Friday, December 28, 2007

お年玉プレゼント!2007年最も話題の記事は・・・



今日はブログチームより、本年最後のご挨拶です。


あっという間に年の瀬ですね。もうすぐ亥からネズミへとバトンタッチ。


この4月にジャパンファウンデーションに入社したみかんも、早9ヶ月が過ぎたかと思うとびっくりしてしまいます。





≪特別企画≫日ごろブログを読んでくださっている皆さんに感謝をこめて、


!!新春お年玉プレゼント!!


を企画しました。


ブログを読んだ感想や、もっとこういう記事があったらいいのに、といったご意見をトラックバック、もしくはjfblog@jpf.go.jpへお送り下さい。抽選で10名様にジャパンファウンデーションのオリジナルグッズ+αをプレゼントします。


締切は1月末とさせていただきます。何が当たるかはお楽しみ(*^o^*)





2007年の記事アクセス数トップ5は以下のとおりでした☆


ジャパンファウンデーションらしく海外からの投稿、芸術関連の話題がランクインしていますね。






1位 世界のハロウィン事情2~実はアメリカでも・・・~


2位 いよいよ始動!ヴェネチア・ビエンナーレ建築展2008


3位 国際交流の舞台裏~Vol.1 海外事務所で働く醍醐味:堀川さんの場合~


4位 超ラテンなお正月?! ~メキシコの「死者の日」~


5位 若冲に夢中?






残念ながら5位までには入りませんでしたが、日本語弁論大会や、「エリンが挑戦!にほんごできます。」など、日本語教育に関する記事も人気を集めていました。











オレペコさん:


今年は、このブログのことを少しでも多くの方に知っていただこうと


思い、そのためにはまず内部から!ということで、いろんな基金職員を巻き込んで、


記事を書いてもらったり情報提供してもらったりしてみました。いかがだったでしょうか?


・・・個人的には、ハロウィンの記事がYahooニュースに取り上げられて


一日4000アクセス(!)を記録したのを筆頭にベスト5のうち4本に


自分が担当した記事がランクインして超はっぴいでございますO(≧▽≦)O


来年も、みなさまに、ジャパンファウンデーションならではの多彩な情報を


お届けすべく奔走しますのでよろしくお願いします!





潮風さん:


もう年末ですかー。いろいろと記事を書いてきましたが、「JFブログ知ってるよ」「記事面白かった」などと、たま~に言われたときの嬉しさが、この1年心に残っています。でもまだまだもっと多くの方にブログを読んでもらいたい!JFを、国際交流の楽しさを知ってもらいたい!ってことで、来年はより魅力ある記事をお届けできるようにがんばりたいと思います。 みなさん、これからもどうぞよろしくお願いしまーす。





三富さん:


いやぁ~、あっという間の1年でした。


より多くの人にブログを読んでいただくために、いろいろと試行錯誤、迷走を繰り返してきましたが、果たして良い方向に進んでいるのかどうか???だからこそ、皆さんの感想が聞きたいのです!!


そして、今年1年で私が書いた・編集した記事は、ざっと数えあげただけでも37本(162本中)。約10日に1本の割合ですねぇ。良く頑張った。自分で自分を誉めてあげたいです。+゚(゚´Д`゚)゚+。


来年の目標は、より分かりやすく、より面白く、“三富、Fly High ε=ε=へ(*´口`)ノ”で。


よろしくお願いします。





それでは、皆様、よいお年をお迎え下さいo(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o





Thursday, December 27, 2007

 世界のクリスマス2007~vol.2 東方三博士ならぬ、ヨーロッパ東方三地域の職員(!)の場合~






みなさんこんにちは、オレペコです!

クリスマスも終わり、いよいよ2008年までカウントダウン、という感じですが・・・実はそのクリスマスについて、ヨーロッパに駐在している職員からおもしろい話題が届いたので今日はそのお話を。ホットワイン、ソーセージにあまーいお菓子・・・世界のクリスマスvol.2*1は、いつもとちょっと趣向を変え、ドイツ、オーストリア、ハンガリーから、クリスマスの「食」についてあつ~~く語ってもらいます!写真も必見!!ではでは、どーぞ。





■クリスマスマーケットといえば・・・ホットワイン♪


f:id:japanfoundation:20071202181850j:image:rightブダペストのKさん(以下ブダ):この時期になると、クリマ(クリスマスマーケットを省略してみた)が楽しみですよね。ヨーロッパ全体がクリマで盛り上がっているかなと思ってたんですが、それはドイツを中心とした一部だけかな?と気づきました。フランスでもドイツに近いアルザス地方ではクリマが盛んだ、と聞きましたし。ドイツのクリマは圧倒的に規模が大きいですね。


ベルリンのTさん(以下ベル):どうなんでしょうか。ドイツでいちばん歴史があると言われているのがドレスデンのクリスマス・マーケットで、今年で573回目です。


ブダ:おお。そりゃ、やっぱりドイツがクリマの中心地なんでしょうか。


さて、クリマの楽しみといえば買い物そっちのけでホットワインなんですが(*^^*)ポッ。ハンガリー語ではフォッラールトボール(Forralt bor)といいます。「沸かした」ワインという意味です。ドイツ語ではなんて言うの?


ベル:ドイツでは「グリューヴァインGluehwein)」。「グリュー」は、「熱くなる」「ほてる」っていう意味の「グリューエン(gluehen)」という動詞が他の名詞と連結するときに使われる形、「ヴァイン」はワインです。飲むとほてってぽかぽかすることから、グリューヴァインと呼ばれてるんですよ。


f:id:japanfoundation:20071222100705j:image:leftブダ:へえ。じゃあ、グリューというのは、たとえばホットチョコレートという場合にも使うのかな?ただの「ホット=熱い」の意味とはちがって、体を熱くしてくれるホットワインに特に使うのかな、という感じがしたけど。


ウィーンのKさん(以下ウィー):そうそう。ホットチョコレートは、ドイツ語ではハイセ・ショコラーデ。単なる「ホット」に相当するのが「ハイス」だから、ワインの場合は「体を熱くする」という意味で「グリュー」なんでしょうね。 実際、グリューヴァインがないと、氷点下の屋外でマーケットをのぞいて歩く気になれないなあ(~O~;) <写真は、ホットワインが入った壷@ブダペスト>





■ホットワインのカップのヒミツ。


ブダ:なるほどね。意味がわかるとますます暖まりそうヽ(^◇^*)/。ほんとに、あれがないとこの時期の市場巡りは凍えちゃいますよね。


グリューヴァイン自体もおいしくて楽しみですが、ワインを飲むカップ、あれは街ごとに違いますね。ドイツではたくさん種類を見ましたよ。やっぱり本場は違うね。


ベル:カップのデザインは、たくさんありましたか?おそらく、その年の年号の入ったカップは1都市もしくは1会場で1、2種類ですよ。いろんなデザインがあるとすると、それは過去のものが同居しているのかと(笑)。数年前のカップを平気で使っているお店もありますよ。カップも街によって微妙に形が違いますが、普通のカップとは明らかに違って長靴型もありますね。


ウィー:デザインはマーケットによって違っていて毎年変わってます。絵柄も街にあわせてあって、ウィーンはモーツァルトが書いてあったりしますよー。


ブダ:うん。街の風景が描いてあったりもしますね。カップはデポジット制で返却すればお金が戻ってくるし、そのまま返さずにおみやげにすることもできるんですよね。これもまた楽しみ。なかなか凝ったカップもありますよ↓↓↓


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<ウィーンのカップたち>


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<ドイツ:ニュルンベルグ+ミュンヘンのカップ> <ブダペストのカップ>





ブダ:ドイツ、オーストリアはグリューヴァインの種類も多いですね。ハンガリーは赤しか見ないけど、ほかでは赤も白も、さらにはコケモモとかブルーベリーとかいろんなから造ったグリューヴァインが売られてますね。


ウィー:グリューヴァインの他に、プンシュという飲み物もあります。ラムなどのアルコールとシナモン等のスパイス、お砂糖、お茶などで出来ていて、オレンジのプンシュ、ベリーのプンシュ、りんごのプンシュなどがあります。キンダー・プンシュ(子どものプンシュ)というのもあって、もちろんノン・アルコール。(・・。)オイシソウ...


ベル:子供用という括りかどうかは分かりませんが、北のほうでは、グリューヴァインと言ってもアルコールが入っていないことがよくあります。その場合、ラムやアムレットなど追加します。


ブダ:へええ。流儀もいろいろありそうですね。ブダペストでは店によってはアルコールを感じないようなものも。兄さん、こりゃ沸かしすぎじゃ・・・(^▽^;)





■クリマで定番の食べ物とは?:ソーセージからあま~いお菓子まで


ブダ:さて、暖まったらおなかがすいて来ちゃうんですけど。クリマで食べるといったらやっぱりソーセージが定番かな?ブダペストではソーセージが多いけど、ロールキャベツとか、野菜炒めとかもあります。飲み屋のメニューみたいになってる(--;)。ハンガリーは買い物というよりも、こういった屋台に食べに来るという人が多いような気もするね。


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<ブダペストのソーセージ>  <ブダペストのロールキャベツ>


f:id:japanfoundation:20071219130311j:image:rightウィー:ウィーンのマーケットでは、おいもが人気があるかな。丸ごとのじゃがいもをアルミでくるんでオーブンで焼き、熱々ほくほくのおいもの上にチーズやソースをかけてたべるんです(右写真参照)。もちろんソーセージも売ってます。


ベル:ドイツではやはり王道は焼ソーセージ。その他、豚の背肉ステーキや、ひき肉やたまねぎを練って焼いた「ボウレッテ」と呼ばれるハンバーグのようなものをパンに挟んで食べます。たまに、魚のフライ(をパンに挟んで食べる)の売店もあります。


ブダ:いや、豊かですね。豊かですよ(うらやましい・・・)。


こうなるとお菓子まで話題を突っ込みたくなりますが。甘いものも売ってるよね?果物をチョコでコーティングしたやつとか、ウィーンではよく見かけましたけど。


f:id:japanfoundation:20071202175857j:image:leftウィー:日本のりんご飴によく似たお菓子もありますね。


ベル:ワッフルをよくみかけます。それに、ドイツのみなさんはたっぷりと生クリームを乗せて食べます。あとは、綿飴、焼き栗、砂糖をまぶして炒ったピーナッツやアーモンドなど。


ブダ:あの豆おいしいよねえ。


ベル:それから、ベルリンでクリスマスの頃に食べるお菓子といえば、必ずしもクリスマス・マーケットで食べるものではありませんが、「プファン・クーヘン」と呼ばれるドーナツのようなものがあります(中には、杏ジャムやブルーベリー・ジャムが、周りには粉砂糖がまぶしてあります)。このお菓子の面白いのは、ベルリン以外の地域で「ベルリーナー」と呼ばれていることですね。


ウィー:それはオーストリアでは「クラプフェン」です!中身は杏ジャムが王道。オーストリアでは、クリスマスというよりはカーニバルの頃の食べ物って感じです。1年中売っているけど(そして、私の朝ごはんの定番( ̄ー ̄;ウフ)。


f:id:japanfoundation:20071223153350j:image:leftブダ:ブダペストでは、クルトクシュ・カラーチが定番です。やっぱり一年中売ってるんだけど。店の前にはいつも行列ができてるけど、並んでると焼きたてが買えるからね。これもまた暖かくていいんですね。真ん中が空洞になってる、天体望遠鏡みたいな大きさのお菓子なんだけど、好きなんですよー。


ウィー:その天体望遠鏡みたいなお菓子、シナモン・パウダーとかをふりかけるやつですよね?私も大好きです!








