Thursday, November 27, 2008

NPOフェローシンポジウム@和歌山



みなさん、こんにちは!


先日、和歌山出張から戻り、すっかり和歌山県ファンになった、


ブログ初登場のびわ子です♪


今回は11月15日(土)に和歌山市でわかやまNPOセンターさんと国際交流基金の日米センターで共催した「NPOフェローシンポジウム」の様子や和歌山の近況について皆さんにお届けしたいと思います☆ 





★「NPOフェローシップ」とは?


国際交流基金の日米センターでは、「NPOフェローシップ」プログラムとして、非営利組織の活動に従事される中堅層の方々が、米国のNPO活動に中長期的に携わり、更に様々なプログラムやプロジェクトに参加することにより、米国の非営利組織の運営方法を学ぶ機会を提供してきました。1988年のパイロット事業からスタートして、2007年の第8期まで延べ37名のフェローを米国に送り出しています。


今回のシンポジウムは、この「NPOフェローシップ」プログラムの一環として、米国のNPOで無事研修を終えたフェローのお二方(特定非営利活動法人ETIC〔東京〕プロデューサーの井上英之さんCSOネットワーク〔東京〕共同事業責任者黒田かをりさん)をお招きし、報告会と勉強会を和歌山市のわかやまビッグ愛で行いました。


シンポジウムの詳細は→こちら





★和歌山でシンポジウムを開催


・・・・・・で、そもそもどうして、今回のNPOフェローの報告会を和歌山県で開催するのだろう??と不思議に思われた方がいらっしゃると思います。


今回和歌山でシンポジウムを開催した理由は、茨城県のNPOの方からわかやまNPOセンターさんをご紹介頂いたことや、都市圏だけでなく、全国各地の地方のNPOの方々と勉強会を通じて交流する機会を設けるためでした。


また、東京や大阪の大都市では、勉強会があるけれど、遠くて参加できない!!地元にもっと学びの場を!!という地方の皆さまのご要望に応えるためにも、和歌山での開催は大きな意味がありました。


といった、経緯で、和歌山県で開催する事になりました!





ところで、みなさん、「和歌山」といえば何を連想されますか?





私の周りにいる関東出身の方々にお聞きすると・・・・・・、


「みかん!」と答えた方が圧倒的に多く、一般的に、うめやみかんのイメージが強いようです。実際に和歌山には・・・うめやみかんは勿論のこと・・・・熊野古道、高野山、和歌山城など歴史的遺産のほかに・・白浜海水浴場、温泉そして海・農産物に恵まれ文化と自然の香りに包まれた癒しの紀州の国であります♪


関西空港から和歌山市まで、JRで45分と利便性も高く、他府県からの観光客が来やすい地理的条件を備えています。



大きな地図で見る





ところが・・・!!


残念なことに和歌山の現状は、若者の県外への流出が激しく、21年間連続で高校生の県外流出1位の県となりました。特に近隣の大阪への流出が多いとのことです。若者の買い物や待ち合わせ場所は、大阪で、ちょっとしたスーパーでの買い物も大阪まで出て行ってしまうそうです。そのせいか、実際JR和歌山駅から徒歩5分程の距離にある、街の中心部の商店街を訪れるとシャッター通りとなっており、以前の輝きが失われたようでした。





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【金曜日19時半ごろ】





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【土曜日16時ごろ】





そんな『シャッター通り商店街』の中にあえて事務所を構え、和歌山の街に元気を取り戻そうと、精力的に活動している方々がいらっしゃいます。そうです!今回、シンポジウムの共催をさせて頂いた、わかやまNPOセンターの方々です! パチパチパチ!!





