Thursday, November 25, 2010

現地職員訪日研修 Meeting oversea colleagues in Japan.




毎日寒いですねー。キャシーです。


冷え性の私は、就寝時に湯たんぽが欠かせません。


Hi everyone. It's Cathy's turn. Are you surviving the cold season?


As for me I can't go to bed without my hot-water bottle to warm me up.





Any、記事読みました!


ひとつの弁論大会を3人の視点から見ることができて、とても興味深かったです。


テーマも内容もいかにオリジナリティーを出すかが肝心なのですね。映画祭も楽しみです。


Thanks for the article Any!


It was interesting to learn about the speech contest from three different perspectives.


I look forward to the film festival as well.





さて今回は、このブログをお読みの方々のうち、もしかしたら私達ブログチーム(海外組の3人)が最も興味を持って読んでくれるかもしれない(?)、現地職員訪日研修についてのレポートです。


国際交流基金では、23の海外拠点で働く現地採用の職員のうち毎年数名が日本に出張し、東京本部や付属機関、また外部の企業や学校、文化機関等を訪問することで、業務への知見を深める研修を行っています。


今年の研修期間は2週間、参加者は以下5名でした:


Today's article is about the training session for overseas staff of the Japan Foundation. It is an opportunity to come over to Japan to acquire knowledge and skills related to work. This year, the training session was held for two weeks. The 5 participants were as follows:













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左から、


モスクワのN職員(Anyの同僚)N from Moscow


パリのK職員 K from Paris


カイロのN職員 N from Cairo


シドニーのA職員 A from Sydney


ブダペストのE職員 E from Budapest





なお、今年は国際交流基金の3つの事業のうち、「日本語」を主に担当している職員が対象でしたので、訪問先も、日本語関係の各部署や附属機関、企業、学校などが中心となりました。


各訪問先では、「どのような業務を行っているのか」「今後どのように事業を展開していくのか」「その訪問先から見て、国際交流基金の海外拠点とはどのような存在か」「現地職員に何を期待しているか」といった内容のブリーフィングを受けます。その後、質疑応答や意見交換が行われました。逆に、なんとこちらが雑誌の取材を受けるなんていう一幕も…!。


This year, participants were mainly in charge of Japanese Language. Therefore, we visited schools, companies and organizations related to Japanese-language education. The participants had lectures in each places on various topics such as "what we are doing", "what are our plans in the future", "what kind of things they expect for overseas staffs like them".





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新しい日本語能力試験についてブリーフィングを受ける5人。


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関西国際センターにて、研修生の気分でセンター内を一周。


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「皆さんのお国ではどうですか?」国によって異なる働き方をシェアしたりも…。


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図書館の利用状況についてもばっちり学びました。


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ウェブサイト「アニメ・マンガの日本語」の成り立ちを勉強。


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いつもお世話になっている凡人社さんの書店にて。「ここに一日いたい!」という声続出


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早稲田大学のキャンパスを見学。


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京都支部にも行きました。


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京都 嵐山での一コマ。





この研修、参加者にとってどのような意義があったのでしょうか。


以下のような意見が寄せられました。


So what did they think about this training session? Here are some of their opinions.





・国際交流基金の一員という意識が高まった。


"I have stronger sense of belongingness for the Japan Foundation now"





・今まではメールでしか連絡ができなかった仕事相手と直接会って話すことで、より仕事がやりやすくなった。他の事務所の職員と知り合えたことも嬉しかった。これからも連絡を取り合いたい。


"Up until now, I could only contact my counterparts via e-mail. But now that I have had the chance to meet them face to face, we can work on smoothly. It was great to be friends with people from other offices"





・仕事に役立つ文化体験ができて良かった。野村万蔵先生による狂言のレクチャー・デモンストレーションでは、一緒に舞台にあがって動きや謡を習って、伝統文化の奥深さを体感することができたし、京都国際マンガミュージアムでの漫画アシスタント体験では、実際にペンを持って漫画を描いてみることで、漫画制作は繊細で時間がかかるということを知り驚いた。どちらも楽しかった。


"The cultural experiences during the training session were good. From the lecture and demonstration of Kyogen by Nomura Manzo Sensei, we had the chance to go up on stage and perform the dance and songs with him. A great way to be familiar with the resonance of traditional arts. We also experienced drawing manga in Kyoto International Manga Museum. I didn't know it was this difficult to complete each page"





・附属機関に実際に宿泊してみることで、施設についてよく知ることができた。自分の国から附属機関に派遣する人達に対して、これからはもっと細かな対応ができそう。


"By staying in the facilities I usually give guidance to back in my office, I had the chance to really get to know what it's like to stay in it. Now I can give some practical advices"





