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Wednesday, August 18, 2010

 舞踏の魅力―フェローセミナーレポート




さん、ふろしきワークショップのレポートありがとうございます!


色鮮やかで可愛いですね。「何かを包む」、そのひと手間が贈り手の気持ちを伝えてくれるのだと思いますが、包み方も工夫すれば、頂いたときのうれしさは倍増です(^^*)





そして、ブログリレーも一周ですか。


私、ニャーハからスタートして→Any(ロシア)→キャシーヌンツィア(ローマ)→mioニャー(ベトナム)→という順番でお送りしてきましたが、それぞれ個性的で面白かったですね。


「地球を、開けよう」ブログ、これからもよろしくお願いいたします。


ということで、今日も東京からのレポートいってみましょうー!


Dear Fuki! It was such a cute Furoshiki workshop. Colorful wrapping with Furoshiki will make people happy and excited reminding its sender’s hospitality. Thank you for the report!


I think our first round of blog relay by variety of authors turned out to be quite successful. Now it’s my turn to write from Tokyo!


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■フェローセミナー「身体論と実践:土方巽の舞踏における「身体」と「肉体」をめぐって」■


Fellow’s Seminar : Body theories and techniques: “Shintai” and “Nikutai” on Hijikata Tatsumi’s Butoh





突然ですが問題です。


次の文章、皆さんならどうやって外国語に翻訳しますか?(ポイントは肉体とからだの訳し方!)






「無数の裂目が埋められた肉体の声は、物質の叫びを改めてハンカチにつつむようなものだ。からだの中の文明ではよくそれが起る。(土方巽著『美貌の青空』より「肉体に眺められた肉体学」から抜粋)






身体、からだ、体、肉体、体躯・・・


英語では全てbodyと訳すことができるこれらの言葉。


日本人は無意識に、でも結構繊細に使い分けている身体の概念を研究しているイタリア人の方がいらっしゃいます。


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カティア・チェントンツェ(Katja CENTONZE)さん、約1年前に来日し、早稲田大学の演劇博物館で舞踏の身体論を研究されている日本研究フェロー*1の一人です。帰国前のお忙しい時間の合間を縫って、国際交流基金で舞踏の身体論に関するセミナーを行って下さいました!


The lady in the picture is Ms. Katja CENTONZE, a researcher from Italy staying in Japan for almost one year as our Japanese Studies fellow. She has been researching on Body theories of Butoh in the Tsubouchi Memorial Theatre Museum, Waseda University. At the end of her fellowship period, she held a small seminar in JFIC and was joined by many audiences interested in the world of Butoh. This is the report of her seminar.





**日本研究フェローシップとは** *1


国際交流基金は、海外での日本に関する研究を支援するために学者や研究者を日本に招へいしていますが、そこで招へいされた人たちをフェローと呼んでいます。(フェローシップは奨学金制度のことですが、他に「仲間」や「分かちあうこと」といった意味もある言葉ですね。)22年度は200名近い日本研究者が世界中から来日し、人文科学分野(文学、歴史など、いわゆる文系全般)の研究を行う予定です。招へい者リストはこちら。研究テーマを眺めるだけでも面白いですよ~。





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大入り満員の会場―スペースけやき。舞踏の映像上映も含めて約1時間半の濃密なレクチャーでした。





冒頭に引用した文章、セミナーでカティアさんが読んで下さったものですが、私は日本語でもすぐ頭に入ってこなくて・・・


あらためて意識すると難しいですね~。


「はい、とても複雑です。でも日本語の身体論、肉体論が、どこまで複雑になることができるか、そこに関心があって研究を始めました。私は、土方のダンスを生で見たことがないので、大体テキストから調べましたが、後は映像を観たり、土方を知っている人や、いろんな人から話を聞きましたね。」


そうか。外国人だからこそ、自分の言語感覚を頼りにせず、客観的な分析を深めていけるのかもしれません。


It is very difficult to explain the difference between "Shintai" and "Nikutai", two different words, both meaning "body" in English, especially in relation to Butoh. What made you choose this theme?


―It is a very complicated idea indeed but that’s what fascinated me. To what extent can the analysis concerning Shintai and Nikutai be deepened? Now I know that it is a never ending research…!





セミナーにはカティアさんのお友達や恩師の方々、舞踊関係者も沢山いらっしゃり、充実した日本滞在を送られたことが伺えました。先日は大野一雄さんの告別式に参列されたとおっしゃっていましたが、他には日本にいる間どんなことが印象に残りましたか?


秋田弁で土方巽の『病める舞姫』を朗読するイベントに出たことは本当に勉強になりました。また今年1月には、「ダンスが見たい!新人シリーズ8」というフェスティバルに審査員の一人として参加しました。日本にいるといろいろな活動のきっかけがあります。そういったイベントを通して知り合った人たちは皆心が広く、仕事だけでない深い付き合いや経験ができたと思っています。今日のセミナーに来て下さったパフォーマーの首くくり拷象さんも私は大ファンだし、また土方巽の写真を撮られた細江英公先生も来てくださり、本当にうれしい。自分は恵まれていると感じます。」


―During my stay in Japan, I was involved in the project of reading Hijikata Tatsumi’s work "Yameru Maihime" in Akita dialect. And also I took part as a member of the jury in the New Figures Festival Die Pratze "Dansu ga mitai!8 (I wanna see Dance! 8)". There was a lot of opportunities in Japan to explore my interests and experiences even beyond my research. I was blessed to make an acquaintance with kind friends through these events.





イタリアにいた頃から、舞踏の公演やワークショップの企画をしていたと聞きますが、舞踏に関心をもつきっかけは何だったのでしょうか。


「14歳の頃だったと思いますが、偶然舞踏の写真をみて、これが本当の舞踊だと感じました。もともと映画やパフォーミング・アーツには関心があったのですが、ヴェネツィア大学で日本語学科に入ったことで、舞踏と再会し、研究テーマとして考えるようになりました。」


「舞踏の影響ってすごいんですよ。舞踏がなかったら今の西洋のダンスはなかったくらい。舞踏が西洋に紹介された70・80年代以降から、西洋のダンスに空間を意識した体の使い方や振付が増えています。舞踏はアンチ・ダンスなどと言われ、20・30分立っているだけの"踊らない踊り"がありますね。体の使い方が大切なのだと思うのですが、表現しないことが表現になっているんです。で、なにもしてないその人を、やっぱり見てしまう。そしてそれから、体から風景が見えてくる。とっても面白いですね。」


―I love performing arts in general and when I started studying Japanese language at University Ca'Foscari, Venezia, I chose Butoh as my theme. Butoh is often mentioned as Anti-Dance. There is a performance in which a performer merely stands still for 20-30minutes. But the body of the performer still captures the attention of the audience and we are somehow forced to see him. It is through his body that we see the senary. Very, very interesting.





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今回、初めて日本語でレクチャーするということで、セミナー前かなり緊張されていましたが、終了後は笑顔で参加者と歓談。あちこちで引っ張りだこ!で、この後の打ち上げも深夜まで盛り上がり、お人柄を感じました。


最後に、今後の予定や希望を教えていただけますか?


「また奨学金などを探して、日本に戻ってきたいです。まだ日本での研究が残っているし、日本にしかない資料や、見たいものや、インタビューしたい人が居ます。


それから日本とイタリアの交流をしたい。舞踏のイベントの企画も。日本とイタリアのダンスは文化的に合うと思うんですよ。ヴェネツィア大学でシンポジウムを行ったときも、出席者がとても喜んでくれたので。」





また日本でお会いできる日も近そうです!


終始とても謙虚で、インタビューにも丁寧に答えてくださったカティアさん。


今回はどうもありがとうございました。今後いっそうのご活躍と、日伊交流の架け橋となってくださることを期待しています。


またお会いできることを一同楽しみにしています!


After the seminar she was surrounded by her friends one after another. It seems that she has spent a fruitful time in Japan and succeeded in her research.


Katja-san, thank you very much for your time!


We wish you all the best in your professional and private life, and we look forward to seeing you again!





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次は、モスクワのAny★


猛暑とスモッグのため、事務所が臨時休館したとか。今はどんな様子でしょう???


よろしくお願いします!


The next author is Any in Moscow! How is the atmosphere in the town?


Deha yoroshiku onegaishimasu!





Wednesday, March 24, 2010

「一人ひとりが外交官!」ジョン・ホールデン氏シンポジウム報告!★



こんにちは。mioです。すっかり春らしくなってきたと思ったら、今日はとっても寒い日ですね。





さて今日は、3月11日に行われたジョン・ホールデン氏による講演会


「国境を越える文化の価値 ~ひとりひとりが造る「文化外交」~ 」の様子をお届けします!


きていただいた方もいらっしゃるでしょうか?


f:id:japanfoundation:20100324171425j:image(c)satoru.seki





そもそも今回の講演会、国際交流基金が海外の著名な文化人を日本にお招きする事業がきっかけでした。


文化政策がご専門のホールデンさんは、イギリスにあるシンクタンクDemosで長らく研究をされていた方ということで、


ブリティッシュカウンシル企業メセナ協議会の共催をいただき、講演会が実施できることになったそうです。








ホールデンさんがDemosで書いたエッセイは、なんとウェブサイトからどんどんダウンロードして読むことができます(「僕らがやっているのは出版産業ではなくてアイディア産業なんだ」ということで、無料で公開したところ、現在全世界で約8万部(!!)もダウンロードされて読まれているそうです。「印刷物にしていたら、せいぜい8000部だっただろうね」とお話されていましたが、まさに。








さて、会場となった国際文化会館は、ほぼ満席!今日は後半のディスカッションの様子から、気になった発言の一部をご紹介します。


f:id:japanfoundation:20100324165850j:image(c)satoru.seki


みなさんに真っ先にお伝えしたかったのは、ウェブサイトにある論考にも掲載のある「三角形」の話。三角形って…?






