Friday, January 30, 2009

交流年



 こんにちは。クンシです。


 皆さんは、「交流年」という言葉を聞かれたことがありますか?


 


 例えば、最近では、日英交流150周年(2008)日インドネシア国交樹立50周年(2008)日タイ修好120周年(2007)などなどが、交流年に当たります。

 国交樹立●周年など、国同士の記念に当たる年には、政府間で交流年を設定することがあり*1、交流年に合わせて各種様々な文化イベントが催されます。ジャパンファウンデーションも、日本の文化交流年には中核機関として多くの文化事業を行います。

 さて今年2009年は、というと、日本ドナウ交流年2009日メコン交流年という、ドナウ川の流域4カ国(オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア)、メコン川の流域5カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)*2との交流年にあたっているんです。


 国ではなく、「川」の流域で記念の年を設けることもあるのですね・・・、クンシも初めて知りました・・・(勉強不足、、汗)。




 ちなみに、昨年2008年は、日仏交流150周年記念*3でもあったのですが、たまたま2008年11月に出張でパリを訪れたクンシは、イベントの一部を見ることができました。思った以上に各地で日本にまつわるイベントが用意されていて、びっくりしました。夜の空いた時間やフライト待ち時間を使って見て回ったのですが、日本の地域文化、生活用品、現代プロダクト(商品)など、いずれも日本に対する着眼点のユニークなもので、非常に驚きつつ、勉強になりました。


例えば、こんなイベント↓。





ケ・ブランリ美術館「日本民芸の精神― 手工芸からデザインまで)」展


 



日本の民芸運動を率いた哲学者である柳宗悦、その息子で工業デザイナーの柳宗理親子を軸に、日本の民芸を紹介する展覧会。日本民藝館(目黒区)から多くの所蔵品(陶磁器、漆器、織物、染物、木工品等)が出展されていたほか、栃木、神奈川、福井、岐阜、京都、岡山、島根、沖縄といった日本の地方都道府県の歴史博物館から、地域特有の民芸品が多数出展。






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日本にいても、地元や旅行先以外で、その地域の伝統工芸品を知る機会って、あまりないですよね。パリで、一度にこのような日本の地域文化を知ることになるとは・・・(´・ω・`;)。親日家が多いと聞きますが、改めて感銘を受けました。





さて、「伝統的な」生活用品に対して、「現代的な」プロダクトに焦点を当てたのが、ジャパンファウンデーションが海外拠点のパリ日本文化会館で行ったこちらの展示↓。





パリ日本文化会館「WA-現代日本のデザインと調和の精神」展


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日本のすぐれたプロダクトデザインに焦点を当てて、生活に根ざした品々を、食器/水まわり/家電/情報/遊具/文具/雑貨/ウェア/包みとバッグ/乗り物/家具/あかりといった12カテゴリーに分けて展示。現代のものが中心。



一見ショールームのようにも見えたのですが、利用者の使いやすさを徹底的に追求する日本の商品の背景にある精神性は、まさにそれ自体日本文化なのだと気付きました(*o*)。





交流年のイベントの着眼点は、おそらく、日本とその国/地域との交流の歴史や深度によっても変わってくるのでしょう。交流年に合わせて、海外の国や地域を旅行してみると、面白い発見があるのかもしれませんね!(もちろん、日本側では、逆にその国や地域を紹介するイベントが開催されますので、そちらを見てみるのもよいと思います。)




*1:外務省のウェブサイトをご参照ください→こちら


*2: 近年、政治、経済、文化、青少年、観光等幅広い分野で関係が急速に深まっている日本とメコン地域諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)との間で、更なる交流の拡大を実現するため、2008年1月に東京で開催された日メコン外相会議において、2009年を「日メコン交流年」とすることが合意されました。


*3:在仏日本大使館のウェブサイトはこちら。在日フランス大使館のウェブサイトはこちら





Monday, January 26, 2009

 Elephant Vanishes!!






