Thursday, December 25, 2008

世界のクリスマス2008 ~マレーシアの場合~









☆”*。今日は12月25日クリスマスですね。* ”☆




蟹江が小学生のころ、クリスマス・プレゼントは自転車が欲しい!!といったら、

「うちは、神道で、キリスト教じゃないから、クリスマスにプレゼントはないよ」とあっけなく言われました。(涙)

ところで、他のアジアの国はどんな風に過ごすのかしら・・・?

早速、イスラム教、ヒンズー教、キリスト教、仏教と色んな宗教を持つ人々が住む国、

クアラルンプール日本文化センターにお伺いしてみました!







マレーシアは多民族の国*1 で、キリスト教徒の人口は10%に満たない*2 のですが、クリスマスのこの時期、ショッピングモールなどの商業施設は日本に負けないくらいクリスマス一色になります。

f:id:japanfoundation:20081225183415j:image←とf:id:japanfoundation:20081225183414j:image←は、

一時期世界一高かったペトロナスツインタワーの足元にあるKLCCというショッピングモールの吹き抜け広場のツリーですが、

これ、地下1階から地上4階までを貫通していて、多分国内最大のクリスマスツリーだと思われます。

因みにこういうショッピングモールの飾りつけは、イスラム教の断食明け、中華系の中国正月、ヒンズー教のディーパバリと、季節ごとのイベントに併せて色んなものが登場し、クリスマスだけが特別というわけではありません。

ここからは、クアラルンプール日本文化センターに隣接する、Megamallというショッピングモールで撮った写真です。f:id:japanfoundation:20081225183413j:image



この写真なんか、「これでもか!」と言わんばかりに量で勝負してます。




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↑は、多分中東からの外国人観光客と思われます。実は、マレーシアは中東からの観光客が結構多くて、7-8月のピークシーズンには黒ずくめの女性を至る所でよく見かけます。

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コーヒーショップの店員さん

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はMegamallのコンシェルジュ・カウンターのスタッフで、

多分皆さんマレー系(=イスラム教徒)と思われますが、サンタ帽を被っていたので「写真撮らせて」と言ってみたら、気軽にポーズを取ってくれました。イスラム教徒の同僚に聞いてみたところ、サンタ帽を被るのはについては宗教的に問題ないようです。

Megamallでは発見出来ませんでしたが、トゥドゥン(女性のイスラム教徒が被るスカーフ)の上からサンタ帽を被っているのを見た、という証言もあります。

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↑これは、ブティックの店頭のマネキンですが、こういう格好をして歩いている人は見かけません。

念のため。f:id:japanfoundation:20081225183407j:image←これは、

モールの中をきょろきょろしながら歩いていて発見したカップル。

男性が着ているのは、宮崎県の某草野球チームのユニフォームです。

クリスマスと何の関係もありませんが、気になったので「今、マレーシアの中の日本をテーマに写真を撮ってるんです」との口実に写真撮影をお願いしたところ、気軽にポーズをとってくれました。




マレーシア、いやぁ本当にいい国です。




因みに、先日キリスト教徒の友人宅を訪ねた際には、ドアにリースが飾ってあり、

家の中には小さなツリーと、たくさんのクリスマスカードが飾ってありました。

以上、まとまりがありませんが、マレーシアのクリスマス事情でした。





ふむふむ、マレーシアのクリスマス、なんとも楽しそうですね!!

宗教を問わず、イベントを楽しむその広い心、是非ともあやかりたいです。(そして、蟹江の両親にも是非伝えたい・・・)

日本は、12月24日のクリスマス・イブにメインにお祝いしますが、

本日25日がクリスマス本番です。

ちなみに、スーパーではクリスマスケーキがディスカウントで売っておりました!

今からでも宗教を超えて、楽しくお祝いするのもいいかもしれませんね☆



*1:マレー系(66%)、中国系(約26%)、インド系(約8%)、その他(1%)(在マレーシア日本国大使館ウェブサイトより)

*2:宗教別の人口:イスラム教徒59.1%、仏教徒20.2%、キリスト教徒9.1%、ヒンズー教徒6.5%(JISMOR, No. 1, 2005)




Monday, December 22, 2008

文化でつなぐ平和への想い









かなり久々の登場、しろうさぎです。


(新しい読者の方はご存じないかと思いますが、このブログの初期チームメンバーで、その頃はブログ上でもブイブイ言わしていたんですが(?)、最近はすっかり遠ざかってました。)


このたび、縁あって、蟹江ちゃん担当の部署の事業を勉強のために覗かせてらうことができて、


「か、感動・・・」と思っていたところ、「その報告をブログに書いて!!」とお願いされましたので、遠慮なく、書かせてもらうことになりました。








* * * * *


時は、師走かつクリスマス前。しかも金曜夕方。人々が浮き足立つころ。


正確には、12月19日、午後3時。


四谷三丁目の国際交流基金本部ビル2階には、なにやら不思議な陶器の数々が並んでいます。


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日本の『埴輪』も髣髴とさせる、素朴で、温かみのあるこの作品たち。


日本の若手作家の作品?試作品?なんだろう?