・・・というわけで、盛り上がったクリスマスマーケットも24日の午前中には終了。クリスマス前日の午後からは一般の商店も閉まり、地下鉄もトラムも運休したり運行数が減ったりして、街は静かになります。前日までに休暇中の食料を買い込んで、みんな家族で楽しい休暇を過ごすのでした。日に日に日照時間が減り、気温が下がっていくこのシーズン、クリスマスのように光り輝くイベントがないと、気が滅入ってやってられないのかもしれませんね。というわけで今年のクリマも終わり。来年のクリマまであと340日




*1:vol.1のパリ編はこちら





Wednesday, December 26, 2007

突撃!隣のフェロー勉強会!(ブルガリア編)






どうも~。三富です。


今回は、私のいる文化事業部から歩いて20歩くらいのところにある、JFICコモンズで開かれたフェロー勉強会に参加してきました。しかも、2回!!




国際交流基金では、海外における日本研究者支援の一環として、「日本研究フェローシップ」というプログラムを設けています。この日本研究フェローシップとは、「諸外国における日本研究を振興するために、日本について研究している学者・研究者に、日本で研究・調査活動を行う機会を提供するプログラム」で、毎年世界各国の人文・社会科学分野の学者・研究者や大学院生等の博士論文執筆者100名以上がフェローシップを受けています*1




フェローシップを受けて日本で研究活動を行うフェローによる勉強会は、東京本部や京都支部などで定期的に開かれています*2





昨年10月に日本研究フェローとして来日し、筑波大学生命環境科学研究科で戦後日本、ブルガリアにおける農業改革政策の変遷について研究をされている、ステラ・トドロバさん(Dr. Stela TODOROVA, University of Agriculture Bulgaria)による勉強会が10月11日に開催されました。





テーマは「戦後日本、ブルガリアにおける農業改革政策の変遷についての諸側面について(Some aspects of the Japanese post-war and Bulgarian transition agricultural reform policies)」





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ブルガリアや農業大学のあるブルガリア第2の都市プロブディフ(Plovdiv)の紹介から緩やかにスタートした報告は、日本とブルガリアの農業の特徴、耕地面積や農業就業人口などの各種の指標を用いた農業構造動態、農地改革による成果の比較など、専門性の高い内容へ突き進みます。






仕事上、またこれまでの自身の興味関心から、外国のことを勉強したり、そういった勉強会に出席する機会は多々ありましたが、外国の研究者による「日本」についての勉強会に参加したのは全く初めての経験で、新たな“日本”について知る良い機会となりました。





日本研究フェローの勉強会は、定期的に開かれていますので、是非皆さんもご参加ください!!





気になる突撃第2弾は、2006年に開催されたシンポジウム「春樹をめぐる冒険 ― 世界は村上春樹をどう読むか」にも参加された、翻訳家・作家のコリーヌ・アトランさん(フランス)の勉強会の様子をお届けします!!




*1日本研究フェロー一覧(2001年~2007年)


*2:1月11日には、京都支部にて2007年度第6回フェローセミナー「日本現代文学はフランスでどう読まれているか」が開催されますので、お近くの方は是非お越しください。





Tuesday, December 25, 2007

 世界のクリスマス2007 Vol.1パリの場合






みなさん、こんにちは。三富です。




♪ 街角にはクリスマス・ツリー 銀色のきらめき

  Silent night, Holy night ~~~

 (クリスマス・イブ/山下達郎)




なんとも“やぶからスティック”な、切り出しですが、ブログでは毎年恒例となったあの企画。
今年も懲りずにやっちゃいます!*1




「世界のクリスマス2007」 v(´∀`*)イェイ




第1弾は、フランス・パリから。パリ日本文化会館の田村さんにレポートをお願いしました。








クリスマスが迫るこの時期、パリの街並は綺麗なイルミネーションで彩られます。

中でもひときわ目を引き、毎年注目を集めるのがシャンゼリゼとオスマン通りです。年末の観光スポットとしても有名なこの場所に、私も見物がてら出かけてみました。

オスマン通りはギャラリーラファイエット(Galerie Lafayette)とプランタン(Printemps)の2大百貨店が隣り合う、パリで最も賑やかな通りの一つです。どちらも1890年代創業という歴史あるデパートですが、それにしてもすごい人だかり…。f:id:japanfoundation:20071215231043j:image:left

建物全体に、確かに一見の価値ありと思わせるイルミネーションが豪華に飾られています。




ショーウインドーにも機械仕掛けのぬいぐるみが動き、沢山の人が足を止めています。何しろクリスマス前の売上は1年の2割を占めると言われているそうですから、デパートのこの時期にかける意気込みが伝わってきますね。建物の中に入ってまず目に飛び込んできたのが巨大なクリスマスツリーです。5階まで吹き抜けの金色に輝く壮麗なホールに、装飾されたツリーがさらに輝いて迫ります。f:id:japanfoundation:20071208203834j:image:right それぞれの売り場には、いつにも増して沢山の商品が置かれ、買い物袋を抱えたマダム達があちこちで店員さんと熱心に議論中。思わず私も何か買わなくてはと思わせるこの熱気…、危険ですねぇ。



パリにデパートが誕生したのは19世紀半ばのこと。大衆消費経済に移行するのと時期を同じくして、それまで小売店しかなかったパリに、あらゆる商品を一つの空間に集めた巨大なデパートが生まれました。この時期のデパートの創始者が行った工夫の一つが、デパートを従来の小売店のような単なる商業空間ではなく、巨大なスペクタクルの場、非日常的な祝祭空間に仕立て上げようとしたことです*2。人目を引くエンターテイメントとしての空間を創出し人々を引き寄せ、日常と異なる世界を体感させながら購買意欲に火をつける、という訳です。




100年以上前に考えられたこの工夫、パリのクリスマスをレポートしようと出掛け、綺麗な飾り付けにうっとりし、人々の熱気につられ、ついつい買い物へ走ってしまった…という私の行動を見れば、この仕掛けが今も十分機能していることは明らかですね。思いがけずデパートで数時間過ごし、買い物袋を抱えて外に出ると、空からは雪がちらほら。なんてクリスマスらしい雪景色・・・などと思っていたら、実はデパートの演出の一つとして設置されたスノーマシーンが雪を降らせていたのでした。凝った演出に脱帽です。




f:id:japanfoundation:20071215235853j:image:left(左:シャンゼリゼのイルミネーション)

因みにフランスでは、クリスマスは家族と過ごし、お正月は友人と一緒に過ごす、といのが一般的な過ごし方のようです。フランス人E嬢によれば、フランス人にとって実はクリスマスは憂鬱な時期、家族のスケジュールを合わせ、家に帰るための旅行の手配をし、料理を考え、プレゼントを考え、当日集まったら集まったで、一年に一度の機会を利用して家族の問題を話し合う場になってしまう、ということだそうです。「あと、2つプレゼント買わなくちゃ…」とため息を付いていました。

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(写真左:街角の花屋さんに並ぶツリー用のもみの木、右:オペラ座)




*1:過去の記事は、こちらから→ 世界のクリスマス特集世界のクリスマス2006!

*2:詳しくは鹿島茂著「デパートを発明した夫婦 」(講談社現代新書)参照。




Friday, December 21, 2007

 ASIA5×DOREMEのデザイナーさん、再び~後編((前編はこちら))~






-さて、ちょっと話は戻りますが、今回のアーティストサミットに参加されて、どんなことが印象に残りましたか?





f:id:japanfoundation:20071201105231j:image:left 今回のように、「アーティストとして出来る事」について世界のアーティストが2日も膝を詰めて話すことってそうそうないと思うんです。すばらしいイベントですよね。私たちアーティスト一人一人にとっても大変意義のあるディスカッションでした。こんなことをしては?という提案の中にはとってもアーティストらしい突拍子もないものもあったんですが(笑)、こうしておなじテーブルで話し合う、そのこと自体が意味ある事だと思うのです。




それから、聴衆は全国から作文によって選抜された学生さんと聞きました。つまり、関心を持ってわざわざ京都にやってきた学生さんという事になります。そうした学生さんとお話できた事もとっても良かったと思います。





-そういえば、プックさんのところには、学生さんたちが列を作ってお話する順番を待っていましたね。


おそらくアジア人だし、一番素人っぽくて親しみがあったのでしょう(笑)。
それにもう一つ、非常に印象に残ったのが、2日目の外部パネリストを招いたパネルディスカッション。中でも、小山内美江子さんの「カンボジアに学校を造り、そこに日本の学生さんたちを送って交流しているプロジェクト」*1の話がとても印象に残りました。「世界からいろんな援助が届きます。でも物だけじゃなくて人、しかも若い学生さんたちを送り、現地の子供たちと交流する。これは日本の学生にとっても良い勉強になり、とても良い顔になって帰ってくる」と。




実は私もMae Fah Luangプロジェクトでゴールデン・トライアングルの人たちが換金作物として作っていたアヘン栽培からオーガニックコットンに切り替えるお手伝いをするプロジェクトなどに関わってきましたが、「現地の人たちにとって本当に良いこと」と信じてやっていながらも、いつも疑問や葛藤と背中合わせでした。そんな中、小山内さんの現地での活動のビデオから、なにか糸口が見えたような気がしました。こうして学ばせていただいたことを私も今後「私の出来ること」としてつなげて行きたいなと思っています。





-プックさんは、これから3月の個展に向けての準備も始められ、本当にお忙しいと思いますが、他にはどのようなお仕事をされていらっしゃいますか?





現在、キングモンクット工科大学でテキスタイルデザインの教鞭をとっています。またロイヤル・タイ社(タイ・カーペット制作会社、通称タイピン)のデザインディレクターとして、カーペットデザインにも取り組んでいます。ミッソーニ・ホームのカーペットデザインも依頼が来ているので、現在ミッソーニらしさとオーガニックの優しさを合体させたデザインを研究中なんですよ!