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皆さんこんにちは、オレペコです。


バンコクからの2009年初レポートは、素敵な再会Yについてお届けします。





このブログの読者の皆さんの、一体どのくらいの方がご存知かわかりませんが、タイにはジャズ大好きっ子があふれています。その一因は何と言っても、現国王がジャズ好きで自ら作曲されたり楽器を演奏されたりするため。そんなジャズファンが、昨年、大熱狂したイベント、それが





”Unit Asia Jazz Concert 2008 in Chiang Mai"





日本の3人の気鋭のミュージシャンに、タイの第一線で活躍するサックス・プレーヤーKoh Mr. Saxmanと、マレーシアの新進気鋭のピアニストTay Cher Siangが加わり、新たに"Unit Asia"というグループを結成して、一ヶ月にわたって東南アジア5カ国ツアーを敢行したんです!その詳細はHPに譲るとして・・・実はこの1月頭に、メンバーの一人であるTayさん が、Thai Jazz Conference という、ジャズの催しに参加するということで来タイ!およそ2ヶ月ぶりの再会を果たしました。





f:id:japanfoundation:20090119193022j:image:left:w150イベント実施期間中は、やれ機材がうまく動かないだの、やれ空調が途中で切れただの(苦笑)、次から次へと問題が発生し、担当者はとにかく事業を成功させることで必死。なので、ミュージシャンの方たちとゆっくり語り合う、、、という精神状態にはなかなかなれません。なので、こうやって、別の機会にゆっくり話ができるのはヒジョーに貴重なことなのです。





いまやとっても真摯にピアノに取り組んでいる彼が、幼いころにどうやってピアノの練習をサボっていたかや(笑)、より高い次元を目指してアメリカに渡ったときのエピソード、敬愛するミュージシャンについて、、、そんな話から、東南アジアでの歴史教育、ガザの問題などなど、お互いひとりの人間として、普段考えていることをぶつけながらいろんな話をすることができて、とっても良い時間でした。




中でも、彼が言っていておもしろいJと思ったのは、彼は外国の都市や町を旅すると、必ず「本屋さん」を巡るのだと。どんなに瀟洒な高層ビルが立ち並び、ブランドショップで埋め尽くされていても「本屋さん」が充実していない都市・町は薄っぺらい。彼なりの判断基準なんだそうです。 本屋については私も一度、バンコクの街を歩きながら同じようなことを考えたことがあったので、わが意を得たり、という感じでした。そうなんです。実際住んでいると見逃しがちですが、日本って本当に街に本屋さんがあふれている。どんな小さな町にも、本屋さんがあって、ちょっと気難しそうなおじさんがレジに座ってたりする(笑)。そういう光景が残っているだけでも、まだまだ日本は捨てたものじゃないかも!と思えるのです*1





そんなTayさんが大好きな作家のひとり、それが「村上春樹」


そういえば、彼が Unit Asia のために作曲した曲のうち1曲のタイトルは"Elephant Vanishes." 春樹の本からインスピレーションを得たんだよ、とにこりと笑うTayさん。同じく村上春樹好きの私。国を超えて、一人の日本人作家の話ができるなんて!心の中で、勝手に「村上春樹さん、ありがとう」と叫びました(笑)。





そんなこんなであっという間に数時間。


今度は、マレーシアで会おうね、といってお別れ。タイとマレーシアは近いし、またすぐに会えるよね、と。。。





がっ!!! 


みなさん!




f:id:japanfoundation:20090119202531j:image:right:w220 実は、私よりも先に、こんな素敵なTayさんに会えるのは、日本でこのブログを読んでいるあなたですJ な、な、なんと、東南アジア5カ国を熱狂の渦に巻き込んだ Unit Asia が、2月に日本で凱旋公演をやるんですっ! 日程は以下の通りですが、詳細はこちらをどうぞ*2


<2009年>


2月17日(火)京都/Live Spot RAG


2月18日(水)名古屋/ライブハウスTOKUZO


2月20日(金)東京/アムラックス・ホール(池袋、トヨタアムラックス5F)





ジャズ好きの方も、そうでない方も(?)、これは、ほんとに必見です。育った環境も、言葉も違う3つの国の人たちが、個性をぶつけ合い、やがてそれが溶け合って、すばらしい音楽を作り出しています!ぜひご自分の肌と耳、、、いやいや、五感全部で、これまでどこにもなかった新しいジャズを、感じ取ってみてくださいY




