Monday, October 5, 2009

「をちこち」31号は10月1日発売です。



こんにちは。編集担当のOです。


特集は「国境を越える人々と国家の関係」


インターネットの普及と経済のグローバリゼーションが進行するなかで、国境を越えた人の移動も活発になってきた。人の移動と相互交流がもたらす、新しい文化や価値観、摩擦や社会問題、そして未来の社会についても考えてみよう、という欲張りな企画です。


巻頭鼎談は、「人の移動」の専門家ともいうべき井口泰先生(関西学院大学)、日本国内のイスラム社会に詳しい桜井啓子先生(早稲田大学)、文化人類学者としてアメリカの各地も訪れた渡辺靖先生(慶応義塾大学)という豪華メンバー。


いろいろ面白エピソードも伺うことができました。


たとえば、



「天然資源に乏しいパキスタンは、自国の余剰人口、特に男性を中東の産油国や先進国に送り出し、彼らからの送金で外貨を稼いで来ました。家族戦略として、息子が5人いたら、一人を国に残し、4人をそれぞれ違う国に送り出したりもします。たとえば、日本の景気が悪化したら、お兄さんのいるイギリス、弟のいるドバイ、あるいは従兄がいるアフリカに行って稼ぐのです。」



!!!


続きは「をちこち」本誌にて。


そして、


日本の移民政策、多国籍タウンのオオクボ、欧米とは違う成り立ちをしている日本の中華街、学生のみではなく教育の場を提供する大学自体が越境していくこと、難民、エスニック・メディア、越境の古代史などを取り上げています。


エッセイとしては、


四方田犬彦先生の「わたしはなぜ旅に出るか」


作家の黒木亮さんの「わたしはいつもノートを持って飛行機に乗り込む」も必読です。











編集として、もちろん、「企画」部分で頭をひねるのですが、


今回は表紙!!


悩みに悩みました。





最初の候補だったヴェネチア・ビアンナーレのポーランド館の作品は、すてきだけれど表紙には弱いかな、とか。








デザイナーさんが提案してくれたパスポートの入国・出国印をデザインした表紙案は、テーマとしてはあっているけれど・・・ときめかない・・・











どうしよう・・・


(ここで後ろに座っている後輩ちゃんからアイディアが!!)











最終的に表紙となったのは・・・?


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NY在住のアーティストのインゴ・ギュンターさんの「world processor」シリーズから。


ギュンターさんは、グローバルな問題をテーマにした地球儀を数多く制作してきた方です。中央は「Refugee (Republic) Network」と題された作品で、世界各地の難民キャンプを結ぶことで、領土を越えた地球規模の難民共和国が立ち現れてくる、という意味合いのもの。他のテーマの地球儀もあわせて、今回の表紙となりました。





今号では、(海外から)日本への人の移動に焦点をあてた企画となりましたが、次号は「ここにも活躍している日本人がいる」が特集テーマです。





日本人は内向きになっているといわれるけれど、イチローのようなスーパースターだけに限らず、世界各地の様々なジャンルで、ある人は表舞台で華々しく、またある人は地道に献身的な活動を続けている。そんな人たちを紹介したいと思います。


お楽しみに!!





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