Wednesday, July 4, 2007

 をちこち「酒は地球を回る」の舞台裏 続編



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皆さん、こんにちは!いよいよが待ち遠しい季節ですね。今週末は七夕ですよ~~☆





さて本日は、お待ちかね「をちこち」編集長、渡邊直樹氏のご登場です。


前回の“お酒”にまつわるストーリー、もうご覧いただけましたか?まだの方は⇒こちら!!





ちなみに登場したお酒の一つ「ウンターベルク Unterberg 」はドイツ語で「下山」・・・?地名か、人名か、考えてみるとお酒の名前って、愛称みたいで面白いですね。「マルガリータ」とか「ブラッディ・マリー」とか。





では、前置きはこのあたりにしておいて、さっそく始めましょう!








特集「酒は地球を回る」 ~続編~





「旅する酒・泡盛」を執筆していただいた作家の吉村喜彦さんがサントリーを辞め、フリーの物書きになられて間もないころ、石垣島に一緒に行きました。石垣の歌者(うたしゃ)で民謡酒場「安里家」のオーナー・安里勇さんの船で、干潮時だけ水面上にあらわれる島に上陸。安里さんが海中で突いたばかりのブダイやシャコガイを肴に泡盛を飲みました。真っ白な砂浜にねそべって、目に痛いほどの青空を眺め、体の外側は太陽にジリジリ焼かれ、中からも何かがゆっくりと沸き溢れるような感覚に身をゆだねていると、東京での屈託などすっかり消えうせていました。あれは、当時編集長をしていた雑誌が休刊になって間もない頃のことでした。





 数年前に中国の紹興にある紹興酒工場見学に行ったとき、工場長からこんな話をききました。


「5年ものの紹興酒は20歳の若者のようなもの。フレッシュでういういしい。10年ものは30歳。力強く、味も香りも充実している。20年ものは50歳。経験を積み、より香り高く、まろやかになっている。30年ものは80歳の老人。長寿の年寄りが家にいる。それはとても幸せなことです」と。工場長が個人的に好きなのは「10年もの。味わいがしっかりしていて、香りもよいし、コストパフォーマンスもいちばん」とのこと。確かに30年物は、おいしさとは別の基準を導入したくなるような、枯れた味わいでした。私も10年ものがいいですね。





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東京の谷中にある「ANOMA」では今までに見たことも味わったこともない、世界の珍しい酒に


出会えます。蜂蜜酒や、馬乳酒を蒸留したアルヒー、某有名酒造会社が限定でつくった粕取りなど。店主のご主人で民族音楽のプロデューサー・星川京児さんが世界各地で集めてきた民族音楽や、


グレゴリア聖歌としか聞こえないビートルズ作品集といった音楽を聴きながら飲んでいると、時間も空間もゆらゆらと曖昧になり、翌日になってみると、あれは現実の出来事だったのか夢だったのか定かではなくなります。世界各国から来日したミュージシャンが特別に持参する酒が何本もあるといいます。WHO(世界保健機関)に認められて復活したアブサンにも、ここで出会うことができました。








 そのお店に、『喰いたん』『将太の寿司』のマンガ家・寺沢大介さんをご案内しました。寺沢さんのマンガは韓国でも大人気。国際交流基金の派遣で、韓国の人気マンガ家ホ・ヨンマン氏と対談をしていただきました。その模様は『をちこち』最新号で「カバ先生ソウルへ行く」と題して掲載されています。美味・珍味大好きの寺沢さんもANOMAの珍しいお酒にはびっくり。話もはずみ、本来なら延々と飲むところなのですが、『をちこち』次号の特集のためにインド行きが1週間後に控えていた私は、あとを交流基金の他のメンバーにまかせて、一足先に店を出て、終電に間に合うように東京駅へ向かったのです。ところが、東京駅で思いもよらぬことに出くわしてしまったのです。(以下、次号に続く)





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