするものです。




例えばブログやmixiなどのSNS*2。お金が儲かるわけではないのに、自分の思いを表現したい、他人にも聞いてほしい、共感してくれる人と思いを分かち合いたい、という気持ちから自発的に、しかも爆発的に広がっていきました*3。他にも、ウィキペディア(知識を人の役に立てたい)やアマゾンのカスタマー・レビュー(感想を伝えたい)、YouTube(他の人にも観てもらいたい)など、最近話題になっている大規模なシステムも、みんなのJoy Factorの集積で成り立っているのです。Joy Factorが今日の社会に及ぼしている影響力・重要性がよくわかるでしょう。 ぉお!!(゚ロ゚屮)屮





田坂氏は、情報化社会の進展によって、これまで専門家が独占していた知識を、今は誰でも簡単に入手できるようになっている、言い換えれば、知識が価値を失っている時代になったと言います。すると今度は、言葉で表せないような、知恵、直感、想像力、センス、テクニックに価値が移り、人々はこれらを求めるようになっていくと予測します。となると、Joy Factorの重要性は益々高まっていきます。

そうした中で、Joy Factorを持ち続け、発揮していくためには、「偶然を楽しむ」こと、人生は一度しかないものだから、「すべての瞬間にオープン」であることが大切で、また、目に見えない価値、自分のやっていることがどれだけ社会に貢献できるかに気がつくことも重要だと説きます。最後に『人生はアート』だとおっしゃいました*4





こうした話を聞いているうちに、 国際交流という活動もJoy Factorによって成り立っている ことに気が付きました。日本のことを知ってもらいたいとか、外国のことをもっと知りたい、世界中の人とコミュニケーションをしてみたい、といったみんなの持っているJoy Factorが国際交流の原点ではないでしょうか。





前半で説明したとおり、これまでのようなジャパン・ファウンデーションが中心になって、海外で日本を紹介したり、国内で海外文化を紹介するような文化交流のやり方だけではなく、これからは日本人も海外の人も一人一人が持っている、国際交流に対するJoy Factorが実現できるように、ジャパン・ファウンデーションはそのお手伝いをしていくような活動が求められるのだと思いました。






なるほど~。国際文化交流のあり方を考える上でも"Joy Factor"はひじょーに重要なわけですね!


ちなみにオレペコは注釈4でも紹介している田坂さんのご著書『これから何が起こるのか~我々の働き方を変える「75の変化」~』で印象に残っていることばがあります。それは、



「ユビキタス革命」も「ウェブ2.0革命」も、それらの技術が本当に素晴らしい世界をもたらすためには、実は、顧客の気持ちへの深い配慮や、細やかな心配りといった、極めて「人間的」な能力が求められてるのです。


(田坂広志『これから何が起こるのか~我々の働き方を変える「75の変化」~』(PHP研究所、2006年12月、p.79))



という部分です。


先日のウェブ・マスターの記事でも、今回の前編でも"Joy Factor"とともに「ウェブ2.0」をひとつのキーワードとしましたが、これがもたらす光と影の「光」の部分を活かしていくためには、やはり我々人間の「細やかな」心遣いが必要だということなのですね。みなさんの"Joy Factor"実現のお手伝いをするにあたって、この「心遣い」を常に忘れずにいたいものです o(*^▽^*)o~♪




*1オレペコより:田坂さんご自身がブログで"Joy Facator"について書いていらっしゃいます。詳細はこちら


*2:Social Networking Serviceのこと。詳しくはこちら


*3オレペコより:考えてみれば、この「地球を、開けよう」ブログの運営員(第二期)も、社内の公募によって決まりました。つまり、通常業務に加えて仕事は「増える」のですが、それでも「やりたい!」と言った人が運営員になっているわけです。その理由もまさに、このJoy Factor という考え方で説明できそうですね。


*4オレペコより:田坂氏の議論をもっと深く知りたい方は、ご著書『これから何が起こるのか』もご参考まで!


これから何が起こるのか

これから何が起こるのか










Monday, February 19, 2007

ファッションショー映像公開!!



皆さん、バレンタインデーはどうすごされましたか??


国際交流基金動画チーム、iです。


私のいる部署では、女性一同から、男性職員一人ずつに配りました、チョコを。


かなり喜んでもらえて、HAPPY♪(^-^)。


「義理チョコ」なんて呼んでしまっては味気ない(*_*;) と思います。


同僚も、毎日一緒に顔をあわせて何かを一緒にしている『仲間』なので、


自然と芽生えた感謝や友情を表現した・・・、というわけで、楽しい職場イベントでした。








さてさて、今日は、動画チームから、





ファッションショーの映像公開!!


のお知らせです!!


ひゅーひゅーー!!!





↓こちらです!


■必見!動画スクウェア:ファッションショー映像公開!ASIA5×DOREME■ 








このブログでも、 「三富とオペレコのファッションショー体験記!」として写真入で紹介してましたが、今回、それが映像で見られるようになりました~!!





私は、はじめて「ファッションショー」なるものをみることができて、かなり舞い上がっておりました。


もちろん、カメラクルーを手配して、撮影のポイント(衣装がよく見えるように撮ってほしい、など)や


編集方法(半分程度の長さに圧縮したい)などをクルーの皆さんと相談して


決める、という仕事をしに行っていたわけであります。


しかし、おしゃれで、エネルギッシュで、そして何よりも、アジアから招かれた5名のデザイナーの皆さんの


ファッションにかける「思い」にすっかり魅了されてしまいました。





これを見るまでは、恥ずかしながら、デザイナーが手がける「ファッション」は


・ぜいたくなもの  だったり、


・華美なもの    だったり、


・普通の人は着られないトッピなデザインだったり、


するものだと、思い込んでいたんです。汗。


でも、今回、ショーを見たことで、それぞれの方の


コンセプトに触れることができました。








たとえば、タイのアーチャワサミットさんのテーマは、


「魂が身体から離れるとき」です。


最近亡くなった、お父様の冥福を祈りつつ、


死の瞬間をイメージして美しく、シンプルに柔らかな天然素材で洋服を作ってみた・・・と言います。








これって、アートですね。


頭ではわかっていたのですが、アートとしての、思想のあるファッションに初めて触れて


ようやく気付くことができました。








しかも、それが日本やタイ、インドネシア、フィリピン、インド、マレーシア、と国を超えて


共感を呼ぶんですね。ステキです。








・・・このファッションショー映像、また「動画スクウェア」全般を見ての、ご感想をどしどし受け付けています。

楽しいご意見、厳しいご意見、お待ちしてます!!*1


(ごめんなさい、プレゼント企画は、何もありませんが・・・!)


⇒douga@jpf.go.jp 


★件名を「動画スクウェア感想」としてください。




*1:そろそろ年度末も近づいてきてしまったので、『先駆的事業』の評価も必要だったり。そこでユーザーの皆様の忌憚なきご意見を、少しでもいただきたいのです。あなたの意見は、ドクリツギョウセイホウジンの評価に役立たせていただきます~~m(_ _)m





Friday, February 16, 2007

 JOY FACTOR~楽しいと思えること;ワクワクする気持ち(前編)~ o(*^▽^*)o~♪






表題の"JOY FACTOR(ジョイ・ファクター)"という言葉を聞いてみなさんはどういうことを思い浮かべますか?