なんと、これはアフガニスタン イスタリフ村から来日した


若き2名の陶工(ヌール・アフマッドさんとアブドゥル・マティンさん)が、20日間の日本滞在中に、焼いた陶器なのです。


お皿や器しか製作した事の無いイスタリフ焼では初めての大きさ・初めての造形だそうです。


彼らは、12月上旬に国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の招きによって、来日しました。


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担当したKさんによると、これは2005年に行われた事業のフォローアップだったそうで、2005年は、計15名が来日、視察中心で陶芸の里などに行ったそうです。


今回は、前回来日者のうちの最若手の2名が呼ばれました。


目的は、


1.日本の陶芸の技術と伝統を、アフガニスタンの陶芸の発展に役立ててもらうこと、


2.陶芸という芸術文化における日本・アフガニスタンの協力構築、だったとのことです。


しろうさぎ自身は、現在、「紛争後の地域における平和のために文化事業が果たしうる役割とは何か」というテーマで、来年初夏に行うシンポジウムを準備していることもあり、今回は、Kさん率いる、このプロジェクトを勉強のために報告会を覗いてきたわけです。


印象は、


1.同じ陶芸という分野で通じ合える、


2.一見、細かいところ、地味なところから、感謝される協力関係が作れる、?続けてゆくためのハードルを如何に越えてゆくかは、担当者の力量・気持ちにずいぶん関わってくる(その意味でも、今回のご担当、Kさん、他の方、お疲れさまです!)。








・・・ただ、わたくし、焼き物についての知識はまったくの素人なので、間違いがないように、と願いながら、書いてゆきます・・・


受け入れにご協力をくださった、永岡泰則先生(岐阜県恵那市串原・李朝陶磁)は、ガス窯による焼き方を今回の研修内容に選んだ理由として、以下を挙げてくださいました。


【永岡先生】・ イスタリフ焼には、体に有害とも言われる鉛が多く検出されてしまう。現在の焼成温度は薪による窯のため焼成温度が900度ぐらいまでしか上がらないが、ガス窯にすることにより1100度以上に上げることが可能となる。高温で焼き上げることは鉛分の検出を防ぐことにも繋がり(鉛分検出の原因は他にも土・釉薬も考えられ、一長一短には改善出来ないが、ガス窯の導入は一つの改善点である。)また現在抱えているイスタリフ焼きが脆いという欠点も改善することが出来る。


・ アフガニスタンではプロパンガスが少しずつ普及してきて、金額もだんだんと安価になってきている。ガスを使えば、従来の薪を使用する窯の場合に問題になっていた、森林伐採をしなくてすむ。エコロジーにも適している。


つまり、日本のものを教えるというスタンスではなく、あくまでも、アフガニスタンの役に立つものを、日本が持っている多くの技術の中から、選らんで、カスタマイズして、伝える、ということなんですね。だからこそ、相手の国にも、長期的な結果を残すことをより期待できる、というわけですね








☆ ☆ ☆ ☆ ☆


さらに、会の終了後、受け入れてくださった、もう一人の先生、白潟八洲彦(しらかた・やすひこ)先生(愛媛県砥部焼伝統工芸士、一級技能士)と立ち話をすることができました。


おもしろいお話・・・・!


【白潟先生】


「日本の田んぼの『田んぼ足袋』が、アフガニスタンの彼らから見ると、焼き物の土をこねるときに、かかとを守ってくれて、とってもいいって言うんだ。ゴム長靴は、底が強すぎてダメ。足袋がちょうどいいらしい。彼らも買って帰った。高価なものや、最先端技術ではない。一足950円。こんな形で、意外なものが役立つ。感謝される。」


(足袋が、アフガニスタンの陶器を焼く現場で役に立つなんて、おもしろいですね!)


そしてそして、感動したお話・・・!!!!!



【白潟先生】「





今、新しい技術を守っておけば、必ずや、また平和が訪れたときに、海外にもこれだけ知られている場所だから、イスタリフの工芸品を求めて、多くの人が外国からも訪れてくれるものと確信している。


その日のために、今、やっていることが、将来、遠い先にでも、今回来日したヌールさん、マティンさんをはじめ、皆さんの手と記憶を通じて、残っていってくれれば、何か残すことができるのではないか。」





・・・・聞いているこちらも、心がふわーーっと、熱りました。


師と仰がれる方の大きさが伝わってきます。








すでに、2人の師匠と、師弟愛を築きはじめた、陶工たちの友情・愛情。


いつの日か、平和で豊かなアフガニスタンの地に、工芸品が栄え、人々の心を豊かにし続けることを願ってやみません。








もちろん、復興は、決して簡単に達成されるわけではありません。


報告会でも、課題として、伝統技術の維持と現代にあわせた変化をどうやって折り合いをつけてゆくのか、と言う点があがっていました。


また、当日言及はありませんでしたが、どのようにして彼らの自律的な発展を目指した出口(EXIT)計画を実施者として作るか、なども重要な点でしょう。








これら、簡単な答えのない難点を含みながらも、まずは、ひとつの事業が遂行されたこと、


参加者が笑顔でプログラムを終え、何度も「ありがとう、Thank you」と繰り返していたことを心に留めていきたいと思ったのでした。








東京のオフィスにいつつ、世界の平和と復興に思いを馳せた1時間でした。


町中が「ハッピー」になるこの季節。皆さんも、世界中の、遠くて近い人たちとの将来について、少し考えてみませんか。


しろうさぎ





Friday, December 19, 2008

ワンワールドフェスティバル



この週末、12月20日(土)10時~17時、21日(日)10時~16時、大阪市上本町8-2-6の大阪国際交流センターで、毎年恒例のワンワールドフェスティバルhttp://www.interpeople.or.jp/owf/index.php


が開かれます。多くのNGO/NPOや教育機関、国際機関、政府機関など様々な団体が参加します。当然、国際交流基金も参加します。


関西にお住まいのみなさま、どうぞおこしください。


国際交流基金は、パネル展示の他、20日(土) 15時~17時に、「日本語教師びっくり異文化体験?」と題して、 クイズ&トークイベントを開催します。世界の日本語教育の様子や国際交流基金の日本語教育事業について、関西国際センターで海外からの研修生に日本語を教えており、海外での指導経験も豊富な日本語教育専門員がご紹介します。海外での日本語教教育や日本語教師の仕事に興味のある方はぜひご参加ください。