Friday, August 14, 2009

JFSC7月のイベント報告&8月イベントのお知らせ



7月18日に、JFサポーターズクラブ7月のイベントを行いました。





今回のスピーカーは舞台美術家の金井勇一郎さん。


イベントでは、2004年の平成中村座の米国公演と、今年3月の『NINAGAWA 十二夜』のロンドン公演の様子を中心にお話いただきました。





以前は、歌舞伎は日本の伝統芸能で、それを海外に紹介する、という感じが強かったのですが、歌舞伎以外の演出家が演出をしたり、今までにやったことのない作品を歌舞伎として上演したりするようなスタイルが増えてきたことで、海外でもひとつの演劇として捉えられるようになってきたそうです。


とくに、金井さんはこのニューヨーク公演あたりから、歌舞伎の捉えられ方が変化していったように感じているということです。





米国公演の話で面白かったのは、日本ではテント(劇場)に2階席があったのですが、米国ではコストの関係で2階席の設置をやめ、そのかわりにお客さんが芝居を観ている様子の絵を飾ることにしたのだそうです。すると、「こんなマンガみたいなものを飾るのはおかしいんじゃないか」と現地で言われたのですが、「まあ、全部飾らせてくれ、それでおかしかったらまた考えよう」と言って、絵を取り付けたところ、非常に面白く仕上がり、ニューヨークタイムスがこれを取材に来ました。


完成したものを見て、現地の人々も納得し、評判は上々だったそうです*^^*





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ちょっと暗いですが、お客さんの絵、見えますでしょうか?





(2007年の公演のときのニューヨークタイムスの記事を読むことができます)


http://www.nytimes.com/2007/07/15/theater/15gure.html?_r=1&scp=1&sq=Heisei%20nakamuraza&st=cse





国が変わればセンスも変わるでしょうし、また、消防法などの法律の違いもあります。


そうした文化の差異の中で役者や演出家、多くの人の要望に応えて舞台をつくるのは大変な苦労なのではないかと思うのですが・・・。





「海外の公演で、一番大変だったことは何ですか?」という会場の方からの質問に対して、


「苦労と思ったことはありません。無理難題だと思われる注文が来ることもあるのですが、そこはプロとして『できません』というのではなくて、まず『考えてみます』といって受けとめる。そうすると、向こうから『やっぱりこれは無理だね』と言ってくることもあるし、何とかできることもあります」と金井さんはおっしゃっていました。





苦労だと思えば何でも苦労になってしまうのでしょうが「苦労はありません」


と言い切る金井さんにプロフェッショナルの姿を見た思いがしました。





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交流会で参加者のみなさんとお話される金井さん





イベントの報告はJFサポーターズクラブのWebサイトに掲載していますので、こちらもぜひご覧ください!


http://www.jpf.go.jp/jfsc/member/event/0907_repo1.html








★さて、毎回このような貴重なお話が聞けるJFサポーターズクラブイベント。





次回は東南アジアに詳しく、食文化についての著書も多い写真家・ジャーナリストの森枝卓士さんに、メコン地域(ベトナム、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア)の食文化についてお話ししていただきます。





同じアジアでも「日本料理とタイ料理は全然違うじゃないか!」と思われるかもしれませんが、メコン地域ではなんと海苔があったり、納豆のようなものが食べられていたりと、日本と食文化が近いところもかなりあるのだそうです。





私は、上記の5カ国の中では、ミャンマーだけ行ったことがないのですが、ミャンマーの人から、「ミャンマーには豆腐や納豆、こんにゃくのようなものがあるので、日本に来ても食べ物が似ていて暮らしやすい」と聞いたことがあります。





そんな食べ物の話を聞きながら、実際のアジアごはんもちょこっと味わっていただきます!


暑い夏の盛りですが、暑い国のご飯を食べながら、メコンの人々の暮らしに想いを寄せてみませんか?





日時: 2009年8月19日(水)18:30~20:30


終了後、交流会があります。


会場: ジャパンファウンデーション


JFIC(ジェイフィック)ホール[さくら]


入場料: 会員:入場無料 非会員:300円(当日入会可)


会員の方は受付の際に会員証の提示をお願いいたします。





【申込み】


準備の都合上、8月17日(月)までにお申込みをお願いします。


件名を「8月のイベント」とし、Eメールjfscmember@jpf.go.jpまたはFAX03-5369-6048まで、お名前と連絡先、会員ID(会員の方)を明記してください。


郵送でも受け付けます。





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