実はこれ、先日、日米センター知的交流課が協力した「イノベーターズ・プロジェクト*1」という「知的交流事業」で出てきたキーワードの一つなんです。それにしても、「知的交流」と「JOY FACTOR」・・・どう結びつくの??? その答えは、担当の稲田さんから語ってもらいましょう!






今日は、"Joy Factor"という言葉についてお話ししたいと思います。




1月19日~21日にかけて日米のイノベータ-約30名が東京に集まり、「リトリート」というイベント*2を行いました。


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<「リトリート」の一場面。参加者それぞれが、30年後の一日を想像してパネル作りをしています> 


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<できたパネルはこんな感じ>*3








また1月23日には、慶応大学にて「社会変革のデザイナーたち~日米イノベーターと語る、個人を動かす仕組みとイノベーション」と題した公開のシンポジウムを開催しました。


<リトリートでディスカッションを繰り返したイノベーターたち>


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<シンポジウムでより多くの人とつながります>





これまでは、政府機関や企業、マスコミなど、いわゆる「体制」と呼ばれる側が、「よりよい社会とは何か」あるいは「売れるもの」や「みんなが喜ぶもの」は何だろうと考えて、価値観や商品、サービスを人々に対して提供するという流れが一般的でした。





それが今では、インターネットの発達によって、一人一人が理想やアイデアを表現して、広く発信することができるようになり、それを見て共感する人たちがネットワークを組み、情報を交換したり、知恵やお金を出し合ったりすることでカタチになる。つまり、 一般市民の側からモノゴトを実現させていく という流れが大きくなっている。特にWEB2.0の時代になって、こうしたトップ・ダウンからボトム・アップへの社会構造の変化が加速していくだろうという認識のもと、既に実現しているいろいろな取り組みが紹介されました。




例えば、企業が売り出す商品を決めるのではなく、消費者の声を集めて、本当にほしいものを商品にする「空想生活」や、レコード会社ではなくファンの応援によってCDデビューが実現する「ミュージック・セキュリティーズ」、あるいは、キャメロン・シンクレア氏*4が運営している、貧しい地域や災害にあった地域に対して、その地域・コミュニティが必要としている住居・建物を世界中の建築家からインターネットを使ってアイデアを募集して、自発的な支援活動を組織化するプロジェクトなど、市民の声がカタチになっているとても興味深い事例が紹介されていました。




今回のリトリートのテーマは「Bridging Gaps(ギャップを埋める)」でしたが、これは、体制側と市民側、企業と消費者、提供者と受給者、マネタリー・エコノミー*5とボランタリー・エコノミー、右脳と左脳、など、これまで二項対立の構造をしていた両者の融合がこれからよりより社会を実現するためには必要で、この橋渡しをしていこうという意味が込められていました。





その中で、ソフィアバンクの田坂広志氏が紹介した「Joy Factor」というキーワードがとても印象に残りました・・・(つづく)



「なぜ、"JOY FACTOR"が気になったのか」や、この最先端の議論から担当者の稲田さんが感じとったこと、については、後編でご紹介することにして、今日は、上で紹介されている、「リトリート」と「シンポジウム」について、参加された方の反応をご紹介したいと思います。





まずは、リトリート。


イノベーターのひとり、渋澤健さんは



参加してちょっとびっくりしているのは、このプログラムから出てくるキーワードが、私が以前から大事に思っていることと同じものがかなり多かったということです。



とし、例として、上の写真でもとりあげた、「30年後」のパネル作りについて



また、私が最近、関心持っているのは「30年投資」です。30年先というと誰も結果はわからなのですが、、、私は、必ず訪れると信じています。





30年というと一世代ですからね。


遠いようで身近なもの。





と、思っているところ、、、、


昨夜のセッションでは、「30年後の貴方を想像してみて、雑誌の写真などを切り抜いて、その一日をポスターボードに描いてみてください」という作業をしました。最初は、イメージが沸かなかったのですが、作業し始めると結構面白かったです。



とのご感想。他にも、印象に残ったキーワードを多々上げてくださった上で、



まあ、つまり日米の「右脳人間」大会ですね。


(以上、渋澤健のオルタナティブ投資日記より)



ITとか進歩的な話って、勝手に「左脳」的なもののように感じていましたが、こうやって具体的な取り組みを見ていると「右脳人間大会」、頷けます。





続いてカメラマンとして参加されたcamelkondoさんは、リアル空間でweb2.0の世界を体験できた、とその様子を記してらっしゃいます。






会議の進め方も示唆的だった。参加者がそれぞれの専門分野から発表をしつつ(インカムをつけての日英同時通訳/最近こういう会議が増えた)、その合間に小グループに分かれてブレーンストーミング的に「アイデア会議」を行う。まずは「まだ気付かれていない世の中のニーズ」を探り、そこから「コアアイデア」を見つけていく。





でも何しろ、その時のスピード感がすごい。ひとつの話しをしていると、それに対する意見/専門知識があらゆる方面からバンバン集まるという感じでそれを、各グループに入ったファシリテ-ターが「よし!それはすばらしいコアアイデアだ!」とか言いながら、さらに盛り上げていく。先日読んだばかりのアイデア会議と同じ。とても生産的、刺激的。このあたりは僕らも広告でいつもやっていることに近い。チームで行うクリエイティブな会議のやり方はどうやら業界を越えるらしい。


TRAVEL HETEROPIA-広告とアートの間でより)



まさに、ソースをオープンにすれば、そこにいろんな知識が集まってどんどん良いもの、新しいものが生まれていく、というWEB2.0の世界観そのものですね。





続いてシンポジウム。こちらは反応がたくさんあってなかなかご紹介しきれないのですが、yymachidaさんやsocialcompanyさん、にゃむさんほかたくさんの方々が、臨場感あふれるリポートを書いてくださっています。ありがとうございます!





ちなみにこのシンポジウム、実はサンフランシスコのスタジオとも中継でつながっていました。時空を超えた共同作業、ほんとにおもしろいですね。


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<スクリーンの両端に映っているのがサンフランシスコのスタジオの様子です>





次回はみなさんが強い印象を受けた"JOY FACTOR"についてお届けします o(^^o)(o^^)oワクワク


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*1:今年、設立100周年を迎えるニューヨーク・ジャパンソサエティ(日米協会)の記念事業です。市民活動家や社会企業家、NGO関係者、アーティストなど、既成の枠に囚われずに、独創的な信念に基づいて日本とアメリカで活躍している「イノベーター」達のネットワーク化を図り、これからのより良い社会の実現に向けて役立てようという企画です。


*2:お互いの活動内容を紹介したり、アイデアを交換しながら親交を深めていく会合のことです


*3:ちなみに、イノベーター達が作成したパネルは、今後ジャパンソサエティのウェブサイトで公開される予定です。彼らが想像した、30年後はこんな生活がしたい、こんな物があったらいいな、をウェブサイトを通じて発信すると、そのアイデアに共感した人がネット上に集まって、実現に向けて情報交換が始まるかもしれない。そうすると、今夢見ていたことを将来ホントに実現させることができるのではないか、ということを実践しようとしています。(←なんか、小学生とかの頃によく、「校庭にタイムカプセルを埋めて、20年後に見に来よう」みたいなイベントがあったりしましたよね?オレペコは、それに似たわくわく感を感じます。)


*4:この人は、04年フォーチュン誌の「世の中をよくした7名」に選ばれています


*5:要するに「お金が儲かるかどうか」ということ





Wednesday, February 14, 2007

国際交流の舞台裏~Vol.1 海外事務所で働く醍醐味:堀川さんの場合~




先日このブログでもご案内しましたように、今年も職員採用の季節がやってきました!

