みなさんこんにちは、オレペコです!
ご覧になった方も多いと思いますが、先週の21日(水)から25日(日)までの5日間、読売新聞の1面に「日本(第6部:海の向こうから)」という記事が連載されていました。この特集、「世界で日本がどう受け止められているかを探る」ことを主眼とした企画だったので、国際文化交流を生業とするジャパンファウンデーション職員としては、非常に興味深く読んだわけです( ̄Λ ̄)ゞ んむっ
たとえば、その第一回目の記事(21日)は、1面にドドンとコスプレをしている外国人のカラー写真が掲載されていました*1。キャプションを見てみると、ニューヨークのマンハッタンのど真ん中にある、紀伊国屋書店で開かれた「マンガ祭り」のひとコマ。そうです、今や世界のあちこちで、コスプレをした若者が見られるんですよ。。。
この特集がおもしろかったのは、1面でさまざまな切り口から日本に対する見方・事象を紹介した上で、別のページに関連インタビューを載せていたところ。大局的な視点から全体像を描く記事と、いろんな分野で日本にかかわりを持つ「個人」の意見をまとめたインタビュー。両方あるっておもしろいですよね。
初日のインタビュイーはタイの作家/アーティスト、プラープダー・ユンさん。彼は日本文化の特色を「大衆化にある」といいます。
日本のアニメやマンガ、カラオケは、ものごとを単純化し、共通理解を持たせ、人々を結びつける媒体になっている。単純化、あるいは余分なものを排除して最小限の形でものごとを表現することは、日本文化の伝統だ。たとえば浮世絵。単純化しつつも、細部にこだわる。
読売新聞11/21(水)朝刊p.6より
単なる「単純化」「抽象化」ではなく、そうしつつも「細部にこだわる」というのはその通りですよね。
さらに、彼が日本に惹かれる最大の理由は「人間と自然がある意味で対等の関係にあること」なんだそうです。自然を「征服の対象」としてではなく、むしろ畏れ多いものと考え、大切にしてきた日本人。当たり前のように自然が文化に入り込んでいる日本。そういったところに惹かれる外国の方は多いようです*2。
ちなみに、なぜ彼を特段取り上げてご紹介するかといいますと・・・
プラープダーさんといえば、ジャパンファウンデーションが2004年12月から05年1月に実施した”Have We Met?―見知らぬ君へ”という企画展のキュレーターのお一人です*3。また、タイ、日本、オランダ、フランス、シンガポールの5カ国合作のタイ映画、 『地球で最後のふたり』(主演:浅野忠信*4)の脚本家さんでもあります。・・・と。ここでちょっとJFトリビア♪なのですが、この『地球で最後のふたり』の主人公ケンジ(浅野さん)は、当時わが国際交流基金のバンコク日本文化センターに勤めていた吉岡職員がキャラクター・モデルになってるってご存知でしたか???ほぼ日刊イトイ新聞のコラムで、プラープダーさんとの出会いから映画の見どころまでを広く語っていますのでぜひご覧くださいっ(★)。
(ちなみに吉岡職員、この小説↑↑↑の翻訳もしています。)
その他、この読売新聞の特集では、世界に広まる和食ブーム(22日)、世界の対日本評価に比べ日本人自身の自己評価が低いこと(23日)、古き良き日本の伝統・美徳を受け継ぐ日系人の方から見た「今の日本」(24日)、海外の日本研究機関の激減と中国研究の台頭(25日)等々、日々私たちジャパンファウンデーション職員が直面している課題をいくつも取り上げていました。
これから国際交流に携わりたいと考えている方々にも、参考になる視点を与えてくれる特集だと思うので、ぜひぜひ、図書館などでご覧になってみてくださいねー
(o^∇^o)ノ
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*1:お手元にない方にはイメージができませんよね、ごめんなさい。ウェブで探していたら、小沼ゆりいかさんという方が、ブログに写真を掲載していますよー。これでイメージ、つかめるかしら?→★
*2:プラープダーさんの「日本観」にもっと触れてみたい!という方、朗報です。12月上旬、氏の日本観をつづったエッセイ集『座右の日本』が発売される予定なんです!詳細はこちら→★。新刊が出るのを記念して、その制作背景を紹介する対談記事がでました(12/6)!吉岡職員も登場します。ご興味のある方は、ぜひぜひこちらへ(vol.1, vol.2, vol.3)。
*3:展覧会概要はこちら→★。また、これに関連してプラープダーさんを紹介した記事はこちらにあります→★
*4:あっ!偶然今日は浅野忠信さんのお誕生日のようです!!!奇遇だー。
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