-楽しみですね。本当に可能性がどんどん広がっている感じがして、伺っていてもワクワクしてきます。





ええ、本当に。これもみな昨年ジャパンファウンデーションに招へいしてもらったことから始まって、そのあと次々と・・・といった感じで展開していったんですよ。



今回、昨年来日した際にお会いした新井淳一先生を桐生に訪ねましたが、そこで別のテキスタイルデザイナーの方ともお会いすることができ、是非一緒に何か作品を作ろうと約束しました。また、滞在中にジャパン・クリエーション*2も視察しましたが、海外のデザイナーも歓迎すると伺ったので、ぜひ将来作品を提出してみたいと考えています。

本当にいろいろあって大変ですが、楽しいです。こんな機会をくださったジャパンファウンデーションと担当してくれた皆さんに改めて感謝しています。

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(バンコク日本文化センターでの展覧会の様子)





国際交流基金の事業をきっかけに、どんどんと広がっていったプックさんと日本のアーティストとのネットワーク。

これこそ、国際交流に携わる私たちスタッフにとってのやりがいであり、一番の喜びです。

プックさん、ありがとうございました。



*1:ブログチームより:小山内さんが代表を務める、JHP・学校をつくる会の活動は、こちらから→http://www.jhp.or.jp/

*2:国内最大規模のテキスタイル見本市




Thursday, December 20, 2007

 ASIA5×DOREMEのデザイナーさん、再び~前編~






f:id:japanfoundation:20071218222357j:image:leftすっかり師走。そしてもうすぐクリスマスゥ


街のイルミネーションも年々ファッショナブルに、そしてスタイリッシュになってきて、楽しいですね。




さてさて、昨年の今ごろこのブログでご紹介した 「ASIA5×DOREME」 という事業を覚えている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか*1


この事業では、アジア5カ国から若手のデザイナーを招へいし、日本のファッション界の人たちと交流を深めてもらうと同時に、はじめてファッションショーに挑みました。アジアならではの感性を生かした素敵なコレクションがたくさん紹介されていましたね


(動画で見られますっ(*¨)/ http://www.jpf.go.jp/video/culture/c_04.html





実はその後、このデザイナーさんたちの日本とのつながりがますます発展してきています。今日は、その様子をお伝えしましょう♪



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




f:id:japanfoundation:20071202145132j:image:left12月1日、2日の両日、京都造形芸術大学で 「第2回世界アーティストサミット」 が開催されました。「戦争や貧困などあらゆる問題を抱える現代。こうした社会にアートの出来る事はないか。」と、京都造形芸術大学教授の宮島達男氏*2の発案で2005年に第1回が同大学で開催され、今回第2回を数えます。





第1回目は造形芸術家のみの参加だったのですが、第2回目の今年は、音楽やファッションの世界にもアーティストの枠を広げ、さらに幅広い観点からディスカッションを行いたいということで、昨年基金が招へいしたタイの若手デザイナー、ジャールパット・アーチャワサミットさんがその一人として選ばれ、再来日を果たしたのです!!!ちなみに日本からは、音楽家の坂本龍一氏が参加するなど、そのアーティストの顔ぶれはそうそうたるものでした。





このサミットを終えて、ジャールパットさん(通称プックさん)にこの一年の活動などについてインタビューをしてみました。





―今回の来日の経緯は?



f:id:japanfoundation:20071202203430j:image:rightすべては昨年の基金の招へいに端を発しています。


昨年東京でASIA5×DOREMEのショーを行った事が、主催者の京都造形芸術大学の目に留まり、基金のショーの担当者に問い合せが来て、そこで推薦していただいた事から今回の招へいになったもので、本当に感謝しています。もう来てみたら、私が参加して良いのか、と思うほどの世界の著名なアーティストばかりでびっくりしました。



―でも、それはすべてプックさんの才能と実力の賜物です。






いいえ、私は本当にラッキーだと思っています。何か幸運が降ってくるような一年だったです。そのすべてが昨年の招へいから始まっているんです。


たとえば、こうして「第2回アーティストサミット」に参加できた事、それから9月にはジャパン・ファウンデーションのバンコク日本文化センターで、「Recycled Memories」というタイトルの、テキスタイルの個展をさせていただきました。今回、このおなじタイトルで京都造形芸術大学の学生さんに向けて、ワークショップを行ったんですよ。




あと、「日タイ修好120周年」を記念してジムトンプソン*3も何か日本に関わるイベントを行うとして、3月に「ジムトンプソンの家」での個展を依頼されています。日本でのASIA5のショーやTシャツのデザインの事を知り、お声をかけていただいたのです。これには、日本の着物とタイシルクのコラボをテーマに考えたいと思っています。





―Tシャツの売れ行きもすごいそうですよ*4






そう聞いてびっくりしています。それに新美術館のミュージアムショップにおいてあると聞いて行ってみたところ、まずは美術館の外観を見て、こんなすごい美術館でおいてくださってるの?!とびっくりしました。あのラッピングもとても素敵ですよね。



 


―さて、バンコク日本文化センターのアートスペースで行い、今回京都造形芸術大学でワークショップも行った「Recycled Memories」・・・とても魅力的なタイトルですね。これはどういった意味を含んでいるのですか?






f:id:japanfoundation:20071204191810j:image:right私たちの「今」は過去の延長線上にありますよね。それって既に記憶をリサイクルしていると思うのです。すなわちそれは過去の事って切って捨ててしまうのではなくて、そしてまた、過去にとらわれるのでもなくて・・・つまり過去に起こった事や感じた事を、新しく紡ぎ直して今につなげていく、そんなことを私たちは自然にやっているようにも思います。それを織物という媒体を使って表現してみたのです。





学生さんには古いもの、過去のもの、そんなものを持ってきてもらい、これを裂いたり、捻じったりして横糸として紡いでもらいました。縦糸はこちらでさまざまな色の太い糸を用意し、ベニヤのボードとプッシュピンを用意して学生さんの思い思いの形に張って、縦糸の完成。そこにリサイクルした形で古いものを紡いでいってもらったのです。紙だったり、葉っぱだったり、それぞれ思い出のものを紡いで、それは素敵な作品に仕上っていきました。



―私もワークショップを見せていただきましたが、とっても素敵な作品でしたね。主に空間デザインコース学科のファッションデザインコースや美術工芸学科の染色テキスタイルコースの学生さんたちでしたね。やはり芸術大学の学生さんは違うな、と思いました。



ええ、とても表現力にあふれています。それと、作品について説明してくれる中にはとっても感動的なものや、とろけるような感動もありました。でも、先生として立っていたので、「キャーン、すてき~!」なんて言えなかったんですけどね。(笑)


f:id:japanfoundation:20071204191107j:image  f:id:japanfoundation:20071204193137j:image



(続く・・・)




*1:オレペコより:すぐに「ああ。あれね」なーんて思い出した方はかなりのJFブログ通ですね!「そんなのあったっけ?(笑)という方はこちら。さらに、「御託はいいから、画像をみたいんじゃいっ」という方は、動画スクエアで見られるんです☆こちら


*2:宮島氏は、東北工科大学副学長、そして日本の代表的な現代アーティストでもあります


*3:オレペコより:タイ・シルクの最高級ブランドです。もっと知りたい方はこちら


*4:オレペコより:ブックさんのデザインしてくださったTシャツはこちら





Monday, December 17, 2007

世界の○○感謝の日シリーズ vol.4~韓国・先生様天国~






こんにちは。今日は世界の○○感謝の日シリーズの第4弾。*1


今回はお隣り韓国のとある日について、潮風の正面デスクで、日々一緒に仕事をしているNさんからの投稿です。





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「サジャンニム」は「社長」、「ブジャンニム」は「部長」、そして「ソンセンニム」は「先生」。「ニム」は「様」という意味だ。目上の人を敬う韓国人の国民性が、言葉からも感じられる。





私はかれこれ9年間、日本語教師の仕事に携わってきた。そしてこの「先生様」の国、韓国にも2年間滞在した。「大事にしてもらう」と誰でも悪い気はしないものだ。だから!?韓国は教師にとって住み心地のいい国である。(もちろん他にも、学生が熱心とか・・・日本語学習者層が厚いとか・・・人情味あふれているとか・・・近いとか・・・言い訳がましく言えばいろいろ理由はあるが。)





朝いつも通り教室に入ると、なんだか学生たちがニヤニヤしている。出席を取っていてもいつもより声が元気だ。



「朴さん、昨日、何かいいことがありましたか?」


「先生、昨日じゃありません。今日です。」


(おおっと、はっきり否定するね~)・・・あら、そうですか。いいですね。今日、これからいいことがありますか?」


「はい。あります。先生は今日が何の日か知りますか?」


「朴さん、「知りますか」じゃなくて「知っていますか」ですよ。もう一度言ってください。(何度言っても覚えんね~。一応私も教師だし、訂正しとかんとね)


「今日が何の日か知っていますか?」


「はい、いいですね。・・・今日?う~~ん、知りませんね。何の日ですか?」


「韓国人は先生を大切にします。」


「はい。(だから?)


「先生は人形が好きですか?」


「え?人形?(唐突やね~)いや~あまり~・・・(子どもじゃないしね~)。どうしてですか?」


「・・・・・(ちょっと困った表情)。先生これ、プレゼントです。」



f:id:japanfoundation:20071217152521j:image:left:w200ポッ・・・(わけもなく照れる)


そう言って朴さんは、かわいい犬のぬいぐるみ(左写真)をくれた。他の学生たちもケーキや花束をどんどんくれた。とりあえず、「私が教師だからプレゼントもらえる日らしい」・・・ということで理解した。その日は、直接クラスで教えていない、ただ顔見知りの学生たちからもたくさんのプレゼントをもらった。まさに「ほっくほく」の1日である。


一般的には花が多いという話を聞くが、当時は私も「うら若く、まだまだかわいげのある女の先生」だったので、圧倒的にぬいぐるみが多かった。私はそのぬいぐるみを紙袋にぎゅうぎゅう入れて持ち帰り・・・その日から部屋はちょっと乙女チックに様変わりした。


後になってよくよく聞いてみると、5月15日は韓国では「先生(師匠)の日」ということで、師を敬い、日ごろ教えてもらっていることに対して感謝の気持ちを伝える日になっているらしい。実際、韓国人は「師は一生師である」と言い、卒業したからといってその敬う心を忘れるわけではない。ずっと自分に知識を授けてくれた人として尊敬し、大事にする。その気持ちは本当に、熱くて・・・・・厚い





韓国人は全般的に日本人よりもよくプレゼントを贈り合う国民だと思う。「恋人同士の記念日が多い」ということは最近日本でも知られているだろう。男性陣は記念日を覚えることのみならず、プレゼント選びや渡すときの演出を考えるのも大変そうだ(「ちょっとそれはやりすぎでは・・・」と日本人なら引いてしまいそうな演出も多々目にし、耳にした)


しかし恋人がいない私でも!普通に生活している私でも!


「給料をもらった」と言ってはぬいぐるみやCDをもらい、ただの飲み会の帰りに「今日の記念に」と言っては花束をもらい・・・・。日本人の私から考えるとにやり!?と勘違いしてしまいたくなるくらいプレゼントをもらう(本当に勘違いだったけど・・・)。そういうわけで、彼らはプレゼントをあげ慣れているし、もらい慣れている(と思う)。しかし、当時の私は・・・道で彼氏に「これかわいい~、買って~」とおねだりしている韓国女子と違い、「派手な花束」や「うさぎちゃん、くまちゃん、わんちゃんのぬいぐるみ」をもらうことにはあまり慣れてなかった。だから、やたら照れてしまったのをよく覚えている。





でも・・・私たちも、ちょっとは自分が一生師として仰げる人物を思い返してみてはどうだろうか?そしてその人に自分の感謝の意を伝えてみては?それは必ずしも「学校の先生」という職業人でなくても、自分にとって智を授けてくれた人であればいいと思う。日本人にとっては少し照れくさいことかもしれないが、「言葉で、態度で気持ちを伝える」のが得意な韓国人に倣って、たまには感謝を形にしてみるのもいいのではないだろうか?「ありがとう」を伝えることはお互いとても気持ちがいいものだから。






(おまけ)


f:id:japanfoundation:20071217153300j:image:right:w150最後に、そのぬいぐるみの行く末を。中でもとびきりかわいい顔をしていた朴さんにもらった「わんちゃん」は、私の帰国とともに甥っ子の手に収まり、「わんわん」と名づけられた。よだれにまみれ、枕がわりにされ、洗濯機でガラガラ洗われ・・・それでも甥っ子の「ママに叱られたときは、わんわんとねんねするの。ねー。」という言葉に支えれられ!?


