こんにちは、中島です。
この記事はマニラ・クアラルンプール・バンコクを経て、出張の最終目的地・ジャカルタへ向かっている飛行機の機内で書きました。
海外出張シリーズ第2弾、2日目以降についてお送りしますね。
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2月18日、マニラのショッピングモールで行われた「日本語フィエスタ」。
ショッピングモールの開店と同時に、日本の文化についてのワークショップやプレゼンテーションが行われ*1、お昼過ぎからメインイベントである日本語スピーチコンテストが始まりました。
日本語スピーチコンテストはその名の通り、日本語によるスピーチのコンテスト*2。ビギナーズ部門と、オープン部門の2部門があり、フィリピンで日本語を学ぶ学生や社会人から70件以上の応募があり、そのうちビギナーズ5名、オープン7名が今回の舞台に上ることになったのです。
そして、会場である映画館の600席以上が超満員!さらに、会場に入りきらなかった100名以上の方々にはスタッフも泣く泣くお引取りいただかざるを得なかった・・・という予想以上の盛況振り!!
ビギナーズ部門はスピーチの発表のみ、オープン部門は発表のあとに、審査員からスピーチの内容について質問をされ、その受け答えも審査の対象となります。その内容は、フィリピンと日本の関係の持ついろんな側面や歴史、日常生活の中で感じる日本的な感覚など、聞く側も考えさせられるようなものが多く、興味深かったのです。
スピーチが終わり、審査の集計が行われるまでの間は、第2部として日本とフィリピンの音楽に合わせてのモダンダンスや日本舞踊・伝統舞踊が演じられたり、日本語の音楽でののど自慢コンテスト、日本のアニメに関するコスプレの披露やクイズ大会*3が行われたのでした。
そして、審査の集計が終わり、再度ショッピングモール2Fの吹き抜けに作られたステージへ移動。ここで結果が発表されるのです。各部門の優勝者は日本での1週間の研修旅行が贈られます。
これを機会に、コンテスト参加者のみなさんには日本文化や日本語をより深く学んでいただき、観客の方々にとっても「へー、日本語や日本文化も面白いやん」と感じてもらい、フィリピンと日本の関係がよりよくなるといいですよね。ああ、私もまずは英語から・・・*4。
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翌19日フィリピン国立文化センター(CCP)の小ホール*5へミュージカル「Zsa Zsa Zaturnah」を観に。オカマ*6のスーパーマンのお話。
オカマの美容師Adaは、とある薬を飲むことで、女性のスーパーマンZsa Zsa Zaturnahに変身することができるようになり、街に突然現れた怪人や怪獣と戦い、一躍街のヒロイン(間違いではない)*7に。しかし、戦いの途中で元の男性の姿に戻ってしまうことも。そんな中、彼女(彼)に嫉妬するグループとの戦いに巻き込まれてゆく・・・
というもの。何をやっても観客にはバカ受けだし、俳優の技量は高いし、観ているだけで面白いんだけれど・・・フィリピン語(タガログ語)が分かるともっと面白いんだろうなあー。
ちなみに、この作品を1時間に縮めたバージョンのものを、日本の舞台照明家がフィリピンで行う劇場技術ワークショップ*8で、例題(? 練習用の具体的な題材)として用いるんだそうです。
加えて、今回出演した俳優のうち何人かは、3月下旬に日本で上演される、燐光群の「フィリピンベッドタイムストーリーズ2」にも出演するんだとか。うーん、世界は狭いというか、広いというか。
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20日(月)の夕方から夜にかけて、マニラを後にして、クアラルンプールへ約4時間。フィリピンとマレーシアの時差は無く、日本とは1時間の時差。
翌朝、クアラルンプール日本文化センターの島田さんと合流して、郊外にあるスパスティックセンター*9へ。今日から劇団態変のメソッドを用いたワークショップが行われるのです。
このワークショップの様子は既に態変のブログにも書かれていますが、今回見に行ったのがワークショップの一回目。以前、態変の金満里さんらから指導を受けたコーディネイターと5名のパフォーマー黒子が再度集まって、来年度の公演を目指しているのだそうです。
