Tuesday, April 3, 2007

 第16号はロシア特集です(後編)~読書&ウェブ案内~






みなさんこんにちは、オレペコです。


昨日は年度始め、ということで、新たな一歩を踏み出された方も多いのでは? 


ヽ(゚・^*)^☆.。.:*・゚☆祝☆゚・*:.。.☆^(*^・゚)ノ


ジャパンファウンデーションにも、新しい仲間が11名加わりました。おいおい、このブログでもご紹介していきたいと思います!





さてさて、そんな春は、新しいことを始めたくなる季節でもあります。


近くて遠いロシア。昨日発売になった『遠近』第16号で特集した「お隣さん」について、もっともっと知るための読書&ウェブ案内(後編)が麦谷さんから届きましたので、早速ご紹介したいと思います♪





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◆ロシアの珠玉 リュドミラ・ウリツカヤ


巻頭鼎談でロシア文化の新しい動きと2度目の「日本文化ブーム」についてお話くださった沼野恭子さんが翻訳。『それぞれの少女時代』の中にあった、温かさを表現する一文で、「オーブンの中のピロシキのようにほかほかと」というフレーズに、おお、これがロシア流!と手を打ちました。特に女性にお薦めです!





『ソーネチカ』(新潮社)




ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)

ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)






 





『それぞれの少女時代』(群像社)



それぞれの少女時代 (群像社ライブラリー)

それぞれの少女時代 (群像社ライブラリー)










沼野恭子さんは、他にも様々なロシア文学の翻訳を手掛けてらっしゃいます。





『ペンギンの憂鬱』(アンドレイ・クルコフ著、新潮社)



ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)










『初恋』(トゥルゲーネフ、光文社)




初恋 (光文社古典新訳文庫)

初恋 (光文社古典新訳文庫)






 





◆不世出のロシア語通訳、エッセイスト米原万里さん


昨年5月に56歳の若さで逝去された米原万里さん。日経新聞の元論説委員で、現在も日露のジャーナリスト交流に尽力されている斎藤哲さんが、米原さんのデビュー時代のとっておきの逸話をお寄せくださいました。米原さんは名通訳として活躍されただけでなく、鮮やかなデビュー作『不実な美女か貞淑な醜女か』をはじめ、エッセイストとしても数多くの名作を送り出されました。





『不実な美女か貞淑な醜女か』(文庫、新潮社)



不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)










『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(文庫、角川書店)



嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)










『打ちのめされるようなすごい本』(文藝春秋)



打ちのめされるようなすごい本

打ちのめされるようなすごい本










◆ 5月には庄司紗矢香、読売日本交響楽団と競演のテミルカーノフさん


当基金の参与でもある紿田英哉が商社勤務時代から「マイブラザー」と呼び合う仲になったマエストロ、ユーリ・テミルカーノフさんが、サンクトペテルブルク建都300周年を記念して、2003年6月に指揮したサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団のガラコンサートの模様を収録





DVD 『サンクト・ペテルブルク ガラコンサート2003』



サンクト・ペテルブルグ ガラコンサート2003 [DVD]

サンクト・ペテルブルグ ガラコンサート2003 [DVD]










◆インターネットでロシア文化に触れよう


ロシア語のページもありますが、WEBページの自動翻訳サービスを使えば、ある程度は情報を把握できます。まずは雰囲気だけでも味わってみてください!


本誌10ページでもご紹介したリンク集に加え、「新しいカルチャーが胎動するモスクワ」から、選りすぐりのサイトを拾っています。この充実した情報は、河東哲夫さんからの情報に負うところ大でした。記して感謝申し上げます。





【音楽】


・イケメン男性歌手からセクシーなダンスクイーンまで、最新のロシアン・ポップスのビデオクリップがいっぱい (^^)σ http://vision.rambler.ru/clips


クラブ・ミュージックからロック、ポップスまで様々な音楽をサンプル音源で視聴可能


(^^)σ http://www.fidel.ru/mp3/


・民族音楽を取り入れた独自のロックを創造するインナ・ジェランナヤ


(^^)σ http://inasound.ru/ 


・アンダーグラウンドの香りを濃厚に漂わせ、同名のグループを率いるカリスマ的な女性ヴォーカリストのゼムフィーラ (^^)σ http://www.zemfira.ru/


・ロシアに独特のジプシー・ロマンス歌手の第一人者で、フリージャズ界での活躍でも知られるヴァレンチナ・ポノマリョーヴァ


(^^)σ http://www.russiandvd.com/store/person.asp?type=artist&id=1460&lang=eng 


・「バルド」と呼ばれるギターで弾き語りをするシンガーソングライターたちが勢ぞろい


(^^)σ http://www.bard.ru/bards.htm





【放送】


・インターネットでニュース、ドラマ、音楽番組まで24時間放送


(^^)σ http://www.rtrplaneta.com/


・独立系の硬派な時事番組で知られるラジオ「モスクワのこだま





【ファッション】


・中央アジアの民族衣装、画家ワシーリイ・カンジンスキーなどをモチーフに、ロシアや旧ソ連のアート・文化を強く意識しながら現代的なデザインで世界的に活躍するダーリヤ・ラズミーヒナ (^^)σ http://www.razumikhina.com/ 