・・・・先日、甥っ子に電話をかけて「一緒に寝てるわんわんの写真送ってよ」と頼んだところ、「もう一緒には寝てないもんっ」と言われた。彼も4歳。わんわんに助けてもらわなくても自分の力で乗り越えられるようになったらしい。子どもの成長はメザマシイ。







Friday, December 14, 2007

世界の1万人に1人が応募してます!!



みなさん、こんにちは。潮風です。





ちょっと前の話になってしまいましたが、去る12月2日(日)に2007年度日本語能力試験(JLPT)が実施されました!!


プレスリリースはこちら→http://www.jpf.go.jp/j/about_j/press/dl/0304.pdf





この試験も今年で24回目、なんと今年度の総応募者数は63万人!!世界人口が60数億人と考えると・・・なんと約1万人に1人が申し込みをしていることになるんですね~~。





?そもそも日本語能力試験って何?って方 ↓↓


日本語を母語としない人を対象にしている、日本語能力を測定し認定することを目的として、1年に1回、全世界で同日に実施される試験です。1級~4級まであります。今年度は国内では23都道府県、海外では49カ国・地域の137都市で実施されました。*1


と、いうわけで2日は世界中の日本語学習者・関係者のビックデーだったのですね。その受験の感想を、受験者・教師の方々がそれぞれブログで綴っているので、今日はまとめてご紹介します★*2





まずは実際の受験者、つまりは日本語学習者の方々の声 ↓↓



2007日本語能力試験が終わった。


受かる自信があるかどうかわかんない。


去年は自信がなくても受かった。


今年は自信があるので、受からないという意味か。


来年3月ごろ謎を解いてくれるはずだ。


ケイホウのせいかつにっき。~より




二回目のJLPT・・・


今年は2級・・・やっぱり難しいでした。


でも、頑張りました。(笑)


日本語、全然知らなかった時には、そんな試験受けられない。


って思ったけど、一所懸命に勉強して、こんな試験も受けるようになったのが一番嬉しいです。


結果は分からないけど・・・(笑)


守りたいw-inds.(/^0^)/より~




お久しぶりの記事を更新することだね


もう二週間超えたね


この間は日本語能力試験という検定の勉強だった


今日と言うよりもう昨日のことだったね


試験が終わった


だから 自分にお疲れって言いたかった


結果はどうだったか来年の2.3月に知らせるけど


合格できるって自信があるけど


もともとは90割が目指したが


なかなかむずかしいなあ~


今年の聴解と文字語彙はなんか難しかったわ


勉強が足りないもあるし


集中力もちょっと弱かったからね


まあ~もう頑張って終わったからね


一応 お疲れって


*天使の羽*より~






みなさん、お疲れ様でした。潮風にしてみると、外国語でこんなにブログを書いていること自体、すごいことだと思いますよ!


さぁ、続いて見守っていた教師の方々の声 ↓↓



昨日は日本語能力試験の日。 


私のクラスからは4人が受験した。


午後4時前・・・





先生、試験が もう終わった。


頭が こんなかんじに なった。(携帯の、(>_<)←こんなカンジの絵文字が・・・)


でも75% できたと思います。


みんなより、ありがとう





と言う内容のメールが、会場となった大学の構内で撮った写真と一緒に届いた。


みんな、本当にかわいい!!


これだから、日本語教師を辞められない!!


Meet the World ~☆より~




私が担当している英語日本語通訳翻訳学科4年生には能力試験の2週間も前から対策授業を実施することができなくて、本当にすまなかったなと思っています。9月の授業開始時から11月半ばまで少しずつ準備をさせていたから、大丈夫だったかな?1年に1度の試験で私の教え子たちも気合を入れて勉強をしていましたので、たくさん合格者が出るといいなと思っているところです。


クレオパトラ通信より~






ふー。試験結果が届くまで、みなさんドキドキですよね。結果は2月中旬頃に実施機関事務局宛に発送される予定です。どうぞお楽しみに☆そしてこれからも日本語がんばってくださーい!!




*1:海外での実施をジャパンファウンデーションが、現地機関の協力を得て実施しています。国内では(財)日本国際教育支援協会が、台湾では(財)交流協会が実施。


*2:昨年の実施のときにもこのブログで紹介しました。
詳しくはこちら→世界につながる日本語学習者の輪(学生編)
         世界につながる日本語学習者の輪(先生編)





Wednesday, December 12, 2007

 米国NPOの活動事例を、日本のNPO活動に生かす試み:日米センターNPOフェローシッププログラムより~後編~






昨日に引き続き、「米国NPOの知見を地域に紹介するシンポジウム」(12/1@つくば国際会議場)の様子をお届けします!パネリストの方々の報告を受け、参加者それぞれがいろんな思いを抱えて臨んだ午後の分科会、どんな風に展開したのでしょうか?早速どーぞ(^-^*)/


※日記の最後に、これから開かれる同様のシンポジウムのご案内がありますので、そちらのチェックもお忘れなく~~~。









f:id:japanfoundation:20071201135937j:image:right後の分科会では、参加者が3つのグループに別れて、自分の所属するNPOの問題点を出し合い、パネリストからそれぞれアドバイスをしていただきました。最後に総括・パネルディスカッションを行い、各分科会での内容を報告し、今後のNPOのあるべき姿について活発な討議を行いました。





とんどのNPOが抱えるのは、活動資金をいかにして集めるかという問題です。お金を集めるためにはまず「こうあるべきだ」というミッションを当事者が認識して活動することが大切であるとの意見がありました。また、NPOの場合、顧客には、第一の顧客と第二の顧客があるという意見がでました。





一の顧客とは、直接の受益者で、第二の顧客とは、やると喜んでくれる人(行政府や地域社会)です。このことを、NPO=民放テレビにたとえて考えると次のような感じです。第一の顧客である「視聴者」はお金を払いませんが、第二の顧客であるスポンサーがいいと思って金を払えば、番組は作れます。しかし、このようにしてできた番組は、必ずしも視聴者のニーズに合っているとは限りません。つまり、NPOも、あまり第二の顧客の方を向いていると、「ミッションがぶれてしまう」ことがあるので、注意が必要だということを確認しました。





f:id:japanfoundation:20071201154723j:image:left日は、若い方から年配の方まで、幅広い方々が参加しました。分科会やディスカッションでは、パネリストの発表に刺激を受けて、それを各自所属するNPOに当てはめ、自分自身の問題を再認識し、それを解決するツールを見つけたという人が多かったようです。また、普段は異なる分野の個々のNPOで活動している方々が、共通する問題を認識し、それをどう解決していったらよいのか議論し、共有できる:*:・゚☆交流の場:*:・゚☆にもなりました。




黒田かをりさんは、2月2日(土)の福岡でのシンポジウムでも発表します*1。 また、槇ひさ恵さん井上英之さんは、2月16日(土)の青森でのシンポジウムでも発表します*2。 日本の非営利セクターの第一線で活躍するNPOフェローと直接話すことができる貴重な機会ですので、奮ってご参加ください*3




後に、つくばでのシンポジウム開催に当たっては、茨城NPOセンター・コモンズ*4の理事・スタッフ・ボランティアの方々の献身的なご協力を得ることができました。この場を借りて感謝の意を表したいと思います。




*1:福岡のシンポジウムの詳細・お申し込みはこちら


*2:青森でのシンポジウムの詳細・お申し込みはこちら


*3:直接お話できる!ということで言えば、井上さんが主宰するソーシャル・ベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)が、12月16日(日)に東京の新宿で、ネットワーク・ミーティング(NWM)&忘年会を開催されるそうです。日本のソーシャル・ベンチャーの現状を知るまたとない機会になると思いますので、ぜひぜひお運びください。詳細はこちら


*4:昨日の日記でご紹介したCHIMAKOさんは、コモンズの理事をされています。





Tuesday, December 11, 2007

 米国NPOの活動事例を、日本のNPO活動に生かす試み:日米センターNPOフェローシッププログラムより~前編~






みなさんこんにちは、オレペコです!


最近、みるみる日が短くなってきましたね。4時半ごろにはもう真っ暗なので、家路を急ぎたくなる今日この頃です(笑)。





さて、今日は日米センターのNPOフェローシッププログラムの話題です。


以前このブログで、”日本文化を紹介するボランティアを、アメリカの、これまで日本との交流が少なかった地域に派遣するJOIプログラム(=日米草の根交流コーディネーター派遣プログラム)”をご紹介したことがあるんですが、このNPOフェローシップもまた、市民交流、草の根交流を支援するプログラム。





・・・とはいえ。





「草の根」とか「NPO」いう言葉は、最近新聞などでもよく取り上げられるので見たことはあるものの、実際どういった活動をしているのかわからないなあ、という方も少なくないと思います。そこで、 「NPOフェローシップって何?」 、  「実際このプログラムで渡米した人たちはどんなことを学んできたの?」 という疑問にお答えすべく、イベント報告も兼ねた記事を二日間の連載でお送りしますね!NPOで働く皆様、また、NPOの活動に関心がある皆様、アメリカで学んできたフェローと直接、日本のNPOの将来について議論することのできるイベント、題して米国NPOの知見を地域に紹介するシンポジウムは今後も3都市をめぐります。以下もご参考に、ぜひぜひご応募くださいませー! ε=ε=ε=(ノ^^)ノ






。°。°。°。°。。°。°。°。°。。°。°。°。°。。°。°。°。°。





みなさん、こんにちは。


日米センターでNPOフェローシップ・プログラムを担当している今井です。このプログラムは、






日本のNPOなど非営利セクターで活躍している中堅スタッフにアメリカのNPOで研修を行ってもらい、帰国後、日本のNPOの強化のために、その成果を日本のNPO関係者に還元・共有してもらうことを目的とするプログラム


です。1998年に開始してから、今年まで延べ37名のフェローを派遣してきました*1




今回、アメリカでの研修成果を日本での活動にどのように生かしていけるのかを共に考えてみよう!ということで、12月1日(土)に茨城県つくば市で、NPOフェローをパネリストにしたシンポジウムを開催しましたので、その様子をお届けしたいと思います*2