今回のワークショップは、今回初参加のパフォーマーを交えていることもあり、身体のリラックスと可動域を探る練習の途中で終わってしまいましたが、真剣な、特に以前に指導を受けた5名の様子には心惹かれるところがありました。それに触発されて「私も身体を動かそうかなー」とは思うのですが、ちゃんと見届けてお知らせすることも仕事ですから・・・とガマン。
その後、お昼から夜まではクアラルンプール日本文化センターに戻ってお仕事です。
クアラルンプール日本文化センターはPutraLRTという列車に乗ってAmpangPark駅で下車してから、徒歩で数分行ったビルの30階にあります。
受付から右手の方には日本語教育用の教室と、その奥には図書館。(と、ちらりと写る歳森職員。)
夜からはマレーシア国立文化センターにて、ミュージカル「Puteri Gunung Ledang」を観劇。
1,200人以上が入るホール、3週間にわたる公演期間と、マレーシアでは異例な規模であるにも関わらずすべてのチケットが完売してしまっているというくらい破格の大人気ミュージカルなのだそうです。*10
ジャワのお姫様Puteriと、マラッカの王様は政略結婚をする予定があり、王様はマラッカで一番の戦士Hang Tuahをジャワへ迎えに行かせます。しかし、Hang TuahとPuteriは一目惚れしてしまい、Hang Tuahの心はPuteriへの恋心と王様への忠誠心の間で揺れ動いて・・・
というこの作品のストーリーは「トゥーランドット」や「竹取物語」、ギリシャ神話のカッサンドラのようなものだし、よくある神話や伝説じゃない?と切り捨ててしまうことも出来るかもしれません。英語の字幕はあるし、パンフレットには大まかなストーリーが載っています。
しかし、マレー語のセリフを歌へと転化することで雰囲気やある種の甘美さが劇場内に広がっていて、マレーシアで前例が無いくらい大人気だ、ということも納得できる歌の力を感じさせられるのです。*11実はあまりミュージカルを観るのが得意ではなかった私も、マニラ・クアラルンプールと立て続けに、それも言葉が判らないけれど完成度の高いミュージカルを観て、ちょっと価値観が変わった感じです。
この公演は20時半に開演して、1度の休憩を挟み、終演がちょうど0時!国立劇場なのに夜遅くまで・・・おつかれさまです。
ホテルに戻ったら1時前。やっぱりすぐに就寝。zzz
翌22日、短いマレーシア滞在を終え、次の目的地バンコクへ2時間余り。クアラルンプールとは1時間、日本とは2時間の時差です。
そして、バンコクの空港に着き、今回の出張のために買ったスーツケースを受け取ってみるとなんと・・・
第3弾に続きます。
*1:あと、前回は触れませんでしたが、そのショッピングモール内のシネマコンプレックスで、日本映画祭もやっていたのです。会場設営の準備に行った際に少し時間が空いたので、大阪に暮らす小中学生の淡い恋心と成長を描いた作品「ごめん」の一部を観ました。梅田や海遊館でのシーンもあり、ふと自分が小中学生であった頃の記憶と重なって切なくなりました。
*2:ひねりなさい、ひねりなさい、と頭の中に嘉門達夫の声が響きます。・・・さきほどの映画の影響で気持ちが15年前に戻っているせいか、ちょっと発想が古いようです(苦笑)。
*3:この少し前、少し席を離れたのですが、あまりの盛況で映画館内に入れず声しか聞こえなかったのです・・・。ちなみに、コスプレは「ギルティギア」や「キングダムハーツ」のキャラクターなどなど、総勢10名ほどが舞台に上がったそうです。うう、ここを写真でお伝えできないのが残念です。
*4:外国語が得手ではないんですよね、私・・・。そんな人間でも受け入れられる、それがジャパンファウンデーション(笑)。
*5:こまばアゴラ劇場のような感じ。
*6:ここでいう「オカマ」は、いわゆる男性のゲイ。戯画化されてはいるけれど。
*7:と、こう書くと、ガンパレード・マーチの速水厚志みたいやね。
*8:こちらのワークショップはJFが助成しています。
*9:spasticは脳性麻痺の意
*10:というのも、この作品はマレーシアに語り継がれる伝説が題材になっていて、数年前に映画化されたのですが、その映画の主演女優が今回のミュージカルでも同じ役を演じるということが話題になっているのだとか。
*11:終演後、KLの職員全員がこのミュージカルのサントラCDを購入したのでした。ちなみに、劇場の天井近くに英語字幕装置が付いていて、そっちを読んでいたら首は痛いわ舞台上を見逃してしまうわ・・・ということで、結局私はマレー語のセリフがさっぱりわからないままずっと舞台上を見ていたのでした。
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