三たび登場、後藤愛です。
私の所属する日米センター知的交流課のお話もそろそろしたいと思います。
9月には、年に2回の「一般公募助成事業」の審査会議がありました。
「審査」って聞くと皆さんは何を想像されますか?
私が入金*1したときは、「審査」と聞いて思い浮かんだのは、銀行のローンの審査や、生命保険会社の加入の審査くらいでした。
この「審査」は、ジャパンファウンデーションでは、よく職員同士の会話で、「どう、最近、忙しい?」「うん、けっこう大変」「審査なの?」という具合に登場します。*2
日米センターでは7月と12月の1日が助成金申請受け付けの締切日です。そこから2カ月かけて複数の外部専門家に各申請に対する評価コメントを求め、予備審査を経て、9月(12月受付分は2月)に、最終的な採否案を決定する会議を行ないます。*3この一連のプロセスが「審査」と呼ばれているわけです。申請は「審査会議」にかけられ、担当者による見解、外部評価者からの評価のサマリー、課内の全員からのコメント、課長・部長のコメント、さらには申請によっては追加で提出された資料や情報など、すべてが会議場に書面と口頭で出されます。この会議では、アメリカからの申請も扱うので、毎回、ニューヨークにある日米センターのオフィス*4からの代表も参加しています。(ニューヨークでも事前に上記と同じ作業が行なわれています。)
全員が納得するまで議論をし尽くしたあとで、最終的な結論に至ります。いつか本で読んで、これだ!と思ったのですが、これは「グループデシジョンメイキング」と呼ばれ、皆の見解が一致するまでとことん話し合います。こうすることで、主観や印象に基づいて判断を下すことを防いでいるわけです。皆さんが真剣に提出された申請の採否を決めるわけですから、一日の終わりには、一同が知力も体力も消耗しています。
スタッフにとっては、審査は重要な業務のひとつであると同時に、かけがえのない学びの場です。国際交流事業の理念・目的といったところから、具体的な実施の手法、成果普及の方法までが詰まった申請書の山は、まさにナレッジ(知識)の宝庫です。審査を通じて、私のような若手職員は、将来自分が手がける事業のパターンを吸収していると言えるかもしれません。
これだけ重要な業務でありながら、内容の秘密性から、これまであまり語られてきていませんでしたので、今回ブログという場で皆さんに紹介させていただきました。今度ジャパンファウンデーション職員の誰かに会う機会がありましたら、「審査ってどう?」と聞いてみてください。それぞれが、それぞれの審査に対する思いを語りはじめると思います。
*今回ここで紹介したのは、あくまでも日米センター知的交流課での審査のようすですので、他の部署では異なる方式になることもあります。ご了承ください。(了)
*1:以前のブログでも触れられていましたが、「国際交流基金」なので「入金」と言われます
*2:ただし、配属が総務部や経理部だったりすると違う会話になります。ちなみに松岡くん(情報センター)も中島くん(人事課)も、「審査」には関わったことがないはずです。残念!!
*3:利害関係をもたない外部専門家に評価をお願いするのは「ピア・レビュー」と呼ばれ、アメリカの財団などでは広く取り入れられている方式です。最近は文部科学省の科研費でも同じ形式がとられるようになったこともあり、日本でも研究者の間でもよく知られています。
*4:日米センターは東京とニューヨークの2ヵ所にオフィスがあります。いつかニューヨークに駐在する日を夢見ています。。。
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