Tuesday, March 24, 2009

世界で読まれる日本の雑誌






毎日が疾風怒濤、もはや半泣きの久保田です。*1


最近、ブログチームはみんなあまりにも忙しすぎて


更新が途切れがちになっております。


楽しみにしてくださっている方々、すみません!





さて、今日から3回に渡って、雑誌をテーマにした


記事をお届けしたいと思います。





みなさんは普段どこから情報をとりいれていますか?


新聞、雑誌、ブログ、TV、ラジオ、書籍といったマスメディア。


家族、友人、会社の同僚といった人間関係。


この問いへの答えは十人十色だと思います。



こんなことを考えたのは、最近受けたOB訪問で


「久保田さんは?」という質問を受けたからなんです。





僕の場合は意識的に、速報性の高いメディアや内容の一過性が


強いメディア、大衆性が強いメディアからは距離を置くことに


しています。家にテレビはなく、新聞も毎日隈なく読むわけ


ではありません。





そういう意識から、大切な媒体があります。「季刊誌」です。





3ヶ月に1度出版される、厚めの雑誌。


具体的には新潮社の『考えるひと』






考える人 2009年 02月号 [雑誌]

考える人 2009年 02月号 [雑誌]










スイッチ・パブリケーションの『Coyote』(これは隔月)










ヴィレッジ・パブリッシングの『Monkey Business』






モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号

モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号










といった、ただ単におもしろいだけではなく、


新聞や週刊誌のように短すぎもせず


単行本のように長すぎもしない時間をかけて


生み出される厚みと質をともなった内容が魅力です。





ところで「雑誌」という媒体の特徴ってなんでしょう?

「雑誌論」のような書き物って読んだことがないですね。*2





時間のスパンという側面から言えば、TBSラジオ・


ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルの

雑誌・トゥ・ザ・フューチャー!おれたち未来人!!*3


でも指摘されていたとおり、ある意味でもっとも濃密な形で


「いま」が刻印されている。これは1つの特徴といってよいかも…


といったことをつらつら考えているうちに企画を思いつきました。


名づけて





世界で読まれる日本の雑誌





日本で出版されている雑誌は第一義的には国内向けですが、


ときには全世界の在外公館やJF海外拠点の図書館、


ひいては海外の書店に置かれることを通じ、海外の読者に


読まれることもあると思います。





「世界で読まれる日本の新聞」と言ってしまうと


おのずと数が限られてしまいますし、「…日本の書籍」


と言うと出版までのタイムラグが問題になります。


リアルタイムの雰囲気や情報が詰まっていることが


「雑誌」という媒体の1つの特徴だとすれば、


コンテンポラリーに「日本」に触れるのに適した媒体


である雑誌が、海外でどう読まれているかを


探ってみようという企画です。





今回はジャパンファウンデーションの海外拠点のうち、


ロンドン日本文化センターブダペスト日本文化センターから


レポートを寄せていただきました。





みなさん、どうぞお楽しみに!




*1:でも、そんななかにも朗報が。本記事でも取り上げた『Monkey Business』の最新号で古川日出男さんによる村上春樹さんへのインタビューが掲載されるそうです!!


*2:誰か、こんなおもしろい「雑誌論」があるよ、という情報をお持ちの方、教えてくださるとありがたいです…と書いてから、「雑誌論」でググったら上智大学の植田先生という方の授業シラバスが出てきました。1冊の本としては日本語で書かれたものはまだない??


*3:昔の雑誌を今の時点から読み直し優越感を味おうという企画





Monday, March 16, 2009

1・2・3、日本語フィエスタ~ッ!!






どうも、こんにちは。マニラの三富です。


今日は、2月28日(土)と3月1日(日)の2日間、マニラ日本文化センターが総力を結集して開催した「Nihongo Fiesta(日本語フィエスタ)」というイベントについてご紹介します。




日本語フィエスタとは、日本語スピーチコンテストを中心に、江戸凧の展示・ワークショップや凧あげ競技会、琴の演奏会や日本語を勉強している高校対抗の日本語クイズ大会、大学生によるエイサーのパフォーマンスやアジア各国の漫画家による風刺漫画の作品展(第11回アジア漫画展)、国際漫画賞の入賞作品の展示などなど、日本語と日本文化に関係するイベントを一挙に集めた「お祭り(=フィエスタ)」です*1




今回はSMモール・オブ・アジアという、超巨大ショッピングモール*2を会場に、日本語学習者のみならず、子どもから大人まで実に多くの人が集まり、日本語に触れ、日本文化を楽しんでいただきました。





それでは、数あるプログラムの中から、幾つか詳しくご紹介します。





■ 第36回日本語スピーチコンテスト





マニラ、セブ、ダバオ各地の予選を勝ち抜いた17人が、日本語でそれぞれの主張を込めたスピーチを行います。オタク文化や、文化の壁を越えた恋愛物語、宗教観や日本語教師としての経験と抱負などをテーマに、それぞれが日頃の学習と練習の成果を披露しました。





f:id:japanfoundation:20090313194115j:image:left 私は人前でスピーチするのが極めて苦手なので、今回開会の挨拶を任され、登壇し300名近い観客を前に挨拶せねばならぬとあって、当日は朝からめまいと吐き気に見舞われていましたが (;´Д`A ```、出場者の皆さんは堂々としたものです。時には冗談を交えて笑いを誘ったりと、感情表現豊かなスピーチを披露してくれました。


ただ日本語が上手いだけではなく、スピーチにこめられたメッセージ性や表現力などが問われるのが、この日本語スピーチコンテスト。皆さん熱が入っています!






