Friday, February 10, 2006

Rapt! ― contemporary art from Japan (2006年日豪交流年 日本現代美術展)公開セミナーのお知らせです。






こんにちは松岡です。


きょうは現代美術に関する公開セミナーのご案内です。





f:id:japanfoundation:20060209104910j:image





またまた何度もしつこくお知らせしていますが、今年、2006年は





日豪交流年





なんです(こちら)。





「Rapt! ― contemporary art from Japan」では交流年を機に、現代美術を通して「現代の日本」をオーストラリアに提示します。


「日本人が見た日本」を輸出するのではなく、オーストラリアと日本のキュレーターならびに研究者の議論と調査をもとに、双方の対話を通じて日本の現代文化を伝えていく、プロジェクトです。





本プロジェクトは、






1.オーストラリア5都市で行なわれるレジデンス・プログラムによって、日本のアーティストと受入機関のキュレーターや地域住民が交流を図る


2.その交流の成果として、メルボルン市内の複数会場で「現代日本」をテーマにした展覧会を開催。


3.オーストラリアと日本の知的かつ芸術文化的な交流の実践として、同じく「現代日本」をテーマとしたシンポジウムを開催。



以上の3つの柱で構成されています。





すでに昨年から、オーストラリア・日本の双方からなるプロジェクト・グループは対話を重ねてきており、そうした成果も踏まえ、今回3回にわたって「いま、日本で起きていること」を公開の場で参加者と共に語り、現代日本文化の現状について考えます。





詳しくはジャパンファウンデーションのホームページに載っておりますので、そちらもご確認ください。

以下簡単に公開セミナーの概略を*1






【第1回】


2月22日(水)19:00-21:00 @国際会議場(ジャパンファウンデーション本部)


「若者文化・都市論の現在―<ポスト80年代>のストリート文化から都市再開発まで」


[ゲスト]三浦展(消費社会研究家)・南後由和(社会学)


[モデレーター]北田暁大(社会学)


昨年のベネチアビエンナーレ建築展の日本館(こちら)では、森川さんが「おたく」をテーマに、秋葉原の街並みを某家電量販店の紙袋のパターンをビルのファサードに見立てた模型を展示したり、個人と個人が直接フィギュアなどの売買を行なうレンタルショーケースを展示したり、かなり話題となった展示をしました*2


これも一つの若者文化ともいえるのかもしれませんが、今回のセミナーでは『下流社会』(講談社新書)の著者でもある三浦さんが登場します。





下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)




「『下流』用のカップラーメン」の話しとか、ドラゴン桜の引用とか*3、まさに現代の一側面を鮮やかに切り取って見せてくれた、そんな印象でした。


今回のセミナーでも、そのような「はっ!」と気づかされる、日本社会の一側面を見せてもらえるかもしれません。






【第2回】


3月3日(金)14:00-16:00 @国際会議場(ジャパンファウンデーション本部)


「問題は本当に問題か」


[ゲスト]小沢剛(美術家)・塚本由晴(建築家)


[モデレーター]五十嵐太郎(建築史・建築批評家)



昨今の若手建築家は盛んに現代アートの作家たちとコラボレーションしています。


例えば「みかんぐみ」なんかは、昨年12月まで開催されていた横浜トリエンナーレにも参加していましたし、逆にこのような現代美術のプロジェクトに建築家が盛んに出てくるようになったのも、彼らの世代から活発になりだしたようにも見えます。塚本さんはその流れの中でも、だいぶ前からコラボレーションしてきていた建築家の一人です。





「問題は本当に問題か」というタイトルだけではなかなか何が起きるのかわからないのですが、まあそれは当日のお楽しみ??


最近は住宅論に関する書籍を出されてますが、塚本さんの『メイド・イン・トーキョー』


メイド・イン・トーキョー


とか


『10+1〈No.21(2000)〉特集トーキョー・リサイクル計画―作る都市から使う都市へ』


10+1〈No.21(2000)〉特集トーキョー・リサイクル計画―作る都市から使う都市へ


のような、現代日本・現代東京の、ちょっと変わったパースペクティブが見れるかもしれませんね。






【第3回】


3月8日(水)19:00-21:00 @国際会議場(ジャパンファウンデーション本部)


「フィクションとリアリティー ― 現代日本の文化から」


[ゲスト]青木淳(建築家)・椹木野衣(美術評論家)


[モデレーター]前田恭二(読売新聞東京本社文化部 記者)





先日、当ブログでも紹介した、Yoshitomo Nara + graf「AtoZ展」が今夏、青森県・弘前市で開催されますが(こちら)、ちょうど同じ頃に青森県にできる美術館、「青森県立美術館」を設計したの青木さんです*4。この設計プロセスに関しては、10+1web site(こちら)でも冒頭で触れられてます。こちらもタイトルからだけでは中身がちょっとわからないのですが、(こちら)では「美術館建築でのフィクション」について語ってらっしゃいました。


社会にリアルなモノを生み出す建築家が現代日本社会に蔓延するフィクションを語る??





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ということで、こちらの公開セミナーですが





完全無料





受付先着順100名





となっています。





3回とも面白そうなテーマですので、僕も行こうかと思いますが、ご関心のある方はこちらで申し込み方法をご確認ください。




*1:実はこの情報、最近入ってきたので、正直なところ詳細はまったく知りません・・・といいうことで、ほぼ推測で。


*2:会場の様子を撮影した映像の中で、大学生らしき青年が真剣にショーケースを秘一つ一つ、ビデオカメラで撮影していた様子が印象に残ってます。日本で同じようなことをしてたら驚かれるというか、えっていわれるか、さもなければ怒られるか?


*3:僕自身、ドラゴン桜は読んだこと無いんですが、「社会のルールってやつはすべて頭がいいやつに都合のいいように作られてるんだ.・・・お前らみたいに頭使わずに面倒くさがっていると・・・一生だまされて高い金払わされるんだ。だまされたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら,勉強しろ。」という引用部分は、へーーー、そういう見方もあるかと関心しましたが


*4:ちなみに奈良さんは青森出身、で彼の作品もここにあります





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