・いろいろな訪問先で日本語教育に関する意見を聞くことで、今後自分の事務所でこういうことを実現したい、とアイディアがたくさん浮かんだ。


"I was able to come up with some new ideas of Japanese language courses I would like to have when I go back to my office"





最後のコメントに関しては、浮かんだアイディアを実際の業務に活用するべく、最終日に「今後実現したい日本語講座」の案を関係部署の前で発表する時間を設けました。「やくざ映画を利用した日本語講座」「書道を通した漢字教室」「WEBプリクラ・プロジェクト(その名も「PEACEing together the world」)」「トトロを使った日本文化紹介型の日本語講座」「マンガを描きながら日本語を習得」など、様々な意見が出て、関係部署側も興味津々。このうち実現に向けて動き始めているプロジェクトもあるんですよ。今後に期待大ですね。


Regarding the last comment, on the last day of the training session, we had time to share everyone's ideas of Japanese language courses. Ideas varied from "Japanese language courses using Yakuza movies", "Kanji lessons with Japanese calligraphy", "Online PURIKURA Project ("PEACEing together the world")", "Japanese cultural courses using Totoro", to "Japanese language course through manga".


Some of the ideas are on the way to realization. Let's wait and see.








ではヌンツィアさん、どうぞ!


Next is Nunzia!





Thursday, November 11, 2010

モスクワ国際日本語弁論大会&第44回日本映画祭




皆さん、こんにちは~!またまた、モスクワのAnyです♪ お元気ですか?


モスクワはすっかり秋一色に模様替え。紅葉シーズンももうすぐ終わるころです。


Hi, everyone! It's Any from Moscow. How've you been?


Moscow is all dressed up in autumn colours!



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・・・と、早速ですが、モスクワでは毎年恒例のモスクワ国際学生日本語弁論大会が行われました!


まずはモスクワ予選から。モスクワでは、日本語教育が行われている大学が、モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学、モスクワ国際関係大学、モスクワ国立実用大学、東洋実用大学などと、約10校ありますが、その最も優秀な学生が決勝に勝ち進むべく、日本語能力を競います。


This October, Japanese speech contest among students was held up in Moscow. There are about 10 universities in Moscow, in which you can study Japanese. And the most successful and skilled students of those universities were going to compete to get through to the Finals.


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今回の弁論のテーマは、「コスプレ」・「三島由紀夫」・「ボランティア」などと、実に様々。厳しい審査員の前で、緊張のあまり単語を忘れたり、少し戸惑ったり、質問を聞きなおしたり・・それでも、非常に高いレベルの日本語、奥深い内容の弁論が数多く発表されました。


There were many different speeches this time: about Coplay, about volunteer work, about works of Yukio Misaim etc.. The contestants were very nervous, sometimes they forgot words and phrases, panicked... But all of them demonstrated a truly high level of Japanese.


発表者の一人、東洋実用大学4年生のエレーナ・カノヴァさんは「インターネット依存症」について話しました。発表の後にちょっとインタビュー:


I was able to take an interview and talk with one of the contestants - Ms.Kanova, a senior student at the Moscow practical oriental’s university:


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― 発表を終えた感想をお願いします!


― あ~・・・緊張していたので、あまり覚えていないです・・(笑)


― なぜ「インターネット依存症」というテーマを選びましたか。エレーナさんにはそのような経験はありましたか。


― そうですね。半年ぐらい、毎日のようにインターネットを使って、チャット・ブログ・掲示板などに書き込みをしていた時期がありました。勉強にも影響が現れましたね。依存症を克服できたのは、一時期インターネットが故障してしまったおかげです。


― 日本語の勉強にはインターネットを使っていますか。


― もちろん!辞書にはない単語を検索してみたり、ニュースを読んだり、ロシア語吹き替え無しの映画やアニメを見ることができるので、勉強には欠かせないですね。ただ、今ではやっぱり利用時間には注意していますが・・(笑)


= How do you evaluate your speech?


= Oh, to tell you the truth, I was so nervous, I don't remember a thing...(laughing)


= Your speech was about Internet addiction. Does this problem concern you?


= Yes, there's been a period, when I became totally internet-addicted. And I managed to overcome only because the internet connection went down for a while.


= Do you think internet is necessary in studying Japanese?


