Thursday, September 6, 2007

 ロサンゼルスにねぶた祭りが出現?!(後編((前編はこちら!)))






f:id:japanfoundation:20070906145808j:image:rightさて、いよいよねぶた本番当日♪


オンラインで事前にボランティア登録をした我々基金職員2名は、午後1時半に実行委員会本部が設置されているお寺へ集合。受付で 「もし万一怪我をしても訴えませーん」という意味のことが書かれた合意書にサインし(さすがアメリカ、訴訟社会です(^^;))、背中に大きく「ねぶた」と書かれた真っ赤なTシャツに着替えてお手伝い開始です。





今回は青森からの応援団と地元ロサンゼルスの志願者合わせて 350名(!)もの跳ね人さんが集まりました。企業から寄贈された飲み物や食べ物を並べてスタンバイしていると、次から次へと跳ね人になる人々がやってきます。浴衣、山笠、たすき、鈴などが入った「跳ね人セット」を受け取ると、男女それぞれの更衣室に。そこでは、青森から駆けつけた助っ人さんが、一人一人丁寧に衣裳を着せてあげています。



女性だけでなく、男性もピンクや黄色のたすきでリボンのように大きく結び、足元にも色鮮やかな襦袢の裾をのぞかせ、肩には銀色の鈴を安全ピンで留めるという懲りようです。(男性がピンクの蝶リボf:id:japanfoundation:20070906155408j:image:leftン??と思われるかもしれませんが、これがなかなか爽やかな色気があってcoolに見えましたね~。(*^.^*)ポッ)


プロの着付けのお蔭で全員がびしっと衣裳を着こなし、パレード会場に向かって嬉しそうに走っていくのを見ていると、 「私も跳ね人やってみたかったな」 、とちょっぴり思いました。この後のパレード本番では、この跳ね人集団が非常に大きな効果を発揮することになります。何も知らない参加者がそれぞれ勝手な方法で衣裳を身につけていたとしたら、全然違った印象になったことでしょう(左の写真は、準備万端整った跳ね人さん達♪)。






f:id:japanfoundation:20070906134743j:image:right跳ね人さんが着付けを済ませている間、ねぶた運航係のメンバー(全員が地元ロサンゼルスっ子たち)は、教会に集合して本場青森からいらした「ねぶた運航プロ中のプロ」櫛引さんから丁寧な指導を受けています「まえ~」、「うしろ~」、「みぎ~」、「ひだり~」と櫛引さんの掛け声に合わせて、巨大なねぶたを乗せた台車を25人がかりで動かすのです。始まる前から一同は汗だくだく。本番では、途中で水分補給できるよう、大量のペットボトルの水を近くに置いておきます。我が事務所からボランティア参加した2名は、出発直前になって音響・照明車(手動)の押し手に抜擢、跳ね人集団350名のすぐ前方という絶好のロケーションからパレードを体感することができました。





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左:「JFスタッフが押した手動の音響車」


右:「出発前、陣中見舞いに訪れた兒玉総領事と池井実行委員会会長ほかの皆さん」








私達、出発ギリギリまでは「日系社会が一致団結してやるお祭りなんだから、私達も貢献しなくちゃ」という気持ちで黙々と働いていたのですが、夜8時、夕闇迫るリトルトーキョーに賑やかな笛・太鼓・鉦のお囃子が鳴り響き、ねぶた内部に設置された600個の電球に次々と灯りが点され、その巨大な姿がゆっくり動き始めたとたん、雷に打たれたように我々の体内のアドレナリン(?)がどばーっと分泌され、一気に祭モードに入ってしまいました


f:id:japanfoundation:20070906142923j:image:leftf:id:japanfoundation:20070906142506j:image:right前日の台上げ式の際に、太陽光の下で間近に観たねぶたの精巧な作りにも十分感銘を受けていましたが、それが実際に動き出した時の迫力ときたら、死んでる人と生きている人ほどの大きな違いがありました。我々のすぐ後ろでは「正装」した350名の 跳ね人さん達が元気よく跳び続け、その向こうには灯りに照らし出された武田信玄像が前後左右にダイナミックに回転しながらゆっくりと近づいてきて。。。。 





リトルトーキョーに忽然と姿を現した「青森ねぶた祭り」の壮観さに圧倒されつつ、ふと横をみると、2年前からねぶた実現のために走り回っていた実行委員会のコアメンバー達の目には光るものが。。                                                                                                                                                      


嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああああああ 

資金調達が思うように進まず計画が頓挫しそうになったこと、日本への出張のついでに何度も青森を訪れて入念な打ち合わせを重ねてきたこと、ロサンゼルスでねぶたのパーツを組み立てたのは良いものの、予想より大きくて本番前夜になってから組み立て場であった教会の駐車場の門から外に出せないことが判明、LAPD(ロサンゼルス市警)の幹部も走り回ってなんと教会の門扉を切って事なきを得たこと*1、出発直前になって発電機が壊れてしまい、何人かで必死になって動かそうとしたものの断念、他のパレード団体から急遽借りてきて急場をしのいだこと、などなどが彼らの頭に走馬灯のように浮かんでは消えていったことでしょう。傍で見ているだけでももらい泣きをしてしまいました・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。




沿道の1万5000人の観客も突然出現した「青森ねぶた」の世界に熱狂し、1周約1時間半のパレードは、あっという間に終了しました*2。スケールが大きくて、賑やかで楽しいことが大好きなアメリカ人には殊のほかねぶたはアピールしたようです。イベント成功の蔭には、実に多くの関係者の情熱と忍耐がありました。怪我人一人出ることなく無事に一大イベントを終わらせることができたこの成功の陰には、実に多くの関係者の情熱、努力、忍耐がありました。ねぶたそのものの素晴らしさに加え、それを実現に至らせた日本人の意地、心意気というものに強く打たれ、誇らしい気持ちになった一夜でした。





打ち上げの席では、実行委員会の会長・幹部スタッフをはじめ、青森から来た方々もみんな晴れ晴れとした、とても良い表情をしていました。今度は是非本場青森のねぶた祭りも見てみたいものです。


                          


(了)




*1:その後はもちろん溶接しました。快く切断に応じて下さった教会関係者の度量の深さに感動


*2:たとえばcheecheeさんのように、日本では見たことがなかったけれど現地ではじめてみた!という方も多かったようです→こちら。そのほか、躍動感のある写真とともに日記を書いてる人もたくさん:samik51さん、いくこさんMichi Yamamotoさん などなど。





Wednesday, September 5, 2007

 ロサンゼルスにねぶた祭りが出現?!(前編)






f:id:japanfoundation:20070904193038j:image:leftみなさん、こんにちは。オレペコです。


9月に入り、秋の気配もちらほら・・・去り行く夏を思い、なんだかちょっと物寂しく感じていたところ、ロサンゼルス事務所からおもしろい報告が届きました!





日本の夏といえば、お祭り 


ヘ(^o^ヘ)(/^o^)/(←踊ってるつもり♪)


中でも東北三大祭り(仙台七夕祭り、青森ねぶた祭、秋田の竿灯祭)はひじょーに有名ですが、なんとっ、青森のねぶた祭がはるか太平洋を越えてロサンゼルスに出現したという、驚きのニュースですΣ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!! 臨場感あふれるたくさんの写真とともに、お楽しみください~☆


゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜




ロサンゼルスでは毎年8月に「二世ウィーク」という全米最大規模の日系アメリカ人のお祭があり*1、さまざまな文化イベントが開かれますが、今年はロサンゼルスに進出している日系企業さん、地元日系人コミュニティ、そして私達のような政府系団体が一致団結・協力して、青森から「ねぶた」を招へい、ダウンタウンのリトルトーキョーで盛大なパレードが行われました。




このイベントは、遡ること2年前、青森市に駐在経験のある大手日系企業米国法人の社長さんが、「昔と違ってどことなくさびれてきてしまったリトルトーキョーをもう一度元気にするため、日本人駐在員と日系アメリカ人が協力してイベントをやりたい」と企画を持ち出し、官民の関係者による実行委員会が結成されたところからスタートしました。その後、発案者の帰任、資金難などで中止にせざるを得ないかに見えた本企画でしたが、残った実行委員の方々の必死の努力により、晴れて二世ウィークへの参加が実現したという訳です*2





まず、青森において当代若手ナンバーワンといわれるねぶた製作者竹浪比呂央(たけなみ・ひろお)さん率いるロサンゼルスねぶた製作特別チームが結成され、本場青森と同じサイズでありながら、コンテナに収容して輸送できるように9分割したパーツ作りが始まりました。


