Wednesday, November 12, 2008

11月のJFサポーターズクラブイベント サマンサ・サネッラさん講演



“・★11月のJFサポーターズクラブイベント★・”

こんにちは。情報センターより、11月のJFサポーターズクラブイベントについてのご紹介です。




JFサポーターズクラブでは、会員の皆様に直接国際文化交流に触れていただく機会として、

毎月1回イベントを行っており、毎回多くの方にお楽しみいただいています。

さて、11月のJFサポーターズクラブイベントでは、

カナダから来日されるサマンサ・サネッラさんにお話をしていただきます。

このサネッラさん、2007年にカナダの女性誌「Woman’s Post」で「カナダで最も影響力のある女性10人」の1人に選ばれている方なのです!!

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サネッラさんはインテリアデザインと建築の両方を学ばれ、現在、トロントにあるデザイン専門博物館「デザイン・エクスチェンジ」の代表を務められています。

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“・★「デザイン・エクスチェンジ」とは?★・”

1994年に創設された、北米を代表するデザイン・センターです。

カナダの優れたデザイン作品150点以上を所蔵する専門ミュージアムであり、また、研究・教育部門も備えた非営利組織として、

数多くの展覧会、講演会、国際会議や教育プログラム・出版活動を通して、文化、工業、ビジネスとデザインを結び、カナダのデザインの国際的地位の向上に大きな役割を果たしています。

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元は証券取引所だった由緒ある建物です。







実は、ジャパンファウンデーションもこの「デザイン・エクスチェンジ」で巡回展をやらせていただいています!

トロント日本文化センターの青柳さんに、そのときのことを伺ってみました。





「2001年のはじめ、デザイン・エクスチェンジには、国際交流基金制作の巡回展を二本、連続で受け入れていただいています。


2001年の1月11日から2月28日まで『写楽再見』展

2001年の3月14日から5月7日まで『日本の建築1985-1996』展

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 『写楽再見』展の様子


どちらか一方だけでも…と初め交渉に出かけていった当方に対して、

『いや、両方やらせてもらいます、そのほうが意味がある』と答えられ、

びっくりさせていただいたのが、今でも鮮明に思い起こされます。







国際的視野に立って、デザインの啓蒙と理解促進、そして情報交流の場を提供するという、

デザイン情報・リサーチ・センターとしての、デザイン・エクスチェンジの、面目躍如というところでしょうか。


その後も、東京発のデザイン再考のための展覧会『Re-Design:日常の21世紀展』を当センターと協力して受け入れていただいたほか、

もうひとつの基金巡回展、『デザイン百選』展も受けて下さり、

さらに、当センターでの『森正洋陶磁器デザイン』展を共催していただいています。」



トロントでも日本を評価してくれている芸術団体とのことです。うれしいですね!







サネッラさんは今回初来日。

カナダのデザイン、現代デザインの役割などを語っていただきます。カナダの街、特にトロントについて詳しくお話いただけるそうです。

トロントは今、空前の建設ラッシュといわれ、文化施設もどんどんリニューアルされているそうです。多文化主義の中での建築やデザインの役割、とても興味深いですね。

“・★サネッラさんの講演会は11月19日(水)18:30から、ジャパンファウンデーションで行われます。

どなたでも参加できますので、ぜひお越しください!講演後、懇親会も行います。★・”




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2008年11月19日(水)18:30~20:30

会場:ジャパンファウンデーション本部 JFICホール[さくら]

英語(日本語逐次通訳つき)

JFサポーターズクラブ会員:無料 非会員:300円 

講演会の詳細はこちらをご覧ください。

お申し込みはこちら→jfscmember@jpf.go.jp

にお名前、連絡先をお送りください。




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Friday, November 7, 2008

写真に写っているものは?