ホールデンさん:以前文化の価値についてエッセイを書きました(本文はDemosのウェブサイトにて公開されている)。文化を定義することはほとんど不可能に近いけれど、同僚との長い議論の末、3つの価値に集約されると考えました。





ひとつはIntrinsic(本質的)な価値。個人による、主観的な反応で、気持ちとか、精神的とか、そういった類の価値で、これは測ることができません。オペラのチケットを買って、「創造的経済に貢献できてなんて幸せだろう」と考える人はほとんどいないですよね。





二つ目はInstrumental(機能的)な価値。これは文化が何らかの目的を達成することが出来るかもしれないということで、福祉や経済においてどう文化が関われるか、ということを指します。





三つ目は、Institutional(制度的)な価値。人が集まり、交流することによる価値で、地域の中で一人ひとりがどう感じるか、ひとつの社会の中で、どうやってその一員となっていくかというようなことです。





この3つはばらばらの価値ではなく、競争関係もない。たとえば小学校で美術館を訪問したとします。子供たちは、作品を見てきれい、楽しいと感じ、宿題のレポートを書くことができ、また自分がその地域なり人々に属しているということを感じられるでしょう。


f:id:japanfoundation:20100324172023j:image(c)satoru.seki


(上記)三つの価値を示す「三角形」を背景に説明するホールデンさん。












なるほど…この後、「文化外交をするときには、この「機能的価値」というものばかりに焦点が当たってしまうけど、本当にそれでいい結果が得られるの?」という話へ発展していきましたが…コメンテーターのお二人、熊倉純子さんと渡辺 靖さんのコメント刺激的でした!





Wednesday, March 17, 2010

災害体験を乗り越える智恵の結集



花粉が飛んでも晴天が嬉しいおひさまです。通勤路にある桜並木で、つぼみが膨らんでいるのを見つけました。3月ももう後半。開花が待ち遠しいですね。





さて、1月に書いた記事「1.17震災メモリアルを迎えて」で予告していた、「世界災害語り継ぎフォーラム」がこの3連休に神戸で開かれます。


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公開シンポジウム「災害体験の語り継ぎを考える」


日時:3月20日(土)13:00-17:30


会場:よみうり神戸ホール


●主催者/来賓あいさつ (13:00-13:30)


●鼎談「災害体験の語り継ぎを考える」(13:30-15:00)


・河田惠昭(人と防災未来センター長、関西大学理事・環境都市工学部教授)


・臼井真(神戸市立明親小学校教諭、音楽による震災の語り継ぎ)


●音楽「しあわせ運べるように」 (15:00-)


●パネルディスカッション(15:30-17:30)


○モデレーター:


・林勲男 (実行委員長、国立民族学博物館准教授)


○スピーカー:


・山本健一(人と防災未来センター副センター長、神戸)


・ドナ・サイキ(太平洋津波ミュージアム、ハワイ)


・ムハンマド・サイデュール・ラーマン(バングラデシュ災害予防センター所長)


・坂戸勝(国際交流基金理事)


・フェン・ミン・カン(国連国際防災戦略事務局特別アドバイザー)



さらに21日(日)の専門家セッション@JICA兵庫では、世界各地からの報告がたくさん聞けます。ほんの一部のご紹介ですが、



○デービッド・N.サトラー「国際津波ニュージアム、タイ/カオラック」


○ラマダニ「災害体験の語り継ぎとアチェ津波ミュージアム」


○リア・ゲルク「オランダ洪水ミュージアムの活動(仮)」


○カレン・リーゼム「ハリケーンとともに生きる:カトリーナとそれを越えて-展示」


○顧林生「中国の防災教育の取り組み ―北京市防災安全を事例に―」


○ジッラリ・ベヌーアール「災害リスク軽減に向けた防災教育/訓練における災害体験の語り継ぎの活用:アルジェリアの経験」



…まだまだリストは続きます。地震だけでなく、津波、洪水、火山など、自然は恵みだけでなく試練も与えることを思い知らされます。もちろん日本からも、



○丸山篤「浜口梧陵から学ぶ心と防災」


○竹田彰「奥尻島津波館の活動発表(津波の怖さを~未来の子供たちへ)」


○河本冨士雄「雲仙岳災害の伝承と災害伝承ミュージアムとしての取組み」 



などなど。さらに「語り継ぎとメディアを考える」セッションには、テレビ・各新聞社・ラジオ局からスピーカーが集まってくださっています。先日のチリ地震で、日本各地の沿岸に津波警報が出された記憶も新しく、今回は災害報道やそれに続く語り継ぎについて熱いディスカッションがあることと思います。





詳細は↓ウェブサイトへ。


http://tellnet.jp/jp/fo2010.program.html





お申込・お問合せは↓へお願いします☆



「世界災害語り継ぎフォーラム」実行委員会事務局


Email:contact@tell-net.org


TEL:078-842-2311(天川、加藤)FAX:078-842-2203


Web:http://tellnet.jp/jp/fo2010.registration.html






Tuesday, March 9, 2010

アジア15カ国の次世代リーダーによるワークショップ開催!



昨日に続いて登場のおひさまです。今日の東京は寒い寒い雨空で、おひさまの名前が泣いてしまいそうですね。。





さて今週末13日(土)、お時間のある方はいらっしゃいませんか?





この間、日本人参加者の募集のお知らせもあって、ブログでもよく登場するJENESYSプログラム。今ちょうど来日中のグループは、「アジア・大洋州地域の青年が担う包括的平和構築:文化、教育の可能性」をテーマにしています。(概要はこちら→





13日には、その成果発表の一環として公開ワークショップが開かれるのですが、その参加者を大・大募集中です!!


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日時:3月13日(土)13:45~15:45(13:30受付開始)


会場:新宿ワシントンホテル 新館3F「高尾1」


参加費:無料






「映像とメディア」「アート」「教育と研究」の3つのテーマで、アジア15カ国からいらっしゃった次世代のリーダーらが開催するワークショップです。それぞれのテーマを担当する予定の方はこちら↓





●映像とメディア●


Probe Media Foundation(フィリピン)、Kontras(インドネシア:暴力被害者及び行方不明者支援委員会)、Borneo Bulletin (ブルネイ)、人権弁護士(インド)、NZ教育省(ニュージーランド)、Catholic Relief Services(ベトナム)、Myanmar Women Entreprenurs Association (ミャンマー) 等


●アート●


Makhampon Foundation(タイ:演劇と紛争解決)、Dunamis Youth Service (オーストラリア:アボリジニダンスと若者支援)、東京造形大学大学院生(日本:アートと社会貢献)等


●教育と研究●


Action Training and Research Institute (インドネシア)、University of Malaya大学院生(マレーシア)、Rural Research and Development Training Center(ラオス)、スポーツ青年教育省(カンボジア)、Cooperation and Participation in Overseas NGOs(韓国)等





ちょっと興味あるな~、もう少し内容を知りたいな~と思った方は、ぜひ下記にお問合せください。たくさんのご応募お待ちしています♪



お問合:TEL(03-5369-6070)


日本研究・知的交流部アジア大洋州チーム/JENESYS公開ワークショップ事務局


お申込:件名を「3月13日JENESYSワークショップ」として、氏名、所属、職業、電話番号、ご希望のワークショップの順位を明記の上、FAX(03-5369-6041)までお申し込みください。(―受付は終了しました―)






Monday, March 8, 2010

鳩山首相から「つぶやき」いただきました!



こんにちは、おひさまです。何だか暖かかったり寒かったり、調子を崩しやすい時期ですね。皆さん、お元気ですか?





先週こちらで告知した「日系アメリカ人リーダーシップ・シンポジウム」、無事に終了しました。


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会場となった国際文化会館のお庭はこんな感じです。ちらっと見えるのは、取材を受けたり写真を撮ったりする日系人の方々。


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シンポジウム開始5分前の会場の様子。





シンポジウムでは、3人の日系人の方がご家族の写真を紹介しながら、ご自身のモットーやお仕事(キャリア)、コミュニティへの貢献活動などについてお話をされました。特に印象に残っているのは、モニ・ミヤシタ氏が幼い頃から教えられたという「Respect(礼)」「Excellence(秀)」「Integrity(誠)」の3つ。それから、村瀬治男氏がアメリカ生活で得た教訓として披露された「Be Fair(公平・公正であれ)」という言葉です。慌しく日常を過ごしていると忘れがちですが、自分の生活についても振り返りのきっかけになりました。

それから、このシンポジウム終了後、招へい者の皆さん*1は鳩山首相のところへ表敬に。それが首相のツイッターでつぶやかれました!!



「アメリカの様々な分野で活躍されている日系人の方々にお会いしました。日米の「架け橋」になりたいとの熱い思いを語っていただきました。嬉しいですね。日系人の皆さまが日米関係を豊かにしていると実感しました。」


http://twitter.com/hatoyamayukio/status/9920205606



ちょっと写真が入手できてないんですが、一行が首相官邸を出るバスに乗り込むと、首相自ら外で両手を振って見送ってくださったそうです!!





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そしてその後は、ズムワルト在日米国大使館主席公使*2&カンバラ東京アメリカンセンター館長ご夫妻の公邸にてレセプション。↑の写真は会場の入口にあった重厚なゲストブックです。色々な方がここで名前を書かれているんだな~と、ちょっと一番最初のページを見てみたいミーハー気分を抑えるのが大変でした(笑)


ちなみに在日米国大使館のツイッターでも紹介していただきました♪



「国際交流基金日米センター(CGP)とは、共同で数多くのイベントやミーティングを行っています。昨日もCGP主催の「日系アメリカ人リーダーシップ・シンポジウム」があり、その後レセプションが開かれました。」


http://twitter.com/USConnect/status/9959597124






さて皆さん、本日は何の日かご存知ですか?今日は「世界女性デー」なんだそうです。今回のシンポジウムでも、登壇した6人のうちなんと4名が女性!モデレーターの道傳愛子氏をはじめ、招へい者の皆さんはそれぞれの場で大活躍される憧れの「スーパーウーマン」なのに、移動中やレセプションでは、おひさまや他の若手スタッフとも、とっても気さくにお話しくださって、感動しきりでした。


「リーダーシップとは何か」というタイトルではありましたが、仕事や人生におけるバリュー(規範・価値観)について、色々と感じた一日でした。


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追記:リンクでご紹介したズムワルト主席公使のブログでも、レセプションの様子が取り上げられました♪


http://tokyo.usembassy.gov/zblog/j/zblog-j20100316a.html




*1:ちょっと分かりにくいですが、日系アメリカ人リーダー訪日招へいプログラムという一週間程の事業があって、招へいされた10人強の日系人の中から、毎年数名がパネリストとなってシンポジウムを開催しています。ブログでも過去にこちらなどで取り上げました。


*2:主席公使もブログを持っていらっしゃいます。今ちょうど「国際女性の日」にちなんだゲストブロガーの記事や、日本の女性起業家に会われたときの記事などがありますよ☆





Tuesday, March 2, 2010

リーダーシップとは何か?&国境を越える文化の価値とは?



