Thursday, November 26, 2009

NO MAN’S LAND 創造と破壊@在京フランス大使館 



こんにちは。Mです。


さて、私は昨日、在京フランス大使館の旧館で行われているアートイベントのオープニングに行ってきました!


フランス大使館は、大使公邸も含めて、テニスコートやプールがある広大な土地を広尾に持っていたのですが、今回これを売却し新しい大使館を建設。旧館の取り壊しにあたって、アートイベントを開催し、一般に公開するというものです。


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もちろん大使が居た場所なので、使われていた頃は厳重な警備だったそうなんですが、もう壁に絵が描いてあったり庭にアートが転がってたりエラいことになってました。。今回はフランスからも多数のアーティストが招聘されていて、日本人のアーティストも大勢参加しています。


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■ 開催概要


主催 :在日フランス大使館文化部


期間 :2009年11月26日(木)~2010年1月31日(日)


開館 :木・日曜日 / 10時-18時、金・土曜日 / 10時-22時


休館 :毎週月~水曜日、2009年12月28日(月)~2010年1月6日(水)


場所 :フランス大使館旧館(東京都港区南麻布4-11-44)


入場料 :無料






 オープニングにはかなりの人が集まっていて、私は途中から行ったんですが、それでもすごい人数・・・。


 ところで、国際交流基金も世界のいろんな場所でこういうアートイベントを行ったり、もちろんオープニングイベントもやったりします。


 で、終わってから六本木にラーメン食べに行きました。私の前の仕事がタイでの日本語教育プロモーションだったもんで、フランス政府留学局の人や大使館の言語担当者とラーメン食べながら、日本でのフランス語プロモーションのことなんかをちょこっと聞いたりして。フランスでも日本語教育の需要は高いよと励まされたりもして。





 実は今基金で作成している JF日本語教育スタンダードは、ヨーロッパの「言語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠(CEFR)」を参考にしています。なにやらご協力いただいたようで、「その節はお世話になりましたー」みたいな会話をしながら夜が更けました・・・。





Wednesday, November 25, 2009

Selamat datang! インドネシアの先生、大阪で学校訪問(その1)



こんにちは!mioです。


外は小春日和のいいお天気ですね。





さて今月の半ば、「中学高校教員交流(招へい)事業」の協力要員として、インドネシアから来日した中・高教員の研修をお手伝いしてきました。


もちろんブログチームとしては、ばんばん写真とネタを集めてきました!!今日はそのご紹介です。







今回の事業は中学高校の教員を日本にお招きし、国内の教育関係機関などを訪問して、日本文化への理解を深めつつ、先生たちのネットワークを作ってもらおうという事業*1で、ジャパンファウンデーション設立翌年、1973年以来、36年間続いている事業です。これまで、7800名以上の先生たちが日本の教育現場を視察しています!





アメリカや東南アジアなどさまざまな国籍の先生方がやってくるのですが、私がご一緒した今回は全員インドネシアの先生です。インドネシア国家教育省との共同事業として開催されるようになってから今回で3回目。

12日間の日本滞在の間、学校や教育施設の見学*2、日本の教育制度や日-インドネシア交流史のレクチャーなど、教育の現場も理論も学んだ後、日本の家庭で一泊のホームステイも体験します。私は今回、大阪、神戸での視察のうちいくつかにご一緒させていただきました。








先生、Selamat datang! (ようこそ!)


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(大阪市教育委員会への訪問後、大阪市庁舎の前で)





実はこの先生方、インドネシアの各州(日本で言うと県)でteacher of the yearを受賞した、最も優秀な先生方で、先生の先生(指導者のためのトレーニング)をすることも多いんだそうです。皆さんこんなに明るくて気さくですが、実は校長先生も結構居ます。ちなみにピースサインは日本人のマネみたいです。


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まず、国際交流基金の関西国際センターを見学。


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図書館見学


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教材としても、興味深々?   





関西国際センターでは、


施設見学の後にホームステイに備えてサバイバル日本語講座を受講しました。





学校訪問の前には、神戸にある「人と防災未来センター」と大阪にある「舞洲工場」へ視察に行き、震災後の復興に関する取り組みや、高度なごみ処理技術について学びました。どちらも修学旅行生に遭遇して、教育現場にも活かされている様子もしっかりチェック。


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舞洲工場で、ごみの焼却熱によって発電をする仕組みを学ぶ様子








第2段では、いよいよ学校現場の見学の模様をお届けします!!