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【シンポジウム前日の打合せ風景】わかやまNPOセンターの方々





今回のNPOフェローシンポジウムでは、前述通り、井上英之さんと黒田かをりさんをお招きし、アメリカや日本のNPOでの活動を通して、「社会的起業とCSR活動の日米の先進事例」をもとにお話をして頂きました。シンポジウムの参加者より「アメリカ次期大統領オバマ氏の「チェンジ」によりNPO団体を含めた日本の市民活動は、どのように変化するか」、「和歌山や地域が変るためにどのようなキーワードがあるだろうか」等、アメリカ大統領の旬な話題から地元に密着した質問まで多く寄せられました。主催する側にあたっての反省点や今後の課題はまだまだ残りますが、報告者のお二方をはじめその他皆さまのお陰で、無事、盛況のうちに終了する事ができました。





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【左:NPOフェローのお二方 右:参加者の方々 】





それでは、最後にひとつシンポジウムで印象に残ったお話を紹介したいと思います。


「アメリカのオバマ氏次期大統領のチェンジで、日本のNPOにどのような影響があるだろうか」


という質問に対し、あるわかやまNPOセンターの方が、こう話されました。






アメリカの次期大統領オバマ氏に変わるという事は、よその国の事という感じだった。

しかし、先日、事務所近くの商店街のおじさんに、「アメリカのオバマも昔NPOで働いてたそうやな。ようやく、お前らNPOのやってる事が、分かったよ。がんばりや!」と声をかけてもらえた*1


また、その他の近隣の方々に、事務所に人の出入りは多いが一体何をやってる団体なんやろ?と、不思議に思われていたかもしれないが、オバマ次期大統領のCHANGEで、商店街のおっちゃんの心もCHANGEした。大統領が白人から黒人にCHANGEしただけにとどまらないんじゃないだろうか。



と、他愛もない話かもしれませんが、ここ和歌山にも、オバマ効果が到来したようです。


アメリカ次期大統領のチェンジがNPOの追い風になれば、と願うばかりです。


今回、シンポジウムでお世話になった関係者の皆様に対し厚くお礼申し上げます。


本当にありがとうございました。





★ おまけ


日米センターの西松課長とびわ子は、JR和歌山駅へ12時15分に到着。


現地のスタッフとの13時の打合せへ間に合わせるべく、急いで、ランチを済まさないと。。通りがかった中華料理店王将へイン。。。


ううう。。。。ここは、すごい。値段が学食並みの安さ!そして、一人分ははるかに超えるであろう、量!そして、おまけに、おいしい!実際、王将だけではなく、ここ和歌山の食材は、新鮮で安くておいしいんです。


皿うどん 500円


焼きそば350円


中華丼400円





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【左:驚きの価格と量!西松課長もびっくり!  右:一度、和歌山へ遊びに紀(来)ませんか?わかやまNPOセンターさんの看板です。】








【参考ウェブリンク先】


・特定非営利活動法人わかやまNPOセンターのウェブページは→こちら





【次回のNPOフェローシンポジウム情報】


タイトル:事業型NPO・社会的起業における組織運営と資金調達、米国NPOの知見を地域に紹介するシンポジウム


日時:2009年2月28日(土)13:00-17:00


会場:上越市市民プラザ


共催:くびき野NPOサポートセンター、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)


詳細はこちらからどうぞ。


奮ってご参加下さい!




*1:オバマ氏は、1983年にコロンビア大学卒業後、低所得者の支援活動を行うNPOで勤務していた経験を持つ





Wednesday, November 26, 2008

☆。+ ゜.ふろしきワークショップ開催しました☆。+ ゜. 






こんにちは、蟹江です。


本日は、商品開発ワーキングチームのあいさんから風呂敷ワークショップの参加レポートをお届けします☆












あいさん:


みなさん、こんにちは、ちょっと前のことになってしまいますが…


ジャパンファウンデーションは今年7月、「横浜トリエンナーレ2008記念 JFオリジナルふろしき」デザインを公募いたしました!


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そして9月、プロのデザイナーも参加した厳正なる審査の結果、優秀賞に選ばれた3点がオリジナルグッズとして発売されました!


おかげさまでJFオリジナルふろしきは一部品切れも出るほどの好評をいただいております。☆”



更に11月5日、このふろしきの完成を記念して「JFオリジナルふろしきデザイン展&ラッピング展」そして、ふろしきの楽しみ方ワークショップ及びデザイナーさんたちの表彰式が行われました。


盛り沢山なイベントうち、今日はこのワークショップの模様をお伝えしたいと思います!


