こんにちは、オレペコです。
『世界は村上春樹をどう読むか』が出版されてはや1ヵ月以上!たくさんの方がご自身のブログで
感想を書いてくださっていますので、今日はそのいくつかをご紹介したいと思います。
■リチャード・パワーズさん*1の基調講演に感動した声、声、声・・・
春樹作品を「脳の神経細胞の働き」から読み解こうとするリチャード・パワーズ氏の深い深い基調講演に感銘を受けた、との声が多数聞かれます。
たとえば、本郷さんの日記:
わずか27ページの文章に、2時間ぐらいかけて読んでいました。
カフェで読んでいたのですが、息をするのも忘れるぐらい文字の奥へ奥へと入っていくような体験で、ちょっとあたりを見回したりして本から眼を離さないと怖くなるぐらい集中していました。
すごくわかります。とっても深い内容なので、一行一行、意味を確かめながら読まなければなかなか頭にすっとは入ってきませんよね。。。
村上作品を読んだことのある方はよく知っていると思うのですが、彼の小説のなかには、「鏡」「影」「迷宮」「井戸」などの、「あっち側とこっち側」やその境界に関するモチーフが頻出します。僕は村上作品を読んで「ぜんぜん分からないけれど、なぜか深く共感している」という余韻をよく抱きます。その不思議さの秘密をパワーズはその博学で愛情に満ちた語り口で教えてくれて、ああ本当にそうだなあと思い、読みながら、脳の中の神経細胞がぐんぐん繋がっていくのを感じました。
実際会場でパワーズさんの講演をお聞きになっていた金さるさんは次のように書かれています。
ニューロ・サイエンス、脳の10年etc……
講演会ではついていくのが、正直やっと。
あらためて活字で読むと、天才作家が村上作品をどのようにとらえているのか?
なんとなく、わかる気がします。
「できるだけ当日の雰囲気をそのまま記録に残す」というコンセプトで編集した結果、実際シンポジウムに参加された方にも、当日の雰囲気を思い出しながらもう一度読んでいただける、そんな本に仕上がったのことをうれしく思います!ちなみにこの金さるさんは、シンポジウムに参加されたときにも詳細に感想を書いてくださっています。
■「翻訳のおもしろさ」の観点からもたくさんのコメントが、、、
bananafish さんは実は、3月のワークショップに参加した直後に感想を述べてくださっていました。
ハンガリーの翻訳者の「翻訳者は犯罪者」とのコメントを受けて、これがワークショップの結論のようなものになったのだけれど、いやまったくその通りかもしれない。
基金職員の中にも、この表現が印象に残った人は多いようです。
結局のところ、個人のストーリーへの解釈によって翻訳もまたちがってくるものなのだ。ということはつまり、翻訳者はじつに責任重大な責務を担っているのではあるまいか。海外文学のニュアンスのひとつをも母国語で伝えなければならないという意味で。
そう考えるとなんだか恐くなりもするが、翻訳する楽しさや喜びの方が困難にまさったりもする。そんな世界各国同業者のアトモスフィアを身近に感じられたワークショップ。「翻訳者というのは基本的に透明であるべき」という柴田氏のコメントが印象深かった。
翻訳に携わる方ならではのコメントですね!
このほかにも、「一時期春樹作品に熱中していたけれど今は距離を置いている」方とか、「春樹本は熱狂的には読んでいないけれど、世界で受容されているというこの現象自体には興味がある」方とか、あるいは当日のシンポジウムをお手伝いしてくださったひろこさんとか、本当にいろんな方*2が感想を述べてくださっています。
これでもたくさんのブログ記事の中のほんの一部。。。
今後も機会を見つけてご紹介していければと思います!
最後になりましたが、今回も週末のイベントのご案内です!
11月26日(日)、国際交流基金関西国際センタ^にて「ふれあい交流祭」が実施されます!
当日は当センターをオープンにし、各種日本文化体験・紹介コーナーや、当センター研修生による出身国紹介ブース等が出され、国籍を超えた和気あいあいとした一日となります。お近くにお住まいの方はぜひ足を運んでみてください!
*1:リチャード・パワーズさんは先ごろ、小説The Echo Makerで2006年度のNational Book Awardsを受賞されました!!!
*2:ちびえみさん、adawaltさん、sonoさん、mttさん、issatsuさん、横浜逍遥亭さん他も感想を述べてくださっています!
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