【クラブ】


・モスクワで最も流行っているクラブの一つ「シャンティ」。収録されたライブの模様や、独自のラジオ番組も聞けるようになっています








◆ロシア語でカバーされた「島唄」はラジオ・チャートで6週連続ランクイン


2005年2月に宮沢和史さん率いる「宮沢バンド」モスクワ公演では、ロシアのロックスター ディアナ・アルベニナと共演。世界的な大ヒット曲「島唄」で締め括ったライブでは観客も大合唱し、地響きのようなアンコールで再熱唱したそうです。宮沢さん自らがブログで、初日のゴーリキー記念モスクワ芸術座、翌日のモスクワ最大のクラブ「べー2」でのライブでの様子を綴ってらっしゃいます。





◆沿ボルガ地域で日露ビジネス交流


ニジニ・ノヴゴロドという地名はご存じですか? モスクワから東へ450キロ。ソ連時代はゴーリキー市と呼ばれた閉鎖都市で、軍需優先の最大の製造集積加工地でした。日系電器メーカーマンとして長年ロシアビジネスに携わり、現在はニジニ・ノヴゴロド日本センターの所長として日露の民間経済協力に奔走する種村博雄さんは、厳重に機密保守された原爆開発拠点、ロシアへのトヨタ進出秘話、シベリア鉄道の近代化プロジェクトなどについてお寄せくださいました。写真はロシア第2の自動車メーカーGAZの生産ラインだそうです。


f:id:japanfoundation:20031217125817j:image:w250





◆ロシアの日本文学専門出版社


出版社ギペリオン(サンクトペテルブルク)の代表セルゲイ・スモリャコフさんは村上春樹だけでなく、ロシアでは古典から現代文学まで、様々な日本文学が読まれていることを報告してくださいました。


国際交流基金とイノストランカ社の共同出版で刊行したロシア語の現代日本文学アンソロジー・シリーズや、文化庁(日本)の「現代日本文学の翻訳普及事業」(JLPP)の紹介もあります。





◆もうここまできたら、ロシア語を始めよう!


沼野恭子さんが、この4月から新しくスタートする、NHK教育テレビの外国語講座「ロシア語会話」の講師を務められます。春は新しいことを始める好機!とばかり、書店に平積みになっているのを目撃した方も多いはず・・・。





雑誌 NHK テレビ ロシア語会話 2007年 04月号


番組HPもあわせてどうぞ。





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最後に編集部からのご案内です。


主に過去に『遠近』にご寄稿くださった方の近著などをご紹介します。


◆ オーストラリア演劇叢書が11巻を数えました


オーストラリアを特集した第11号で、アデレード・フェスティバルの創造性についてご寄稿くださった佐和田敬司さんが、翻訳書『アボリジニ戯曲選Ⅲ ドリーマーズ/ノー・シュガー』(ジャック・デーヴィス)、『リターン ダーウィンへの最後のタクシー』(レグ・クリッブ)が出版されました。


オセアニア出版社から1993年に刊行が始まったオーストラリア演劇叢書の第10巻、第11巻で、昨年の日豪交流年を契機に開催中の「ドラマチック・オーストラリア」で紹介された戯曲の数々が収録されています。





◆ 「ハコモノ行政」からの脱却をめざして


毎号「文化による都市創造」シリーズを連載でお届けしていますが、第5号に「創造都市の世紀が始まる」として欧米の代表的な創造都市論と金沢や横浜の事例を紹介してくださった佐々木雅幸さん編集の『創造都市への展望~都市の文化政策とまちづくり』(学芸出版社、総合研究開発機構との共編)が4月10日に発行予定です。

第1部「創造都市をめぐる理論とガバナンス」では、「創造都市」の基本概念、財源確保、評価指標などの手法・理論を示し、第2部「政策実践の現場から」では、札幌から福岡まで創意と工夫に満ちた各都市の戦略が報告されています*1





◆弊誌編集長の渡邊直樹が責任編集


「宗教を知らないと問題の本質は見えてこない」の宣伝文とおり、養老孟司、中沢新一、小林よしのり、高村薫など多数の学際的な書き手が、宗教と現代の社会問題を切り結んでいます。





『宗教と現代がわかる本2007』(平凡社)



宗教と現代がわかる本〈2007〉

宗教と現代がわかる本〈2007〉










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次の6月号は、 「酒がつなぐ人と文化」 (仮題)です。古今東西、酒を酌み交わすことで、人は交友を深めてきました。各地の風土が育んできた酒も、今やグローバルに流通しています。酒と人との出会い、酒がもたらす豊かな文化、そして酒が熟成するために大切な時間。今年1月に着任した新編集長の渡邊直樹が企画から手掛ける最初の号です、酒と人の文化のブレンド具合に注目した次号に乞うご期待!




*1第9号に「現代における都市再生の課題~行財政システムと創造性の関係」をお寄せくださった後藤和子さんによる「創造性へのインセンティブと都市政策~文化政策と産業政策の統合の視点から」も収録されています。





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