Tuesday, December 16, 2008

 伝統の力。






みなさんこんにちは。


お久しぶりのオレペコ@空港閉鎖の解けたバンコクです(~ヘ~;)。





f:id:japanfoundation:20081215140657j:image:right:w280今日は、つい先日行われた、「歌舞伎錦絵展覧会&歌舞伎舞踊レクチャーデモンストレーション」(ちょっと長くてむずかしい名前ですね・・・)の模様をお伝えしようと思います。




この事業は、歌舞伎錦絵*1の展覧会にあわせ、その錦絵と深いつながりのある「歌舞伎舞踊」公演を実施することで、日本の伝統文化についてより深く理解していただこう、という企画。バンコクでの展覧会は12月9日から20日までの約2週間。そのオープニングを、華やかな歌舞伎踊りで彩ろうという試みでした。




最近、日本の漫画やアニメ、コスプレなどのポップカルチャーが世界中で注目されていますが、今回、オレペコが実感したのは、「やっぱり日本の伝統ものは強いなあ」ということ。この事業も、PRを開始した直後から申し込みが殺到し、1日2回公演の予定だったのですが、両公演ともあっという間に席が売り切れる人気ぶり。タイの全国紙などのメディアも、大きな写真入りで告知記事を書いてくれました*2。 事業終了後のアンケートでも「(このようなすばらしい舞台をするのには)座席が少なすぎる!」「会場が狭すぎる!」といった、ある意味ありがたいお叱りのコメントもいただいたくらいです。





特に観客のみなさんが気に入ってくださったのは、今回のイベントの構成。


およそ100分ほどの公演の中に、レクデモならではの盛りだくさんな内容が詰め込まれていました。歌舞伎の本公演のような大掛かりな舞台装置や迫力はない代わりに


「あの着物、どうやって着るの?」


「あの独特のメイクにはどういう意味があるの?」


といった、素朴な疑問にしっかりと答えてくれ、また、一つ一つの舞を本当に間近に見ることのできる、ある意味ものすごく貴重な時間だったと言ってよいでしょう。これを見て、「今度は本公演を見てみたい!」と思った人も多いはず。また、デモンストレーションを見終えてから展覧会場に戻り、歌舞伎のスターや有名な演目の一場面が描かれた歌舞伎錦絵をじっくりと眺める人々の姿が印象的でした。





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<<化粧・着付デモンストレーション。「おちょぼ口がセクシーだった」「ぱっちりした二重ではなく、すっきりした一重が美人だった」と説明が入る度に「うそー!ありえなーい!」と会場に笑い声が漏れました。また、二人がかりで着物を着せる様子に皆さん興味津々>>





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<<日舞の手のテクニックを全員で練習!踊り大好きなタイ人、全てのテクニックを覚えたあとで、タイの人気歌手のポップソングで全員一緒に日舞を舞いました!写真右は、自分でやってみたあとに見るとまた一味違う、静御前の舞>>








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<<繊細で美しい錦絵、隈取の写真パネルなどに見入る人々>>








さて、そんなこんなで大成功のうちに幕を閉じた錦絵展覧会のオープニング。


翌朝、オレペコが会社に行ってみると・・・日本語の先生を育成する事業を担当しているスタッフからうれしい報告が。「今朝、教室に入ってみると、生徒さんたちがみんなで、日舞を踊ってましたよー。しかもみなさん「手」がすっごく上手にできてました!」と。





文化芸術事業と日本語事業。

とかく個別に物事を進めがちなのですが、最近は、文化芸術事業を積極的に日本語事業部にも案内するようにしている、その成果がで出ていることが感じられて、これはうれしい収穫でした。前にもこのブログで紹介した*3、日本語の先生の「卵」たち。彼ら、彼女らが今回の事業を見て、肌身で感じてくれたこと、それが来年、再来年と、地方のタイの若者たちに伝わっていく。その広がりこそが私たちJF職員が求めているもの。一過性のイベントで終わらせないことがとてもとても重要なことなのです!




*1:浮世絵と同義で使われることもありますが、より正確には、浮世絵のうち、多色刷りの木版画のことを指します。


*2:たとえば、タイの二大英字紙のひとつ、The Nation のWEBバージョンにはこんな記事が⇒ 。あと、takaさんは、こんな告知記事を書いてくださっています!


*3:新規研修の先生に関するブログはこちら





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