こんにちは!おひさまです。暦が3月になった朝から目がカユイ、何とも敏感な身体をしております(笑)





本日は2つ、シンポジウムのお知らせです。





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日系アメリカ人リーダーシップ・シンポジウム


『リーダーシップとは何か:キャリア、コミュニティ、そして文化への価値観を語る』



日時:2010年3月3日(水)17:00~19:00(16:30開場)


会場:国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール


申込:3月2日(火)までにこちらからEmailなどで


※入場無料・日英同時通訳



米国のビジネス・政府・メディア界においてキャリアを築き、リーダーシップを発揮しながら、他方でコミュニティ活動など様々な形で社会貢献を行なっている日系アメリカ人パネリスト3名を迎え、モデレーターの道傳愛子氏(NHK)、特別コメンテーターの村瀬治男氏(キヤノンマーケティングジャパン株式会社代表取締役会長)とともに、21世紀に求められるリーダー像のあり方を考えます。


お申込・詳細はこちら⇒ http://www.jpf.go.jp/cgp/exchange/event/100303.html





もう一つは


『国境を越える文化の価値 ~ひとりひとりが造る「文化外交」~』



日時:2010年3月11日(木)18:00~20:30(17:30開場)


会場:国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール


申込:3月8日(月)までにこちらからEmailで


※入場無料・日英同時通訳



今般、英国の代表的シンクタンクDEMOSにて長らく文化部長を務められ、文化政策や文化外交に関する著作も多いジョン・ホールデン氏の来日の機会を捉えて、同氏よりお話を伺い、熊倉純子氏(東京藝術大学准教授)・渡辺靖氏(慶應義塾大学教授)とともに、文化外交とは今後誰がどのように(そして何のために)推し進めていけばよいのかについてご議論いただきます。


お申込・詳細はこちら⇒ http://www.jpf.go.jp/j/intel/new/1002/02-01.html





さて、皆さんこの2つのシンポジウムの共通点にお気づきでしょうか??両方とも「文化」「価値」が絡んでいる。日英同時通訳付き。。

それもそうですが、会場が国際文化会館の同じホールなんです!!全くの偶然らしいですが、この国際文化会館、よくシンポジウムやフェローの来日などでお世話になっています。お仕事以外に、大学のOB会でお邪魔したことも。私はなぜか冬にしか行ったことがないのですが、大きな窓から見える優美なお庭にうっとりしました。*1


まだ桜には早いですが、今回は平日とは言えちょっと遅めの時間にスタートするシンポジウム。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしています!


(*'ω')o/~~~熱烈歓迎~~~\o('ω'*)




*1:昨年はカルガモブログまでありました!今年も来るといいな♪





Friday, January 22, 2010

1.17震災メモリアルを迎えて



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連続登場のおひさまです。





1995年1月17日から15年を迎えた神戸。先週末は各種記念番組や特集記事を目にする方も多かったのではないでしょうか。


様々なメモリアル行事の中に、ジャパンファウンデーションが関わっていたものもあります。前日の1月16日に開催された、「復興の智恵を共有・発信する 神戸・ニューオリンズ復興地区交流会」です。ご自身も神戸出身の担当ATさんにちょこっと取材!





おひさま(お):出張お帰りなさい!さっそく概要から聞かせてください。



AT:神戸、ニューオリンズは先進国の近代都市が、災害により壊滅的な被害を受けるという稀有な体験を共有する都市です。神戸がどのようにして復興していったのか、いつ頃、どんな問題が発生したのかという経験は、現在も復興に取り組んでいるニューオリンズの人々にとって重要な情報ですし、ニューオリンズの経験から神戸が学べることも多くあります。

今回は、これまで日米センターが継続してきた*1神戸・ニューオリンズ交流を振り返るとともに、今後両市民が、お互いの復興の経験・課題を共有・発信していくメカニズムを作ること、また持続可能で自主的な<地域間協力>へと繋げていくことを狙いとして、鼎談と意見交換に続き、神戸とニューオリンズそれぞれ5つの地区・団体と「相互交流協定」の締結が行なわれました。


(パンフレットはこちら)



お:神戸出身の坂戸理事が冒頭の鼎談に参加されていますが、どんなことを話したんでしょうか?


AT:基金の坂戸理事はハリケーンカトリーナが発生した時にちょうどニューオリンズ総領事*2を務めていて、どのようにニューオリンズと神戸の交流のイニシアティブを取るに至ったか、また両都市が抱える共通の課題や相違点について話しました。


参加した神戸の方々からも、偶然にも神戸出身の坂戸理事がニューオリンズ総領事だった際に、両市の交流を始めたことに感銘を受けたなど多数感想が寄せられました。



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お:ニューオリンズからも関係者の方がいらしたんですよね?



AT:ニューオリンズのHoly Cross地区やベトナムコミュニティーなどから、まちづくりのリーダーをお招きしました。神戸側は長田区御蔵地区、灘区六甲地区など4つの地区と、復興支援に取り組む市民団体の方に参加いただき、「相互交流協定」を締結しました。


今回の交流会をふまえて3月20-22日に「世界災害語り継ぎフォーラム」を行なう予定で、この協定の成果についても発表されます。


神戸新聞の記事



お:美人ソプラノ歌手が登場した噂も聞きました。



AT:交流会後の懇親会で、自らも被災者であるソプラノ歌手、丸山依里さんが「しあわせ運べるように」という震災の応援歌を歌ってくれました。


私自身にとっても、担当事業というだけでなく、一番多感な時期に経験した震災、これまで何もできなかったことへの反省と神戸への恩返し、クラスメイトの追悼といった様々な意味があり、大げさかもしれませんが、私の<人生>にとって大変大きな意味を持つ2日間でした。






こうした取り組みをする一方で、ハイチでもまた大規模な地震が起こってしまいました。物理的にも、精神的にも、復興には長い時間がかかります。自分にできることは何か?基金にできることは何か?国際交流が果たすべき役目まで問われる宿題だと思っています。





↓災害復興に関しては他にもこんな取り組みがあります。


国際文化交流と災害復興~中国四川省大地震被災地における高校生交流報告を中心に~


公開セミナー「アチェ 津波と紛争からの復興~文化と芸術が果たす役割」




*1:2005年8月末、ハリケーン「カトリーナ」が米国東南部を襲い、ニューオリンズは市域の約8割が洪水被害に。日米センターの取り組み例はこちら→「ニューオリンズ:神戸の復興経験に学ぶ」「ハリケーン・カトリーナ災害復興協力のための日米対話プロジェクト」「震災語り継ぎひまわり団ニューオリンズに行く」「文化による災害からの復興・防災に関する日米対話事業」など


*2:ニューオリンズ総領事館は2008年にナッシュビル総領事館に移転しました。





Wednesday, January 6, 2010

1月15日(金)日本×アルゼンチン シンポジウム開催!



こんにちは、mioです。


さて、突然ですがみなさんアルゼンチンと聞いて、何を思い浮かべますか…?


うーん…すぐには思い浮かばない…という人ももしかしたら多いかもしれません。


アルゼンチン料理って何だろうと思ってしまった私ですが、しかし、今回のシンポジウムに登場するパネリストの皆さんはよく知っている人もいました!そうか、あの人もアルゼンチン…








今回は、そんなアルゼンチンとのシンポジウムをご紹介します。






グローバリゼーションと文化アイデンティティ


~日本・アルゼンチン交流から考える~


お申込み、詳細はこちらから


日時 │ 平成22(2010)年1月15日 金曜日 14時から16時


会場 │ 国際文化会館 <岩崎小彌太記念ホール>


言語 │ 日本語・スペイン語 同時通訳


参加費│ 入場無料


※申込みは1月8日(金)まで!












ジャパンファウンデーションでは、日本×他の国 との交流をもっと増やしていくために、その最初の一歩となるシンポジウムや事業を開催してきました。(ウェブサイトの「日本研究・知的交流 最近の事業から」にも昔の報告が出ています。)


今回は、日本×アルゼンチン。


分野も専門も多様な豪華なパネリストを何人かご紹介しましょう!











まず日本勢、アルゼンチンといえば、アルゲリッチ!と答えたあなたは音楽ファンですね。


自らもピアニストであり、1994年からアルゲリッチ氏と音楽祭を開催している伊藤京子さん


音楽祭は多々あれど、アルゲリッチ音楽祭を楽しみに毎年別府に行くという人も本当に多いですよね。地域づくりだ経済活性化だと、地域での芸術祭がオンパレードな昨今ですが、アルゲリッチ音楽祭では、芸術活動を「人間教育のインフラ」と考え、「100年先の未来」を見据えて活動されているとか。伊藤さんはフェスティバル設立当初から中心的な役割を果たし、2007年に財団化を果たした後、現在は副理事長を務めていらっしゃいます。





アルゲリッチ音楽祭の情報は、こちら!


