すっかり冬の気配ですね。北国出身、冬は大好きなmioです。
なぜなら、秋~冬はコンサートや舞台が目白押しの季節だから(寒いのが好き、というのはもちろんですが)。先週末は、彩の国さいたま芸術劇場で、芸術監督の蜷川幸雄氏自らが演出する「真田風雲録」を見てきました。ゴールド・シアターに続くプロジェクト、ネクスト・シアターに集った、約1200人から選ばれた若い表現者(やその卵たち)のエネルギーが集結した、熱い熱い千秋楽でした!
さて、公演シーズン真っ盛りですが、今週の金曜日にはぜひ
国際交流基金の主催によるコンサートにも足を運んでみませんか?
2009年11月6日 金曜日
昼 │ 14:00~(13:30 open)
夜 │ 18:30~(18:00 open)
会場 │ 第一生命ホール(晴海トリトンスクエア内)
アクセス │ 都営大江戸線「勝どき駅」A2a出口より徒歩8分
バルカン室内管弦楽団は、根強い民族間対立の残るバルカン地域において活動を続け、2009年の5月にはマケドニア人、アルバニア人、セルビア人の音楽家が参加したコンサートを実現させています。この楽団の設立者であり、主席指揮者を勤めているのが、佐渡裕さんにも師事した日本人指揮者、柳澤寿男*1さんです。演奏会の後には、柳澤氏によるポストパフォーマンストークも予定しています。
2009年に、20年ぶりとも言われる両民族が共演したコンサートの様子は、氏のウェブサイトにも掲載されています。
2009年5月17日、コソヴォ北部ミトロヴィツァにおいて、セルビア人・アルバニア人・マケドニア人を楽団員に「バルカン室内管弦楽団」の歴史的なコンサートが開かれた。
バルカン室内管弦楽団は、指揮者・柳澤寿男が2007年にバルカン半島の民族共栄を願って設立したオーケストラである。以後年に一度の開催を続けており、これまでにスコピエ市(マケドニア)、プリシュティナ市(コソヴォ)でのコンサートを開催してきた。そして、今回の開催地にはミトロヴィツァ(コソヴォ)を選んだ。
ミトロヴィツァはイバル川を隔てて南にアルバニア系住民、北にセルビア系住民が住む街である。南北の間には「対立の橋」とも呼ばれる橋が架けられており、それが唯一の交通路となっているが、人々がこの橋を自由に往来することはない。始終、軍隊が警備を行っている。数年前、ある日本のテレビ取材で、セルビア人女性にこの橋を渡ったことがあるかと聞いたことがあった。彼女は「私は橋の南側で生まれたのにもう数十年も橋を渡っていない」と泣き出してしまった。そして、これからもこの橋を渡る日は来ないだろうと訴えた。
私は何とかして橋の南北でコンサートを開きたいと思った。しかしながら、まだ戦後10年しか経過しておらず、様々な政治的理由から開催はかなり困難なものであった。たった14人、たった50分のコンサートを開くために、多くの国連の方々に協力をいただいたばかりか、リハーサルやコンサートは軍隊や警察の警備の中で行われた。それでも約20年ぶりにもなる両民族の共演は、信頼関係の響きとなってミトロヴィツァの南北に響き渡った。
(柳澤寿男公式ウェブサイトより)
このような環境で楽団員を集め、音楽を作り上げるには一体どのような思いや苦労があったのでしょうか。柳澤さんのお話は、をちこち28号にも掲載されています。
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指揮者 柳澤寿男に聞く
バルカンの国々でオーケストラを指揮する(聞き手 小澤幹雄 )
「をちこち(遠近)」28号(2009年4月)
冒頭のネクスト・シアターの若者たちもそうですが、音楽や芝居でつながる人と人は、その公演の行われている数十分だけでなく、より大きなネットワークに発展して社会の中に息づいていくこともありますよね。足を運んでいただいた皆様には、音楽で橋の南北をつないだ柳澤氏の想いを感じていただけることと思います。みなさん、ぜひ当日会場でお会いしましょう!
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