*1:最近、茂木健一郎氏のクオリア日記に、幼いころの「本屋」体験が書かれていました。ネットばかりで本を買っていてはいけない、という自戒とともに。こちら


*2:SIAMESE INDY さんも日本公演について紹介してくださっています!こちら





Friday, January 23, 2009

 世界の祝日 1月は成人の日です☆



世界の祝日として、12月はクリスマスについて、お届けしましたが、


1月は成人の日について、お届けしたいと思います。


日本では女性は振袖をきて、艶やかな姿でお祝いを行いますが、


さて、他の国々では成人の日ってあるんでしょうか?


今回は、ジャカルタ、カイロ、そしてマニラの日本文化センターに聞いてみました!





●ジャカルタ



ジャカルタは本格的な雨季に入り、


道路や家が水につかる洪水の季節となりました。


さて、インドネシアでは通常17歳で成人となり、選挙にも参加できるようになります。


しかしながら、日本の成人式のような特別なお祝いというのはないそうです。


蛇足ですが、インドネシア人といってもたくさんの民族に


分かれており、それぞれの民族によって「成人」という認識は違うようです。


例えば代表的なエスニック・グループの一つであるバタック人ですと、 結婚するまでは「成人」とはみなされないというようなこともあるようです。


JF職員@ジャカルタ



ふむふむ、なるほど。いまさらながらインドネシアが多民族国家ということを思い起こされます。それぞれの民族で「成人」の認識って違うものなのですね。


さて、気になるエジプトは・・??


●エジプト



何かありそうなニオイがしたようですが、エジプトでもまったくお祝いの儀式や式典といったものはありません。


21歳で成人になります。


ちょうど成人になったばかりのローカルスタッフに聞いたら、なんにもないのでまったくつまらない、とグチをこぼしていました。


JF職員@カイロ



「まったくつまらない・・・」とのぼやきがなんだかほほえましいです。


うーん、成人のこんなにお祝いするのは、日本だけかしら?と思っていたところ


!! 


●フィリピン



インドネシア、エジプトとは異なり、フィリピンでは大盛り上がりです。


両国同様、特に何もお祝いはしないそうです、とクールに受け流したかったのですが・・・


お祭り好きのフィリピンの人々にとって、何もせずに記念すべき成人の日をやり過ごすことは許されないでしょう。


フィリピンでは、18歳で成人になります。


お祝いの儀式は、通常女性のみがするものだそうです。


このセレモニーは、”Debut”と呼ばれ、18歳の誕生日当日に行う場合が一般的です(要するに大きな誕生日パーティーです)。さらに、成人を迎えた人は”Debutante”と呼ばれます。


通常、Debutは、親族、友人、近所の方々などを大勢招いて、ホテルの宴会場などで大々的に行われます。


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このDebutのハイライトが、Cotillion Danceと呼ばれるもので、友人などから選ばれた9人の男性、9人の女性エスコートと一緒にワルツを踊るというものですが、このワルツに掛ける意気込みが尋常ではなく、専門の振付師を両親が雇い、ほぼ毎週末、自宅に振付師を招いて、6ヶ月間!にわたり練習をつむそうです(もちろん、個人差もありますが・・・)。


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その他に、バラをもった18人の男性(父親、兄弟、友人、隣人など)と順々にダンスをするという、18 Roses Danceというものもあります。。


さらには、18 Candles Presentationというプログラムもあり、18人の女性がロウソクをもったままDebutanteに祝いの言葉や成人にあたっての願いなどを伝え、ロウソクを吹き消すといったことをするようです。


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間に友人や家族、来賓の祝辞などが入り、最後はカラオケやダンスパーティーを延々深夜まで、場合によっては翌朝明け方まで続けるというのが定番のようです。


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写真を見ていただければ分かるとおり、まるで結婚式かと思うほど、衣装も会場もプログラムも凝りに凝った盛大なパーティーです。



とっても素敵なドレスですね!!本当に結婚式のような、晴れやかな笑顔が素敵です。


今年度、世界の成人になられた皆様にとって良い年でありますように。+☆