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(アルゲリッチ芸術振興財団ウェブサイト














次は、「アートは人を”自由”にする」NHKプロフェッショナル仕事の流儀でも話題になった、長谷川祐子さん


2008年には、ジャパンファウンデーションがサンパウロ近代美術館で開催した「ライフがフォームになるとき」展では、総合キュレーターを勤めていらっしゃいましたし、2003年のヴェネチア・ビエンナーレではコミッショナーとして曽根裕氏と小谷元彦氏を選定されました。


お隣ブラジルで今年開催される、第29回サンパウロ・ビエンナーレでは、コ・キュレーターを勤められるそうです!


現在は東京都現代美術館のチーフキュレーター。お、現在の企画展は17日(日)までですね。皆さんもう行きましたか??


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東京都現代美術館のウェブサイト











ではアルゼンチン側は…


フォルクローレのピアニスト、リリアン・サバさん


とはいっても、民族音楽!という雰囲気ではなく、フォルクローレをベースにしたジャズといった雰囲気。心地よいインストルメンタルを演奏する女性です。当日はもしかしたら、彼女の生演奏もきける、かもしれません!


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リリアン・サバさんウェブサイト








他にも、長年アルゼンチンで活動をしている池坊次期家元の池坊由紀さん


中南米開発がご専門の細野昭雄先生


NHKスペシャル「突入(ペルー日本大使公邸事件の127日間)」で文部省芸術祭ドキュメンタリー部門優秀賞とモンテカルロテレビ祭のドキュメンタリー部門シルバーニンフ賞を受賞した、ジャーナリスト江口 義孝さん


など、一人ひとり取り上げて紹介したい方ばかり!


アルゼンチンからも、国立図書館館長のオラシオ・ゴンザレス氏やブエノスアイレス大学の文学科長・社会科学部長など、多様なパネリストが勢ぞろいです。











日本とアルゼンチンとの交流の歴史的瞬間(になるといいな!)を目撃しに、どうぞお越しくださいませ。





Friday, November 6, 2009

 世界の日本研究者が集まると・・・。






こんにちは、松岡です。

ジャパンファウンデーションは、

・文化芸術交流

・日本語教育

・日本研究・知的交流
という3つの、ぱっと見全然関係なさそうな事業を柱に、海外との文化交流事業を行っている組織です*1。いまさらの説明ですが。




僕の場合、現在がこの中の文化芸術交流を担当する部署にいるので、普通に日々を過ごしていては、なかなか他の分野のスタッフが何をやっているのか見えません。




それではつまらん、




と思いまして、ここは思い切ってお昼の時間を利用して、他の部署の人の話を聞きに行ってきました。




社内の掲示板で大きなイベントは告知されたりしてるんですが、その中でも特に気になったのが「世界日本研究者フォーラム」こちら)。




そもそも「日本研究」っていう分野自体が、一般の方から見てそこまで親しみのあるものではないと思いますが、そんな研究をしてる人が世界中から集まってくるなんて、何だか気になります。



実はこのシンポジウム、既に終わったのですが、色々なメディアでも報道されたようで、なかなか盛況だったようです*2




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今日はこのシンポジウムと、それに先立って行なわれた会議も含め、一連のプロジェクトを担当した二人(企画調整・米州チームKさん、欧州・中東・アフリカチームTさん)に話を聞いてきました。





松岡(M):

今回のように世界中から日本研究者の方々を集めるというプロジェクトは、毎年やってるんですか?

T:

いえ、今回が初めての企画でした。日本研究者と一言で言っても、日本の政治を研究してる人もいれば、文学や歴史学、経済を研究対象としてる人もいたりして様々なのですが、今回は13カ国16名の方が日本に集まりました。ちなみに、使用言語は日本語です。

M:

Kさんはシンポジウムの前に実施された関係者間での会議の方を担当されたとお聞きしましたが、いかがでしたか?

K:

参加者の皆さんからは、別の国の日本研究者と話をして情報交換が出来たのが何よりもよかったという声を聞きました。




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M:

最近では中国の存在感が様々な分野で増してきているような印象があるのですが、現状はどうですか?

T:

興味深かった話が一つあります。

欧米を中心に、「日本研究学科」が無くなって「東アジア研究学科」のように地域全体で一つの学科に改変したりするようなケースというのは出てきてるみたいなのですが、それによって従来であれば「日本研究」にカスリもしなかった人が、「東アジア研究」と広がることで、何かのきっかけで関心を示すようになったりとか、プラスの面もあるようです。

K:

あと、中国と韓国の日本研究者同士が、相互に情報交流をしていたり、日本を介さないで進んでいるケースもあるようですよ。

M:

なるほど。

日本が全てに関与をしなくても、研究者間で自然と情報交流等が進むというのは、一歩進んだ感じがしますね。

今後の予定はどうなってるんですか?

T:

まだ未定の部分が多いですが、今回は自分の国以外でどのような日本研究が進んでいるかという情報を共有できたことが、成果の一つだったと思います。ヨーロッパにはEAJSのような研究者同士のネットワーク組織が既にありますが、今後はそうした研究者同士のネットワークをどう進めていくかということも重要なテーマになるのではないでしょうか。

M:

なるほど。

ありがとうございました。




ジャパンファウンデーションの行なっている日本研究に関する業務は、フェロー*3への日々の支援や海外の日本研究機関への支援など、文芸術交流なんかと比べると見えにくい部分でもありますが、年々積み重ねていくことでその効果がジンワリと染みでてくる、まさに文化交流そのものという部分もある気がしました。
なかなか伝え辛い分野ではあるのですが*4、これからも色々とお伝えしていければと思います。



*1:実際は関係してるんですよー、て話すと長くなるので、略・・・

*2:ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、10月19日NHKラジオ「国内ラジオ第二英語ニュース"Japan & World Update"」、11月1日のジャパンタイムズ、11月2日の読売新聞で報道されました

*3:(日本研究をテーマに来日されている研究者)

*4:あまり深く入りすぎると専門的過ぎて、かといって突っ込まないと事業の説明が出来ない・・・分かりやすく伝えるのは難しいですね。




Thursday, October 22, 2009

日本研究フロントライン



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こんにちは、おひさまです。秋晴れが続いて気持ちいいですね~♪でも毎朝少しずつ空気がひんやりしていく気がして、寒いのが苦手な私はちょっと憂鬱。そして昨日の嵩原さんの記事内リンクで、カナダの皆さんが厚手のジャケットを着ているのを発見。もう相当寒いんだろうな…




さてさて、今日はいきなり9名のローカルスタッフの皆さんに写真で登場していただきました!ノ(_ _ ノ)ヨロシクオネガイシマス *1


ジャパンファウンデーションの海外拠点(21都市にあります♪)で働く皆さんは、本部からの派遣職員と一緒にその国との橋渡しをされています。選抜された数人が日本に来て、いつも電話やメールでやりとりをしている本部職員に会ったり、日本にある関連機関を訪ねることにより、今後の業務に資する情報・知識の習得や、ネットワークの形成を目的とした訪日研修が行なわれました☆

日本列島に台風18号が吹き荒れていた10月8日*2に到着した皆さん。今年は主に「日本研究」部門を担当しているスタッフの研修ということで、10月12-14日に開かれた「世界日本研究者フォーラム」に合わせての訪日です。





まだ海外赴任を経験してない(一応)若手代表の私。海外拠点ってどんな感じ??な疑問をそのままぶつけてしまいました。


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で、まずは初歩的な質問から(笑)


―――皆さん、日本語話せるんでしょうか?



【Yes】7人:日常会話くらい ~ 日本人かと思うくらい流暢な方まで


【No】2人:仕事は英語と現地語。



「日本語を話せるのが雇用条件」という拠点から、「共通言語は英語」と設定している拠点まで様々。日本研究者や日本語教育の担当者は日本語ができるスタッフが多いけれど、例えば映像芸術分野を担当するスタッフは主に現地語で仕事、というDさん@ジャカルタのお話にも納得です。オフィス内は90%日本語!というソウル日本文化センターにはびっくり |)゚0゚(| ホェー!!





―――来日は初めて?それとも皆さん自身が日本のエキスパート??



【初めて!】2人


・日本は夢の中でみていた通りの国だったけど、地下鉄の出口がたくさんありすぎて迷っちゃう!しかも自転車が歩道を走ってるし!(Sさん@ニューデリー




【住んだこと有り】5人


・日本に数年住んでいたし、かなり色々知っているつもりだったけど、今回たくさんの日本研究者の方々とお会いして、自分が知らない世界がまだまだ広がっていることを実感した。(Gさん@ニューヨーク

・東京に滞在するのは初めてだったし、以前住んでいた街とは全く違う体験だった。浦和*3から本部(四谷)まで1時間弱の満員電車通勤を経験して、東京に勤めるツラさが分かった。(Lさん@トロント&皆さん満員電車には激しく同意(苦笑))






―――個別日程の中では、例えばどんな関連機関を訪問されたんですか?