2月23日(金)を皮切りに、計5回行われる会社説明会は既にいっぱいになってしまいましたが(m(_ _)mゴメンナサイ!)、就職先にジャパンファウンデーションを考えてくださっているみなさまに少しでも実際のお仕事について知っていただきたい!ということで、これから3月にかけて、職員の 生の声 をお届けしていきたいと思います*1





トップバッターは、インドネシア勤務を経て現在、


経理部財務監理課所属の堀川晃一さんに務めていただきましょう!☆ヽ(▽⌒*)


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<向かって左が著者~マルク州アンボン市内の食堂前で~>





まずは、略歴から!


===========略歴======================


1993年:外国語学部インドネシア語専攻卒業、同年、大阪府箕面市役所入庁


1995年12月:同退職


1996年1月:国際交流基金入社


1996-2000年:総務部、日本研究部、関西国際センターを経て


2000-2004年:ジャカルタ日本文化センター駐在員


2004年8月- 経理部~現在に至る


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Q:堀川さんは転職組と伺ってますが?

A:はい。正確に言うと、国際交流基金(以下、「基金」という)の採用試験は新卒組と同じ試験でした。試験の年齢制限が27歳までなっていたんで*2






Q:地方公務員をやめて基金に転職された理由を伺っていいですか?


A:地方公務員としての仕事も面白かったんですけど、とにかく何でもええからインドネシアで働いてみたい、という夢を結局捨てきれへんかったからです。当時は後先のことは全く考えてませんでした。実は、基金の採用試験は4回受験しました(゚ー゚;。3回目までは筆記試験段階で撃沈、4回目の挑戦(27歳の時)で運よく採用されました。これだけ受験しているスタッフは他にはいないでしょう。両親からは、公務員やめてなんでそんなわけわからんところへ行くんや、と散々文句を言われて上京することになってしまいました(笑。





Q:基金に入ってどのような印象を持たれましたか?

A:入社当時最初に感じたことなんですが、決裁文書(稟議書)等の文体が、地方公務員から見ても非常に官僚的な文体でびっくり。また、総務部や経理部等の管理部門を称して「官房」と呼ばれていたのにも個人的には違和感を感じました。やっぱり国の制度の影響があるんでしょうね*3。組織体制はなんか堅いなあと感じた反面、それぞれのスタッフは皆個性豊かで、一般的な公務員のように上司部下の関係のヒエラルキーみたいなものは良い意味で希薄で、お互い自由に意見を言える雰囲気があるんで、働いていて面白い職場やなあと感じてます。





Q:ところで、インドネシアで働きたいという夢を実現することができたんですね?


A:はい、予想以上に早い時期に。なんで、基金に転職した目的が達成されてしまって、今後どうしていったら良いのか、今、真剣に考えているところです(笑。






Q:初めての海外勤務はいかがでしたか?インドネシア語を大学で勉強されていたということで、インドネシアでの勤務はスムーズにいきまいしたか?


A:インドネシア語ができるに越したことはありませんが、語学はあくまでも仕事を円滑に進めるための潤滑油的なツールであって、それができることで仕事がうまくいくということには必ずしもならないということを痛感しました。





海外で勤務するにあたっては、はじめに現地でのTPOに合わせた慣習に慣れる必要があるということは言うまでもありませんが、私の場合、まずは最初の1年ぐらいは仕事の進め方が良くわからず、毎日が試行錯誤の連続でした。というのも、基金に入って最初に配属されたのが人事課で、その次は日本語能力試験の運営を行う部署で、その後すぐにジャカルタ日本文化センターに赴任となったわけなんですが、2部署しか経験せず、かつ、その他の業務のことを全く知らない状況の中で海外勤務が始まったんで、最初のうちは、基金のやっている業務全般について勉強をすることから始まりました。




海外事務所で勤務する場合、基金本部の各種事業の受入及び海外事務所独自の事業実施以外にも、事務所の運営に関わる総務的な仕事もやらなければなりません。事務所の運営方針の策定や財務会計業務も担当することになるわけです。また、日本では若輩の「平職員」であっても、海外事務所ではローカルスタッフ*4の労務管理を行う「管理職」的立場にたたされることになります。つまり、ローカルスタッフの雇用や福利厚生等に関するマネージメントをする立場となり、時には、契約問題や賃金問題についてローカルスタッフと対峙しなければならない場面も出てくることもありますんで、現地の労働法や慣習等に関する知識を得るとともに相手方と交渉するスキルも会得しなければならない必要もあります。





このように広範囲に渡る基本的な知識を徐々に身に付けつつ、業務を「まわして」いかなければならないんで、日本で勤務している時よりも大変な労力を必要とする場合がありますが、その分やりがいは非常にあると思います。





それ以外にも、例えば、業務上日本からいらっしゃる専門家の方々と一緒に食事をする場所の候補や、業務外のフリー時間にご案内できるスポットの候補を自分なりに「開拓」しておくといった日頃の努力(?)も、文化交流をする上で役に立つことがあります。また、大型の公演団等の受入の際には、1週間程度連日、早朝から深夜、時には明け方まで仕事をしなければならないこともあるんで、体力も蓄えておく必要があります。





あと、何か「一芸」、例えば日本の伝統楽器を演奏できるとか、折り紙を折れるとか、剣玉が上手であるとか、囲碁・将棋ができるとかいった特技を持っていると、何かの際に非常に役に立つ時があると思います。残念ながら、私の場合はそういった特殊技能がなかったんですけどね。折り紙を折って見せる機会は結構ありましたけど。





これ以外には、計画通りに物事が進まないときに、柔軟に対応できるかどうかということも重要な要素だと感じました。お国柄、極言すれば、目的を達するためには手段も選ばない(もちろん「合法的な」範囲においてです。)、という姿勢も時には必要とされることもあります。こういったことは、海外勤務をして初めて体験できるものなんで、「習うより慣れろ」という側面も多々あるかと思います。ただ、そうやってようやく慣れて頃に、日本へ帰国となってしまうんですけどね(笑


f:id:japanfoundation:20030724175725j:image:w270 <真ん中が著者>





Q:海外勤務で印象に残ったことは何ですか?


