Monday, January 7, 2008

世界のクリスマス2007~Vol.3 フィリピンの場合






皆さん、明けましておめでとうございます。


もう“あけおめ”なんて若者ことばは恥ずかしくて使えない、三富です。




さて、昨年から引っ張りつづけている世界のクリスマス2007シリーズ。2007年末に記事をいただいておきながらも、年内の掲載が間に合わず、新年を迎えてもまだ引っ張り続けてしまいました・・・。*1


でも・でも・でも・でも、そんなのカンケーね。





さて、今回はフィリピンから。マニラ事務所のIさんにレポートをお願いしました。






12月25日を過ぎてしまいましたが、まだまだ、クリスマス気分一色のフィリピンから。


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(アラヤ通りのジプニーとクリスマス・デコレーション)





『世界一長いクリスマス』 





フィリピンの人たちは、自慢げにそう言います。


巷で言われているフィリピンのクリスマス・シーズンは、9月~翌年2月まで。(なんと6ヶ月!) 


9月になると、テレビでは、「クリスマスまであと何日」というカウントダウンが登場し、ショッピングセンターの飾りつけも、クリスマスに向けて徐々に華やかさを増します。


今日は、フィリピンのクリスマス風物詩を4つ、ご紹介します。





【風物詩1:パロール売り】


パロールは、タガログ語で「ランタン」を意味し、星型が基本。マニラから車で2時間ほど北にあるパンパンガ州などで作られています。


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(写真上:フィリピン大学ディリマン校にて、写真下:マカティ市内のパロール売り)


JFマニラ事務所のあるマカティ市内には、パロール売りが集まる有名な一角があります。パロールのほか、サンタクロースやキリスト誕生の様子など、電球で輝く、様々なデザインのクリスマスデコレーションが売られています。


きれいなので思わず買いたくなってしまうのですが、マニラは日本よりも電気代が高いため、ご注意を。





【風物詩2:シンバン・ガビ】


フィリピンは、国民の85%がカトリック教徒という、アジア随一のキリスト教国。


教会では、クリスマスから数えて4回前の日曜日の待降節から、クリスマスの聖歌が歌われるようになります。


「シンバン・ガビ(Simbang Gabi)」は、フィリピン独特の早朝のミサのこと。フィリピン全土のカトリック教会で、12月16日からクリスマス・イブまでの9日間、毎朝4時ごろから行われます。





1973年からマニラでカトリック司祭を務める西本至神父によると、「シンバン・ガビ」の起こりは、18世紀の初め。スペインから来た宣教師たちが、フィリピンにキリスト教を定着させようと思案していた時に目をとめたのが、ルソン島北部の農民達が年末に行っていた収穫祭。朝暗いうちに田畑の真ん中に「お米の神様」を祭り、その年の収穫への感謝と翌年の豊作を祈ります。





この収穫祭に、まず、ミサを、その後、キリストの誕生祭としてのクリスマスを取り入れたのが「シンバン・ガビ」の始まりだそうです。





f:id:japanfoundation:20071220211754j:image:right(写真:バクララン教会にて) フィリピン各地に広まった「シンバン・ガビ」。9日間完遂すると願いがかなうと信じられており、マニラ一の賑わいを誇るバクララン教会でも、祈りを捧げる老若男女であふれかえっていました。





【風物詩3:ペソ高】


すぐにピンと来た方は、フィリピン通です。


フィリピン政府は、海外出稼ぎ労働者(OFW:Overseas Filipino Worker)を「現代の英雄」と呼んで国策として奨励しており、約190カ国でおよそ120万人が、看護師、介護士、船員、メード、タクシードライバー、ミュージシャンなどとして働いています。実に国民の7人に一人。家族や親戚にOFWがいるのが普通なので、その悲喜劇を扱ったテレビ、映画が共感を呼びます。


クリスマスの時期には、家族に会うため、大勢のOFWが帰国。アロヨ大統領が、ニノイ・アキノ空港で「英雄」たちを出迎える姿が、毎年この時期に報道されます。クリスマスが近くなると、里帰りOFWの持ち込んだドルのペソへの換金や、海外からの送金が増えるため、ペソ高になるのです。





国連傘下の国際農業開発基金(IFDA)のまとめによると、2006年のOFWの母国への送金額は146億5,100万米ドル。フィリピンの国内総生産(GDP)のなんと12.4%。大統領が彼らのことを「英雄」と呼ぶのもうなずけます。





【風物詩4:プレゼント&パーティー】


今年一年お世話になった人への感謝の意をこめて配ったり、クリスマス・パーティーでの交換のため、たくさんプレゼントを買わなくてはいけないのも、この時期。


私の友人のある日本語教師は、一人で100個近くのプレゼントを用意したと言っていましたが、30、40個は、当たり前のようです。


「プレゼントを買う」=「お金がいる」


強盗や窃盗などが増えるのも、うれしくない風物詩(?)です。(師走に入ると、日本も同じですよね。お互い気をつけましょう。)





10月に入ると、各職場では、クリスマス・パーティーの企画がスタート。


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(ランタン・パレード フィリピン大学ディリマン校にて)





会場確保から始まり、ゲーム、出し物、ラッフル(福引)などなど、アジアのラテン系と呼ばれるお祭り好きの才能をここぞとばかり発揮。12月に入ると、職場、学校のクラス、友人同士などのグループで、毎週のようにクリスマス・パーティーが行われます。JFマニラ事務所でも、先週末開催。オフィスのチームワークを盛り上げるためには、欠かせないイベントです。





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(JFマニラ事務所クリスマス・パーティー)





2007年はお世話になりました。2008年が皆さんにとって良い年になりますように。


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(タガログ語の「Merry Christmas & Happy New Year」)





*1:よっぽどこの件が心残りだったのか、私の今年の初夢は、フィリピンに旅行する夢でしたZzz…(*´~`*)





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