今回のパネリストは、NPO法人ニンジンの槇ひさ恵さん、NPO法人ETIC.の井上英之さん、CSOネットワークの黒田かをりさんの3名で、午前中は、それぞれのアメリカでの研修内容についてご報告いただきました*3





f:id:japanfoundation:20071210181943j:image:right(゜-^*槇ひさ恵さんには、ワシントンDCにある、MOSAICAというNPO支援センターでの研修について発表していただきました。MOSAICAは主にコミュニティ・レベルで移民や難民が組織するNPOへのコンサルティング・サービスをしています。例えば新しくNPOの理事になった人を対象に、理事会の役割は何か、どのようにしてコミュニティ・リーダーを集めるべきか、助成金の申請書をどうやって書けば説得力のあるものになるのか、などに関するトレーニングを実施しています。




f:id:japanfoundation:20071210182358j:image:left(゜-^*黒田かをりさん*4は、ニューヨークにあるSocial Accountability International (SAI)での研修について発表してくださいました。SAIは、1997年に作成された民間の国際労働規格SA8000の認証を通じて、世界のあらゆる職場で働く人の人権の増進に努めている団体です。ちなみに、SA8000が作られた背景としては、1990年代以降、途上国で安いコストで製品を製造するために、児童労働・強制労働が行われ、貧富の格差や環境問題が発生したことがあげられます*5





(゜-^*井上英之さんからは、シアトルのSocial Venture Partners(SVP)で学んだ、ソーシャル・ベンチャーのコンセプトをご紹介いただきました。SVPでは、ベンチャー・キャピタル・ビジネスの手法を社会的起業に応用したモデルを作り、NPOに「寄付する」というよりも、「投資する」という考え方をします。また、資金の提供者(パートナー)が、それぞれ自分の持っている専門的スキルを投資先のNPOの経営支援に応用するなど、現場に直接関わって、時間も提供する「スーパーおせっかいファンド」(?)です。パートナーが投資先のNPOに「思いっきりかかわる!(エンゲージメントする)」ことにより、「社会が変わり、パートナー自身も変わる」という「リターン」を目指します。





これらの報告を受け、午後には参加者全員が3つの分科会に分かれ、活発な議論を繰り広げました!


その模様は明日、お知らせしますっ(^▽^)/




*1:過去のフェローリストや研修報告などはこちらで見られます。


*2:茨城NPOセンター・コモンズとの共催で実施しました。当日のプログラム等詳細は、こちら


*3:CHIMAKOさんが、日米センター(CGP)の紹介も含めて当日の様子を報告してくださっています。詳しく知りたい方は、こちら!CHIMAKOさん、ありがとうございます!!!


*4:黒田かをりさんの活動について、ジャーナリストの吉田鈴香さんがご自身のブログにて詳細に紹介されています。ぜひご一読ください→こちら


*5:現在は64ヶ国で1,373団体がSA8000を取得していて日本でも研修を行っていますよ





Friday, December 7, 2007

ふれあい奮闘記 第1話「成都へ ―The Beginning…」






みなさん、こんにちは。三富です。





今年4月に華々しく中国・成都にオープンした「ふれあいの場」。


f:id:japanfoundation:20071129141218j:image





四川省の省都であり、歴史的遺産も豊富で、国家歴史文化名城にも指定されている成都は、海外の文化についても幅広く受け容れる土壌が備わっているといわれます。


そして、この成都に、J-POPやファッションなどの最新の日本情報を提供する場、また日中の市民交流活動の拠点としての「ふれあいの場」第一号が開設されました。





開設までの約3ヵ月にわたる奮闘の様子を、今日から「ふれあい奮闘記シリーズ」として担当の佐治さん(日中交流センター)に語っていただきます。





第1話となる今日は、着任早々、慌しく成都へ出張するまでをお届けします。






● The Begining・・・





中国の至るところに日本の文化センター(「ふれあいの場」)を作るという構想自体、はじめに聞いた時は夢のような気がした。


当時はふれあいの場事業に自分が係わるということは夢にも思ってなかったので、まあ、そういうこともいつかは可能なのかな?というぐらいにしか考えていなかったが、実際に「ふれあいの場」第1号拠点を中国の成都に作る事業に係わることが決まった時に、全く夢としか思えなかった事業が、自分自身の係わり如何によって実現するかもしれないという、チャレンジ精神を掻き立てたことは間違いない。


しかし途中からの参加であったため、如何せんどこまで作業が進んでいるのかがわからない。情報不足!更にオープンが3月中とあって、参加した時点ではもう11月も下旬に差し掛かっている。間に年末年始があったり、中国では2月が旧正月(春節)もあることから、実際にオープンするまでに使える期間は3ヶ月!





まず何をしたか。情報収集である。とにかくそれまでの主担当者から情報を聞き出し、更にそれまでこの事業に関係ある外部の人たちに片端から会うようにした。とは言ってもほとんどの関係者が中国にいることから、着任早々、中国の成都に飛んだ。





中国自身、それまで3回くらいしか行ったことがなかった。ましてや四川省の成都のように内陸部ともなると、全く中国のどこにあるのかも想像すらできなかった。パンダや激辛四川料理くらいしか思い浮かばない。





ガイドブックも買う暇もなくそのまま上海経由で成都へ。もう既に11月末ともなると、肌寒かった。





今回の大きな任務は「ふれあいの場」の建設予定地となっている建物のオーナーである中日友好会館と実際にプロジェクトを進めるのか、進められるのか、作業工程を確認し、お互いで合意をすることである。





それまでメールや電話でしかやり取りをしていなかった人たちと会うのも楽しみだったが、写真でしか見たことがなかった建設予定地を実際に見るのも楽しみだった。





上海経由で成都に到着。着いたのは昼過ぎだったが、空は厚い雲で覆われ、天気は正直言って良くなかった。後からわかったことだが、成都は1年中ほとんど晴れることはない。日中、たまに日光が雲の隙間から覗くことはあるが、稀である。この時から4ヵ月後の「ふれあいの場」の開設日は珍しく晴れた。









夢のような構想を現実のものとするため、4ヶ月後の開設を目指し、日本と中国とを往復する多忙な日々を送った佐治さん。


幾多の困難をいかにして乗り越えて、2007年4月の開設にこぎつけたのか?


第2話をお楽しみに。





Wednesday, December 5, 2007

世界の言語で新年のあいさつを。



いよいよ師走になりました。


本屋さんの前で「一気にやらない大掃除」というキャッチコピーに目を奪われたミカンです(^^;)


クリスマスに忘年会、皆さんなにかと慌しいこの季節ですが、ほら、見て!!!


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こんなイルミネーションを見ると、会社帰りにも気持ちが和みますね。(アークヒルズ・カラヤン広場付近より。)





あっ、そろそろ年賀状が、グリーティングカードを書かなきゃ…と思ったあなた!


海外の友人に送るのなら「あけましておめでとう」をその国の言葉で添えてみたい☆ですよね。


というわけで、謹賀新年 ~まずはお隣のアジアから始めましょ。





中国なら・・・  恭賀新年


タガログ、 Manigong bagong taon!


マレーシア、インドネシア Selamat Tahun Baru


ロシア С Новым годом!





ん、お隣の韓国は?? 새해 복 많이 받으세요.





せっかくなので、韓国でのお正月の過ごし方について、聞いてみました!

ジャパンファウンデーションには、世界から中学・高校の先生方を日本に招へいする事業*1を行っているのですが、来日中の先生方に基金職員Eさんと同行した韓国交流財団(Korea Foundation)*2の方が、答えてくださいました♪





韓国のお正月はどうやって過ごすの?家族で?恋人と?



もちろん家族と!



え、じゃあ韓国の一家が過ごす「とある新年の一日」ってどんなかんじなんでしょうか?



新年は親戚一同が(遠縁の親戚も含めて)集う、一年の中でも数少ない機会なんです。こんな親戚大集合の機会は、後はチェソクといって日本のお盆のようなものぐらいです。親戚が集まってチェサという祖先を敬う儀式を行います。



花火とか打ちあがったりするの?



いや、花火って結構韓国では新しいです。



初詣とか行くのかな?



ううん、仏教じゃない限り特にいかないよ。



そういえば、韓国では意外にもキリスト教徒が多いんですね。


お正月の料理ってあるの?何を食べる?



トックスープが多分一般的かも。



トックスープって何? どうやって作るの?



トックというのは、お米で出来た棒状のおもちのようなものをスライスしたものです。日本のおもちよりも少しやわらかくて、どちらかというと白玉のような感じです。それに牛肉や卵を入れて、スープを作ります。



*作り方*


http://www.asahi-kasei.co.jp/saran/recipe/0706.html


みなさんもトックスープ挑戦してみてはいかが?





さてさて、今日はちょっと早めのお正月をご紹介しましたが、当ブログで恒例の世界のクリスマスシリーズも近日中に掲載予定です。お楽しみに*^^*




*1:1972年の設立当初から継続して実施しているもので、これまでに全世界から招へいされた中学・高校の教員は7000人に達しようとしております。


*2:韓国の芸術と文化を紹介する雑誌Koreanaのサイトもぜひご覧下さい!





Monday, December 3, 2007

世界の○○感謝の日シリーズ vol.3 ~サンクス・ギビング:ターキーからピカチュウまで((オレペコより:vol.1~バリの神様編~はこちら。vol.2~インド「師匠の満月」編~は こちら。))~






ニューヨーク事務所の赤澤です。

ブログチームから、「アメリカのサンクス・ギビングってどうなんですか?」というお題をもらっていたのですが、さてどうしたものかと思案しているうちに、サンクス・ギビングが終わってしまい・・・そこで、急遽、アメリカ人の同僚への突撃インタビュー企画に変更しました。話を聞いたのは、11月からニューヨーク事務所のスタッフとして採用され、知的交流事業の仕事を一緒に担ってくれることになったメラニーさんです。JETプログラム*1で鳥取県に3年勤務したこともある日本通の彼女は、元祖サンクス・ギビング!?ともいうべき人物のようで・・・・



 今年のサンクス・ギビングはどうすごしたの?


f:id:japanfoundation:20071122103923j:image:right パートに友達が遊びに来て、伝統的なごちそうを用意してみんなで食べたんだけど、ほとんどの友達はアメリカ人じゃなくて、「始めてのサンクス・ギビングだ!」とよろこんでました。

山ほどごちそうを食べて、おしゃべりして、メイシーズパレード中継をテレビで見て*2、と、まあいつもどおりのサンクス・ギビングって感じだったかな。私が料理したのは、ターキー、クランベリーソース、マッシュポテト、マッシュスウィートポテト、コーンブレッド、グレービーソース、パンプキン・パイなどなど・・・





なんかすごいご馳走だね。うちも友達が遊びに来たけど、メインは、チキンの丸焼きでした(笑)。ところで、超基本的質問で恐縮なんだけど、なんでターキーなの (・_・?)


 統的なサンクス・ギビングのごちそうに使われる食材の多くは、もともと北米で栽培されていたものです。入植者はアメリカ大陸に渡ってきてはじめての厳しい冬に遭遇して大変だったのですが、近隣のネイティブ・アメリカンが、とうもろこし、スクウォッシュといった食料を分けて、助けてくれたのです。


プリマス植民地の最初の入植者の一人である、ウィリアム・ブラッドフォードという人が記した「プリマス植民地の歴史」という書物に、「ネイティブ・アメリカンへのお礼(サンクス・ギビング)の宴のごちそうに、鳥でも捕まえてこいと、植民地の知事が部下を狩りに行かせたところ、ターキー、カモ、ガチョウを捕まえてきた」というくだりが出てきます。そこから、ターキーがサンクスギビングの象徴みたいになったんですね。





 知事の部下さんは、「ちぇっ」とか言いながらしぶしぶ狩りにでかけたんですかね(^▽^;)。ま、それはさておき、メラニー、なんでそんな歴史に詳しいの?