A:そうですね、どれもこれも色々な意味で印象に残っているものが多いんですが、強いてあげるとすれば、2002年5月に東ティモールが独立した前後に、現地で事業を実施したときのことやと思います。





日本からやってくる柔道専門家のデモンストレーション準備のために、畳の下に敷くスノコを大量に調達してほしいという依頼がありました。完成品は現地で手に入らないため、木材を買出しに行き、素人の私が図面を書いて、こういう風に木材を加工して欲しいと現地の業者に依頼し、現地で完成品を作れるように、イベント開催スケジュールに合わせて納品してもらうようにしていたんですが、予定通りに作業が進まず、運送会社に納品する日になってもまだ半分ぐらいしかできていない状況であったため、日付が変わって未明まで作業をしてもらってなんとか運送会社に引き渡したものの、事前に手配していたにもかかわらず当日になってバリ島から東ティモールに向かうフライトに荷物の重量の関係で載せることができないと突如航空会社から言われ、空港で航空会社の責任者と交渉したものの、結局荷物を載せることができずに無駄骨を折ったということがありました。





結末は、ジャカルタで調達した木材は相変わらずバリの空港で留め置かれてしまったままで、その代替として東ティモール側でなんとか木材を調達できて、イベント当日は事なきを得たんですが・・・このときは本当に大変でした。これ以外に、東ティモール独立関連イベントとして、現地でJETROさん、JICAさんと一緒にそれぞれの組織が行っている事業PRイベントを実施したんですが、それだけでは現地の人達の関心をひきにくいんで、大使館、JETRO、JICAからイベント担当としていらしているスタッフさんにも参加をお願いして折り紙デモを連日実施しました。大人達は最初は関心を示していてもすぐに飽きてしまう反応を見せる一方、小さい子供達が一生懸命になって折り紙を一緒になって折ってくれたことが印象に残っています。





このように様々なことがありましたが、その時の苦楽を共にした他団体のスタッフの方々とは、「同じ釜の飯を食った仲間」ということで、現在も連絡を取り合ったりしています。このように綱渡り的に事業の準備をすすめていかなければならなかった例は他にもあるんですが、この事業が最も記憶に残っているもんです。





Q:最後に、基金への就職を目指される方にメッセージをお願いします。


A:基金の採用試験に何度も失敗してきた私が言うのもなんですが、様々な失敗や挫折経験に怯むことなく、そのことを糧にして、前向きに進んでいこうとする気持ちを大切にして欲しいと思います。あと、時節柄、こういったことを発言すると問題視されるかもしれませんが、最近、基金に入ってくる男性職員の数が非常に少ないんで、男性諸氏の健闘を祈っています!


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堀川さん、ありがとうございました。海外での勤務の「醍醐味」と「難しさ」がリアルに伝わってきますね~。


そんな堀川さんの、海外事務所時代の典型的な一日はこんな感じだったそうです。





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*1毎日就職ナビにも職員の声が載っています


*2:当時。昨年度は、「採用時点で原則として満30歳未満の方」となっています。今年度については2月末頃に公開予定の募集要項を必ずご確認ください


*3:注:今は、わかりやすい文体で書くように改められてます


*4:オレペコより:現地、つまり事務所所在国で採用するスタッフのことです





Tuesday, February 13, 2007

 CIS学生日本語弁論大会の覇者、来日!!



みなさん、こんにちは。潮風です。




昨年12月1日に平成19年度の一般公募助成事業の第1回申込を締め切り、事業を担当している部署の多くはただいま審査*1の真っ最中ですが、今回はその事業の中から、「海外日本語弁論大会助成」のお話をしたいと思います。





「海外日本語弁論大会助成」は地域における日本語教育ネットワークの緊密化日本語学習レベルの向上を目的に、海外で日本語弁論大会を開催しようとする機関に対して賞品等の一部を助成するプログラムで、2006年度予定されている助成はなんと105件。日本語事業関連の助成では最も件数として多いんですねー。





その中の1つ、「CIS学生日本語弁論大会」の2006年優勝者が、日本へ研修旅行にきていて、ジャパンファウンデーションにもいらっしゃる!ときいたので、せっかくなので潮風はインタビューを決行=3 2006年優勝者は、経済を専攻するウズベキスタンの大学生、ムミノフ・アスロールさんという男性の方でした。




ちなみにCISとは、旧ソビエト連邦の国々で形成された緩やかな国家共同体で*2、いわばこの大会はそれらのロシア語圏の国々の全国大会に値するものなんだそうです。各地域、または各国で地方大会があって、そこから勝ち上がって全国大会へ進むという、大陸面積からいうと日本からは想像つかないような規模ですよね… ワクワクo( ̄▽ ̄o)





というわけで、どうぞ!!





 こんにちは。ウズベキスタンのムミノフ・アスロールです。フェルガナ大学*3で経済を勉強しています。


 私が日本語の勉強を始めたのは、1999年11月、私が中学2年生のときでした。「のりこ学級」という日本語教室へ行こうと、友達に誘われたのがきっかけです。大学受験のときとかはやめようかなぁと思ったりもしながら、ずっと続けています。私を誘った友達はもうやめてしまいましたが(笑)。


 CIS全国大会の前には、中央アジア大会、その前にウズベキスタン国内の弁論大会がありました。国内の弁論大会への出場者を決めるため、のりこ学級の中でまず代表を決めました。のりこ学級は、昔4年間つづけて、小~高校部門の日本語劇で1位をとったことがありました。ウズベキスタン国内の大会には、フェルガナ大学の学生や、のりこ学級の学生が参加しました。1位から5位が中央アジア大会に進出したのですが、私はウズベキスタン国内大会では5位でした。ですから、優勝できるとは思ってもいませんでした。ただ、楽しかったです。いろいろな国で、日本語を勉強している人たちと交流できて嬉しかったです。

 今回、私は初めて日本にきました。京都、滋賀、東京、小田原、千葉にいきました。滋賀、小田原、千葉ではホームステイをしました*4。日本は想像したとおり、とても親切な人ばかりです。自分の国の文化を大事にしていると思います。日本の食べ物もおいしいです。特に、カレーライスとすきやきがおいしかったです。



アスロールさん、ジャパンファウンデーションへの訪問&ブログへの登場、ありがとうございました。





潮風自身、日本語事業部にいながらも普段はなかなか直接つながることはない、海外の日本語学習者に初めてお会いできて、とても励みになりました。遠く離れたところで、日本語を7年間、ずっと勉強してきて、大会で優勝して初来日。そんなアスロールさんの日本の滞在がよいものであったこと、本当に嬉しく思います。今後もぜひ、日本語の勉強をがんばって、ウズベキスタンと日本のかけ橋になってください。





ちなみに気になるアスロールさんの弁論大会でのスピーチの題目は『白いカラス』・・・(゚ペ)?


ここで大会の報告&スピーチ原稿が公開されていますので、ぜひご覧ください!





最後に、アスロールさんのメッセージとともに、記念写真を公開です!



日本に来て、いろいろなところへいきました。いろいろな人たちにも会いました。ホームステイで家族ができ、素晴らしい国だと思いました。とても感動しました。ありがとうございました。


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*1:具体的な様子は以下の記事でも紹介しています!
  2005-10-12 「審査って」


*2:Commonwealth of Independent States, トルクメニスタンが準加盟国になったため、現在の正式加盟は11ヶ国。(Wikipedia) 


*3:ウズベキスタンの首都タシケントから350㌔ほどだそうです。


*4:アスロールさんはのりこ学級を支援しているNPOリシタン・ジャパンセンターの方たちのところでホームステイをしたそうです。





Sunday, February 11, 2007

進化する日本映画~現代の最前線を担う監督たち~:コメントご紹介



今日は、先日ご紹介した英語字幕付日本映画上映会*1進化する日本映画」(2月2日(金)~4日(日))に足を運んでくださったみなさんのコメントをご紹介したいと思います。


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3日間で計530人が訪れた今回の上映会。実は、オレペコも3日(土)に一本観に行ってきました。一つの映画が終わった後、ロビーで外国の方2人が、次の映画を待ちきれないという感じで"Do you know what's next?" "Well..."と話しているのを聞き、やはり日本国内で英語の字幕付で日本映画が見られる機会って少ないんだなーと実感。そういえば、国際線の飛行機に乗ったときくらいにしか、そういう形で日本映画を見ることってないですよね。





アンケートにもそういう声が多々・・・



" Great to have a chance to see these films with English subtitles in Japan!"


