7カ月ぶりにブログに登場します、日米センター(CGP)の西納由紀です。今日は、先週5月9日~12日にブルネイダルサラームで行われた、ASEMユース・セミナー(ASEM Youth Seminar)について報告します。
ASEM(Asia-Europe Meeting/アジア欧州会合)は、1996年に発足したアジア欧州間のパートナシップ強化や対話の促進をめざす外交上の枠組みです。現在は、EU加盟国、ASEAN加盟国、日中韓、欧州委員会が参加しています。
今回のセミナーは、ASEM対象地域のユース(青少年)が一堂に集い、親善と友情を培うことをテーマに行われました(テーマは"Strengthen Good Will and Friendship Among Europe and Asian Youth")。セミナーには、10カ国から80名以上の若者が集い、うち日本からは、私を含めて3名のジャパンファウンデーション職員が参加しました。
ディスカッションのまとめを発表する参加者
みなさんは、ブルネイに行ったことがありますか? 今回、わたしたち3人は全員初めてブルネイの地を踏みました。サイズは三重県くらい、人口35万人の小さな国で、マレーシアボルネオ島北部に位置します。熱帯雨林気候のブルネイ。今の時期、日中の気温は30度を越え、湿度は90%前後、基本的に晴れていてたまに降るとバケツをひっくり返したようなスコール(!)というお天気です。
石油や天然ガスといった豊かな資源に恵まれ、街や通りはきれいで快適。デザイン性にとんだ中高層ビルがあれば、大変ゴージャスなモスクがあり、街中から少し出ると青々と熱帯の森林が広がり、川沿いには水上集落が立ち並ぶ、そんなところです。
カンポンアイール(水上集落)にある学校
今回のセミナーは、ブルネイで青少年活動の促進に取り組むブルネイ・ユース・カウンシル(Brunei Youth Council)と、ブルネイ青少年スポーツ庁(とでも訳しましょうか、Youth and Sports Department Brunei Darussalam)によってオーガナイズ(企画・運営)されていました。オーガナイザーの皆さん、そして地元からの参加者の皆さんは、ホスピタリティに溢れていて、とても心温まる歓迎を受けました。
セミナーでは、有識者6人のレクチャーを聞き、それを踏まえて参加者全員で議論を行いました。各国・各地域における青少年を取り巻く環境、青少年の社会的役割、グローバリゼーションの長所・短所、グローバリゼーションが青少年の役割に与える影響、などが議題となりました。その結果を最終的にはセミナー全体の「提言」として一本の書簡に取りまとした。
もともと4日間のセミナーですので「オン」の時間は限られたものでしたが、「オフ」の時間も参加者は皆一緒にいて、室内/屋外で、遊びながら、食事をしながら、まじめな信仰の話しから、冗談の掛け合いまで、延々と話し続けました。娯楽施設が極端に少ない禁酒国ブルネイながら、‥だからでしょうか、毎日毎晩の皆のテンションの高さ、盛り上がりぶりは、すごかったです。
国を知るのも、文化を知るのも、「人」を知ることから始まると思います。その意味では、多くの同世代と寝食を共にして、友情を築けたことは、かけがえのない体験となりました。今後も連絡をとったり相互訪問をしたりして関係を続けたいと思っています。
また普段、職員としては、オーガナイザー側で走り回ったり「縁の下の力持ち」的仕事をしたり、というのが主なのですが、今回純粋に参加者として出席したことで、迎えてくださった現地の皆さんの尽力がよく分かると共に、普段のオーガナイザーとしての自分のあり方を再考する機会となったのも、貴重なことでした。
普段の仕事からの解放感と、腹を割ったコミュニケーションを楽しむ開放感とに満たされて、「国際交流」を思い切り満喫した一週間でした。
「Say ブルネーイ!」
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