 の一家は、実は、サンクス・ギビングの開祖ともいうべき、最初のプリマス入植者の末裔で、私の14代前の先祖のマイルズおじいさんは、プリマス植民地の警備隊長だったんです。彼は、最初の入植者達と一緒にメイフラワー号でアメリカに渡り、「メイフラワー誓約書」という、プリマス植民地の経営方針を定めた文書に署名したメンバーの一人であったそうです。また彼は、その先祖の生まれ故郷であったイングランドの町の地名にちなんで、マサチューセッツにダクスベリー(Duxbury)という町を開いたと言われています。彼の話は、ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー(19世紀、アメリカの詩人)の「マイルズの求婚」という詩にも出てくるのですが、若い女性に恋をしたマイルズが、自分の気持ちを友人に託してその彼女に伝えようとしたところ、事もあろうに友人がその女性と結婚してしまった、という、これはサンクス・ギビングには関係の無いお話ですけれど。





: マイルズ隊長。恥ずかしがり屋さんだったのかな(*^^*)。でも、まさに元祖サンクス・ギビングじゃない? すごいねー。でも、JETで鳥取県に派遣されてた時は、さすがにターキー手に入らなかったでしょ?


 語補助教員としてJETプログラムで鳥取県の福部村*3に派遣されていた時のことですね。


f:id:japanfoundation:20071203115238j:image:right サンクス・ギビングは、アメリカの文化としても、私の家族の歴史にとっても重要な行事なので、ぜひ生徒たちに紹介したかったんです。そのためにはやっぱり、伝統的なごちそうが欠かせないと思って。でも、近所のスーパーでは、ターキーが手に入らなかったので、神戸の輸入食品会社を通じて、特別発注しました。それでターキーは手に入ったんですけど、大きなオーブンが、村のどこの家庭にも無くって、村のコミュニティセンターのキッチンを使いました。センターのスタッフが協力してくれたのですが、みんな巨大なターキーにびっくりしていました。ターキーが焼きあがったところで、学校に持っていって子供達に食べてもらったのですが、子供達も「こんな大きな鳥みたことない」と大騒ぎでした。





 メラニー先生の、ターキーを通じた文化交流授業だね。


 うすぐ年末だけど、日本のお盆とか年末年始は、みんな家族が帰省して、ごちそう囲んで語らいますよね。これは、アメリカのサンクス・ギビングに近いんじゃないかなと思いますよ・・・




・・・ということで、年の瀬も近づき、ふるさとに帰省できない私は、ちょっぴりしんみり、のインタビュー締めくくりとなりましたが、日本のみなさま、少し早いですが、行く年を振り返りながら、ご家族のみなさんとよい新年をお迎えください(^^)/





・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。




*1オレペコより:正式名称は、The Japan Exchange and Teaching Programme. そういえば、中学校の英語の時間に若い外国人の先生がアシスタントでいたなあ、、、とおぼえていらっしゃる方も多いはず。概要はこちら→


*2:アメリカのデパート、メイシーズ(macy*s)がスポンサーになって毎年行われるパレード。アニメや映画のキャラクターなどの巨大なバルーンが挙がることで有名(HPはこちら)。一昨年は、日本のPuffyが登場して話題になりましたが、今年は始めてハローキティが登場したというので、盛り上がっていました。もちろんピカチュウも・・・


*3:市町村合併により、現在は鳥取市の一部になりました





Friday, November 30, 2007

 「をちこち」フランス特集号いよいよ明日発売!






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こんにちは『をちこち』編集担当の西納です。最近東京はめっきり寒くなってきましたが、皆さんお元気でしょうか。『をちこち』第20号の制作を終えて、ボジョレーヌーヴォーのグラスを傾ける機会も得て、人間的な生活を取り戻した今日この頃、12月1日の発売を前に今号の紹介をさせていただきます。





2008年は日仏交流150周年、また2007年は基金の海外拠点の一つパリ日本文化会館開館10周年です。『をちこち』第20号では、フランスを特集しました。








日本人の多くにとって、フランスは欧州の中でもなんだか親近感を感じる国ではないでしょうか。ファッションやグルメ、旅行など、いろんなメディアで楽しく紹介されることが多いフランス。何をどう取り上げてフランス特集をしようか、編集部でもだいぶ検討しました。その結果、やはり基金らしく(!)今回は「文化」を正面から取り上げることにし、テーマを「フランス 都市の文化力」として特集を組みました。(詳しい目次はこちら





文化大国、という枕詞も似合うフランスですが、文化大国を構成する“文化都市”と言いましょうか、パリのみならず特に地方都市がどのように文化によって活気づいているか、普通の人々の普通の生活にどのように文化が普通にあるのか、といったことを紹介していく特集になっています。





巻頭対談の2名は、最近『世界文学全集』(河出書房新社)の刊行で話題を集めている池澤夏樹さんと、在仏30年を超えフランスの様々な素顔を執筆活動を通じて日本に紹介してくださる飛幡祐規さん。フランスでの日常生活において感じられる文化、社会観・価値観、教育などについて語ります。





その後は、4つの街を取り上げて、様々な文化の在り方をレポートします。歴史遺産と現代芸術が融合するダイナミズムを活かした都市政策を展開するリヨン。経済的に衰退していた街に文化事業によって活気を取り戻したリール。治安の悪い場所の環境を向上させた国立ダンスセンターのあるパリ近郊のパンタン。フェスティバルに活気づく人口5万人の小さな地方都市シャロン・シュル・ソーヌ


それぞれの地域の様子が分かる写真をたくさん盛り込んで、読み応え・見応えのある号となりましたので、是非読んでみてください☆








さて、今号から(10月~)、新たなメンツが『をちこち』編集部に加わりました。せっかくなので、ちょっとここで登場してもらいたいと思います。


『をちこち』第20号の制作、お疲れ様でした。振り返ってみていかがでしたか?



はじめまして。『をちこち』サブ担当の内田です。『をちこち』流の編集スタイルは初めてということで、手探りしながらの作業でした。それだけに、完成本を手にしたときは感激もひとしお、やっぱり「嬉しいなぁ・・・!」という気持ちがこみあげてきましたね。写真の選定や原稿の校正など、すべての工程に関わるので手作り感があるというのでしょうか。編集スタッフはもちろん、色んな方の思い入れのつまった、温かみのある雑誌だと感じました。



特にお気に入りの記事はどれですか?



A:池澤夏樹さんと飛幡祐規さんの巻頭対談は、それぞれユニークな視点を持ち、ほかにも多くの執筆をされているおふたりが、フランスに移住して感じたリアルなフランスの文化を語るという贅沢な内容だと思います。私はこれをきっかけにお二人のほかの著作を読み始めて、さらにディープなお二人の世界にはまりました。『をちこち』の記事を入り口にして、そんな楽しみ方もお薦めですよ。



読者へのメッセージ、ひとこといただけますか?



私自身がまだ一読者の気分で楽しんでいますが・・・、『をちこち』は知的好奇心を十分に満たしてくれる、他にはない切り口が魅力の雑誌です。毎号新しい「発見!」をお届けしますので、どうぞご期待ください。



というわけで、『をちこち』のフランス特集号、どうぞお楽しみに!





Thursday, November 29, 2007

国際展を考える・・・Part2



一昨日、松岡さんから


横浜トリエンナーレ2008公開シンポジウム 「国際展にいま問われているもの」


についての報告がありました。そういえば。偶然みかんも「国際展」についてのシンポジウムに行ってきたのです~。




一昨日まで新宿パークタワーで開催していた「第1回リスボン建築トリエンナーレ帰国展」*1。ご覧になった方はいるかしら??えーっ、リスボン?そんなのあったんだ、という人も多いかもしれません。

Trienal de Arquitectura de Lisboa(Lisbon Architecture Triennale)の公式サイトはこちら。*2





実は、日本での帰国展開催にあたり、3日連続の記念シンポジウムがあったんです。


その初日11/23(祝)に開かれたシンポジウムのテーマが、





「国際展×東京」。




パネリストに五十嵐太郎さん、北川啓介さん、暮沢剛巳さん、寺田真理子さん*3を迎え、司会はシンポ企画者の大西正紀さん。各々の視点から「国際展」をめぐるディスカッションが繰り広げられました。





たとえばトップバッターの北川さんは建築家かつ出展者の立場から、五十嵐さんはコミッショナーとしての立場から発言。リスボン建築トリエンナーレは、今年初めて開かれたトリエンナーレで、全体テーマ「URBAN VOIDS」のもと、地元ポルトガル、オランダ、中国他、12カ国が展示を行いました。




北川さんいわく、日本の展示空間は、会場の中である意味「目立っていた」のだそう。*4





・・・なぜかって??





理由の一つとして複数の作家によって密度の濃いサブカル的な空間が出現していたこと、また展示に携わって作業をする人たちの人数がとにかく多かった!らしいのです。良い意味でのごちゃごちゃ感のある東京風景かもしれません・・・。

資金も限られていた今回のトリエンナーレで力を発揮したのが、大学でも教鞭を執っておられる北川さんのもとの大学院生の皆さん。大勢が動き回ってちゃくちゃくと進められる展示作業は、それ自体が日本のキャラクターを象徴しているようでもあった、とのコメントには、なんとなくうなずけるような気がしました。*5








美術評論を専門とする暮沢さんからは、なぜ今「建築」のビエンナーレ、トリエンナーレが世界で広まりつつあるのか?ということについてのコメント。美術展では、例えば絵画作品そのものがプレゼンテーションされるのに対して、建築展では、建築そのものが展示できるというわけではない―つまり模型であったり、写真や図面であったり、建物そのものでないというある種の制限が避けられないわけですが「国際展」という形態は、その制限を緩めることができるのでは、ということでした。


というのも、ヴェネチアに代表される国際展は都市そのものを舞台に、街の通りで、市民の間で、流動的に展開していくものだからです。都市計画や町おこしと密接につながった「国際展」だからこそ、建築の展示のあり方にも可能性を開いてくれる。この意見はパネリスト間でも共有されていた様子です。





まだ第1回が開かれたばかりのリスボンですが、今後の展開が楽しみです。みかんもいつか見に行ってみたいなぁと。


はるか西の果てで見る東の日本像ってどんな感じなのでしょう?それだけでもわくわくします。





それにしても、日本の建築界、なんだかんだいって盛り上がっている印象を受けました。


21世紀の「国際展」はまだ始まったばかり。ジャパンファウンデーションも、日本で、海外で、国際展を通じた文化交流の可能性を皆さんと一緒に探っていけたらと思います。


ではでは、今日はこのへんで!