・群馬県のブラジル人学校を訪問。日本に住むブラジル人の増加に伴って、日本でもブラジルの教育が受けられるよう作られたけれど、最近は、雇用状況の悪化で多くの労働者がブラジルに帰国したので、今度は逆にブラジルで、ポルトガル語ができない子供たちの教育問題が起こっている。(Iさん@サンパウロ


関西国際センターで行なわれる日本語学習者訪日研修の選考も担当しているので、実際にセンターに行ってみた。周りの環境も含めてセンターの様子が分かって、これからは出発前に日本での生活を心配する研修生にも色々アドバイスできそう。(Cさん@北京



Nさん@ロンドンは早稲田大学の桜井啓子教授とお会いしたそうですが、桜井教授は7月の報告会イベントに関してもブログでちょっぴりご紹介しましたね。11月6日には関連シンポジウム「インターカルチュラル・シティと多文化共生」が行なわれます。


他にも、筑波大学でエジプトや中東からの留学生・研究者らに会われたGさん@カイロ、韓国文化院で日本の「韓流ブーム」やポップカルチャーの力を体感されたKさん@ソウルなどなど。


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(政策研究大学院大学(GRIPS)を訪問)








たくさんのお話の中で、共通して聞かれたのは「実際に担当者・研究者に会って話ができて良かった」という言葉でした。


月並みな感想ですが、どんなにコミュニケーション手段が発達しても、(むしろコミュニケーション手段が発達したから?)生身の人間同士が会うのには代えられない“何か”があるし、「百聞は一見に如かず」と言うとおり、どんなにインターネットで調べても自分の目・耳・足で体感した話の説得力には敵わないと思います。





海外拠点で日々、その国と日本との間のバランスを取りながらお仕事をされている皆さん。


「これまでは自分の国と日本と、点と点で一本の線があるだけのイメージで仕事をしていましたが、今回の研修を通じて、他の国で同じように日本研究を担当するスタッフと一緒に時間を過ごしたり、様々な国からの研究者に会ったりして、これまで感じていなかった『第三国の点』を意識するようになりました」というKさんの言葉には、日頃どうしても担当国だけしか見えなくなっている自分も反省です。


皆さん、今頃はそれぞれのご自宅に着いているかしら?各地の日本研究の最前線で、これからもよろしくお願いします☆




*1:写真は本部の担当者も含めて10名です。会議室横の屋上でパチリ☆


*2:ちょうど私がマニラからのバレーボール記事をアップした日ですね~ 私、お天気話が多すぎかな(・へ・;;)うーむ


*3:皆さん、研修中は北浦和にある日本語国際センターに泊まりました。





Tuesday, September 1, 2009

 文化と平和について考えること



こんにちは。Mです。


さて、この写真はどこでしょうか。


日本で撮影しましたよ。


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この週末、私は、衆議院選挙麻生太郎さんや鳩山さんがどきどき、ドキドキしてる間に、御殿場に行ってました。


富士総合火力演習、略して 総火演を見学するためです。


ヘリコプターやら戦車やらから、どんどこどんどこミサイルとか弾丸が出てきて、大変なことになる演習で、音、火、どっちもすごくて、そしてどれもこれも早いため、写真取るどころでなく、なんか、撤収の写真しかないんですけど。


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私が国際文化交流に興味を持ったのは、ちょうど湾岸戦争が勃発した高校生時代にさかのぼり、、、お互いを知り、文化を理解することでこの世界から戦争をなくすことができるのではないか、と思ったことがきっかけでした。





割と皆さん無邪気に、まるで花火を見学するかのように、わーとかきゃーとか言いながら見学してらっしゃいましたが・・・。これ、想像力をちょっと働かせると、この兵器を本気で使う時は、おそらくここにいる人全員死んでるよ、っていうくらいすごい威力でした。





相変わらず月並みなコメントなんですが、常日頃はやわらかものを扱っていますが、時にはハードな現実も目にすることで、こういう兵器を誰もが実際に人に向けなくて済む世界を実現するために、自分の仕事を通してできること、について初心に戻って考える時間になりました。


演習の後には、戦車やヘリの展示もあって、自衛官の皆さんが質問に答えてくださいました。





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THE 命令系。





ところで、国際交流基金では紛争(後の)地域における文化活動も色々と行っていますが、最近はそのことについて調査を行ったり、シンポジウムを開いたりしています。


調査:「文化が創る国際平和:平和構築と文化」


国際シンポジウム:「平和のための文化イニシャティブの役割 ~日独からの提言~」


文化と平和について、ご興味のある方は是非基金HPも覘いてみてください。





Friday, July 3, 2009

日米のソフトパワーをスマートに使う



おはようございます!今週再登場のおひさまです。


あっという間に7月ですね。気がつけば2009年も後半戦・・・∑( ̄[] ̄;)!ホエー!!

でも感慨に浸っているヒマはなし!今日は元気にいきなりお知らせです、はい。テレビ放送されます☆*1



7月5日(日) NHK教育TV 午後6~7時


NHK日曜フォーラム 「オバマ時代の新日米関係」


番組詳細はこちら



実はこれ、6月12日に開かれた、フルブライト・カルコン合同シンポジウム「日・米ソフトパワー:地球的課題への取り組み」の一部が特集された番組なんです。フルブライト・ジャパン(日米教育委員会)カルコン(日米文化教育交流会議)の説明は、それぞれリンクのウェブサイトをご覧いただくことにして、シンポの中身をちょこっとだけご紹介。





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朝9時に始まって、終わったのは夕方5時半過ぎ、しかも昼食をとりながらもスピーカーのお話を聞いて、、、というかなり盛りだくさんの内容でした。


というのも、


ジョセフ・ナイ教授のビデオ・メッセージとか!


アーミテージ元国務副長官や五百籏頭(いおきべ)防衛大校長のパネルディスカッションとか!!


船橋洋一さんや渡辺靖教授がソフトパワーを語るとか!!!


さらにさらに、第3セッションには皇太子殿下もご臨席くださったんです!!!!

登壇された方は総勢26人と、とても紹介しきれないので、気になる方はこちらから当日のプログラムやプレスリリースをチェックしてくださいね。でも、とにかく、まぁ何とも豪華なメンバーだったんですよ~☆*2ミーハーな私は、半径1.5メートルくらいにアーミテージさんがいらっしゃって、それだけで大興奮でした (/(エ)\)キャー


もちろん講演や議論の内容もおもしろくって刺激を受けたのですが、何より「こんな大きなシンポがやれちゃうんだ」という裏方の醍醐味もたっぷり味わった一日でした。





日曜の夕方、ぜひじっくりとご覧くださいませ♪




*1:あ、おひさまは映ってないですよ。残念ながら、というか当然というか。


*2:その分、準備にはかなりの時間とマンパワーがかかりました…。お疲れ様です!





Tuesday, June 30, 2009

人の移動から「インターカルチュラル・シティ」へ



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こんにちは、おひさまです。

一ヶ月ほど前の話になってしまうのですが、JENESYS次世代リーダープログラム*1の一環で、「グローバル金融危機における人の移動とコミュニティの役割」をテーマに、アジア・オセアニア各国から19人の若手知識人の方々をお招きしました!(詳しくはこちら*2上の写真は皆さん揃っての一枚。


え?でも制服着てる子どももいるじゃん・・・と思ったあなた!鋭い(笑)この写真は新宿区大久保のNPO「みんなのおうち」で撮られたもの。日本に暮らす外国人の子どもたちに、ボランティアが日本語教育や学習支援をしているNPOで意見交換・交流をしたのだそうです。今回の招へいは、金融危機後の世界情勢の中で、日本の失業者よりもさらに厳しい立場にある外国人労働者や難民の方々に注目して日程が組まれました。招かれたのもそれぞれの国で、移民政策を担当する方やジャーナリスト、弁護士など、関連分野の若手ホープたち。


担当のMさん曰く、



「みんなのおうち」に通う子どもたちは、来日当初は言葉もわからず、学校に馴染めずに居場所をなくしてしまうケースも多いそうです。外国人の子どもたちは、語学のハンディがあるのに日本人と同じ高校入学試験を受けなくてはならず、このNPOで必死に勉強しています。


招へい者はそれぞれの国のいわば“エリート”なわけで、例えば母国のテレビで見ていたニュースキャスターや、国際機関で活躍する同じ出身国の人と会うことで、何か子どもたちにもポジティブなメッセージが伝わっていたら嬉しいです。招へい者も子どもたちと会えたことをとても喜んでいて、自分の国の子どもたちが日本で一生懸命に努力している姿を見て、感動していました。



こういう話を聞くと、素直にほわ~んと嬉しくなっちゃいますヾ(@^▽^@)ノ


招へい者だけでなく、日本側にも化学反応があった例がもう一つ。一行が訪れた富士市のまちの駅でも、ブログにとりあげてくださいました!ありがとうございます♪



お土産の購入も予想以上だったので聞いたところ、「信頼できるところだと、買うんだよね」という返事。


いや~、これ、勝手に良い方向に解釈すれば、対面のコミュニケーションを大切にする、まちの駅効果と言えなくもありません。


一方で、今回の視察受入を準備していて、また、今日の意見交換から、まちの駅としては、まだ見落としている身近なターゲットがあること、これからこんなこともできたらな等、気づきもいただきました。


あっちこっち まち 観察日記!5月21日」



とはいえ、“外国人住人”を取り巻く環境は、不安定な就業形態や児童の教育問題などなど、決して解決の易しいものばかりではなく、私たちも文化交流の側面から何ができるか考えなくてはいけないところ。


…ということで、明日7月1日にはそんな多文化共生社会を、都市政策の面から考えた報告会が開かれます!



「インターカルチュラル・シティ」欧州評議会主催会議報告会


7月1日(水) 18:00~19:30 基金さくらホール


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4月にオランダで開かれた「多様性をマネージする:より強い共同体、より良い都市」会議に参加して、日本の多文化共生の状況を紹介してきた北脇保之教授と桜井啓子教授が、同会議を通じて見えてきた欧州各地域の最新の実態や動向・課題についてご紹介。(詳しくはこちら



申し込みは本日30日までですが、「ブログを見ました」と言っていただければ、当日でも入場OKです☆


元浜松市長として、外国人集住都市会議を初めて開いた北脇氏と、在日ムスリムを研究される桜井氏、どんなお話が聞けるのか、どうぞお楽しみに☆^∇゜)




*1:過去の同事業もブログやウェブで取り上げてます★例えば昨年7月の「『ヒト』の移動」はこちら(前編)(後編)、8月の「創造都市」はこちら


*2:ちなみにJENESYS=「21世紀東アジア青少年大交流計画」で、基金はもちろん、様々な機関が多岐にわたる事業を担っています。ついこの間のブログでも紹介されましたね♪





Monday, June 29, 2009

シンポジウムの報告ってどこで見られるの?



こんにちは。mioです。すっかり夏らしくなってきましたね!


暑くなると行きたいイベントも増えるし、国際交流基金のシンポジウムにもなかなか足が運べない!


という方もいらっしゃるのでは。もちろん、関東圏以外の全世界の皆様も、なかなか東京にはこられないですよね。





国際交流基金はそんな皆様のために、シンポジウムや最近の事業をウェブサイトで紹介しています。


たとえば5月11日にお知らせを掲載した


シンポジウム「平和のための文化イニシャティブの役割 ~日独からの提言~」


(ブログを見ていただいた方からも駆け込みで何件かお申し込みがありました。ありがとうございました!)





