Wednesday, November 19, 2008

現地職員訪日研修






最近、ポール・トーマス・アンダーソン作品にはまっている久保田です*1





さて今日はJFの職員研修の1つ現地職員訪日研修についてとりあげます。


国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は現在、海外19ヶ国・20都市に


21の海外拠点(以下、事務所と略しますね)を持っていることはすでにご案内の


とおりかと思います。10月はじめ、そのうち6つの事務所から現地職員の方々が1名


ずつ来日し、約2週間の研修に参加しました。





今回の研修分野は日本語教育、基金本部での各種ブリーフィングはもちろんのこと、


浦和の日本語国際センター、大阪の関西国際センター、京都支部といった


JF付属機関や支部、加えて、にほんごの凡人社、アルク、早稲田大学大学院


といった日本語教育関連機関での研修・取材、さらには京都精華大学、京都


国際マンガミュージアム、横浜トリエンナーレ、歌舞伎観賞と内容は本当に


盛りだくさん。僕も日本語能力試験担当としてブリーフィングさせて頂きました。





今回参加したメンバーは、


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金さん(ソウル日本文化センター)


張さん(北京日本文化センター)


Apinさん(ジャカルタ日本文化センター)


Chanidaさん(バンコク日本文化センター)


Kimさん(ロンドン事務所)


Vanさん(ベトナム日本文化交流センター)



 


の6名(写真はジャパンファウンデーションの小倉理事長(中央)を囲んでの1枚)。


「みなさんはこの研修でどんなことを学ばれたのだろう?」


そんな思いを抱きつつ、研修のWrap-upの時間にお邪魔してきました。





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久:まずはソウルの金さんから、今回の研修の感想を教えて頂けますか?









金さん:私は4年前にも日本研究・知的交流分野の研修に参加した


ことがあったのですが、そのときの研修は今回のようなグループ


研修ではなく、1人で研修を組み立てる形でした。グループ研修の


よいところは、他の海外事務所の職員とつながりができ、いろいろ


と情報交換ができることだと思います。





訪問先で印象に残ったのは、日本語国際センターと


関西国際センターでした。いま両センターには


ちょうど韓国からの研修生が来ています。


彼らとは研修参加申請の際にソウル日本文化


センターで会ったことがありますが、実際に


両センターで研修に参加している彼らの明るい


顔を見て、担当者としてやりがいを感じました。






久:なるほど!続いてジャカルタのApinさんは如何でしょう?









Apinさん:私も2回目の参加で、前回は15年前でした。


一番印象に残ったのは関西国際センターを初めて訪問できて、その


センターで研修生と会えたことです。いまEPA協定で介護福祉士を


目指すひとたちが関西での研修を受けています。出国前、彼らと


ジャカルタで会いました。私は関西センターに実際に行ったことが


なく、写真や資料で得た知識しかなかったのに関西国際センターに


ついて彼らにブリーフィングをしていました。





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【関西国際センターでの記念写真】





その時、彼らはまだ日本語ができませんでしたが、関西センターで


会った時にはみんな日本語が話せました。よかったと思います。


関西センターと浦和センターで、施設を見たり、そのセンターの


色々なことを説明して頂いたりすることができましたので、


これからは自信をもって研修生にブリーフィングができそうです。









久:確かに、生の現場を見たことがあるのとないのとでは、


ブリーフィングにも大きな違いが出てきますよね。


ロンドンのKimさんは如何でしたか?









Kimさん:今回、研修のチャンスを頂けたことを、ありがたく思って


います。今回のメンバーは私以外、全員アジアからの参加者です。


アジアとイギリスでは日本語事業を行うときの前提というか、


文脈というか、そういうものが違うと思います。


イギリスでの外国語教育の主流はやはりヨーロッパの言語です。


この10年間ほどで、日本語に対するニーズの高まりがあると


いっても、やはりその大枠は変わらないなか、今後の展開を考える


ヒントをたくさん得ることができました。





例えば、ほかの海外事務所のメンバーと知り合って一緒にいろんな


ところを周れたことで、他の国における日本語教育についての


具体的な、最新の情報をみんなでシェアすることができました。


また横浜トリエンナーレを見て、他の団体とのパートナーシップ

強化ということも考えました*2






久:情報と体験の共有、大事ですよね!


