Tuesday, April 10, 2007

国際交流の舞台裏~Vol.5 映像出版課Yさんの場合



みなさん、こんにちは。三富です。

応募書類の提出は4月2日で締め切られてしまった2008年度国際交流基金職員募集ですが、こんな↓声にお応えして、まだまだ続けてしまいます国際交流の舞台裏シリーズ・第5弾*1






就活関係の進行手順や、採用サイトの作りなどに、業種、会社によって時代性の違いがあんなぁ、と思うのですが、


(中略)


国際交流基金のブログはたいそう勉強になります。エントリーしてないけど( ´_ゝ`)


独座幽集 とある薬師の備忘録






今回は、入社2年目を迎えた映像出版課のYさん。入社後の基金の印象や1年目の業務の様子など、フレッシュな視点からお話いただきます。


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===================略歴===========================


1982年 横浜に生まれる


2001年 4月某大学の外国語学部に入学。専攻はフランス語


2006年 3月在学中1年のフランス留学(遊学?)を経て、卒業


2006年 4月基金に入社 芸術交流部映像出版課配属


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Q1:基金を志望した理由を教えてください。





私の外国への興味は記憶があるのと同じくらい古い気がします。小さい頃から世界地図を眺め(今も地図好きは変わりませんが)、外国の童話を読んではあこがれを募らせていました。父がフランスにちょっとだけ関わりがあり話を聞いていたので、私の中では、外国と言えばフランスであり、特に文化への興味は大きかったです。


中学で英語を始めて、英語がとても好きになりましたが、大学の専攻は英語ではなく長年学びたかったフランス語にしました。これを決めた時に「実用」や「ビジネス」の道は放棄した気がします(笑)。


ゼミはフランス史でしたが、フランス文学の先生の研究室にもよく遊びに行きました。卒論はフランスの女性運動にまつわる思想について書きました。


文化政策が強力な国でもある、フランスでの生活を1年間満喫して、公の立場で仕事がしたいな、とか文化や外国に携わる仕事がしたいな、という思いはさらに強くなりました。でも具体的にどのような道があるのかわからず、いっそ卒業後はフランスに行こうかと思ったりもしました。そんな時に大学の就職課で国際交流基金に就職した先輩の話を読み、ここならやりたい仕事があるかも、と日本での就職を考え始めたのです。

まわりの人より少し遅めに就職活動をスタートさせたのですが、メーカーなどにはなかなか興味を持てず*2、「この会社に入って、やっていけるかなぁ」と不安気でいるとあまり面接も進まず・・・いつのまにか基金の面接(6月でした)を迎えていました。基金から内定をもらった時にはすごく嬉しかったですね。


面接では、他の企業と全然ちがっていて、卒論やフランスの話などの話をじっくり聞いてくれました。これから基金を受けようと思っている方がいらっしゃいましたら、自分の中に既にあるもの(今までの経験とか)をうまく伝えるように心がければ良いのではと思います。





Q2:基金に入社して1年たちますが、基金での仕事ぶりはどうですか?





入社してわずか1週間で配属され、よく言えばOJT、悪く言えば「泳げない子を海に突き落とす」かのように、いきなり自分の担当の仕事が始まります。

私は、出版・翻訳協力*3プログラムと、海外日本映画祭の一部地域を担当しています。もともと文学や映画が好きだったので、「映像出版」課に配属になった時には、こんなに希望通りでいいのかしら?と思ったくらいです。でも、すぐに気付いたことは文学や映画に関わる部署ではあるけれど、扱うのは基本的に日本の映画、日本の出版物である、ということです*4


「基金は日本文化の発信の為の仕事をしている」ということをわかってはいたのですが、なんとなく「外国との関わり」のイメージに引っ張られて外国の映画や外国の文学に関われるようなつもりでいたのです。私がずっと興味をもっていたのは外国文化だったので、(日本の出版事情はまだしも)日本映画の知識なんてゼロでした。映画の製作や配給のことも全然知らず、35mmプリントって何?というレベル。これは勉強しなくてはまずいなぁと思いました。それから大学の5年間でほぼ忘れてしまった英語も・・・。日常的に英語のメールやFAXを書きます。フランスの出版社相手だとフランス語で書いてしまったりもしますが。





1年たった今でも、知らないことが多すぎて、もっと学生時代に勉強したり本を読んだりしておくべきだったと思うのですが、ゼロだった1年前に比べればたくさんのことを学びました。他の多くの課と同じく、映像出版課の業務もプログラムごとにそれぞれ担当が決まっていますが、課の先輩方は本当になんでも知っていて、いろんな経験もあって、いつも助け船を出してくださいます。また、映画祭の準備をしていくうちに自然と監督や作品名を覚えていきますし、日本の新刊書や外国で人気の日本人作家の本を意識的に読んでいます。(もちろん、好きなフランス映画などはプライベートで楽しんでいます。)新しいことを学べる職場はいいですね。


おかげさまでなんとか1年を終えることができました。来年はもっと広い視点でがんばりたいなと思っています。あと、いつかフランス駐在になる日を期待して(?)春からは、フランス語の勉強を再開しようと思っています。





Q3:1日のスケジュールはどのような感じなのでしょうか?





一日の流れは、書くと無味乾燥な感じなので割愛。実際は、毎日9時半からずーっとパソコンに向ってメールのやりとりをしたり、資料を作ったり、会計処理をしたり、案件のスケジュール管理をしたり、という感じです。外勤や会議はめったになく、仕事で映画を見るようなことも残念ながらほとんどありません。読むべき本や見るべきビデオは家に持ち帰ることもしばしばです。





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そんなYさんの三種の神器は、電子辞書、紅茶、ミネラルウォーター。


電子辞書は英和・和英、仏和・和仏のみならず、難しい表現を調べるために広辞苑も活用しているそう。




*1:バックナンバーはこちら:国際交流の舞台裏~Vol.1海外事務所で働く醍醐味:堀川さんの場合~国際交流の舞台裏~Vol.2試験課Iさんの場合~国際交流の舞台裏~Vol.3駆ける職員たち:ランニング同好会のご紹介国際交流の舞台裏~Vol.4かつらこさんの場合~


*2:でも就職活動をしていく中でメーカーも国際的に活躍できるし、優れた技術が世界の人の生活に役立っていてすごいなーと見方が変わりました。その意味でも、就職活動は自分や社会を知るいい勉強になったと思います。


*3:19年度からは出版・翻訳(助成)となりました。


*4:アラブ映画祭など外国→日本のものもありますが、例外的。





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