Thursday, February 25, 2010

 「日本のデザイン、ワルシャワへ行く」の巻。



こんにちは、みかんです。


ポーランドと聞いて皆さん思い浮かべるのはなんでしょうか?


残念ながら、日本でポーランドの情報に触れることはほとんどない人が大半かと思います・・・。今年生誕200周年のショパン、ワルシャワ条約、アウシュヴィッツ、くらいでしょうか?


そのワルシャワの今を、ほんの少しのぞいてきました。





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寒い、さむい冬。気温は氷点下15℃ほどまで下がり、粉吹雪の日が続きます。





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旧市街の中心にある王宮。その前にはクリスマスツリーがまだ立っていました。





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今回「WA:現代日本のデザインと調和の精神」展を行っている「ポーランド産業デザイン研究所デザインセンター」*1


オープニング前日にはじめて青空が・・・。1月に入っての日照時間24時間未満という気象情報をテレビで見てびっくりです。(1月半ばの時点。)





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展覧会の様子です。学生をはじめ、デザインに関心のある若い人たちがたくさんやってきます。





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ワルシャワといえば、グラフィックの世界ではポスタービエンナーレが知られています。2010年夏の開催に向けて、次々と応募作品が届いていました。中には日本から届いた宅急便も。





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ワルシャワを流れるヴィスワ川の東岸、プラガ地区はかつて廃れた建物が放置されていた場所でしたが、最近は新しいアートの発信地。共産主義時代のウォッカ製造工場跡を改装して、ギャラリーやデザインショップが生まれていました。





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ワルシャワに渡航いただいたキュレーター萩原修さんのレクチャー。ポーランドについてから、現地で聞いて、見て、触れて、感じたことを織り交ぜながらトークを展開して下さいました*2





お話の中で印象的だった部分は、プレスの人たちの前で萩原さんが説明された今の日本とポーランドの比較。日本の社会は、高度経済成長を経て、ある程度のモノもお金も得た。けれど、わたしたちは何となくいつも忙しい気がして、時間や余裕がない。人とのつながりも失われてしまっている。これに比べておそらく今のポーランドは、より多くのモノやお金を獲得しようという方向へ進んでいる最中だけれども、日本にはなくなってしまった「ゆっくりとした時間」や「人と人とのつながり(コミュニティー)」を持っているんじゃないか、きっと日本はそういう意味でポーランドに学ぶところがあるのではないか、という内容でした。このことば、ポーランドの人には、どんな風に届いたんでしょう。





でも、きっと萩原さんの話を聞きにきた人や、展覧会を見てくれた人には、芸者やフジヤマじゃない今のフツーの日本を、少しは知ってもらえるだろうと思っています。





最後に、こうしてデザイン展の旅が続けられるのも、たくさんの日本の企業の皆さんや、デザイナーの皆さん、キュレーター、カタログに関ってくださっている方々、そして何よりこのデザイン展を一緒にやろう!と頑張ってくれる現地のスタッフのおかげなんです。161点のデザイン・プロダクトは、3月28日までワルシャワでご覧いただくことができます。お近くにお住まいの方(?!)、欧州へ旅行予定の方がいらしたら、ぜひ立ち寄ってみてください。「デザイン」を通じて、慌しい毎日の暮らしをちょこっと見つめ直すきっかけがあるかもしれません。





デザイン展の旅はまだまだ続きます・・・!




*1:このデザイン展 in ワルシャワは、パリ日本文化会館、ハンガリー・ブダペストの応用美術館、ドイツのレッド・ドット・デザインセンターについで、欧州4会場目の巡回です。


*2:日本人の講演会という事で、会場のひな壇が茶室(しかもちゃんと畳です)に掛け軸になっていたのには、いささかショックでありました・・・。やっぱり日本と行ったらSUSHI、サムライになっちゃうんですね。こんなに親日的なEUの国でさえ。もっと今の日本を知ってもらいたい!という気になります。





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