= Sure! I often use it to look up a word that I can't find in a dictionary, or to read some news articles and watch Japanese movies and animation. But now I try to control myself...(laughing)






また、司会を務めたアジア・アフリカ諸国大学のドミトリー・リニャエフ先生にも一言いただきました:


I also spoke with Professor Linyaev, who teaches Japanese at the Institute of Asian and African studies:


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― 弁論大会に参加することは、日本語を学ぶ上で重要だと思いますか。


― いうまでもなく重要です。しかも、言語的な面だけではなく、精神的な面でも、弁論大会はいい修行になると思います。大勢の前で外国語を話すことになりますからね。私自身も、東海大学で留学していた際、弁論大会に参加しましたよ。発表中の血の気も凍る恐怖は今でも忘れることができません・・(笑)あ、でも、一等とりましたよ!


― お!ちなみに、そのときのテーマは・・・?


― そうですね~・・・便利さ・快適さを求める際、人々は自分たちの文化を忘れているということを主張しました。今思うと、自分でもよくできたなと思います(笑)


= Do you think it's important to take part in the Speech contest when you study Japanese?


= Sure it is. And not only because you train your Japanese skills. It's also a psychological training because you practice speaking in front of a lot of people. I myself took part in a speech contest and won it. But I'll never forget how scary it was... (laughing)






そうなのです。弁論のテーマを選ぶのは、難しいことです。モスクワ予選では審査員長、決勝では審査員を務めた、弁論大会審査員暦24年になる、国際交流基金の日本語上級専門家・荒川友幸先生は、決勝後に、将来の弁論大会の参加者に「いい弁論の作り方」について話し、貴重なアドバイスをくださいました:


Mr.Arakawa, a senior specialist of Japanese language, who has been a jury member of the Speech contests for already 24 years, gave a great advice to the future contestants:


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― みんな面白い経験してるんだよね。確かに、経験を聞くことは面白いんだけど、そこから何を考えたか、って言うことが大切だと思うんだよね。弁論は、あなた自身の、とても大きな経験、とても大切な経験と、その経験からあなたが何を学んだか、あなたがどんなことを考えたか、そして、あなたはこれからどう生きるかの3つがあるべきだと思う。もちろん、他の書き方もあるだろうけれど、ここで言った書き方が基本になると思うんだ。それぞれいろいろないい経験をしているのだから、そのことについてもっと深く考え、私たち聞いている人たちを、「なーるほど、そうだな、いいことを言うな」、と感心させるようなことを言ってほしい。そのためには皆さんはもっと深く考えないといけない


歳をとると、だんだん心が動かなくなる。私もそうなっていると思う。でも、若い人たちの若々しい、よく考えてある弁論を聞くと、私は、自分の心が揺さぶられるのを感じる。だから、私は弁論大会が好きなのだと思う。


私は来年の弁論大会もとても楽しみにしている。みなさんがもっといい弁論を書いてここに来てくれるよう強く、強く願っています。


= It's always interesting to hear about your different experiences. But we'd appreciate, if you also made some conclusions out of those experiences. You should think about your experience and analyze it. And tell us about the results of such analysis. Your speeches, filled with emotions, fresh and new ideas can be very touching. I hope that in the future you'll surprise us with more and more interesting speeches.






決勝戦・モスクワ国際日本語弁論大会は、モスクワ国立図書館の大ホールで行われました。CIS・ヨーロッパ諸国での予選を勝ち抜いて、はるばるモスクワにきた発表者たち。張り詰めた空気の中で一つ、また一つと素晴らしい弁論が聞けました。そこで審査員の真剣な表情を見て思ったのですが、もしかしたら、発表するよりも、その素晴らしき優秀な発表の中から1等・2等を選ぶほうが、難しいのかもしれないですね。


来年・再来年の弁論大会も楽しみにしています!


The Finals were held up in Russia State Library. Contestants from Europe and CIS countries came here to demonstrate their level of Japanese. And when I looked at serious faces of the jury members, I thought: may be, choosing only one winner from all these great contestants is even more difficult, than to make a speech itself.


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そして最後に、話はちょっと変わりますが・・・


昨日、モスクワの「35ミリ」劇場で、第44回日本映画祭が始まりました!今回は、「ブタがいた教室」、「秒速5センチメートル」、「飯と乙女」などなどが上映される予定で、開会日前からチケットがどんどん売られていました。初日はお客さんが外まで長~い行列を作り、会場は満席!まさに、待ちに待った映画祭という雰囲気でした。毎日、たくさんのお客さんにきてもらいたいですね。


And in the end I'd like to tell you, that yesterday here in Moscow the 44th Japanese film festival opened its doors to the public. There were no vacant seats in the hall and people made a loooong queue in order to buy a ticket. I hope people will like the movies we prepared for them this year!


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それでは、キャシーさん、バトンタッチです!


So, Cathy, it's your turn again!