   (日本で、英語字幕付の映画を見る機会が得られて非常に良かったです)


"Love the fact that many movies are shown at once and that there are subtitles."


   (字幕付の日本映画を一度に何作品も見られたのが良かったです。)


"Excellent event, because of the subtitles, variety of films, and low cost."


   (すごく良い企画でした。だって字幕がついていたし、上映された映画がバラエティに富んでいたし、何より値段が安かったですから!)



さすがに日本に多少なりとも興味を持ってくださっている方が足を運んでいるだけあって、今後の上映作品への要望もたくさんありましたよ!



"I want to see films based on Abe Kobo, Mishima('s novels) and Itami('s works)"


   (安部公房や三島由紀夫の小説をベースにした作品や、伊丹十三監督の作品を見てみたい)


"I want to see more recent comedies."


   (もっと最近のコメディ映画を見てみたい。)



等々。その他、もっと若手監督の作品を見てみたいとか、社会分析・批評的な作品、ドキュメンタリーを見たいなどいろいろとご意見をいただいています。あと、おもしろいところでは、



"These screenings are excellent, but please sell beer and popcorn!"


   (上映会は素晴らしかったけど、ビールとポップコーンが売られていればもっといいのに!)



という意見も。(^▽^;) 確かに、休日の映画鑑賞ですものね、今後もみなさんができるだけリラックスして鑑賞できる空間を作っていけるよう、いただいた様々なご意見を参考に、工夫していきたいと思います。

期間中はもちろん、日本人の方もたくさんいらしていたのですが、日本の方のコメントは、やはり今話題の『どろろ』の塩田監督のご講演に触れているものが多かったですねー*2





さてさて、このように、好評を博した上映会ですが、次回は3月9日(金)、大阪国際交流センターにて『月はどっちに出ている』(監督:崔洋一 /シネカノン1993年)を上映予定です!お友達を連れて、ぜひ足を運んでみてください。




*1:2004年6月より、過去6回にわたって、毎回あるテーマのもとに集めた作品をご紹介しているシリーズです。


*2:ブログで感想を書いてくださっているcanakanacornさんもその一人。





Friday, February 9, 2007

”ワンワールドフェスティバル”に行ってきました






こんにちは、三富です。


2月3日(土)、4日(日)と、大阪国際交流センターで行われたワンワールドフェスティバルに国際交流基金も参加しました。ワンワールドフェスティバルとは、大阪で行われる日本最大級の 国際協力・国際交流のお祭り です。国際協力や国際交流分野で活動する国際機関、公的機関、市民団体、民間企業が一堂に会し、基金ブースの周囲にもILO(国際労働機関)やIMF(国際通貨基金)、世界銀行といった国際機関のほか、JICA、JBIC、外務省などが勢ぞろいでした。





来場者は2日間で12,600人!!


2日間ブースに(文字どおり)立ちつづけた私ですが、12,600人とまではいかなくとも本当にたくさんの方々とお話することができ、国際交流基金の活動をPRするだけではなく、実際にお話させていただいた方々からいただくご意見に共感し、また大いに刺激を受け、とても良い経験となりました。





いくつかいただいたご意見を紹介しますと、






基金の事業には前からちょっと関心があって、ホームページとか時々チェックしていたんですけど、やっぱり事業のほとんどが東京で行われてるじゃないですか...大阪とかではやらないんですかねぇ。





確かに!これは、私も2日間ブースに出ていて感じたことですが、「せっかく大阪に来ながらも皆さんにご案内できる事業が少ない!」*1 






今まで国際交流基金については知らなかったんですが、今日お話を聞いて、すごく興味をもちました!






ありがとうございます (*゚▽゚*)ノ~☆




今まで国際交流基金のことを知らなかった方も、ちょっとだけ知っていた方も、今回基金のブースを訪れていただいてより基金についての理解を深めていただければ、私も休日を投げ打って*2フェスティバルに参加したかいがあるというものです。





また、国際交流基金が実施している事業と、ワンワールドフェスティバルに参加された多くの方々が関心をもつ「国際協力」や「開発援助」とは、一見相容れない部分が多いように思われるかもしれません。しかし、開発プロジェクトなどで近年盛んに取り入れられている参加型開発を実践する前提として、「相互理解」はとても重要な要素だと思います。そして、この相互理解を文化交流を通じて実践しようというのが、国際交流基金事業の主たる目的なのです!





などと、いろいろな方々とお話しているうちに熱くなってしまったり...ヾ(*`Д´*)ノ"彡





「感じる・ふれあう・助け合う」という、ワンワールドフェスティバルのスローガンにあるとおり、出展させていただいた私たちも、大いに感じ、ふれあうことのできた2日間でした。


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*1:実は本日(2月9日)、大阪国際交流センターで外国語字幕付き日本映画上映会(字幕付日本映画上映会の関連記事はこちら)が行われます。同センターでは、第11回アジア漫画展国内巡回展も実施されます(3月29日~4月4日)。また3月4日には「日本の文化の深層を探る」と題し、映像作家姫田忠義氏による講演会が関西国際センターで行われます(姫田氏には1月のJFサポーターズクラブイベントでも講演をしていただきました)。さらに、5月26日には泉佐野市の「泉の森ホール」で第48回外国人による日本語弁論大会が行われます。


*2:ちゃんと代休は取得するつもりです。(・・。)ゞ テヘ





Wednesday, February 7, 2007

あちら側=WEB2.0の世界へ???(後編)



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前回に引き続き、実質1.6人で複数のサイトを日々更新・修正している基金のウェブ・マスター クモハさん からの報告をお届けします。WEB担当といっても、きれいに見せる技術があるだけではだめで、日々いろんな努力をされているようです・・・それでは、どうぞ!








3.更新作業について前回の続き)




更新内容は、イベント情報の告知、報告書・成果物掲載、組織そのもののお知らせ(年報、実績、入札、求人情報)など、多岐にわたります。担当者の方が原稿を用意してくださる場合もあれば、基本情報(5WIH)を元にイチから原稿を作ることもあります。またバナーや地図等も自作しますし、撮影もあれば、画像の補正も行ないます。もともとはDTP畑でしたので、チラシ・ポスター等も作ることもあります。「何でも屋」と言われるのは、こういった所以です。




一連の作業の流れは以下の通りです。
1. 調べる (事業の情報でWebに掲載可能なもの、関連する情報がないかを調査)*1

2. 集める(基本情報を担当者よりヒアリング・収集、写真も無い場合は撮影もあり)

3. 整える(情報の内容や見せかた(レイアウト、デザインなど)を工夫し、グラフィカルなページに成形する)

4. 知らせる(情報提供の一環としてメールマガジン(日本語版/週1、英語版/月2)を発行しています。日本語版では記事も書きます)

5. 分析する・活用する(アクセスログを解析し、効果測定。また問題点を洗い出し、改善に導く)




つまりサイトの更新者そのものが制作スタッフでもあり、編集者でもあるという訳です。 ・゚・(ノД`;)・゚・ アウゥ・・タイヘン



Webの技術(HTML、Java Script、CSS など)が不可欠なのはもちろんのこと、自サイトのインフラ状況も把握しておく必要があります。また、レイアウトやデザイン能力*2も大切です。



