みなさん、こんにちは。三富です。
♪ 街角にはクリスマス・ツリー 銀色のきらめき
Silent night, Holy night ~~~
(クリスマス・イブ/山下達郎)
なんとも“やぶからスティック”な、切り出しですが、ブログでは毎年恒例となったあの企画。
今年も懲りずにやっちゃいます!*1
「世界のクリスマス2007」 v(´∀`*)イェイ
第1弾は、フランス・パリから。パリ日本文化会館の田村さんにレポートをお願いしました。
クリスマスが迫るこの時期、パリの街並は綺麗なイルミネーションで彩られます。
中でもひときわ目を引き、毎年注目を集めるのがシャンゼリゼとオスマン通りです。年末の観光スポットとしても有名なこの場所に、私も見物がてら出かけてみました。
オスマン通りはギャラリーラファイエット(Galerie Lafayette)とプランタン(Printemps)の2大百貨店が隣り合う、パリで最も賑やかな通りの一つです。どちらも1890年代創業という歴史あるデパートですが、それにしてもすごい人だかり…。
建物全体に、確かに一見の価値ありと思わせるイルミネーションが豪華に飾られています。
ショーウインドーにも機械仕掛けのぬいぐるみが動き、沢山の人が足を止めています。何しろクリスマス前の売上は1年の2割を占めると言われているそうですから、デパートのこの時期にかける意気込みが伝わってきますね。建物の中に入ってまず目に飛び込んできたのが巨大なクリスマスツリーです。5階まで吹き抜けの金色に輝く壮麗なホールに、装飾されたツリーがさらに輝いて迫ります。 それぞれの売り場には、いつにも増して沢山の商品が置かれ、買い物袋を抱えたマダム達があちこちで店員さんと熱心に議論中。思わず私も何か買わなくてはと思わせるこの熱気…、危険ですねぇ。
パリにデパートが誕生したのは19世紀半ばのこと。大衆消費経済に移行するのと時期を同じくして、それまで小売店しかなかったパリに、あらゆる商品を一つの空間に集めた巨大なデパートが生まれました。この時期のデパートの創始者が行った工夫の一つが、デパートを従来の小売店のような単なる商業空間ではなく、巨大なスペクタクルの場、非日常的な祝祭空間に仕立て上げようとしたことです*2。人目を引くエンターテイメントとしての空間を創出し人々を引き寄せ、日常と異なる世界を体感させながら購買意欲に火をつける、という訳です。
100年以上前に考えられたこの工夫、パリのクリスマスをレポートしようと出掛け、綺麗な飾り付けにうっとりし、人々の熱気につられ、ついつい買い物へ走ってしまった…という私の行動を見れば、この仕掛けが今も十分機能していることは明らかですね。思いがけずデパートで数時間過ごし、買い物袋を抱えて外に出ると、空からは雪がちらほら。なんてクリスマスらしい雪景色・・・などと思っていたら、実はデパートの演出の一つとして設置されたスノーマシーンが雪を降らせていたのでした。凝った演出に脱帽です。
(左:シャンゼリゼのイルミネーション)
因みにフランスでは、クリスマスは家族と過ごし、お正月は友人と一緒に過ごす、といのが一般的な過ごし方のようです。フランス人E嬢によれば、フランス人にとって実はクリスマスは憂鬱な時期、家族のスケジュールを合わせ、家に帰るための旅行の手配をし、料理を考え、プレゼントを考え、当日集まったら集まったで、一年に一度の機会を利用して家族の問題を話し合う場になってしまう、ということだそうです。「あと、2つプレゼント買わなくちゃ…」とため息を付いていました。
(写真左:街角の花屋さんに並ぶツリー用のもみの木、右:オペラ座)
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