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講師はこものちほさん。ラッピングコーディネーター、ふろしき研修会講師、マナー講師、ラジオパーソナリティと幅広く活躍なさっています。当日は柄も大きさも多様なふろしきのコレクションをお持ちくださいました。


参加者は15名ほどで、年齢層も持参されたふろしきも本当に様々。ふろしきが「一家に一枚(数枚)」の必須アイテムであることを実感しました。


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まずはふろしきの歴史や伝統的な柄についてご紹介。


みなさん、ふろしきの名前の由来をご存知でしたか?室町時代に武将が入浴する際、家紋をつけた布の上で衣服を脱ぎ、衣服を包んで使用したのが始めと言われているとか。


そしてふろしきと言えば「唐草模様」ですよね。


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泥棒が盗んだ荷物を包むイメージが強いこの柄ですが、実は唐草模様はぐんぐん伸びる蔦が子孫繁栄を表す縁起物とのこと。婚礼道具を包むことも多いそうです。


「麻の葉」は健康を表し、赤ちゃんの着物によく使われた柄だとか。また、先生のコレクションの中には見てのとおり御目出度い対の「熨斗」をデザインしたものもありました。
















さて、いよいよふろしきを使って色々な物を包んでみよう!ということになったのですが…どうやら筆者は生来の不器用だったようで、何を包んでもいまいち格好が良くありません。そもそも結び目が立て結びです・・・。


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それはさておき、先生の教えてくださる包み方は、最も正式とされる「平包み」から「スイングバッグ」「ハンドバッグ」「ティッシュカバー」「ボトルラッピング」「リュック」など、ふろしき一枚でこんなに!と思うほどの多様さ、美しさでした。


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定番のティッシュカバーですが、こんなにバランスよく作るのは意外と難しいです(私だけ?)…。





大判のふろしきを使うとこんな本格的なバッグまでできてしまいます


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色々な包み方の他にも、真結びとその簡単なほどき方、ひとつ結びのコツなど基礎的なことを教えていただきました。


これで少しは私も上手く物を包めるようになった・・・はずです。


皆さんも、ふろしきで色々なものを包んでみたい!とお思いになったのではないでしょうか。省資源、リサイクルの文脈で注目されるふろしきですが、今回のワークショップではそれだけでなく自分の好きな色や模様で、自分の手を使って身の回りのものをアレンジするよろこびを味わうことができました。


ちなみに…JFオリジナルふろしきをお買い上げの方には、こものちほ先生プロデュースによる包み方パンフレットもついています。包んでよし、首に巻いてよしのJFオリジナルふろしき、おススメです!






Tuesday, November 25, 2008

中国大学日本語教師研修






日本語国際センターY.Yです。今回は、「中国大学日本語教師研修」をご紹介したいと思います。





中国各地の大学で日本語を教えている先生たちが、毎年9月中旬から11月上旬の51日間にわたり、日本語国際センターで研修を受けています。今回も広い中国の全国各地から、北は黒龍江省に始まり、南は広東省を超えさらに海南島まで、大学で日本語を教えている40名の先生が参加しました。


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中国は、日本語学習者数が約68万人と、堂々の世界第2位!*1





そんなすぐお隣の国・中国からどんな先生が参加しているのか、さっそくインタビューしてみましょう。








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李晨先生(山東省・魯東大学)


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忙しい研修の間にインタビューを受けていただき、ありがとうございます。それではまず、李先生が日本語を勉強し始めたきっかけについて教えてください。






私は中国の東北部・吉林省の長春出身です。たまたま隣の家に、吉林省農業研究所の通訳の方が住んでいました。戦前の日本に留学したこともある方で、お宅に遊びに行った時、日本の絵本がありました。そこで初めて日本語の文字を見て、「中国の他にも漢字を使っている国があるのか」と驚きを感じたのがきっかけです。



それでは、日本語の先生になったきっかけは?