さらに、集客・誘導も戦略的に考え*3、そして、どんなユーザーでも扱いやすいサイト(アクセシビリティユーザビリティ*4を目指すことも大切です。




もう一つ、大事なことは JFの業務を理解し、把握することです 。これはウェブ・マスターだけでなく、あらゆる広報媒体に言えることですが、業務の根幹を為すものです。



例えば「第3回●●」という事業があれば、前回や今までのシリーズはどんなものがあったか、関連する記事がどんなものがあるか、といった事にも気を配ります*5。Webのメリットとして、複数の情報を結びつけるハイパーリンクがあり、また、変更・修正が随時可能であることが、この点を可能にしています。




Webに掲載するにあたり、事業の実施前から情報を把握する必要があるのですが、担当の課から概要を伺うたびに、「こんなに様々なジャンルの事業があったんだ!」といつも驚かされます。そして各事業の企画や提案やロジスティックスを、巧~くこなしてゆくハイパワー&スペックの職員さんたちにも頭が下がります。



それぞれの事業が進行するのを、傍から見守らせていただくという貴重な体験もできるのも、広報の面白さの一つですね。成果として、新聞やTVや各メディアに取上げられる*6と喜びは尚更です。



そして、事業の詳細を知り「こんな面白い文化や交流があったんだ」と、気付かされるたびに、改めて日本という国の奥深さを感じ入る次第です*7。仕事を通じて、視野が拡がり、また自分自身のアイデンティテイを考える機会にもなり、Webという限られた媒体ですが、「広報」の一翼を担う事が出来て良かったと感じています。




・・・・と、今まで偉そうに書きましたが、まだまだ発展途上。・・・(゚_゚i)タラー・・・




いやー、そもそも量が多~いしぃ(語尾上げ↑)、日々IT技術がどんどん進んじゃって~(泪)
実は、Webには完成形は無いんです(言い切り!? 開き直り!?) *8




「Webは作ったら終わり」では無く、常にスクラップ&ビルドを繰り返して進化しています。これが「やりがい」でもあったりします。課題は山積なのですが、Webの制作に携わることによって「ものづくり」や「広報」に関わる事ができ、充実した日々を過ごしています(否、追い立てられている!?)。




さてさて、一般的に認識が低いWebの仕事を駈け足で紹介しましたが、どこまで伝わったでしょうか?

次回は(って、いつだよ!?)、実録「或る一週間」(仮)で、実際の仕事内容を(頼まれてもいないのに)お届けします。




クモハ@当面の目標は、1.0脱却!




*1:所属先が情報センターのため、NewsアラートやRSSリーダー等を駆使し、基金の報道振りも調べます。また事業の情報で漏れが無いようにBlogの記事もチェックしています。ここでの記事チェックが、後々Blogチームがトラックバックする際に流用されます(お陰さまで、情報センター諜報部員と呼ばれています。そんなつもり無いのですが・・・)

*2:イラストレーター、Photoshop等のソフトを自由自在に扱う能力

*3:インフォメーション・アーキテクチャーや、SEOSEMLPOといった、マーケティングの知識も必要

*4:「独立行政法人Webサイトユーザビリティ調査2006-2007」によると、国際交流基金Webサイトは、104法人中34位でした。実質の体制 1.6人で34位はROIは高いかもしれませんが、本来ならばアクセシビリティ・ユーザービリティは出来て当たり前のもの。この結果は真摯に受け止めて、改善に努めます。

*5:6年間Webサイトを担当していることが、この辺の情報の目利きに繋がっています

*6:情報センターの仕事の一つに「プレスリリース」があります。Webサイトでもご覧になれます。

*7:特に印象深かったのが「OTAKU展」、「村上春樹シンポジウム

*8:「永遠のベータ版」とも言われています




Monday, February 5, 2007

ネットの「あちら側」へ?(前編)



みなさん、こんにちは。


(いまさらながら)某先輩に



ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)






を借りて読み始め、「こちら側」の人間であることを痛感しているオレペコです。    ( ̄ー ̄; ヒヤリ





今日はWEBつながりで、ジャパンファウンデーションのHPを「如何に魅力的なものにするか」に日々尽力している ウェブマスター に登場してもらいましょう!




ちなみにオレペコが入社した2001年、基金のHPは今では考えられないほどシンプルなものでした。もちろんフラッシュ画像なんてないし、基金のHP上で動画が見られるようになる*1なんて、夢のまた夢って感じだったんですよ。。。今日登場するウェブマスターの存在なくしては、この変化はありえなかった!とオレペコは確信しております。それでは、どうぞ!!!









みなさん、はじめまして。

基金のWebを担当しております「クモハ *2」(33歳・♀)と申します。この度、ブログ「地球を、開けよう。」に、ウェブ・マスター(Webmaster)の仕事について、リアルに重い腰を持ち上げて、一筆啓上することになりました。どうぞ、宜しくお願いします m(_ _)m





1. そもそも、ウェブ・マスターって?


その前に、ウェブ・マスターって何ぞや、ということなんですが、IT系の辞典によると 「Webサイトの総合管理責任者」 らしいです(責任重っ! 滝汗 ^^; )。


おおまかに分けると3種類あるらしく、1.Webページの更新・修正を担当する「コンテンツ系」、2. サーバ等の保守・運営がメインの「システム・インフラ系」、3.ユーザーの照会に対応する「コミュニケーション系」などに分かれるそうです。





国際交流基金の場合、「コンテンツ系」と「システム・インフラ系」に分かれています。クモハは「コンテンツ系」をメイン業務としています。3.の「コミュニケーション系」は、メールマガジンのユーザーを管理するのみで、他の照会は担当者にメールを振っているだけなので、メインとは言えないですね。





コンテンツに関わる分野ですので、様々なマテリアルに触れる機会があります。実際、Web以外の仕事にも携わることも多々あり、私の場合はWeb更新を含めたIT雑用作業者(要するに、何でも屋)といったところでしょうか。


IT職って言うと「ヒルズ族」のように、時代のトレンドっぽく聞こえは言いのですが、実は大変地味な仕事です。Blogチームのように、「ぶっちゃけ」てみたり、顔文字とか使ってみたいと、日の当たらぬ所から羨望の眼差しを送っています。|・ω・`) コソーリ





2. サイトのアクセス数


私が担当している(更新・修正)サイトは、本体サイトとよばれる基金全体のサイト(日・英)日本語国際センター(日・英)日米センター(CGP)横浜トリエンナーレパリ日本文化会館(日本語版)、などもろもろ、約15,000 htmlのコンテンツです。

これらのサイトのアクセス数は、訪問者数ですと月に10万~20万PV(ページビュー)ですと月に60万~100万のカウントとなっています*3





3. 更新作業について

通常Webサイトの更新は、細分化・分業化*4され、その中でアウトソーシングしている場合が主ですが、国際交流基金の上記のサイトは、細分化・分業化も無くほぼ内製化しています(実は体制自体が、1.6人(私(クモハ)週5 + アシスタント 週3)であり、また予算の関係上、内製化しているという訳です)。





・・・(後編につづく)



うううっ。「クモハ」さんにはWEBに関することなら本当に何でもかんでもお願いしちゃってるんですよねーーー(って、オレペコだけ?)。細分化・分業化なく「内製化」している組織における ウェブマスター のお仕事ってほんと大変。。。ということで、後編では、どのようにHPを更新しているか、具体例とともに話していただきます。      (⌒∇⌒)ノ""マタネー!!