この会議の報告は、国際交流基金ウェブサイトにあるJF便り(最近の事業から)」というコーナーに載っています(日本研究・知的交流編 第12号)





ちなみに、日本研究・知的交流部門からの最近の報告はこんな感じ・・・







  • シンポジウム 「社会的企業が拓く日韓の新たな出会い」開催報告

  • 国際シンポジウム「平和のための文化イニシャティブの役割~日独からの提言~」 開催報告

  • 国際シンポジウム 「人の移動と文化的アイデンティティ~日独社会への示唆~」開催報告

  • 平成19年度日韓交流事業 「日韓両国の高齢者福祉 ~ 映画『折り梅』をめぐる対話~」

  • 日本アセアン・フォーラム―東アジア共同体形成のためのパートナーシップ





文化事業はこちら、日本語教育はこちらから一覧をご覧になれます。








ブログでは気軽な報告を、JF便りでは当日の様子を皆様にご報告できるよう、これからも努めて参ります!


暑い夏には、気軽に自宅からアクセス!


ではでは~





Monday, May 11, 2009

『文化と平和』について、一緒に考えませんか?シンポジウム開催☆






お久しぶりです、しろうさぎです。






「平和のための砦は、人々の心の中に築かなければならない」





――とは、ユネスコ憲章の言葉(の私なりの噛み砕いた言い方)ですが、


これ、まさに、言うはやすし、行うは難し。





今週金曜日の、シンポジウムでは、この難問を、実務の面から、取り上げます。





すなわち、「芸術家、そして、国際交流基金のような文化交流機関は


紛争地の戦後復興、心の癒し、信頼醸成etc。。。のために何ができるのか??」


を、公開シンポジウムでみっちり議論しよう、という試みです。





「世界平和」と言ってしまうと、おそらく、人類史上最大の命題、究極の課題、ですよね。それを噛み砕いて、実現可能な「プロジェクト化」する、というのが、我々、国際交流団体に勤める者たちの使命だと思っています。





そのための前提となる議論を行います。





HP上の締め切りは過ぎていますが、ブログをごらんになった方には


ぎりぎり13日まで参加を受付ますので、ぜひどうぞ!



国際シンポジウム


「平和のための文化イニシャティブの役割 ~日独からの提言~」


2009年5月15日 金曜日 15時から18時、レセプション 18時から19時


このたび、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)とゲーテ・インスティトゥートは、文化交流の意義を再検討するシンポジウムを開催します(共催:毎日新聞社、協力:青山学院大学国際交流共同研究センター)。両機関における過去の事業例から、紛争地や被災地における文化活動を取り上げ、「国際文化交流事業が平和に対して果たす役割」を再評価し、今後のあるべき姿を討議します。平和のために文化事業に求められる役割はどのようなものか、より効果的なインパクトを残すためにはどのような事業が望ましいのか、実施の際の障害・留意すべき点とは何か等を議論し、文化イニシャティブを企画・実施する機関において今後求められる方策を導きます。関心ある皆様のご参加をお待ちしております。





■会場 東京ドイツ文化センター?


    〒107-0052 東京都港区赤坂7-5-56 ドイツ文化会館内


    (地下鉄青山一丁目駅A4出口から赤坂郵便局方面へ徒歩5分)


■主催 国際交流基金、ゲーテ・インスティトゥート


■共催 毎日新聞社


■協力 青山学院大学国際交流共同研究センター


参加無料、日英同時通訳





■参加申し込み、問い合わせ


日本研究・知的交流部 欧州・中東・アフリカチーム


「平和のための文化イニシャティブの役割」シンポジウム担当(後藤)oca@jpf.go.jp





Thursday, November 27, 2008

NPOフェローシンポジウム@和歌山



みなさん、こんにちは!


先日、和歌山出張から戻り、すっかり和歌山県ファンになった、


ブログ初登場のびわ子です♪


今回は11月15日(土)に和歌山市でわかやまNPOセンターさんと国際交流基金の日米センターで共催した「NPOフェローシンポジウム」の様子や和歌山の近況について皆さんにお届けしたいと思います☆ 





★「NPOフェローシップ」とは?


国際交流基金の日米センターでは、「NPOフェローシップ」プログラムとして、非営利組織の活動に従事される中堅層の方々が、米国のNPO活動に中長期的に携わり、更に様々なプログラムやプロジェクトに参加することにより、米国の非営利組織の運営方法を学ぶ機会を提供してきました。1988年のパイロット事業からスタートして、2007年の第8期まで延べ37名のフェローを米国に送り出しています。


今回のシンポジウムは、この「NPOフェローシップ」プログラムの一環として、米国のNPOで無事研修を終えたフェローのお二方(特定非営利活動法人ETIC〔東京〕プロデューサーの井上英之さんCSOネットワーク〔東京〕共同事業責任者黒田かをりさん)をお招きし、報告会と勉強会を和歌山市のわかやまビッグ愛で行いました。


シンポジウムの詳細は→こちら





★和歌山でシンポジウムを開催


・・・・・・で、そもそもどうして、今回のNPOフェローの報告会を和歌山県で開催するのだろう??と不思議に思われた方がいらっしゃると思います。


今回和歌山でシンポジウムを開催した理由は、茨城県のNPOの方からわかやまNPOセンターさんをご紹介頂いたことや、都市圏だけでなく、全国各地の地方のNPOの方々と勉強会を通じて交流する機会を設けるためでした。


また、東京や大阪の大都市では、勉強会があるけれど、遠くて参加できない!!地元にもっと学びの場を!!という地方の皆さまのご要望に応えるためにも、和歌山での開催は大きな意味がありました。


といった、経緯で、和歌山県で開催する事になりました!





ところで、みなさん、「和歌山」といえば何を連想されますか?





私の周りにいる関東出身の方々にお聞きすると・・・・・・、


「みかん!」と答えた方が圧倒的に多く、一般的に、うめやみかんのイメージが強いようです。実際に和歌山には・・・うめやみかんは勿論のこと・・・・熊野古道、高野山、和歌山城など歴史的遺産のほかに・・白浜海水浴場、温泉そして海・農産物に恵まれ文化と自然の香りに包まれた癒しの紀州の国であります♪


関西空港から和歌山市まで、JRで45分と利便性も高く、他府県からの観光客が来やすい地理的条件を備えています。



大きな地図で見る





ところが・・・!!


残念なことに和歌山の現状は、若者の県外への流出が激しく、21年間連続で高校生の県外流出1位の県となりました。特に近隣の大阪への流出が多いとのことです。若者の買い物や待ち合わせ場所は、大阪で、ちょっとしたスーパーでの買い物も大阪まで出て行ってしまうそうです。そのせいか、実際JR和歌山駅から徒歩5分程の距離にある、街の中心部の商店街を訪れるとシャッター通りとなっており、以前の輝きが失われたようでした。





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【金曜日19時半ごろ】





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【土曜日16時ごろ】





そんな『シャッター通り商店街』の中にあえて事務所を構え、和歌山の街に元気を取り戻そうと、精力的に活動している方々がいらっしゃいます。そうです!今回、シンポジウムの共催をさせて頂いた、わかやまNPOセンターの方々です! パチパチパチ!!





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【シンポジウム前日の打合せ風景】わかやまNPOセンターの方々





今回のNPOフェローシンポジウムでは、前述通り、井上英之さんと黒田かをりさんをお招きし、アメリカや日本のNPOでの活動を通して、「社会的起業とCSR活動の日米の先進事例」をもとにお話をして頂きました。シンポジウムの参加者より「アメリカ次期大統領オバマ氏の「チェンジ」によりNPO団体を含めた日本の市民活動は、どのように変化するか」、「和歌山や地域が変るためにどのようなキーワードがあるだろうか」等、アメリカ大統領の旬な話題から地元に密着した質問まで多く寄せられました。主催する側にあたっての反省点や今後の課題はまだまだ残りますが、報告者のお二方をはじめその他皆さまのお陰で、無事、盛況のうちに終了する事ができました。





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【左:NPOフェローのお二方 右:参加者の方々 】





それでは、最後にひとつシンポジウムで印象に残ったお話を紹介したいと思います。


「アメリカのオバマ氏次期大統領のチェンジで、日本のNPOにどのような影響があるだろうか」


という質問に対し、あるわかやまNPOセンターの方が、こう話されました。






アメリカの次期大統領オバマ氏に変わるという事は、よその国の事という感じだった。

しかし、先日、事務所近くの商店街のおじさんに、「アメリカのオバマも昔NPOで働いてたそうやな。ようやく、お前らNPOのやってる事が、分かったよ。がんばりや!」と声をかけてもらえた*1


また、その他の近隣の方々に、事務所に人の出入りは多いが一体何をやってる団体なんやろ?と、不思議に思われていたかもしれないが、オバマ次期大統領のCHANGEで、商店街のおっちゃんの心もCHANGEした。大統領が白人から黒人にCHANGEしただけにとどまらないんじゃないだろうか。



と、他愛もない話かもしれませんが、ここ和歌山にも、オバマ効果が到来したようです。


アメリカ次期大統領のチェンジがNPOの追い風になれば、と願うばかりです。


今回、シンポジウムでお世話になった関係者の皆様に対し厚くお礼申し上げます。


本当にありがとうございました。





★ おまけ


日米センターの西松課長とびわ子は、JR和歌山駅へ12時15分に到着。


現地のスタッフとの13時の打合せへ間に合わせるべく、急いで、ランチを済まさないと。。通りがかった中華料理店王将へイン。。。


ううう。。。。ここは、すごい。値段が学食並みの安さ!そして、一人分ははるかに超えるであろう、量!そして、おまけに、おいしい!実際、王将だけではなく、ここ和歌山の食材は、新鮮で安くておいしいんです。


皿うどん 500円


焼きそば350円


中華丼400円





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【左:驚きの価格と量!西松課長もびっくり!  右:一度、和歌山へ遊びに紀(来)ませんか?わかやまNPOセンターさんの看板です。】








【参考ウェブリンク先】


・特定非営利活動法人わかやまNPOセンターのウェブページは→こちら





【次回のNPOフェローシンポジウム情報】


タイトル:事業型NPO・社会的起業における組織運営と資金調達、米国NPOの知見を地域に紹介するシンポジウム


日時:2009年2月28日(土)13:00-17:00


会場:上越市市民プラザ


共催:くびき野NPOサポートセンター、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)


詳細はこちらからどうぞ。


奮ってご参加下さい!