バンコクのChanidaさんはこの研修、如何でしたか?









Chanidaさん:まずはジャパンファウンデーションの事業の


全体が見えたことが収穫です。これには全体にかんする


(抽象的な)方針(=JFの規程に示されている役割や中期


目標など)という意味も含まれています。





次に、他のメンバーも言っていたことですが、


浦和や関西の施設や研修をこの目で見ることができたのは


大きな収穫でした。これで研修前のブリーフィングが


充実したものになります。





もう1つは、普段メールや電話で連絡をとるばかりで、


実際にはなかなかお会いする機会のない国内のスタッフ


のみなさんと直接お会いできたことも大きな収穫でした。


やはり実際に会って、顔が見えるようになることで、


これからの仕事はぐっとやりやすくなると思います。






久:Chanidaさんとは何度かメールのやりとりをさせて


頂いていましたが、実際お会いするのははじめてですね。


僕も直接お会いできたことで、今後のお仕事が


スムースになるんじゃないかと思います。


北京の張さんはどうでしたか?









張さん:知識と体験が増えたことが大きいです。


例えば6日目に訪問したジャパンファウンデーションの


京都支部。いままでは仕事上の接点もなくて、


私にとって言葉だけの存在でしたが、実際にお邪魔した


ことで、しっかりと京都支部を知ることができました。





北京日本文化センターには日本語を担当している


現地職員がもう1人いて、私は関西国際センター事業は


担当していません。それでも事務所では外部からの


問い合わせで関西の研修事業について聞かれることも


当然あって、そういうときには今まですぐにもう1人の


担当者に回していました。でも今回、関西での訪問を


受けて、関西の公募プログラムも認識も深まりましたし、


今後は外部からの問い合わせにも対応できそうです。





日本語国際センターでは、中国からの研修生と話す


ことができたのが本当によかったと思っています。


研修に参加している皆さんが普段どんなことを


感じているのかを、現場で、より臨場感をもって


フィードバックしてもらうことができたからです。


今回より深く交流を持つことができたことは、


今後の仕事にとって大きなプラスになると思います。






久:なるほど。日本でご自分が担当された研修生と


触れ合って、よりつながりが深まったんですね。


こういうつながりは今後に活きてきそうですね。


では最後にハノイのVanさん、お願いします。









Vanさん:ベトナム日本文化交流センターは、できて

まだ1年に満たない事務所*3ですので、


私ももちろんジャパンファウンデーションに来て


1年目です。そういうわけで、今回の研修は勉強する


ことばかりでした。ジャパンファウンデーションを


めぐる状況がわかったのが大きな収穫です。





もう1つの収穫は、メンバーとの交流を通じて、


将来の事業についてのたくさんのヒントを


もらえたことです。もちろん、研修のメンバーだけ


ではなく、国内スタッフからも多くの刺激を受けました。





将来の可能性として、海外事務所のあいだの協力と


いうのもあり得ないのかな?という感想も持ちました。





あと、今回のいちばんの失敗は、王子駅に行くべき


ところを、八王子駅に行ってしまったことです(苦笑)


電車に乗る前に、そばにいた人に「王子駅に行くには


この電車でいいんですか?」って聞いたにもかかわらず、


ですよ。日本の交通システムは複雑すぎます。









久:東京に住んでいる人も、自分の生活圏のなかで


完結してしまっていることが多いのでしょうか(笑)


Vanさん、新生ベトナム日本文化交流センターで


今回の経験をぜひ活かしてくださいね。


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これからも一緒にJF事業を盛り上げていきましょう!





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【研修の担当者と記念の1枚】




*1:特に『There Will Be Blood』と『マグノリア』は圧倒的なインパクトでした。本当にすごい作品なので、未見の方はぜひ!


*2:横トリは、横浜市、朝日新聞社、NHK、そしてジャパンファウンデーションの主催です。


*3:2008年3月10日にオープンしました。





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