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*1:12月にオープンした動画スクエアです!


*2:「クモハ」とは鉄道用語です。正式には制御電動車普通座席車といいます。日本の近代化を支えた日本の鉄道も、ある意味「日本の文化」と考え、このネーミングにしました。もちろん、鉄子です。


*3AlexaでもだいたいのPVを把握することができます


*4:ディレクター、プランナー、デザイナー、Webコーディング など・・・





Friday, February 2, 2007

地球市民賞受賞、その後…



みなさんこんにちは!潮風です。 (*゚▽゚)ノ





今日は短くですが、ご紹介したい写真が手に入ったので☆


f:id:japanfoundation:20070116232137j:image:w350


ちょっとピンぼけの写真ですが、分かりますでしょうか??




そう!昨年末、国際交流基金の地球市民賞を受賞したJCDN*1さんが、今回の受賞記念に賛助会員のみなさんにペンライトが贈られたそうです!!





実はジャパンファウンデーションの職員にも会員がいて、写真を提供してもらえました。


以下、JCDNさんのHPの「受賞挨拶」から



この受賞はJCDN事務局だけではなく会員の皆様と共に受賞できたと思っています。そして今回の受賞が、今までの活動の評価ではありますが、今後もっともっとがんばるようにとの励ましの賞だと考えています。


この受賞をきっかけに更にコンテンポラリーダンスへの理解と興味が広がりダンスが社会に広がっていくことを願いつつ、今後もがんばりたいと思います。



JCDNさん、これからもぜひダンスを通じ日本、世界、芸術、社会を結び付けてください!


ジャパンファウンデーションも引き続き応援いたします。





そして最後に2月上旬のイベント情報IN韓国。



料理漫画本格的日韓食文化に親しむ


日韓両国、互いの『食』への関心は高まっている昨今、料理と漫画で食に親しむイベントを韓国ソウルで開催します!辻調理師専門学校の一流料理人、畑耕一郎先生と川本徹也先生による料理イベントや、韓国でも大人気の料理漫画家、寺沢大介先生と韓国の人気漫画家ホ・ヨンマンさんによる漫画イベント、盛りだくさんです。ぜひぜひ、チェックしてみてください。


2007年2月2日(金)~2月14日(水)


会場:在大韓民国日本国大使館公報文化院


   韓晶恵料理学院


   国際交流基金ソウル日本文化センター


http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/news/0701/01-05.html





*1:Japan Contemporary Dance Network 公式HPはコチラ





Thursday, February 1, 2007

[JFICからの]第15号は「市民社会を支える財団」と題して特集しました!




2ヶ月ごとの『遠近』(をちこち)刊行ごとに現れる情報センターの麦谷です。今年初めの1冊は、「市民社会を支える財団」の特集テーマでお届けします。


f:id:japanfoundation:20070201101048j:image





「公」の担い手はどうあるべきか、政府の役割の大小をとっても、比較的小さいアメリカ、逆に大きいフランス・ドイツなど、先進国の中でもアプローチは様々です。翻って、日本はどうでしょうか?



「官」が「公」を独占して担うのではなく、公益法人、NPO、市民団体など「公」の担い手は多様化しており、一人一人の市民も能動的/主体的に自らの社会に関わることが求められているのは確かです。一方で、これは厳しい財政状況下、限られたヒト・カネ・モノで行政が担うべき役割について、より一層精査されている時流があることの裏返えしとも言えましょう。





そのような私達を取り巻く状況で、市民社会には欠かせない存在と言われながら、その活動内容についてはあまり知られていない財団を、今回の特集では様々な角度から紹介しています。





いつもよりちょっぴり硬派ですが、公益セクターのあり方について考える一助になれば幸いです。





○ 巻頭座談 魅力的な財団とは何か~国際交流における財団の役割


榎田勝利 × 小松諄悦 × 中野佳代子


○ 日本の助成財団の歴史と発展 堀内生太郎


○ 企業財団と企業の社会貢献活動~東芝国際交流財団を例に 渡辺隆


○ 公益法人ビッグバン 太田達男


○ 寄付者中心のフィランソロピーへ~米国の新しい寄付の動向 岸本幸子





その他の記事については、目次をご覧下さい。Amazonなどの主要オンライン書店で取扱っている他、お近くの書店でお取り寄せが可能です。


それでは、今回も、『遠近』をより深くお楽しみいただくために、記事や執筆くださった方に関連した読書&WEB案内をお届けします。





◆ 公益法人の全てが分かる


毎年、総務省大臣官房管理室(公益法人行政推進室)が『公益法人白書』を発行しています。書籍としても販売されていますが、概要や本文が総務省HPでダウンロードできます。


最新版は、平成17(2005)年度の統計をまとめた平成18年(2006)年度版で、巻頭座談でも言及していますが、現在の日本の財団法人の数は12,586団体です。


公益法人改革の最新の動きについて把握するには、「公益法人ビッグバン~公益活動を官から民間の手に」をお寄せくださった太田達男さんが理事長を務める社団法人公益法人協会のHPがとても充実しています。





◆ 国際交流を仕事にしよう、実践しようと考えている皆さんに!


地域や草の根の国際交流の重要性について、巻頭座談でお話くださった榎田勝利さんが監修者の一人だった「国際交流・協力活動入門講座」シリーズ3冊(明石書店)は、国際交流・協力活動の最前線で活躍する人たち30名が総力をかけて、分かりやすくまとめたお薦めの本です。


『草の根の国際交流と国際協力』


草の根の国際交流と国際協力 (国際交流・協力活動入門講座)


『国際交流の組織運営とネットワーク』


国際交流の組織運営とネットワーク (国際交流・協力活動入門講座) 


『国際交流・国際協力の実践者たち』


国際交流・国際協力の実践者たち (国際交流・協力活動入門講座)


日本国際交流センターのチーフ・プログラムオフィサー毛受敏浩さんが制作秘話をJFSCのHPに寄せてくださっています。





◆ 事業の目利き、プログラム・オフィサーの仕事の魅力を知る


『助成という仕事―社会変革におけるプログラム・オフィサーの役割』


(ジョエル・J.オロズ著、牧田東一監修、2005年、明石書店)


助成という仕事


プログラム・オフィサーって、何をする人? そんなあなたのための入門書です。


監修者の牧田東一さんは、現在、桜美林大学にて教鞭をとっていらっしゃいますが、日本の民間助成財団の代表格、トヨタ財団のプログラム・オフィサーだった方で、日本の助成財団「業界」ではもとより、特に東南アジアの知識人からの信任も厚い方です。


ちなみに、編者の一人として名前を連ねている平岩あかねさん(ジャパンファウンデーションの職員です!)が、JFSCのHPで内容を詳しく紹介していますので、あわせてどうぞ。


『プログラム・オフィサー 助成金配分と社会的価値の創出』


(牧田東一著、2007年、編集工房球)


プログラム・オフィサー―助成金配分と社会的価値の創出


こちらは、プログラム・オフィサー制度の先進国である米国や、日本の民間財団の先行事例(トヨタ財団、セゾン文化財団、笹川平和財団)などを分析・考察した一冊。上級者向けですが、助成財団のあり方を考えるのに必読の参考書です。





◆ 日本のフィランソロピスト、渋沢栄一を知る


『公益の追求者・渋沢栄一』


(渋沢研究会編、1999年、山川出版社)


公益の追求者・渋沢栄一 (新時代の創造)


渋沢栄一について企業家としての側面だけでなく、民間外交、教育、社会福祉分野でも同じくらい重要な貢献をしたこと具体的な事例とともに豊富に紹介しています。


渋沢栄一記念財団の理事・小松諄悦さんは、昨年秋まで、ジャパンファウンデーションの日本研究・知的交流部長を務め、KBS時代を含めてジャパンファウンデーションのスタッフとして国際文化交流の第一線で長く活躍された、私にとっては大先輩でもあります。小松さんが退任時に、「文化交流36年 1970~2006」と題して語った内容が、JFSCのHPに収録されていますので、こちらも是非!