その前に、閑話休題・・・





一週間の随行の間に、インドネシア語もいろいろ教えてもらいました。


貿易の言葉として発達したインドネシア語。文法はシンプルで、響きはかわいいんです。





たとえば


「先生」は guru(グル)ですが、


これが複数形になると 「グルグル」!


本=Buku、


本がたくさん=Buku-buku


学費はどのくらい払うんですか?の質問には、「チュマチュマ(無料です)」





イルカは ルンバルンバ


羊は ビリビリ


亀は クラクラ


じゃあ、「キラキラ」は何でしょう?!








答え:大体








ほとんど無料ですよ、は キラキラチュマチュマ って言うんでしょうか。











先生たちも滞在中に日本語を頑張って勉強していました。


たとえば・・・関西国際センターでのサバイバル日本語講座でのひとコマ。





イスラム文化圏の先生方ですから、豚など食べられないものもあります。


最も簡単に覚えられる表現で、かつ丁寧にお断りをしなければならないとしたら、なんていいますか?





サバイバル日本語講座によると、最短かつ丁寧な断り方は…





「BUTA WA CHOTTO(豚はちょっと…)」





なんかかわいいけど、確かに短くて意味はわかる!


さすがサバイバル日本語講座です。





次回、先生たち、とうとう学校へ!


お楽しみに!




*1プレスリリースもご覧下さい


*2:関西でのプログラムは、(財)大阪国際交流センターさんに多大なご協力いただいております。Terima kasih !(ありがとう!)





Sunday, November 22, 2009

 アジア美術の現在!?



こんにちは、もなかです。


今年基金に入ったばかりの新人で、現在は造形美術チームで働いてます。


今日は先週行なわれた、アジア次世代美術館キュレーター会議(Asian Museum Curators' Conference)についてレポートしたいと思います。





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この会議は、アジアの若手キュレーター(美術館などの学芸員)が、顔見知りになって国を超えた共同企画を立てたり、美術品の貸し借りをするネットワークを拡げよう!という目的で2006年から始められました。過去のホスト国は日本やフィリピン、韓国などでしたが、第5回目となる今回はなんと史上初!シンガポールとマレーシアの2カ国をツアーしながら行なわれ、過去最多の25名が6日間、寝食を共にしました。


今回参加したのは、シンガポールとマレーシアはもちろん、日本、韓国、インドネシア、ベトナム、タイのキュレーターたちです。シンガポールでは一日かけて現地の美術機関を廻り、国立美術館だけではなく、独立したキュレーターやアーティストが運営しているアートスペースも訪問しました。





この会議を一緒に運営してくれたシンガポール・アート・ミュージアム


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シンガポール最初の独立系アートスペース、サブステーション。中にはギャラリーをはじめ、ダンスのレッスン室のようなホール、ワークショップのための教室などがあります。


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国立教育学院内のアートギャラリー


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ちなみに、ジャパンファウンデーションでは、現在活発なアジアのアートスペースを網羅したガイドブックも出版しています。*1



オルタナティヴス―アジアのアートスペースガイド〈2005〉

オルタナティヴス―アジアのアートスペースガイド〈2005〉







興味のある方は是非読んでみて下さい。アジアでのアートの元気さにびっくりするはずです。








次の日はプレゼンテーション三昧。参加者全員が30分ずつ、自分の国や所属機関の現状報告と、興味のあるテーマについて発表をしました。


仲良くなった頃に、みんなでバスに乗りマレーシアの首都、クアラルンプールへ。約5時間の道のりです。





マレーシア国立美術館のバス


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マレーシアでも国立美術館はじめ、インディペンデントのアートスペースを廻り、そこのオーナーも交えてディスカッションを行ないました。


テーマは


・キュレーターの役割の変化


・展覧会のお客さんは誰か?


・キュレーター兼アーティストの台頭


など、興味深いものばかり。普段は展示やカタログの仕事に追われて後回しになりがちな


アート産業論、キュレーター論を戦わせました。働く国や機関が違っても、みなさんのアートに対する熱い思いが伝わってきました。





ディスカッション風景。25人で車座になると、壮観?!


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過去にはこの会議を通して培ったネットワークを生かして、日韓のキュレーターが合同で企画をした展覧会が実現しました。


今回の参加者たちも皆連絡先を交換していたので、これからいろいろなプロジェクトが生まれるといいな、と思います。





文化芸術って、なかなか目に見える効果は出にくいけれど、時間をかけて築いた人と人とのつながりが、国を超えた繋がりを生むんだなぁ、と実感した初出張でした。





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