こんにちは。9月26日のブログで今年度の国際交流基金賞文化芸術交流部門受賞者のマルコ・ミュラーさんをご紹介しましたが、今日は日本語部門受賞者のアンジェラ・ホンドゥルさんをご紹介します。
アンジェラ・ホンドゥルさんはルーマニアに日本を紹介し、日本語の普及に尽力されてこられた方です。
三島由紀夫、夏目漱石、安部公房、太宰治、村上春樹などの作家の作品のルーマニア語への翻訳を行っており、また神楽などの民間信仰、民俗学の研究でも知られています。
10月1日に行われた国際交流基金賞授賞式のために来日されたホンドゥルさんに、少しお話を伺いました。
ホンドゥルさんと日本との出会いは1975年、日本の水墨画を見たことがきっかけだったそうです。
その美しさに感動し、その後、源氏物語絵巻物を見てますます日本への興味が高まりました。
当時日本の文学作品でルーマニア語に翻訳されているものはほとんどありませんでしたが、
ロシア語から訳された井上靖の「猟銃」夏目漱石の「吾輩は猫である」などを読み、日本文学に魅了されて、1976年から日本語を学び始めました。
ホンドゥルさんは、日本について学べば学ぶほど、文化と文学に恋に落ちていったといいます。
1980年に初めて日本を訪れたときには、洋服を捨てて70kgの本をルーマニアに持ち帰ったそうです。
日本研究を30年以上も続けておられるホンドゥルさんに、現代の日本社会についてどう思われるか伺ったところ、次のように話してくださいました。
「若い人たちがグローバリズムに興味を持ちすぎて、文化的アイデンティティを失いつつあるような気がするけれど、それは世界共通の現象。
それでも日本人の精神の中には伝統がしっかり息づいていて、日本人は伝統を生きていると思うの。
お盆やお正月などの行事もそうだし、日常の習慣の中にも。例えば、今回日本について、夜遅くにとてもくたびれてホテルの部屋に入ったの。
そうしたら、枕の上に折鶴が置いてあった。私はすごく驚いて、そして心が温かくなったわ。こういうところが日本の心だと思うし、私がとても好きなところなの」
日本が本当に好きで、「日本文化すべてと結婚した」と柔らかい口調でお話くださったホンドゥルさん。
ホンドゥルさんの講演会が10月4日(土)14時から、ジャパンファウンデーションで行われます。どなたでも参加できますので、ぜひお越しください!
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10月4日(土)14:00~16:30
場所は東京・四谷三丁目のジャパンファウンデーション本部2階のホール[さくら]
テーマは「日本との出会い」です。
講演は日本語で行われます。詳細はこちらからご覧ください。
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終了後には、ケーキの出る懇親会もあります。
みなさま、どうぞこの貴重な機会をお見逃しなく!
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