*1:オバマ氏は、1983年にコロンビア大学卒業後、低所得者の支援活動を行うNPOで勤務していた経験を持つ





Friday, September 12, 2008

アチェ子ども会議~「アチェの子どもたちと創る演劇ワークショップ」から1年~






インドネシア・スマトラ島・アチェ。

インドネシア政府軍と独立派勢力による衝突が30年に渡って続いた元紛争地*1




ジャパンファウンデーションは、2007年4月、芸術・文化の力で、元紛争地、アチェの子どもたちの精神的・心理的ケアのお手伝いをしようと、復興支援事業「アチェの子どもたちと創る演劇ワークショップ」)を実施しました*2





その演劇ワークショップから1年。


ワークショップに参加した子どもたちは、あれからどうしているのでしょうか。





今年8月、ジャパンファウンデーションでは、昨年の演劇ワークショップに参加した子どもたちが、かつての紛争のこと、自分や周囲に生じた変化のことを振り返り、将来の平和維持のためにできることなどについて話し合う「アチェ子ども会議」を開催しました。


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今日は、本事業の担当者麦谷職員のインタビューを交えながら、アチェ子ども会議をご紹介したいと思います(記:くんし)。


(右が日本研究・知的交流部アジア大洋州課麦谷さんです。)


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◆ 子ども会議の内容とは??

子ども会議は、2008年8月16日から20日までの5日間、アチェから約300キロ、車で10時間の山間地帯にある中アチェ県の県都タケゴン*3で開催されました。



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お話を聞きながら、まず何と言っても驚いたのが、タケゴンの場所!(地図上の「A」地点)





地図の左上にあるのがアチェですが、そこからタケゴンまでは約300キロ。


日本で言えば、東京から名古屋くらいまでの距離。決して近い距離ではありません。しかも、移動の容易ならぬ山間部!! 


ちなみに、そもそもスマトラ島ってどこだっけ?? という方のために、縮尺を大きくすると、以下になります。



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麦谷さん:開催地としてこの場所を選んだ理由は、昨年の演劇ワークショップの開催地がアチェ(北アチェ県)でしたので、各地域の参加者に出来る限り公平になるように、参加者の中に出身者が多い中アチェ県の県都を選びました。









◆ 参加した子どもたち


2008年の演劇ワークショップには紛争被害の経験を持つ中学生・高校生30名(中アチェ県、北アチェ県、ピディ県から各10名)が参加し、寝食をともにしましたが、今回の会議には、その30名のうち25名が参加しました。


子どもたちにとっては、1年と4ヶ月ぶりの再会となりました!








◆ 地図を作る、協働作業


再会を喜んだ後、まずはエクスカーション! タケゴン近郊の湖のほとりにある伝統的な木造建築家屋を見学しました。その建物はアチェの王族の住居だったそうで、今も近くの村に末裔の方が住んでおり、その方が木彫の意匠や部屋の内部について案内をしてくださいました。


その後、近くの村を訪ねて、地図を作るというグループ・ワークに取り組みました。村の人たちにインタビューして、村の歴史や、家族構成、周りにある自然環境などを書き込んでいきます。


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麦谷さん:「どうして直接関わりのない村の地図を作るの?」と思われるかもしれませんが、この後、皆には、自分たちの村の地図を作ってもらう予定にしていたので、その練習をしました。


「子どもたちの精神的・心理的ケア」と言っても、参加した中学生・高校生は、それぞれ、インドネシア政府(国軍)寄りの家庭・村、独立派ゲリラ(GAM)寄りの家庭・村とそれぞれ異なる背景がありますし、まだ精神的な傷跡が生々しく外部者が軽々しく掘り起こせることではありません。


特に前回のワークショップでは、自分の住んでいる村を離れて初対面の同世代と集団生活をする緊張感などから、とても紛争について直接、語り合う雰囲気ではありませんでした。


今回もワークショップのファシリテーターを務めてくださった花崎攝さんは、それは慎重にプログラムを企画してくださり、現場でも刻々と子ども達の様子を見ながら、どこまで・どんな風に進められるか、細かい調整をしながら進めてくださいました。






 地図を作るという作業にはいろんなことを総合的に学ぶ機能が含まれています。


 例えば、道路・農地・家屋・学校やモスクなどの公共施設の配置を空間的に理解するだけでなく、それらの配置がどうしてそうなっているのか、固い言葉で言えば、ミクロなレベルですが、権力の分布を一覧することができますし、過去の出来事を書き込むことで「教科書の歴史=国家レベルの歴史観」とは違う「村の歴史」を考えることもできます。


 地図は社会的な構造を把握するにあたっていろんな役割を果たします。






麦谷さん:これらのグループワークは、敢えて違う村の出身者同士でグループを作り、インタビューをする人、地図を書き留める人など役割分担をしながらの協働作業としました。


 


 誰の出身地でもない村で地図作りの練習をした後は、いよいよ、本番、自分たちの村の地図作りに取り組みました。


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地図に書き込むことは、(1)現在あるもの、(2)昔の記憶や出来事、(3)将来、村にあるとよいもの、の3つです。


つまり、現在・過去・未来を地図上に表現してもらいました。この過去の部分で、直接的に触れるのはこれまで憚られた紛争時の出来事を表現してもらえないかと考えました。


また将来について考える機会を設けることで、これからの平和は自分たちが作っていけるのだという気持ちも実感してもらいたいという狙いもありました。



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◆ 子どもたちのエンパワメント


子どもたちは、言うまでもなく次代の担い手。


紛争を体験した大人たちのわだかまりを取り去るのは容易ではないかもしれませんが、次代を担う子どもたちが、相手を知り、相手を理解し、異なりを越えていく経験を重ねることで、次また紛争に陥るリスクを低めていけるはず・・・。






麦谷さん:グループごとに地図を発表した際、「この通りで銃撃戦があった」「誰それが怪我をした」などと話しているうちに、泣き出してしまう子どももいました。でも、このような作業を通じて、自分たちの村を振り返る、村を理解し直す、将来への希望をみんなで共有することができたことは、次につながる一つのステップとなったと感じています。






◆ アチェ子ども会議担当者としての思い






麦谷さん:今回の事業は、前回の演劇ワークショップのフォローアップとして構想したものです。どんな事業においても言えるかもしれませんが、子どもたちの精神的ケアを主眼とした事業であれば尚のこと、やりっぱなしにするのではなく、フォローをした上で、次の展開をしたいと考えていました。また、現地の地域コミュニティから十分な理解を得ていくためにも、やはりフォローが必要と考えました。


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現地の復興支援に携わるのに、紛争地、元紛争地での事業実施経験が少ないジャパンファウンデーションは適役なのか、国際機関や国際開発NGOにゆだねる方がよいのではないかという戸惑いは常にありました。


しかし、今回実際に現場に赴き、現地の子どもたちのエンパワメントのプロセスに関与できたという実感を得ました。


ジャパンファウンデーションの強みである芸術・文化交流によって、元紛争地の子どもたちの精神的復興に貢献する事業の、一つのモデルにできたのではないかと思います。今後は、昨年度の演劇ワークショップ以来事業を共催してきた現地NGOコミュニタス・ティカール・パンダンに事業の実施主体を移していくことで、引き続き事業を継続していければと考えています。






ここで、お知らせです。


来週9月17日(水)18:00~20:00に、





ジャパンファウンデーション(本部:東京)にて、





JFサポーターズクラブ9月イベントが、





開催されます!!








テーマは、「芸術による、元紛争地の子どもたちの心のケア~インドネシア・アチェ~」。


アチェ子ども会議で実際に現地に赴いた、演劇専門家の花崎攝さんにお話していただきます。


ホームページの申込方法をご参照の上、メールまたはファックスでお申込ください!


(参加費はJFサポーターズクラブ会員であれば無料、一般の方は200円となります。)


皆様のご来場をお待ちしています。




*1:2004年12月のスマトラ沖地震をきっかけに、和平への機運が高まり、2005年8月15日に和平合意が成立しました。


*2:担当者談はこちら、ブログ記事はこちらこちらをご参照ください。


*3:ナングロ・アチェ・ダルサラーム州 中アチェ県にあります。





Friday, August 15, 2008

「東アジアの人の移動」(2)



みなさん こんにちは、


今日は、先日掲載しました、「東アジアの人の移動」についてhttp://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20080807 。


たくさんあるプログラムのうち、神奈川の(社)横浜インド商協会視察と、地方の豊田市、美濃加茂市訪問についてレポートします!