■ Quiz Bee(高校対抗日本語クイズ大会)





スピーチコンテストに引き続いては、フィリピンで初めてとなる高校対抗の日本語クイズ大会を開催しました。


ジャパンファウンデーションが派遣する若手日本語教師らから、約1年間日本語を学んだ高校生約20名(7校)が、日本語や日本文化に関するクイズにチャレンジ。日本語力や日本文化に対する理解度を競いました。


左の写真を良く見ると、後ろのスクリーンに問題が映し出されています。


「(会場に流れる音楽を聴いて)このテーマ曲が使われているアニメの主人公は誰?ローマ字でフルネームを書きなさい」とありますね。うぅ~ん、難問 σ(´ x `;*)ンート・・・





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■ 2nd Philipipnes-Japan Kite Exhibit





さて、スピーチコンテストとクイズ大会が行われた会場から駆け足で5分ほど離れたアトリウムでは、江戸凧づくりのワークショップと展示を実施していました。





世界各地の大会を渡り歩き、またワークショップの経験も豊富な江戸凧保存会の皆さんにお越しいただき、子どもや大学生を対象に約2時間のワークショップをおこないました。





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大盛況!





さらに翌日は、モール脇の広場で、凧揚げ大会。


真夏の太陽の下、日本の伝統的な江戸凧や、フィリピンの創作凧が、大空に舞いました。





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スポンジボブや、大天使ミハエル、グライダーをつかって初めて空を飛んだフィリピン人、ドラゴンやペリカンまで、カラフルでデザインも多種多様な凧に、来場した多くの人たちが見とれていました。





大いに盛り上がった今年の日本語フィエスタ。


来年は、どんなプログラムになるのか・・・ご期待ください (*´∇`)ノ




*1:2005年から毎年2月に開催しており、今年で4回目です


*2:東京ドーム8個分の広さをほこり、何と!アイススケートリンクまであります。





Monday, March 9, 2009

切実ナルモノ



 こんにちは。クンシです。





 にわかに春の兆しが出てきましたね。





 クンシの所属する人事課では、この時期、就職希望者向けの会社説明会を実施してきましたが、説明会も先週で一段落。でも、まだまだこれから。採用試験は3月末から本格化しますし、人事異動の多い4月、職員の異動に伴う仕事がいろいろと待ち構えています。また、新入職員も入ってきます! 私たちスタッフ陣も、不安と期待でいっぱいの3月を迎えています。





 以前どこかで書いたかもしれませんが、クンシは俳句をやっていて、この前自分が参加している俳句結社の10周年記念を迎えるに当たり、エッセイを書くことになりました。エッセイのタイトルは「俳句と私」





 そこで、自分の俳句の原点について書くことにしました。自分はジャパンファウンデーションに入社してから、社内の俳句サークルに誘われて参加したことがきっかけとなり、俳句にはまってしまいました。


 エッセイを書きながら、「何で自分が俳句にハマッたのか」ということを考えて、思い至った結論は、「切実だったから」です。





 私は地方出身(相当な山間の村です…)で、大学入学以降ずっと地元を離れて生活していますが、距離やお金もかかることから、地元に帰るのは年に数回程度。親の顔を見た日も、10年のうち通算何日か。そんな日々の中で、いつもどこかに「自分の住むべきところはここ(東京)でよいのか」という問いがあります。


 学生時代に、「グローバル化とルーツ」にまつわる話を読んだことがあります。グローバル化が進み、ヒト・モノ・カネ・情報がいとも容易く移動する時代になったからと言って、人は完全に根無し草にはなれない…。自分ような根無し草への問いは、「祖国と離れて」や「経済的理由」で移動せざるを得なかった方と比べると、極小さなレベルでしかありません。ただ、それでも、私の中では大きな問いで(現在進行形)、緑豊かな地域と比べて、都会のコンクリートジャングルの生活は、自分にとってはときに「生活の豊かさ」を問うてしまうものでもありました。





 と、そんなときに、俳句と出会ったのでした。





 俳句はご存知のように、季語を必ず一つ入れないといけないルールがあり、四季や、四季にまつわる出来事を詠むことになります。俳句を詠むことによって、コンクリートジャングルの中にあっても、自然を探すようになり、俳句を通じて四季を身近に感じることができ、望郷の念を自分なりに開放する一つの方法となったのでした。自分を育ててくれた土地や人や出来事に対して、せめてもの恩返しにできると言いますか…。それが私が俳句を続ける原動力になっているのでした。





 ふるさとは遠きにありて思ふもの―室生犀星の有名な詩がありますが、私の俳句の例で言えば、ふるさとが遠くにあるからこそ原動力となり得たように思います。





 さて、何でこんな話を書いてしまったかというと(エライこと脱線しました…)、上記は単に趣味の話でしたが、仕事をする上で、「切実なるもの」が大切になることがあるとつくづく思うからです。ちっちゃなことでもよいので、何か一つひっかかるものがある、変えたいと思うものがあるそのちっちゃなことがビジョンとなって、その人が仕事をする上での原動力につながっていく、と思います。








 会社説明会に登場した職員の中で、「どうしてジャパンファウンデーションが国内で知られていないのか」という想いが原動力となって、広報分野でいろいろと新しい取り組みを実践した職員がいて、ああそうだな、と改めて実感したのでした。ジャパンファウンデーションが行う国際文化交流というのは、一つの大きなフレームでしかなくて、その中で人によっていろんな切り口でいろんな切実さがある・・・(あくまで私個人の考えですが…)。








 切実なるもの、について、ふとしたつぶやきでした。