こんにちは。Mです。
先日お知らせいたしました、わが国際交流基金の雑誌『をちこち』の休刊。前身の『国際交流』(1973年創刊)から続く36年あまりの歴史に一旦幕が閉じられます。
そこで、をちこち編集長の渡邊直樹*1氏にインタビュー!
写真で皆様もお分かりの通り、知的でダンディ。とっても素敵な方です!!
その編集長に、(をちこち担当のO職員も飛び入りして)、基金との出会い、「をちこち」を編集した感想、そして、未来の夢まで、色々語っていただきました。
では、どうぞ!
M:そもそも、基金のこと、ご存知でしたか?そして「をちこち」編集長の依頼を受けたときどう思われましたか?
渡邊編集長(以下「編集長」): 基金のことは昔から知っていて『国際交流』も読んだことがありました。溜池にあったホール*2に舞踏を見に行ったこともあったよ。初めて基金のオフィス*3に足を踏み入れたのは、雑誌『婦人公論』の編集長をしていた時。高円宮殿下に写真と文章の連載をお願いしたのですが、そのときが最初。
その後、『国際交流』を『遠近(をちこち)に変えるというときに意見を求められたこともあったので、話が来たときは「面白そうだな」と思いました。
17号と32号を手にしながらインタビューに答える編集長。
M:就任時に読売新聞*4に記事が掲載されましたよね。その時におっしゃっていた「スピードを競うのではなく、読者に行間から何かを考えてもらえる雑誌にしたい」「目先のことばかり考えた企画とは逆を目指す」について、今改めてどう感じていらっしゃいますか?
編集長:昔は、出版社でもそんなにたくさんは売れないけれども長期的視野で制作し、クオリティの高いものを出版するということができたんだけど、今はそれができない世の中になっています。『遠近』は正直見せ方のサービスが足りない雑誌だと思ったので、まず最初に、質は落とさずに、分かりやすく見せることに取り組みました。
そこの部分は毎号、毎号手ごたえがあって、作っていて面白かった。思うようにできたと思います。基金が今まで培ってきたネットワークや仕事の力と自分なりに30年やってきた編集のやり方やネットワークがうまくミックスした形で、内容は面白いものができたよね。一方で、この雑誌は最初から、広告が入らないとか部数が出ないという問題点があって、これは版元の書店営業力にも関わるので難しい点だったかな。
M:一番最新の32号、表紙は白ですね。
編集長:これは「あしたのジョーのように白く燃え尽きた」ということで(笑)。
僕は全共闘世代ではありませんが。エンボス加工、気づいた?
M:気づきました。いいですね。
編集長:最後だからね。
*1:大正大学文学部教授、『をちこち』編集長。平凡社『太陽』編集部、『DoLiVe 月刊ドリブ』編集長、『SPA!』『PANJA』『週刊アスキー』創刊、編集長を歴任。『婦人公論』編集長を経て現職。
*2:国際交流基金フォーラム
*3:当時は赤坂
*4:2007年2月24日夕刊
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