◆ 適切な資金源を見つけるために


本誌でもご紹介しましたが、ジャパンファウンデーションへの相談で一番多いのが、国際交流活動に必要な資金をどう調達するか。民間財団も様々な助成事業を行い、民間企業もメセナやCSRの観点で公益事業をサポートしてくれていますが、一体、どこへ支援を仰げばいいのか、あらかじめ「傾向と対策」を掴んで、是非、事業を成功に導いてください。


民間助成金ガイド(財団法人助成財団センター)


助成財団約1,000件を収録したデータベース。事業形態や事業分野、募集時期による検索、団体名による検索、キーワード(フリーワード)による検索ができます。


本誌に「日本の助成財団の歴史と発展」をお寄せくださった堀内生太郎さんが専務理事を務めていらっしゃいます。


メセナビ(社団法人企業メセナ協議会)


企業によるメセナ(芸術文化支援)活動の情報のデータベース。企業メセナ協議会が実施した「2006年度メセナ活動実態調査」の結果にもとづいて、メセナ活動を実施している企業など約500社の情報が検索できます。


その他、特集中に触れられた様々な財団についていくつかご紹介します。


国際文化フォーラム


海外の日本語教育と日本国内の外国語教育や国際理解教育を実践しています。その中心となって事業を引っ張っているのが巻頭座談で「財団の活動に魂を吹き込むのは、知恵と気力を備えたスタッフ」とおっしゃる中野佳代子さんです。中野さんもご一緒に仕事をした時期はないのですが、元ジャパンファウンデーションの職員。こんな見上げる先輩がこちらにも・・・。


東芝国際交流財団


CSRにも先駆的に取り組む東芝の企業財団。「CSR活動と企業財団の目指すゴールは共通」と前専務理事の渡辺隆さん。


パブリックリソースセンター


日本の寄付文化創造に取り組む岸本幸子さんは、ジャパンファウンデーション日米センターNPOフェローシップ(※)のフェローとして、1999年にニューヨークの非営利団体United Way of New York Cityなどで実務研修をされました。その帰国報告会で、充実した報告内容を理路整然ときびきび報告されていた姿がとても印象深く心に残っていたので、今回、記事を書いていただくことになって、嬉しく感じています。


日米センターNPOフェローシップは、日本の非営利セクターに従事している中堅層の方に、米国NPOでの中長期のマネジメント実務研修を行う機会を提供することで、日本の非営利セクターの基盤強化を図るとともに、日米間の架け橋になり国際的に活躍できる次世代の担い手(人材)を育成し、ひいては日米非営利セクター間の交流促進につなげようとするプログラムです。





◆ 最後に、国際文化交流の潮流を知る3冊


『国際文化交流の政治経済学』


(平野 健一郎ほか著、1999年、勁草書房)


国際文化交流の政治経済学


『戦後日本の国際文化交流』


(戦後日本国際文化交流研究会、平野健一郎監修、2005年、勁草書房)


戦後日本の国際文化交流


『近代日本と国際文化交流―国際文化振興会の創設と展開』


(芝崎厚士著、1999年、有信堂高文社)


近代日本と国際文化交流―国際文化振興会の創設と展開 


本誌に「国際文化交流としての言語教育事業」についてお寄せくださった東大助手の芝崎厚士さんの著書。国際連盟脱退直後、国際文化交流事業のための機関、財団法人国際文化振興会(KBS)が設立された経緯などが描かれています。KBSは巻頭座談に登場した小松諄悦さんも語るように、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の前身となった団体です。


特集「市民社会を支える財団」に関する本、WEBの紹介はここまで。





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小特集として、昨秋のヴェネチア・ビエンナーレ建築展から、藤森照信氏がコミッショナーを務めた日本館展示「藤森建築と路上観察-誰も知らない日本の建築と都市-」を、表紙、巻頭のカラーグラビアページなどで、増田彰久さん撮影の写真入りで紹介しています。また、藤森氏と長年交友のある建築家で、本誌に随筆「をちこち散歩」を連載中の伊東豊雄氏との対談も収録しています。


そんな藤森ワールドを堪能できる1冊がこちら。


『ザ・藤森照信―総勢100名による徹底探究-歴史・設計・人間』


XKHOME特別編集7ザ・藤森照信 (エクスナレッジムック―X-Knowledge HOME特別編集)


伊東豊雄さんについては、ジャーナリスト・瀧口範子さんによる下記がおすすめです。


『にほんの建築家 伊東豊雄・観察記』


にほんの建築家 伊東豊雄・観察記


また、シンガポールの作家 丁雲氏と、中国語圏の文学に詳しい藤井省三氏との対談を収録しています。丁雲氏は日本滞在中に、作家の佐伯一麦氏ともお互いの文学観をめぐり、私小説の定義やゴッホの絵画、丁雲氏が100万字の恋愛小説を焼き捨てた顛末にまで話題が及ぶ、とてもとても興味深い対談を行っています。国際交流基金HPに、この佐伯氏との対談や、丁雲氏の作品の翻訳も掲載していますので、是非、本誌とあわせてご一読ください。





最後に編集部からのご案内です。


主に過去にご寄稿くださった方の近著などをご紹介します。


◆ 藤原章生さんの新著


『ガルシア=マルケスに葬られた女』


ガルシア=マルケスに葬られた女


毎日新聞記者の藤原章生さんは、メキシコ駐在時代に『遠近』9号に、中南米最大の芸術の祭典、セルバンティーノ芸術祭での「維新派」の公演についてレポートをお寄せくださいました。南アフリカにも駐在経験があり、その折の体験などをまとめた『絵はがきにされた少年』は第3回開高健ノンフィクション賞を受賞されています。そんな藤原さんが新たに綴ったのは、ノーベル賞作家 ガルシア=マルケスの作品『予告された殺人の記録』のモデルにされたことで深い傷を負った女性、マルガリータの物語です。





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次号の4月号は、「隣人、ロシア」(仮題)です。モスクワは遠いですが、ロシア自体は、日本海を挟んで実は隣国なのに、まだまだ身近に感じられるとは言い難い存在ではありませんか? ロシアって、何だか暗そうで怖い・・・(ロシア人の皆さん、すいません)というイメージのロシアが、明るく、素敵で、思わず微笑んでしまうような、隣人が住む国となるような、楽しい記事をたくさんお届けしたいと思っています。お楽しみに!