*1:ジャパンファウンデーションではポルトガルでの展示を助成しました。


*2:ポルトガル南部のリスボンで、5月31日から7月31日にかけて行われた国際建築展。会場はアルヴァロ・シザ(Álvaro Siza Vieira)によるパビリオン。もともとは1998年のポルトガル万博のために設計されたもの。シザの空間で展示できる、ということ自体が、関係者にとっては同展の大きな魅力になっていたのだとか。たかがハコ、されどハコ。


*3:オランダ建築博物館勤務を経てキュレータとして活躍中の寺田さん。Y-GSAという横浜国立大学大学院建築都市スクールの取り組みを紹介しておられました。創造都市として知られる横浜を舞台として、ここにもまた行政と研究機関と建築家がコミュニケーションをとりながら新しい動きが生まれているようです。クリエイティブシティ論についてはJF発行の「アート戦略都市」もご覧下さいませ。


*4:展示会場の様子はこちらのサイトでも紹介されています。


*5:ビジネスのスタイルにお国柄があるように、展示や、おそらく建築の完成していくプロセスひとつとっても、国によってさまざまなのでしょうね。今年度に開かれる某展覧会では、1月の開催だというのにまだオープンの日程が決まっていない!という例もあるようで、こんなことも日本だったらなかなかありえないお話です(^-^;





Wednesday, November 28, 2007

 晩秋の北浦和より♪



f:id:japanfoundation:20071127110255j:image:left:w250


こんにちは、NCニコです。秋・・・というかもはや冬ですね。日本語国際センターNihongo Kokusai Center)の中庭もご覧のとおりきれいに色づいていて、本当にいい季節を迎えたなと思います。中庭には小ぶりな日本庭園があって、大きな鯉が泳いでいます。


o@(^-^)@o。





f:id:japanfoundation:20071127120217j:image:right:w250日本庭園のとなりには而学堂(じがくどう)という名前の日本式家屋があり、海外の日本語教師の方々の研修プログラムの中で、生け花や書道、茶道、着物の着付けなどのデモンストレーションを行っています。また、庭にはテニスコートとバレーボールコートがあり、研修の合間に疲れた心身をリフレッシュできるようになっています。





f:id:japanfoundation:20071108151222j:image:left:w250←ときにはこんな風に中庭で授業が行われていることもあります。まさに秋の日の青空教室、です。NCニコの座っている執務スペースからちょうど見えたので「あら、ステキ☆」と思い、窓越しについシャッターきってしまいました


ヾ(⌒ー⌒)ノ





あああ





f:id:japanfoundation:20071127155851j:image:left:w250この秋冬、NCでホットな話題はずばり、ラジオ体操です。長いものだと半年を超える研修期間中に、研修参加者の方々が体調を崩すことも結構あるのです。勉強詰めの毎日を送っているとどうしても運動不足になりがち、というのは個人的にも覚えがあります。そんな中で、NCの竹田研修事業課長と岩田専任講師の発案で、少し前から「授業のあとのラジオ体操」が定期的に行われるようになりました。








↓↓↓こんなポスターをあちこちに貼って参加を呼びかけたりもしています。考えてみればラジオ体操って、日本で義務教育を受けた人ならきっと誰でもできる体操ですよね。私の友達で、日本語ぺらぺらで日本文化に造詣の深い外国の人たちに「ラジオ体操できる?」と聞いてみたところ、「できない」という声が大半でした。そういう意味では、海外各国で日本語を教えている教師である研修参加者の皆さんにラジオ体操を覚える機会をもっていただくことは、健康増進という目的以外にも、意味の大きなことかもしれません。


あああああああああf:id:japanfoundation:20071127174553j:image:h250


・・・ラジオ体操によく参加している研修生に感想を聞いてみました。




NCニコ:ラジオ体操はどうですか?あなたの国にも似たような体操がありますか?


研修参加者A:インドネシアにも似たような体操があります。インドネシアのものは音楽がもっと楽しい感じで、ぴょんぴょん跳ねる動きが多いです。でも、日本のラジオ体操も楽しいです。(長期研修)


研修参加者B:フィリピンにはこういう体操はありません。ラジオ体操は初めは順番が全然覚えられなくてわけが分からなくなってしまったりしましたが、気分転換になるのでいつも参加しています。(長期研修)


岩田専任講師:はじめてみたら研修参加者のみんなに大好評で、ひくにひけなくなってしまいました(-ω-;) 休日返上で毎日ラジオ体操ですよー。NCニコさん、写真ばかり撮ってないでもっと体操にも参加してもらいたいですね~!



岩田先生、スイマセン。ポスターづくり(色塗りしました、、、)で、すっかりラジオ体操に貢献したつもりになっていました


m(*TT*)m





ところで、NCには日々、外部の日本語教育関係者、日本研究者等のお客様がかなりたくさんいらっしゃいます。11月はGCC諸国(クウェート、オマーン、UAE、バーレーン)の教員の方々(外務省による招へい)、北米・南米各国の日本研究司書の方々(ジャパンファウンデーションのグループ招へい)、さいたま市日本語教育ボランティアの方々等がいらっしゃいました。





今月の最後のお客様は11月27日にいらっしゃった、カーティン工科大学 Curtin University of Technology(オーストラリア)のジネット・ハケット学長(Prof.Jeanette Hacket)でした。ジャパンファウンデーションの文化人招へいプログラムで来日したハケット学長は11月25日から約2週間の日程で東京、神戸、京都等をまわり、日本国内の大学関係者との懇談等を行います。





当センター副所長から業務内容をご説明させていただいた後、センター施設全体を見ていただくため館内をご案内しました。ハケット学長は



『本当によく整備された施設で、海外から来る日本語教師の人々が勉強するために非常によい環境が整えられている。すばらしい!』



と絶賛してくださいました(o^∇^o)。今回、初めての来日だそうですが、到着されてから数日見た東京の様子を



『街並みの随所にやわらかさ(=softness)を感じる』


とおっしゃっていました。カーティン工科大学(オーストラリア西部の街、パースPerthにあります)には日本語を勉強している学生が約300人いるそうです。さすがオーストラリア*1、日本語学習者がたくさんいるのですね。





f:id:japanfoundation:20071127105259j:image:right:h250ご訪問いただいた記念に、紅葉をバックにスナップを撮らせていただきました。ハケット学長、どうもありがとうございました♪




後になりますが、NCのウェブサイトをリニューアルしましたので、ぜひこちらをご覧いただきたいと思います。これまで何度かご紹介したDVD教材『エリンが挑戦! にほんごできます。』に登場するCGキャラクター「ホニゴン*2」を、思い切ってトップページに掲載しました。皆さんにこれまで以上に親しんでいただける情報発信を目指して、今後も内容の充実に努めていきたいと思います。


それではまた、北浦和からお届けします☆




*1国際交流基金の2006年海外日本語教育機関調査によると、オーストラリアは世界で3番目に日本語学習者が多く、36万人以上の人々が日本語を勉強しています。


*2:オレペコより:浦和のトップページにいる、黄色いキャラクターのことです。ちなみに!!!オレペコも今気づいて確認したのですが、このホニゴンって、日本語(ニホンゴ)の先生だからホニゴンというらしい( ̄▽ ̄;)タラリ・・・まるで、DENIM(デニム)→EDWIN(エドウィン)のようですな・・・





Tuesday, November 27, 2007

世界で日本はどう受け止められているのか?






みなさんこんにちは、オレペコです!





ご覧になった方も多いと思いますが、先週の21日(水)から25日(日)までの5日間、読売新聞の1面に「日本(第6部:海の向こうから)」という記事が連載されていました。この特集、「世界で日本がどう受け止められているかを探る」ことを主眼とした企画だったので、国際文化交流を生業とするジャパンファウンデーション職員としては、非常に興味深く読んだわけです( ̄Λ ̄)ゞ んむっ




たとえば、その第一回目の記事(21日)は、1面にドンとコスプレをしている外国人のカラー写真が掲載されていました*1。キャプションを見てみると、ニューヨークのマンハッタンのど真ん中にある、紀伊国屋書店で開かれた「マンガ祭り」のひとコマ。そうです、今や世界のあちこちで、コスプレをした若者が見られるんですよ。。。





この特集がおもしろかったのは、1面でさまざまな切り口から日本に対する見方・事象を紹介した上で、別のページに関連インタビューを載せていたところ。大局的な視点から全体像を描く記事と、いろんな分野で日本にかかわりを持つ「個人」の意見をまとめたインタビュー。両方あるっておもしろいですよね。





初日のインタビュイーはタイの作家/アーティスト、プラープダー・ユンさん。彼は日本文化の特色を「大衆化にある」といいます。



日本のアニメやマンガ、カラオケは、ものごとを単純化し、共通理解を持たせ、人々を結びつける媒体になっている。単純化、あるいは余分なものを排除して最小限の形でものごとを表現することは、日本文化の伝統だ。たとえば浮世絵。単純化しつつも、細部にこだわる。


読売新聞11/21(水)朝刊p.6より



単なる「単純化」「抽象化」ではなく、そうしつつも「細部にこだわる」というのはその通りですよね。

さらに、彼が日本に惹かれる最大の理由は「人間と自然がある意味で対等の関係にあること」なんだそうです。自然を「征服の対象」としてではなく、むしろ畏れ多いものと考え、大切にしてきた日本人。当たり前のように自然が文化に入り込んでいる日本。そういったところに惹かれる外国の方は多いようです*2





ちなみに、なぜ彼を特段取り上げてご紹介するかといいますと・・・




プラープダーさんといえば、ジャパンファウンデーションが2004年12月から05年1月に実施した”Have We Met?―見知らぬ君へ”という企画展のキュレーターのお一人です*3。また、タイ、日本、オランダ、フランス、シンガポールの5カ国合作のタイ映画、 『地球で最後のふたり』(主演:浅野忠信*4)の脚本家さんでもあります。・・・と。ここでちょっとJFトリビア♪なのですが、この『地球で最後のふたり』の主人公ケンジ(浅野さん)は、当時わが国際交流基金のバンコク日本文化センターに勤めていた吉岡職員がキャラクター・モデルになってるってご存知でしたか???ほぼ日刊イトイ新聞のコラムで、プラープダーさんとの出会いから映画の見どころまでを広く語っていますのでぜひご覧くださいっ()。







 




(ちなみに吉岡職員、この小説↑↑↑の翻訳もしています。)





その他、この読売新聞の特集では、世界に広まる和食ブーム(22日)、世界の対日本評価に比べ日本人自身の自己評価が低いこと(23日)、古き良き日本の伝統・美徳を受け継ぐ日系人の方から見た「今の日本」(24日)、海外の日本研究機関の激減と中国研究の台頭(25日)等々、日々私たちジャパンファウンデーション職員が直面している課題をいくつも取り上げていました。





これから国際交流に携わりたいと考えている方々にも、参考になる視点を与えてくれる特集だと思うので、ぜひぜひ、図書館などでご覧になってみてくださいねー 


(o^∇^o)ノ


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*1:お手元にない方にはイメージができませんよね、ごめんなさい。ウェブで探していたら、小沼ゆりいかさんという方が、ブログに写真を掲載していますよー。これでイメージ、つかめるかしら?→


*2:プラープダーさんの「日本観」にもっと触れてみたい!という方、朗報です。12月上旬、氏の日本観をつづったエッセイ集『座右の日本』が発売される予定なんです!詳細はこちら→。新刊が出るのを記念して、その制作背景を紹介する対談記事がでました(12/6)!吉岡職員も登場します。ご興味のある方は、ぜひぜひこちらへ(vol.1, vol.2, vol.3)。


