Friday, October 19, 2007

国際交流基金は『TOKKO-特攻-』にも助成しています。






みなさんこんにちは、オレペコです。


おとといの日記で、三富さんが映画『ミリキタニの猫』について触れていましたが、便乗して(笑)もうひとつ、ジャパンファウンデーションが助成した話題の映画をご紹介しましょう。




それが、『TOKKO-特攻- *1.


特攻隊の生存者、及び彼らと戦ったアメリカ人の退役軍人の双方から貴重な証言を引き出していること、しかもこのドキュメンタリーを撮ったのが若手の日系アメリカ人監督であることもあって注目を集め、日本でも各種メディアで取り上げられたので、知っている方も多いと思います。





で、ジャパンファウンデーションはどのような形で協力したのでしょうか???


その一端を垣間見られるエピソードが、NY事務所職員から届いたのでご紹介しましょう。






監督のリサさんは、TOKKO-特攻-が完成したときに、映画の中でインタビューをした退役軍人の方たちを招き、試写会を行いました。そのときにはじめて、彼らは


「自分たちは同じ人間なのだ」


「過去に別れを告げて、未来に向かって進める」


と感じ、そして、





 「特攻隊の人たちにぜひ会いたい」 





と熱いを思いを告げたそうです。





その熱い思いを、リサさんとプロデューサーのリンダさんから聞いた私たち、ニューヨーク事務所のスタッフは、頭を抱えました。かつて敵同士だった人も、お互いの存在を認め理解しあえる、この企画には気持ちが動きます。しかも、このタイミングを失えば、彼らの夢をかなえることはできないかもしれない。できるだけのお手伝いをしたいのに、それをかなえる資金がない。





そこで、思い切って、全日空のニューヨーク支店にご相談にいったところ、ご協力をいただけることになったのです!!映画自体のすばらしさ、リサさんとリンダさんの人柄、そして、今回の企画自体の魅力があったからこそ、なのですが、こうやって資金だけではなくて、「人と人をつなげる」協力をすることにこそ、私たち国際交流基金の存在意義があるのかな、との思いを新しくしました。






そうなのです。


何か良い作品をつくりたい、あるいは良い作品を海外で紹介したい・・・だけど資金がない、そういう方たちのプロジェクトを支えるため、資金的にお手伝いをさせていただくのも大切な仕事です。でも、このエピソードが語るように、私たちがこれまで蓄積して来たネットワークを利用して、「人と人とをつなぐ」、そして「不可能を可能にする」、これも重要なジャパンファウンデーションの仕事なのです! (゚ー゚)(。_。)ウンウン





思い起こせば、今年はこのTOKKO以外にも『硫黄島からの手紙』や、『TOKKO』と同じく日系アメリカ人監督の手による『ヒロシマナガサキ』など、戦争を題材とした映画が注目を集めました。近い将来、戦争の体験を「生」で語れる人々がいなくなってしまう。その前に、こうして歴史を振り返るのはとっても重要なことだと思います。





その意味でも、印象に残った感想をピックアップしてみました。






製作者が中間的立場にいる人物であり、アメリカ的な教育を受けているため、特攻隊員たちに自分の疑問を遠慮なくぶつける。それに対し元特攻隊員たちも、恐らく他の人たちから聞かれた時よりも素直に、自分の気持ちを述べる。その結果、この作品は非常に貴重な記録となり、アメリカ人の「特攻」に対する認識を覆すものとなった。


(中略)


敗戦というあまりに大きな出来事が、歴史に対する日本人の認識をねじ曲げたし、そういう意味で我々も当事者なのだとつくづく思う。


自分の親や祖父母が、アメリカと戦争したことさえ知らないような若者は、世界の人々から対等に見てもらうためにも、こういう作品を見ておくべきだろう。その辺にいる一見さえないおじいさんだって、戦争から生還した人にほかならず、それゆえ今自分が存在していることに気付くはずだ。


colkid プチ日記







日本史でも世界史でも、教科書に記述されている内容は勝者の歴史であることが多い。何故ならば、敗者は記録を残したくはないので、どうしても後世に残る記録は勝者側からのものが中心となる。そうすると戦争のさまざまな側面で、本当の姿が隠されてしまい、誤解されているテーマが多いことに気がつく。





そのような誤解を解く作品がアメリカで作られていることには興味がある。「ヒロシマナガサキ」に続いて、この作品も米国でのものであるが、日本の特攻隊についてどのようにアメリカ人が捉えていたかについて知ることができる。





米国ではカミカゼ特攻隊について、近年の自爆テロリストに通じる狂信者の集団と見ている。また日本では自分の命を捧げた戦争の犠牲者として美化する傾向がある。はたしてその真実の姿はどうなのか。日系アメリカ人女性の日本でのインタビューや特攻隊に攻撃された艦隊の生存者にも会見は及んでいく。





ある女子大講師






まだまだ全国各地で上映しています(劇場情報はこちら→)ので、興味をもたれた方はぜひ足を運んでみてください!それでは、良い週末を~~~ (^▽^)/




*1:映画の内容詳細については、ジャパンファウンデーションのサポーターズ・クラブサイトでもご紹介しています。こちら()からどうぞ。





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