ご無沙汰しております、久保田です。
9月2日、中国から26名の高校生が来日しました。
彼らは中国高校生長期招へい事業の第3期生、
日本各地での11ヶ月間の留学を目的とした来日です。
9月5日には国際交流基金(ジャパンファウンデーション)本部で
歓迎セレモニーが行われました。
そこで僕が目にしたのは、言葉通り、彼らの「勇姿」でした。
16,7歳という多感な時期に長期間、日本で生活するなんて、
勇気なくしてできることではないですよね(すごい!)
よいところも、悪いところを含めて、日本を知ってほしいと思いました。
彼らの様子は、日中交流センターのウェブサイトで垣間見ることができます。
内容大充実の「心連心Web」、まだご覧になっていない方は、ぜひご覧ください!
彼らを見て感じたことに関連するのですが、
基金ではよく「親日派」よりも「知日派」ということばを耳にします。
僕はまだ十分に咀嚼できていないのですが、最近、
個人的にはこんなことじゃないかなと思うことがありました。
何かに対して、知識や実体験がないままに親しみを感じたり、
嫌悪感を抱いたりすることって日常(少なくとも僕は)よくあります。
でもそれって、ちょっと立ち止まってみたら、理不尽ですよね。
あとで振り返ると、すごく恥ずかしく、苦々しく感じられて、
心のやり場がなくなってしまいます。
すべてを理不尽や不合理の一言で片付けられないことは重々わかっていますが、
それでも、できるだけ、思い込みや先入観や偏見、或いは
表層的なイメージといったものから遠くあるほうがいいと思うんです。
「知る」から始まると、相手のことをそう簡単によくも悪くも言えなくなってきます。
特に、ゆっくりと時間をかけて、相手のことを知り、考えるときはそうではないでしょうか?
相手と真剣に向きあうときには、自分のこともよく見つめることが大きいかもしれません。
例えば、村上春樹氏は、ウェブ上での読者とのやりとりのなかで、
「すごく腹が立ったときどうしますか?」という質問に、こんなふうに答えていました。
…僕はそういうときには「自分がどれほどくだらない人間であるか」
についてせつせつと考えます。僕がどれほどみっともない失敗をして、
どれほど他人を傷つけて、どれほど多くの大事な約束を破ってきたか、
そういうことをひとつひとつリストにしていきます。
するとそのうちに他人に腹を立てる気がだんだん失せていきます。
だって考えれば考えるほど、こんな人間に、他人に対して
腹を立てる資格なんてないんだもの
(もちろんこういうのも「ある程度」ということですが)。
村上春樹『そうだ、村上さんに聞いてみよう』(朝日新聞社、p.52)
深い自省とバランスのとれた謙虚さが同居した考え方だと感服した覚えがあります。
自分のことを省みれば、そんなに易々とひとのことをとやかく言えないですよね。
ともあれ、高校生の皆さん、まずは健康に気をつけて充実した時間を送ってくださいね!
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