★(社)横浜インド商協会(IMAY)★


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(冒頭挨拶の様子です)


地下鉄みなとみらい線にて元町中華街で下車、中華街より少し離れたこじんまりとしたオフィス街の2階に(社)横浜インド商協会(以下IMAY)があります。ここでは、商協会の設立と概要、そして横浜におけるインド・コミュニティーの歴史についてお話を伺いました。


IMAYの発足は、なんと1921年。 インドと日本との貿易を促進するために設立されました。絹産業での貿易を発端に、第一次世界大戦、そして第二次世界大戦をも乗り越えて現代まで続いています。IMAYの会員は全員成功した実業家であり、シンド(Sindh)出身者が多数をしめているそうです。シンド族の多くは現在のパキスタンに居住していますが、1947年の独立の際にはシンド族であってもイスラム教徒ではないシンド族はインドや世界各地に移住せざるを得なかったそうです。IMAYについての詳細はこちら http://www.imayokohama.org/


JENESYS参加者から「日本に長く滞在しようと思った理由はなんでしょうか?」という質問に対して、「もちろん、事業が順調にすすんでいるという要因は大きいけれども、結婚であったり、子どもが育ったり長くすむことで状況が変わってくる。生活の基盤がそこで作られると、なかなかそこを去るのは難しい。私はここで骨を埋めるよ。」と仰っていたのが印象的でした。IMAYの会員の方には、日本生まれ日本育ちのインド人3世もいらっしゃって、流暢な日本語と英語で、自分はインド人としても誇りをもっているし、横浜市民としても誇りをもっていて、日本が故郷だと話してくださいました。


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(オフィスには、祭壇もあります。人が移住すれば、神様も移住するんですね)





★豊田市役所・保見団地と保育園★





さて、場所が変り、地方視察では、豊田市に行ってきました。豊田市は市の政策としてトヨタ自動車等の企業を積極的に誘致することで発展してきた地域です。市内の保見団地には豊田市の産業を支える中小企業等で働く日系ブラジル人の方が約4千人住んでいます。団地内にはブラジルのスーパーや、美容室、ファーストフード店等も営業していました。


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(保育園です↑)





近所の保育園も見学させてもらいました。ここに通う子ども達の9割は外国籍ですが、日本人の先生とポルトガル語通訳の先生が子供達と保護者に密に連絡をとりながら一生懸命に保育していらして、子供達も楽しく通っていて、こちらも幸せな気分になりました。


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(日本語 ポルトガル語両方でサインがあります)


(スーパーマーケットでは、美味しそうな食材がいっぱい)


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さて、こちらは美濃加茂市です。  


(レクチャーの様子)


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(JENESYS参加者との意見交換を行いました)


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美濃加茂市は、外国にルーツを持つ子ども達に対して、日本語の補習授業等を積極的に行っています。教育を子どもの人権として捉え、出来る限りのサポートを行う様子はJENESYS参加者より、高い関心を集めていました。市役所では渡辺市長にも表敬訪問をすることができ、市長としてのビジョンについても伺うことができました。





国際交流基金ジャパンファンデ^ションは、海外と日本とをつなげ、日本文化・日本社会を諸外国に紹介し、友好を深める活動を担っていますが、国内においても日本人と外国にルーツを持つ人々やその子供達の友好親善に取り組んでいます。外国にルーツを持つ人々が、日本に対して「ここも故郷だ」と思える、そういう社会であってほしいな、と思います。





Tuesday, August 12, 2008

日中韓次世代リーダーフォーラム2008






こんにちは。2年ぶりくらいに登場します、丁寧です。





ジャパンファウンデーションでは、2002年より「日中韓次世代リーダーフォーラム」という事業を実施しており、この2008年7月には第6回フォーラムを開催しました。先月フォーラム開催のため、日中韓を出張してきましたので、今回はこの事業についてご紹介したいと思います。





この事業は、日本/中国/韓国3か国における将来のリーダー同士の相互理解を深め、信頼感を醸成し、信頼関係を構築することが本事業の目的です。


この事業のスタートに際して、ジャパンファウンデーションが主導的な役割を果たしていましたが、現在は韓国国際交流財団、中華全国青年連合会と合同で事業の事務局を務めています。事務局自体は3か国の連携・協力によって成り立つことも本事業の特徴の一つです。





近年、二国間交流としてジャパンファウンデーションのみならず、いろんな団体によってさまざまな層における日中・日韓の交流事業がなされています。


また多国間交流でも日中韓の参加者が入っているケースがありますが、日中韓のみで行われる事業はまだそれほど数多くありません。日中韓において懸案・未解決事項が少なくないだけに、今後いっそう3か国の交流が重要となってきます。





て、事業の概要ですが、まずは参加者について、政治家、行政担当者(公務員)、ビジネスマン、研究者、ジャーナリスト、NGO/NPO関係者(30歳~45歳)で各国6名ずつ、計18名の構成となっています。


各分野の参加者を招くことによって、さまざまな視点から3か国の将来を捉えることがまた本事業の特徴の一つです。


(ご参考に本事業の参加条件は、他の参加者と英語で議論する意思と能力のあること、政治/経済/社会/文化等の分野で、韓国・中国との交流に関心があり、フォーラム終了後も韓国・中国の参加者と積極的な交流を継続し、ネットワークを維持・継続させていく意思があることで、ただし、必ずしも韓国・中国の専門家である必要はなく、幅広い分野で活躍している人が望ましいとなっています。)





3か国から選ばれた各界の次世代リーダー達が10日間にわたる合宿で3か国を訪問しながら主に以下の活動を行います。



1.参加者がお互いの国・社会・文化等を理解し合うための、専門家によるレクチャー受講/ディスカッション


2.参加者同士の人間関係構築を進めるためのディスカッション


3.関係機関などの視察/意見交換






今年のスケジュールは以下のように11日間で3か国の6都市を訪問するというかなりハードなものとなっています。


参加者の皆さんが3か国の風土を一緒に体験することも本事業の特徴の一つです。



・中国/上海・南通 7月10日(木)~13日(日)


・日本/東京・金沢 7月13日(日)~16日(水)


・韓国/ソウル・釜山   7月16日(水)~20日(日) 



 





2008年度の総合テーマは「Vision 2030 for Northeast Asia」でした。参加者の皆さんの至った結論は、現存の課題から目をそらさずに取り組むと同時に、より未来志向の3か国の関係構築をめざすべきということでした。歴史や領土といったセンシティブな問題において、感情的になって相手を刺激するようなことは避けながら、関係専門機関による共同研究・調査を客観的に進めていくことが必要であること、また北東アジアにおける経済協力・環境協力などを通じて、共通の利益につながるようなWin-Win関係を構築していくことも必要であることを確認しました。





なお、直前に洞爺湖サミットの開催もあって、今年の日本におけるサブテーマは「環境」でした。


外務省の環境担当大使、トヨタ自動車の環境担当理事、金沢大学の里山・里海研究者との意見交換を通じて、3か国の参加者は環境問題の重要性、3か国による協力の必要性を改めて確認しました。





本事業で構築された日中韓のネットワークが3か国のより発展的・協力的な将来に確実につながっていくと、担当者として信じており、今後ともネットワークの継続・発展に尽力していきたいと思います。





Thursday, August 7, 2008

 東アジアの「人の移動」について






7月17日から27日まで中国、タイ、カンボジア、シンガポール、フィリピン、ニュージーランド、オーストラリア、インド、ミャンマー、日本、ラオス、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、インドネシアの総計15カ国から若手リーダーがやってきました。


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かながわ外国人すまいサポートセンターにて↑







これは、JENESYS次世代リーダー招へいプログラム*1の一つで、2007年から始まったものです。東アジア各国における行政・経済・研究・メディア・市民社会などなど、各界で活躍し今後を担うであろう20代から30代の若手を日本に招へいし、東アジアにおける共通の課題について話し合い、寝食をともにしながら、今後の東アジアの未来図を描く、そんな合宿形式のプログラムです。





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担当されたアジア・大洋州課Mさんに、今回のプログラムについてお話を伺いました☆








蟹江:今回のテーマは『アジア・大洋州地域における「ヒト」の移動:送出国―受入国及び当事者自身の利益を目指して』


人の移動?というと耳慣れない言葉ですが・・・





Mさん:そうですね、あえて「人の移動(migration)」と表現したのは、移民とか移住と表現すると外国へ渡り、そこで骨を埋めるというようなイメージになってしまうと思ったからです。近年では仕事だけのためではなく、留学、国際結婚、退職者の海外長期滞在、災害等のために人が流動的に移動していて、ブラジルに移住した日本人(日系ブラジル人)が日本に戻って定住するという現象も見られるようになりました。数年から数十年というスパンで日本、東アジアをはじめ世界各国で、人の移動は活発になっています。








蟹江:このテーマは日本人みんなに身近なものになってきているということですね。





Mさん:個人的にも日々感じる外国人の増加、韓国語を習い始めたら先生が在日コリアンだったこと、以前見たタイに出稼ぎに来ていたミャンマー人等が強制退去を恐れて津波被害の支援を受けられなかったニュース、友人の結婚式に出席した際に同じテーブルで座った新郎新婦の友人達が見た目は同じ東洋人であるのにも関わらず全員国籍が違い、北京、ロンドン、香港、ロス等と世界各地で活躍していた姿、帰国子女としての自分の経験、そのような断片的な情報が頭によぎりました。








蟹江:私もペルーに3年、イギリスに3年住んでおりまして、ずっと自分が『外国人』でしたし、日本に帰ってからもなかなか日本語に追いつけなかった経験がありますので、わかりますよ。さて、その人の移動がなぜ、東アジアの共通課題なのでしょうか?





Mさん:人の移動は今やグローバルに展開されていますが、近隣諸国の間ではより多くの移動がおこりやすいですよね。それならば、EUのように東アジア地域共通の人の移動に関するスキームを構築できれば、各国の産業や経済社会の発展、地域の活性化、外国人労働者・居住者のエンパワメント、そしてアジア地域の共生につながるきっかけとなると思います。このようなスキーム構築にはまだまだ時間がかかりますが、どのようにして文化の異なる人達と共存、社会統合していくのか、難民の受入の方法等についてはは日本にとどまらず、東アジア諸国でも同じようなことが課題になっていているのです。








蟹江:本当にそうですよね~。いやいや、大変参考になりました。今日はどうもありがとうございました。










実は私も機会があって、フィンランドで移民や難民の受入を行っている機関 *2にて3ヶ月間働いていたのです。


その時に、EUという枠組みで移民や労働者の受入について話し合える体制が出来ているのを見て、まさしくMさんと同じように東アジアはどうなるんだろう?


と感じておりました。そんなつながりもありまして、蟹江はこのJenesysプログラムに随行してきました!





その様子を後日レポートします!お楽しみに~☆




*1http://www.jpf.go.jp/j/jenesys/intel/exchange/jenesys08.html


*2:国際移住機関IOM 今回のプログラムでも駐日事務所に講演をお願いしました。http://www.iomjapan.org/