保坂和志さんの『小説の自由』(新潮社)を読んでいて目にとまった


バルトークの弦楽四重奏をはじめて聴いて興奮冷めやらぬ久保田です。





早速ですが、本日は写真を何枚かお届けします。





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1枚目の写真はキーホルダーです。ちょっと見えにくいですが、


真ん中にあるのはハンガリーの国章。思いがけずバルトークの故郷ですね。





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2枚目と3枚目は「帽子」と「ポンチョ」です。





着用するとこんな感じ。





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これらはすべてある方々から記念に頂いたものなんです。


「ある方々」とは一体…。





実は先週の火曜日から日曜日まで通常業務を離れて


中学高校教員交流事業というプログラムに参加してきました。


概要は以下JFサポーターズクラブのウェブサイトより。35年の歴史を持つ長寿事業です。









ジャパンファウンデーションでは設立以来、日本に対する理解を深めてもらうため、諸外国から中学校・高校の先生方を日本に招いています。このプログラムは、日本の教育・文化状況を知ってもらうと同時に、日本の学校を実際に訪問して、日本の先生がたや教育行政の責任者と意見交換していただくことを目的としています。






過去にもこのブログやJFSCのウェブサイト上で


たくさんの記事が書かれています。





今回僕が随行したのは京都市視察チーム、24カ国・26人の先生方と

一緒に京都市立の学校を訪問してきました*1





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この写真は訪問先の朱雀第三小学校で撮った1枚です。


みなさんの充実の表情が覗えます。





京都市チームの先生方は充実のプログラムに満足されていたご様子。


先生方はすべての日程を終えられ、一昨日それぞれの帰途につかれました。


先生方は僕をとても快く受け入れてくださって、記念のプレゼントまで


頂いてしまいました(恐縮しております)。





ここからは感想になりますが、個人的にとても勉強になった刺激的な旅でした。





1つは今回お世話になった京都市教育委員会の取り組み、


その素晴らしさに心を打たれました。


ホームページの「京都市の教育改革」で見られる資料からだけでも


熱意と肌理細やかな配慮が伝わってきます。学校、生徒、保護者、地域、社会が

お互いを高めあおうという姿勢がすばらしいです*2


NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも校長先生が紹介された


堀川高校だけでなく、今回訪問させて頂いた学校、またプレゼンテーション


して頂いた学校の活動はいずれも充実していて、正直なところ驚きを隠せませんでした。


例えば、平成21年に新設されるという日吉ヶ丘高校国際コミュニケーション科。


ジャパンファウンデーションも何かの形で繋がることはできないかな、なんて考えたりして…





もうひとつはプロのエスコートと通訳の方のお仕事を近くで見る


ことができたこと、これは大きな体験でした。


通訳はもちろん、エスコートも全て英語で行われるのですが、


プロのパフォーマンスを体感できたことで、自分が基金で働いていく


うえで大切な外国語運用能力を以前よりもっと明確に見定めることができるようになりました。





通訳の方が「とにかく、ゆっくり、はっきりからスタートすることが大事」


とおっしゃっていて、僕は(外国語だけでなく母語でも)気が急いて


コミュニケーションが雑になってしまうとき、その言葉を思い返すようになりました。


表層的な見栄え(聞き栄え)の良さに拘泥されない言語運用ができるように

鍛えていかなければと思いを新たにしたとという感じです*3





また5日間、決して上手ではないながらも、集中的に英語でコミュニケーションを


とるという経験をしたことで英語でのコミュニケーションに対する恐怖感があまりなくなりました。


いつも英語で電話が来るたびに気が重かったのですが(自分に見栄をはっていたんですね)、


5日間の経験で下手は下手なりに開き直れて、とにかく精一杯の応対をしようと思えるようになりました。





今回お世話になったすべての方々に、主催者として、そして個人として、厚く御礼申し上げます。




*1:ちなみに僕以外には1年目のズッキーとさっちゃんが、それぞれさいたま市と広島県に行きました。広島県チームが訪問した広島大学如水館高校のホームページには、訪問時の様子がアップされていました。