師範大学でしたので、自然に日本語教師の道を目指すようになりました。大学卒業以来、修士号取得や日本留学をはさみながら、長年ずっと日本語を教えて来て現在に至ります。






今回の研修に参加した感想はいかがですか?



そうですね、「第二言語習得」について、理論から実践まで系統的に学ぶことができたのが一番の収穫です。これまでに部分的に触れたことはあっても、体系的に学んだのは初めてでしたから。また、久しぶりに学生の立場に戻ることができたのも貴重な経験でした。



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于鵬先生(天津市・天津師範大学)       


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于先生と日本語の出会いについて教えてください。



私が小学校に上がった頃、中国は文化大革命の真っ只中でした。学校教育も麻痺状態で、授業もあまり満足に受けられない状況だったのです。


1972年に日中国交正常化が実現し、それをきっかけに、家の近所にあった大学で日本語講座が開催されることになりました。当時13歳か14歳だった私は、母についてその講座に通うようになりました。



その後、大学でも日本語を専攻なさったのですか?



はい。そして大学卒業後は、市役所で外国との貿易・経済方面の仕事を担当するようになりました。



大学卒業後、すぐに日本語教育の道に進んだのではなかったのですね。



出張で日本へ来る機会もありました。そして、日本へ留学中のクラスメートに再会し、話を聞くうちに、「自分も日本へ留学したい」と思うようになったのです。その夢が叶い、1992年から3年間、福岡に留学し、教育学の修士号を取得しました。



日本留学の後は、すぐ中国へ帰国なさったのですか?



いいえ、そのまま日本に残りました。中国との貿易を行っている日本の会社に就職し、6年間働きました。



中国にはいつ戻られたのですか?



2001年です。「日本語と経済・貿易の両分野をカバーする講義をしてほしい」と大学にいた知り合いから依頼を受け、中国への帰国を決め、大学で教鞭を執るようになったのです。



中国の官公庁と日本の会社での実務経験、さらに日本の大学院留学の経験。中国でも最近は、単に語学ができるだけではなく、「語学」+「専門分野」と2つの強みを持つ「複合型人材」の育成が強化されていますが、于先生はまさにうってつけの人材だったわけですね。



いえいえ、そんな(笑)。


・・・そういうわけで私は、教師経験はまだあまり長くないのです。


そのため、今回の研修では、多くの収穫がありました。とりわけ、自分の教授実践を振り返り、授業の改善をはかるための「授業研究」は、大変役に立ちました。


 


日本と中国の文化には、多くの共通点がありますが、違いもまた数多くあります。自分は留学で3年・仕事で6年と、9年間の日本滞在経験がありますが、それでもまだまだ学ぶことがたくさんあります。これからも今回の研修で学んだことを生かしていきたいです。



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この「中国大学日本語教師研修」に参加した40名の皆さんは、もともと高い日本語レベルを持っている上、非常に勉強熱心な方々でした。





授業や研究課題に全力で取り組んでいたのはもちろんのこと、歌舞伎鑑賞に行けば、上演中はずっと舞台を食い入るように見つめ、幕間の休憩時間になっても席を立たず、寸暇を惜しんで筋書きを読み込む姿が続出。





外へ出かけるときはカメラを手に、お店の看板や注意書き等、教材に利用できそうな物を見つけたら即撮影。


駅で電車を待つわずかの時間も、


「あそこにある広告のキャッチフレーズを中国語に翻訳するとしたら?」


「こんな訳し方はどう?」


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日本滞在経験のあるベテランの先生も、今回が初来日だった若手の先生も、51日間の研修期間を目いっぱい活用し、吸収できるものは何でも全て学び取っていこうとする意欲の高さが印象的でした。





広い中国のあちこちの大学に帰って行った後も、今回の研修で得た収穫を生かしながら、熱心に日本語学習中の大学生の指導にあたって下さることでしょう。




*1:国際交流基金「海外日本語教育機関調査」2006年度版より→http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/result/index.html