Saturday, October 29, 2005

日本語の快楽と、短歌の朗読



長らくのご無沙汰をしておりました*1、中島です。*2


記事を書いていない間に行ってみた文化関係のイベントの中でも、今日は文学系・日本語関係について触れてみたいと思います。







  • 遠近サロンでアーサー・ビナードさんと、トニー・ラズロさんにお会いしました。(9月15日)

ジャパンファウンデーションの雑誌『遠近(をちこち)』では、毎号国際文化交流やジャパンファウンデーションの事業にちなんだ特集を組んでいるのですが、第6号の特集は「日本語で話しませんか」。*3島田雅彦さんとアーサー・ビナードさんの巻頭対談に始まり、世界各地の日本語教育事情など、現場や体験に則して語られています。


そして、実は、毎号発刊後に寄稿してくださった方を招いて、直接お話を伺う「遠近サロン」なるイベントが行なわれています。今回は対談されたアーサー・ビナードさんをお招きしてお話を伺いました。ビナードさんのお話は著書『日本語ぽこりぽこり』と同じような口調で、日本語を学ぶ過程で出会った言葉に対する驚き・楽しさについて、示唆と笑いに富んだ、とても刺激的なものでしたよ。

その後の懇親会に、マンガ『ダーリンは外国人』に登場するトニー・ラズロさんが登場。ビナードさんとトニーさん*4は以前からお知り合いだったそうです。お二人の共通点は、色んな言語のひとつひとつの言葉の持つ、意味や成り立ち、音や韻にまで考えることを楽しめるくらいまで感受性が高いこと!そう思うと、お互いにお知り合いだったのも当然かもしれませんね。







  • 短歌の朗読イベント「朗読千夜一夜」に参加。(10月2日)

実は最近、比較的若い方を中心に短歌が流行っているんです。*5この背景には、今の時代背景や、インターネットや携帯のメールといったメディアが影響していると思います。*6




さらに、ここ数年、短歌の朗読も流行っています。10月2日には大塚で「朗読千夜一夜」というイベントがあり、笹さん*7、中島、田中槐さん、斉藤さん、写真家の井村一巴さん、東直子さん、最後に飛び入りゲストでメキシコの詩人アウレリオ・アシアインさんが朗読をしました。*8





もし朗読に興味を持っていただけたなら・・・




  • 現代詩と短歌の朗読イベントで国際交流 「"Poem: A fabric of two voices" -墨日ポエトリーリーディング・セッション」(10月31日)


にもお越しください。メキシコの詩人と日本の詩人・歌人が朗読を行ないます。10月31日に駐日メキシコ大使館で行なわれ、入場料無料、簡単なメキシコ料理とドリンクがついてきますので、お気軽にお越しくださいね。(このイベントのブログもあります。)




*1:単独記事としては1ヶ月以上!


*2:ぼくだけの力で記事を書かないと・・・ドラえもん松岡さんが・・・安心して・・・帰れないんだ!(『ドラえもん』第6巻収録「さようならドラえもん」を参照のこと。)


*3:今は第7号が出ています。特集は「アートが世界を変える」。主に、横浜トリエンナーレ2005に触れています。


*4:マンガの影響で、彼だけはファーストネームで呼びたくなってしまう…


*5:若い方だと、穂村弘さんや枡野浩一さんは人気が高いですし、斉藤斎藤さん・笹公人さん・黒瀬珂瀾さん(カラン卿)・天野慶さんも最近よくメディアに登場していらっしゃいますね。


*6:短歌という表現形態自体が、日常の中での、発見や嘆き・内省を促す要素があること。そういう発見や嘆きをインターネット上の日記やブログ形式だと表現しやすいこと。携帯のメールで書くような短い文章が短歌に近い長さになりやすいこと。携帯メールの短さゆえに行間を読ませるような、叙情が生まれる可能性があること。そして、それらの情況にあった歌人が数多くメディアに出てきていること・・・。いろんな理由があると思います。皆さんも機会があれば一首、詠んでみませんか?


*7:先日、NHKの生放送番組にレイザーラモンの格好で登場しました。結社の先輩、フォー!歌人生命の危機、フォー!


*8:当日の朗読順





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