*3:展覧会概要はこちら→。また、これに関連してプラープダーさんを紹介した記事はこちらにあります→


*4:あっ!偶然今日は浅野忠信さんのお誕生日のようです!!!奇遇だー。





Monday, November 26, 2007

横浜トリエンナーレ2008公開シンポジウム「国際展にいま問われているもの」






皆さんこんにちは、松岡です。


またもや時間が空いてしまいましたが、今回も前回に引き続き「横浜トリエンナーレ2008」の話題をお届けします。





実は先日、


横浜トリエンナーレ2008公開シンポジウム 「国際展にいま問われているもの」





と題した公開シンポジウムが開催されました。今日はその模様をごく簡単にですがお届けしようと思います。





が、その前に、そもそも「横浜トリエンナーレ」って何ですか?という方へ。





横浜トリエンナーレは、3年に1度横浜で開催している日本最大級の現代美術の祭典です。


美術館で開催されている展覧会に比べ規模も大きく、また建築、デザイン、ファッション、映画、音楽、パフォーミングアーツなど様々な芸術分野とのコラボレーション企画も関連プログラムとして同時進行するのが、大きな特徴の1つです。そうした様々なプログラムを、今回の横浜トリエンナーレ2008では、新港地区にある3つのメイン会場とその周辺環境を舞台に、2008年の9月から11月にかけて3カ月間展開します。


ジャパンファウンデーションは横浜市やNHK、朝日新聞社とともに横浜トリエンナーレ組織委員会をつくり、2001年2005年と過去2回横浜トリエンナーレを実施してきました。横浜トリエンナーレという1つの機会が、国内外の第一線で活躍するアーティストが表現をする場となると同時に、世界中の多様な文化、様々な価値観を背景に生まれる卓越した表現に多くの観客が触れるきっかけとなり、またそこでのコミュニケーションを通じて国際文化交流や相互理解の進展に寄与することを目指して実施している側面もあります。





より詳しい情報は、公式HPへ








さて、横浜トリエンナーレ2008の開幕まで1年を切りましたが、昨秋の記者発表以来、国内では長らく準備状況を公式に発表する機会がなかったという経緯があります。そういったこともあり、冒頭は水沢勉総合ディレクターによる準備状況の中間報告から始まりました。ただ今回は「作家は最終的に決まった段階で一斉に発表したい」という方針で進めているため、横浜トリエンナーレ2008のより具体的な話はあまりありませんでした。


しかし、シンポジウムのタイトルである「国際展にいま問われているもの」というテーマについては、今回のキュレーターが世界各地の国際展(ビエンナーレ、トリエンナーレ)でのキュレーション経験豊富な人たちであることもあり、国際展の現状であったり、その課題について幅広く話を聞くことができたと思います。





2007年は、夏にヴェネチア・ビエンナーレ、ドクメンタ(ドイツ・カッセル)、ミュンスター彫刻プロジェクトといった国際展が続き、秋にはリヨン・ビエンナーレ(フランス)、イスタンブール・ビエンナーレ(トルコ)、アテネ・ビエンナーレ(ギリシャ)と国際展が続いてきました。2008年はアジア大洋州地域で、シドニー、上海、光州、シンガポール、そして横浜と続く予定です。この状況に対し、バーンバウム氏からは、「現在、世界各地で同じような国際展が開催されており、昔は数も少なかったのでそれらを見ることが職業の人にとっても、一通り見ることは可能であった、しかし今となってはもう不可能」という話があり、また「かといってそれら一つ一つにどれだけの差異があるのだろか」という指摘もありました。実際、こうした状況下で横浜トリエンナーレは何ができるのか、どうしたらわざわざ横浜まできて観ようという形になるか、というディスカッションが、これまでキュレーターチームの中でも幾度となく議論されてきてます。





現代の状況では「資本」というファクターを見逃すことができないという話もありました。資本主義のルールによって様々なこと(作品価値であったり、流行のようなものであったり)が決定されるなか、キュレーターの役割自体が問われているという指摘もあり、この点についてはルフ氏からも、今こそキュレーターの役割を見つけるべきではないかという意見も出ていました。





オブリスト氏からは、「『国際展』のA to Zを作ろうとしている」という話から、"Bridge"とか"Dialogue"とか"Transnational"といったキーワードが出されました。さらに、例えば"Transnational"に関しては、歴史あるヴェネチア・ビエンナーレは国別参加という形で始まってきた経緯があるが、現代の国際展においては「国と国という枠を超えるのが1つのカギではないか」、「国際展が1つの『国境線』となるのかもしれない」といった暗示めいた言及もあり、まさに「国際展にいま問われているもの」を考える上で貴重な問題提起がなされました。





「国際展の場がいかに大きな器となって、コミュニケーションの場となりうるか」という発言もなされ、数ある中の1つの展覧会、というワクを越えた、「何らかの重要な1つのきっかけ」としての横浜トリエンナーレ像について、ディスカッションされている印象を持ちましたが、今回全体を通じて個人的に強く感じたのは、キュレーター陣全員がこの横浜トリエンナーレ2008という機会を真面目に考えているという印象でした。自分自身も、まだまだこれから横浜トリエンナーレ2008がどうなるか読めませんが(?)、今年度中には作家の情報もわかる見込みのようですので、是非お楽しみにお待ちください!





今回のシンポジウムの簡単な報告は、追って横浜トリエンナーレ2008のHPを通じて行われる予定ですので、ご関心のある方はそちらも是非ご覧ください。





Wednesday, November 21, 2007

世界の○○感謝の日シリーズ vol.2~インド「師匠の満月」編~






先月のブログ編集会議でのひとコマ。


A:11月は勤労感謝の日で連休があるねー。やったー!

B:そういえば、アメリカも同じ時期にサンクス・ギビングでお休みだよね。ターキーの丸焼き、食べたい!
C:サンクス・ギビングって、日本語では”感謝祭”って訳されてるけど、実際何に感謝する日なのかな*1

一同: ・・・     ( ̄ー ̄?).....??アレ??


このあと急いでウェブで調べてみると、実は 

世界にはいろんなもの・ことに感謝する日がある
ことが判明!そんなやりとりから始まった「世界の○○感謝の日」シリーズ、第一回目のインドネシア・バリ編につづき、今日はインド「師匠の満月」編をお届けしましょう!オレペコと同じ部署で働く、シタール使い*2の稗田礼三郎氏(?)からの報告です!




・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。 

インドでは7月から8月頃に来る満月の日を「グル・プールニマー」と呼びます。グルとは「師匠」、プールニマーとは「満月」。習い事をしている師匠にご挨拶に伺う日です。この日は、ヒンドゥー教の聖典ヴェーダの編纂者であり、大叙事詩『マハーバーラタ』の作者でもあるヴャーサが生まれた日といわれています。ヴャーサこそ師匠中の師匠だと考えて、この日を師匠に感謝する日にしているのです。




f:id:japanfoundation:20071121182036j:image:rightインドでは宗教にからむ行事は今も太陰暦にしたがって行われます。「師匠の満月」もインド暦でいうアーシャーダ月の満月のことで、その夜には、きちんと満月が見えます。もし、雨季の雲が途切れていれば……



私がシタールを習ったA先生は古い人で、自分の誕生日も太陰暦で数えています。先生の誕生日は「ブッダの満月」と呼ばれるヴァイシャーカ月、つまり、太陽暦4月頃の満月の日です。インドではお釈迦様が生まれた日、悟った日、死んだ日は、みな同じ日で、それが「ブッダの満月」の日です。A先生にバースデーカードを送るためには月の満ち欠けをチェックしていなければなりません*3




A先生は気難しい人で、約束のない日に訪ねて行っても決してドアを開けてくれません。「ベルを3回鳴らして反応がなければメッセージを置いて帰るように」というプレートがドアに埋め込まれています。そのドアが一日中開いていて、弟子たちなら誰でも来てよい、というのが「師匠の満月」の日なのです。バンスリ(インドの横笛)奏者のハリプラサード・チャウラシアさんも、その日には、なるべくコンサートの予定を入れずに、自分の師匠であるA先生のところに挨拶に来ます。ハリプラサードさんはA先生のところから自宅に帰ると、今度は、自分の弟子たちの挨拶を受けることになります。このように、インドでは、この「師匠の満月」を今も大切にしています。




インドの伝統では挨拶する場合、目下の人は目上の人の両足に手を触れ、その手で自分の額や胸に触れます。子供が両親に挨拶する場合もそうです。もっと本格的になると、ひざまずいたり、五体投地をしたりして、自分の額を目上の人の足につけます。目上の人は目下の人の頭に手をかざして祝福を与えます。




f:id:japanfoundation:20071121145319j:image:left

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ああああああああ



A先生は弟子が両足に手を触れて挨拶するところまでは受け容れますが、あまり自分が大きく扱われるのは嫌いなので、それ以上の格式ばった挨拶を弟子たちに許しません。先生は自分への挨拶よりも、集まった弟子たちが、自分のお父さんである大師匠の遺影に挨拶をすることを喜びます。A先生にとって「師匠の満月」に自宅を開放することは大師匠への敬意の表現であるようです*4




私にサンスクリット語を教えてくれたV先生も師弟の関係をことさらに強調するようなことは嫌いなタイプの人で、両足に手を触れようとすると「やめろ、やめろ」といって止めましたし、「先生、今日は師匠の満月です」というと「ほう、それがどうした?」と返事をするような人でした。




f:id:japanfoundation:20071121182316j:image:rightそのV先生も、A先生も、弟子たちからお金も物も受け取りません。自分が無償で学んだものを、無償で、誰かに教えるだけです。学ぶことには責任がともなう。その責任とは、教えてもらったことへの感謝の気持ちをもって、もらったものを誰かにあげること。私は、それを、この2人の先生から学びました。




V先生は今年8月2日永眠なさいました。先生が亡くなる4日前の7月29日は「師匠の満月」の日でした。その日、日本にいて挨拶に行けなかった私のことをV先生は思い出して話していた、と、先生の娘さんから聞きました。

V先生への感謝とともに、先生のご冥福をお祈りいたします。

あああああああああああああああ稗田礼三郎



*1:もともとは、神の恵み(収穫)に感謝する日だったようですが、最近ではその宗教的意味合いは薄れ「家族や親戚・友人が集まってターキーを食べること」がメインになっているようです。なんとなく日本のお盆のような感じですね

*2:シタールというのは、インドの弦楽器です。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ→

*3:オレペコより:毎年決まっていても、うっかりお祝いの言葉を忘れてしまったりすることも多いのに、月の満ち欠けまでチェックなんて大変ですね・・・

*4:A先生も自宅も撮影厳禁なので、マディヤプラデーシュ州にある大師匠の家の写真。各部屋は大師匠存命時のままに保たれて、近所の子供たちの音楽練習場になっている。ここを訪ねたとき、駅に降り立つと駅員に「君を捜している老人がいたよ」といわれたけれど、そこに知人などいない。あれは大師匠だったのだろうと信じている