Friday, September 5, 2008

インターン生による座談会 その1



はじめまして。


8月18日からジャパンファウンデーションの人事課でインターンシップをしている劉(りゅう)です。


ジャパンファウンデーションでは、大学との協定に基づき、主に夏にインターン生を受け入れています。8月下旬~9月上旬は、インターンシップもピークを迎え、毎日10名ほどのインターン生が実習をしています。


去る8月27日に、インターン生による座談会を行いましたので、ここではその様子を紹介します。





*  *  *  *  *


座談会の目的は、インターン生同士で、担当業務やジャパンファウンデーションについて意見交換することです。


ただ意見を発表し合うではなく、みんなでグループワークに取り組むことにしました。


学生ならではの自由な発想を大事にするために、まずはジャパンファウンデーションの業務にとらわれず、「あったらいいな」と思う国際交流企画を自由に立ててみて、3人1組のグループごとに発表することにしました。





テーマは「世界を平和にするための国際文化交流」にしました。これについてどんな事業を企画できるのか、みんなで話し合いました。





参加したインターン生(配属先)は、


鄭(てい)さん(日中交流センター)、金さん(日本語事業部企画調整課)、米田さん(トリエンナーレ準備室)、若林さん(トリエンナーレ準備室)、清浦さん(トリエンナーレ準備室)、エミリーさん(日本研究・知的交流部 欧州・中東・アフリカ課)、平田さん(日米センター知的交流課)、石井さん(日米センター知的交流課)、劉(人事課)です。


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◆グループ1(エミリー、米田、劉):


○キーワード:子どもたち、共同作業、年齢に合わせたワークショップや座談会


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米田:私たちは、小さな子供たちを対象にしたプログラムを考えてみました。例えばUNESCOでは比較的小さな子どもたちを集めて、一緒に工作をさせるという事業を行っています。なぜ工作なのかというと、工作だと絵や図を通してコミュニケーションがしやすいからです。一緒に工作したのに、一人ひとりが作ったものは実際には全く違うものになる。そこで、「みんな同じテーマを目標としていたのにこんなに違いがあるんだね」と違いを理解してもらうというものです。それを参考に、私たちは、子供たちの年齢段階に合わせて、世界中の子どもたちを対象に、異なるワークショップや座談会を実施する事業を考えました。幼い子どもたちや小学生には工作を、中学生くらいなら会議などの意見交換を、といった具合です。未来を担う存在である子どもたちを対象にすることで、短期的なものではなく、将来のための人材を育成する、という長期的な事業を行うことで社会を平和にしよう、と私たちは考えました。


エミリー:戦争や紛争の経験は、どこの国でもあると思いますので、世界中で行うことを想定しています。






◆グループ2(石井、清浦、鄭):


○キーワード:ピースバス、世界キャラバン、子どもたち、アート、文化、夢






清浦:私たちは、小学生、中高生や大学生の学生を対象とした事業を考えてみました。子どもたちの作った絵や写真、作文、過去に起こった戦争関係のドキュメント、日記や手紙、また、現地の子供たちに聞いた将来の夢等々を各国言語に訳し、バスに乗せて世界中を回るというものを考えました。名前はピースバスです。このバスは、発展途上国から始まり、世界を一年中走り回ります。バスを走らせ、訪れた各地でワークショップや展示を行い、互いの違いや痛みを知ろう、共有しよう、というものです。バスに乗るのは世界中の大学生です。世界中を回るということで基金以外の機関からの協力も必要になってくると思います。


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石井:なぜ発展途上国から始めるかというと、日本のような先進国から始めると、やはり子どもたちのいる環境も違うので、意見交換をしにくくなるのではないかと思ったからです。たとえば日本の子どもに将来の夢は何ですかと聞くと、「プリキュア*1になりたい」と答える子もいるのですが、発展途上国の子どもたちは「エレベーターに乗りたい」とかだったりします。そこで僕たちは、先進国から始めない、という形をとりました。












◆グループ3(平田、若林、金):


○キーワード:中高生、伝統的な遊び、挨拶、課外活動






平田:私たちはいろいろな国の中高生を対象に、お互いに自分の国の伝統的な遊びや、簡単な挨拶を教えあうというものを考えました。


若林:私は留学していた時に、自分の中でそれほどイメージのよくなかった国の人と交流をし、仲良くなったことで、その国の印象が変わったという経験があり、それを元にこれを考えました。


平田:今は、指差し会話の本のように簡単なあいさつ等がすぐにわかるようになっているので、そういったものを学習の前に配るのも良いと思います。伝統的な遊びや挨拶みたいに、形にならない文化を伝え合う事が異文化理解に効果的なのではないかと考えました。こういうものを課外活動にしたのは、教育にしてしまうと、国の意向に左右されやすいのではないかということと、今紛争中の国は教育を開始するまでに時間がかかり、なかなかできないのではないかと思ったからです。






質疑応答の時にはいくつかの質問が上がりました。例えば・・・。


◆グループ1への質問◆



Q:具体的に何歳くらいまでの子どもたちを対象とするつもりですか?



A:高校生になると働かなくてはならない状況の国もあると思うので、中学生以下に設定するのがよいと思います。



Q:会議で意見交換をする場合、言語はどうするのですか?



A:ジャパンファウンデーションや各国の機関が共催し、各国の通訳を手配することにより、言語の問題を解決できると思います。


◆グループ2への質問◆


Q:既にピースボート*2というものがありますが、その違いは?



A:ピースバスのメリットは、海岸沿いではない内陸にも行けることです。


◆グループ3への質問◆



Q:伝統文化にこだわってしまうと、過去の古い文化のみを伝えることになってしまい、逆にその国の現代の文化を伝えにくくなるのではないでしょうか?



A:あえて、あまり知られていない古い知識や文化を知ってもらうことで、新しい交流が生まれると考えています。





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最後に、ジャパンファウンデーションがこれらの事業に関わるとしたら、どういった形が可能かについて、インターン中に得た知識や情報を活用しながら、皆で話し合いました。



・助成プログラムとして支援することが可能だと思う。


・子どもたちや一般の市民の方たちは、世界とのネットワークを持っていないと思う。そのため、子どもや市民の方と事業を仲介する役割を担うことで、かかわることができると思う。


・日本語国際センターで日本語の教材をたくさん作っているので、教材を提供することで事業に携わることができると思う。



その他、このような意見もありました。



・ジャパンファウンデーションは国のお金を使っているので、これらの事業が日本の国民のメリットにもなることを説明できないといけないと思う。


・世界の平和に貢献することは、将来的に、日本の安全保障に活かしていけると思う。



限られた時間でしたが、インターン生同士で知恵を出し合い考えることで、いろんな刺激や気付きを得ることができました。


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以上、レポートでした。






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