*2:「お互いを高めあう」ということとどこかでつながると思うのですが、今朝読んだ茂木健一郎さんのブログ「素晴らしすぎるからといって」。かくありたいなと考えさせられました。


*3:外国語で会話しているひとに対して使われる「ペラペラ」という言葉はもちろん本当に「堪能」である場合もありますが、「薄っぺらい」という意味にもとれますよね。自戒をこめて、相手を大事にする話し方を目指したいです。





Friday, October 31, 2008

気分は「プラダを着た悪魔」!?フィリピン・ファッションウィーク潜入取材






皆さん、こんにちは。


ご無沙汰している間にフィリピンに赴任しました三富です。





今回は、ちょっと意外なフィリピンの一面をご紹介すべく、10月22日にオープニングを迎えたフィリピン・ファッションウィーク(2009年春夏コレクション)についてお話しします。





「え?途上国のフィリピンに、ファッションウィーク?!」なんて驚く方も多いかもしれませんが、そうなんです。フィリピンにもあるんです!!





f:id:japanfoundation:20081023130918j:image:left このフィリピン・ファッションウィークは、フィリピン最大のファッションイベントとあって、急遽潜入取材をすることとなった私の気分はもう「プラダを着た悪魔」の主人公のよう・・・





と、ちょっぴり浮かれて会場入りしたものの、仕事を終えてからショーに立ち寄ったヨレヨレの私は、着飾ったファッショニスタたちに囲まれて場違いも甚だしく、あまりに煌びやかなその場の雰囲気に気後れしてしまいました( ̄□ ̄;)!! その煌びやかさたるや、もう・・・。私は開場ギリギリまで、設営スタッフを装うか、さもなくばしばらくトイレに隠れていようかと思ったくらいです | |д・) ソォーッ





そんな裏話はさておき、10月22日から18日間パサイ市のSMX Convention Hallで開催さていれるフィリピン・ファッションウィークには、ベテランから若手まで、フィリピン全土のファッションデザイナー100名以上が参加します。オープニングの22日には、フィリピン伝統のテキスタイルを使用した作品群なども紹介されており、フィリピン特有の素材を現代のファッションの中に活用し、その価値を再評価しようという試みも見られました。





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会場となったSMX Convention Hall




私が見たショーは、オープニングの最後を飾るJeffrey Rogador、Jerome Lorico、Ralph Ngの3名の若手のデザイナーによるPremiere Collection Aというもの*1





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実は、この3名のうちのジェロームさんは、2007年に国際交流基金の招きで、第45回全国ファッションデザインコンテスト(杉野学園主催)に参加し、奨励賞を受賞しています。以来、彼は、将来のフィリピンのファッション界を担う若手デザイナーとして、今回のフィリピン・ファッションウィークへの参加など、正にとんとん拍子にキャリアを積んでいます。




ジェロームさんは、日本から帰国後、Manila Bulletin紙のインタビューで、「日本のようなパワーとリソースのある国から学び、それをアジア全体で共有することが大事なんだと思う。各国で不足するリソースや技術などが補完されれば、(既に確立され、多くのアジアのデザイナーが傾倒しがちな欧米ファッション界のゴールや方向性に対して)アジア地域の文化的・経済的事情を上手く反映した固有のゴールや方向性を発展させることができる。」とアジアのファッション界興隆の可能性について話しています*2





フィリピンでは、ファッション業界も含め、才能のあるアーティストの多くが海外に流出するという「頭脳流出」が顕著ですが、今回のショーではジェロームさんのように、フィリピンのみならず、アジア全域のファッション界の将来を見据え、その発展に寄与しようと意気込む若いデザイナーたちの溢れるエネルギーを目の当たりにすることができました。




*1Styleanywhere.wordpress.comにコレクションの作品などが出ています。


*2“Focus: A Japan immersion is an eye-opener for a talented young designer”2007年11月30日付Manila Bulletin紙