こんにちは。
松岡と申します。
以前、クリスマスイブという貴重な日付をブログ編集チームから頂きまして、こんな記事を書いたのですが、続きを書こうと思いながらだいぶ経ってしまいました・・・。
今日はもう少し具体的なお話を*1。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
日本にいるとなかなか気づかないのですが実は、世界には日本の文化を私たちの知らないところで現地の皆さんへ紹介している団体があったりします。
まあ、私も「あります」と言っておきながら、別に全てを知っているわけではないのですが、例えばニューヨークにはJapan Societyという団体があります。ここでは定期的に、日本の美術展やシンポジウムが開催されている歴史のある団体です。
前回もお伝えしましたが、このCasa Asiaは、まさにそういった団体で、アジアの文化をスペインに紹介することを目的に、スペイン政府、カタルーニャ州政府、そしてバルセロナ市が共同出資して設立した文化交流団体なんです。
日本人にとっては、なんだかありがたい団体だと思いませんか??
このCasa Asiaでは、俳句や生け花といった日本文化のクラスや日本語のクラスが有料で運営されていて、たくさんの受講生がお金を払って日本文化を学びに来ています。他にも、学校単位でCasa Asiaを訪問し、授業の一環として日本文化を体験し学ぶというプログラムもあるんです。
先日、その授業現場を見学させてもらうことができたので、今日はその時の様子をご報告しようと思います。
この日は、地元の小学5~6年生20名ほどのグループがCasa Asiaへやってきました。
一般的に子供達というのは非常に元気がいいものですが、さすがスペインの小学生、その元気のよさが突き抜けていました。エレベーターを降りた瞬間から日本人っぽい僕の顔を見つけるなり、「オラ、オラ~」と挨拶してきました*2。若干圧倒されながらも、一応僕も応えます。
今日の先生は日本人。でもカタルーニャ語もペラペラです。先生はカタルーニャ語を駆使して、生徒と積極的にコミュニケーションをとっていきます。
最初は挨拶。日本人のお辞儀をするスタイルでみんな挨拶をしてみます。
「『セニョール・マツオカ』にみんなで挨拶をしてみよう!」と、僕も少し参加しました。
ここからが先生の腕の見せどころなんですが、正直言って先生の技術には驚きました。非常にテンポ良く教室中のみんなとコミュニケーションをとりながら、徐々に先生が話をしたい方向に持っていきます。
この日は最終的に習字やお茶、お寺等にある独特のアイテム(木魚、数珠、文鎮、茶筅、御椀・・・等)を参加者に触らせて、「これはなんでしょうか?」という質問ゲームをやったのですが、突然のそのようなアイテムを見せるのではなく(強引にもっていこうとすると生徒の興味が逸れてしまいます)、自然と参加者の知っている話題から話が始まります。
それはこんな具合でした。
「みなさん、日本って知ってる?」
↓
(知ってる人多数)
「日本ってどこにあるの?」
↓
(大体みんな知っていた)
「日本の何を知っている?」
↓
(スシ、サムライ、ゼン、アニメ*3・・・)
「アニメといえば何を知ってる?」
↓
(みんな知っているアニメ番組のタイトルを連呼。)
そしてそのあと、先生がしたのはこんな質問でした。
「みんな、ノビタの家とスネオの家は知ってる?」
「2つの家は何が違う?」
僕らはドラえもんを見ていて、「このカットのここが日本的だ」ということを意識することは少ないと思いますが、彼らがノビタの家を見て押入れやちゃぶ台というアイテムに遭遇すると、それ自体が珍しいものだったりするわけです。むしろ彼らにとってはスネオの家のほうが近いのかもしれません。
また、スネオの家が金持ちであるという点は、みなわかってました。家の大きさからわかるのでしょう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
こうした会話を通じて、「タタミ」や「フトン」といったアイテムの話になったのですが、何気ないアニメの1コマをうまく利用した先生の授業は、大人の自分が見ていても非常にワクワクするものです。
こんな日本文化の紹介の仕方もあるんだなと勉強になった1日でした。
(続く・・・・)
*1:オレペコより:ジャパンファウンデーションとCasa Asiaとの関係や、松岡さんがなぜCasaに研修にでることになったか等については前回の記事に詳しく書かれています。
*2:”hola”。スペイン語で「やあ」と挨拶する時に使う言葉です。とりあえず皆、会ったら「オラ~と言っていました。」
*3:バルセロナでは毎朝、同じ時間帯にほとんどのテレビ局がアニメ放送を流していました。しかも半分以上が日本のアニメ。ドラエモンやこちカメ、犬夜叉、アラレちゃん・・・等
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