11月も半ばというのにまだまだ暖かい日が続いていますね。気持ちがいいので、オレペコはお昼によくアークヒルズの周りを散歩します。写真はその途中の風景。葉っぱはまだ緑が多いのですが、光が当たるとほら、こんなにきれい♡癒されます(*^^*)
都心にありながら、緑がきれい.*・゚☆なところ・・・ジャパンファウンデーションがいつもお世話になっている「国際文化会館」もそんな場所のひとつ。今日は、ここ、国際文化会館にて、先週11月6日と7日の2日間に亘って実施された「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム(ALFP)」の「公開シンポジウム」の様子をお届けしましょう。
■アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム(ALFP)って(・_・?)
ALFPは、アジア諸国のさまざまな分野において、際立ったリーダーシップを発揮している専門家を、毎年6~8名選び、フェローとして2ヶ月間日本に招へいするプログラムです。その他、詳しい内容はこちら(★)にあるのですが、このプログラムのユニークなところは、個人個人の研究もさることながら、さまざまな知的共同作業を通じたフェロー間のネットワークの形成に最も力を入れているところです。フェローシップというと、個人個人の研究に対する奨学金といったイメージが強いですよね。フェロー同士の横のつながりといえば、年に1回、あるいは数年に1回開催される同窓会程度と考える人が多いのではないでしょうか。
でも、このALFPでは、全員が国際文化会館に滞在し、フェローシップ期間の大半を、ワークショップやセミナーでの討論、地方の現状を視察するフィールド・トリップなどの共同作業に充てます。出身国も、専門分野も異なる専門家たちが、毎年設けられる「全体テーマ」のみを共通項として問題意識をぶつけ合い、共有し、信頼関係をはぐくんでいく・・・・・・ある程度キャリアを積んだ段階でのこのような体験は、それぞれの研究活動にとっても、新たな視点を提供してくれるすばらしい機会となるに違いありません!!!ちなみに今年の全体テーマは:「多様性と調和のアジア:共同体形成への可能性と拡がりを目指して」 でした。
■公開シンポジウム「多様性の中の連帯~排他的な国家から協同する複数のコミュニテイへ~」
オレペコが聞きにいった公開シンポジウムは、言わばプログラムの集大成。全体的な雰囲気として、フェローの間に強い連帯感が感じられたのが印象的でした。二ヶ月も一緒にすごしてきたんですもの、息もぴったりなんですね(゚ー゚)(。_。)ウンウン
で、肝心のシンポ。実はオレペコ、一日目しか参加できなかったんですが(・・;)、 「人びと、国家―誰のための安全保障か」というサブタイトルのもと実施された3時間のシンポジウムで、タイ、中国、日本の3人の専門家が取り上げたのは「人の移動」とそれに伴うさまざまな問題。たとえば、ある国に不法滞在している外国人の間に生まれた子どもの国籍の問題とか、日本の性産業で働く外国人の問題とか。
●国家が持つ”国境”というボーダーだけでなく、人というのは、”異質なもの”について、いとも簡単にボーダーを設定しがちである
●なぜさまざまなものがグローバル化する中で、人権だけはなかなかグローバル化しないのか
タイのシープラパー・ペッチャラメーシーさんの指摘が胸を突きます。また、
日本人フェロー青山薫さんの
●不法就労の問題で難しいのは、被害者か、被害者でないかの区別が難しいこと。必死で救い出したら、今の生活のほうがずっといいので帰りたくない、という人も多いのです。
という指摘は、正に、「誰のための」セキュリティか、という問いそのものでした。
ただ、オレペコが一番印象に残ったのは、実は、ひとりだけ「一国内の移動」の話を取り上げた中国のフェロー、ファン・ジャンシェンさんの発表でした。
●必ずしも国境を越える移動だけが問題を生むのではなく、中国では、今、農村部から都市部への移動がコミュニティに大きな変質をもたらし、さまざまな課題を生み出している。
●誰もが、豊かになりたいと思って都市に向かうが、実際は、都市部に住んで「何かを失った」と感じている人は多い。人間にとって、何が本当に「豊かな」生活かを見つめなおす必要があるのではないか。
経済成長著しい中国。
豊かさへの憧れ。
オレペコがアメリカ留学中に出会った中国人留学生たちもみな、「富」や「成功」への並々ならぬ意欲に満ち溢れていました。若くて有能な中国人に対するイメージがそんな風だったので、「経済的富を得ることは必ずしも人生の幸せとはいえないよ」と穏やかに、とても流暢な英語で話すファンさんのお話は、なんだかとても印象的だったのです。
シンポジウムは、(一日目だったこともありますが)何か確固たる結論に至ったわけではありません。でも、この日のテーマ「人びと、国家―誰のための安全保障か」について、本当にいろんな角度から(あるいはいろんな立場から)みんなで一生懸命考えることができた、そんな印象です。
最後に、このプログラムが期待する、成果をHPから。
文化や価値観の異なる人々が互いの独自性を尊重し、多様性を認め、そして地域的、世界的諸問題解決に向けたトランスナショナルな取組みへとつながることが期待されています。
今回の経験が、そういった取り組みにつながることを祈りつつ・・・ o(^-^)oヨイシュウマツヲ!
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