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<総領事公邸で行われたプレスリリースの様子> 








f:id:japanfoundation:20070904201413j:image:left本番5日前に製作チームがロサンゼルス入りし、リトルトーキョーにある教会の駐車場に設置した特設会場において、9つのパーツを丁寧に貼り合わせたり、600個の電球を中に仕込むといった仕上げ作業が連日にわたり行われました。





←<仕上げ作業に余念のない青森からの製作チーム> 





f:id:japanfoundation:20070904200544j:image:right本番前日、完成したねぶたをパレード用の台車に載せる「台上げ式」という儀式(右の写真ご参照)と、ロサンゼルスの人々にねぶたについての理解を深めてもらうための、竹浪氏によるレクチャーが行われました。山吹色のハッピに鉢巻姿の青森からの一団が、笛、太鼓、鉦で威勢よくお囃子を始めると、集まったアメリカ人の観客達はこれから何が起こるんだろうと、ワクワクした表情で見守っています。





完成したねぶたは風林火山をバックに見得を切る勇壮な武田信玄像。指の1本1本、頬のふくらみに至るまで立体的に和紙が張り合わせてある、まさに動く巨大な芸術品です。興味津々の観客は竹浪さんが語るねぶた製作秘話に熱心に耳を傾け、話が終わった後には 「どうやって運んだの?」 、 「材料は何?」 、 「ねぶたってどういう意味?」 と次々と質問が浴びせかけました。アメリカ人の反応の良さに、青森の一行も感激した様子。このレクチャーの司会と通訳は、本業は弁護士さんなのに仕事そっちのけ(?)でねぶた実現のために精力的に動きまわっていた実行委員の一人がボランティアで担当。皆さんの協力により、まずは台上げ式とレクチャーは大成功を収めました。 (つづく・・・)





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<竹浪氏によるレクチャーのようす>





゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜


今日はここまで。


「和紙」の魅力に取り付かれている芸術家さんや建築家さんは世界中にいると聞きますが、こんな大きな、雄大な作品が、「紙」でできているなんて、一般の人たちにすればすごい驚きだったでしょうね!





大興奮の当日の模様は、明日おとどけしま~す♪お楽しみにっ。




*1:もう67回も実施されてるんですねー。立派なサイトもあります→こちら。ちゃんとねぶた祭も紹介されてますよ!


*2:ジャパンファウンデーションでは、この実行委員会に加わるとともに、ねぶた製作チームの渡米と、後から紹介します、竹浪氏によるレクチャー部分をサポートさせて頂きました☆





Monday, September 3, 2007

 米国の外国語学習はスペイン語がダントツ…でもそんなの関係ねぇ!! (後編)



みなさん、こんにちは。愛の日本語教育隠密伝道師(自称)、磯鍋です。日夜、影になり日向になり米国で日本語学習の種を撒き散らしています。


        


        *'``・* 。


        |     `*。


       ,。∩      *   みんな日本語学習者にな~れ~☆


      + (`・ω・´) *。+゚


      `*。 ヽ、  つ *゚*


       `・+。*・' ゚⊃ +゚


       ☆   ∪~ 。*゚


        `・+。*・ ゚    


さて、前回のブログで日本語教育が米国ではまだまだマイナーであることをお伝えしました。そんな中、エリンタソが救世主のごとく舞い降り、我々は歓喜の舞をポンポコ踊ったわけです。それはなぜかといいますと…





現在日本のアニメやマンガが世界各地の若者を魅了しメディアを賑わせているのは、みなさんご承知の通りですね。米国でも、様々な日本のアニメ番組が吹き替えでTV放映されていて、各地のアニメ・コンベンションは大盛況。そして、現地の高校で日本語を教えている先生がコンベンション会場でひらく日本語入門レッスンにもかなりの数のコスプレさん達が参加するようです。





ふむむ、なにやら美味しい話の匂いが。。。・:*:・( ̄∀ ̄ )。・:*:・ヒホッ




おまけに、米国では『Shonen Jump』『Shojo Beat』といった、日本の漫画雑誌をアメリカ仕様に翻訳編集した雑誌が出版されていて、『NARUTO』や『ONE PIECE』、『NANA』等の人気漫画が英語で読めるのですが、これが結構な部数を発行しているのです。ちなみに、Shonen Jumpは、月に20万部以上発行されており、100万人以上の読者がいるんだとか。しかも、調査によれば、読者の8割以上が日本語学習に対してなんらかの興味を持っているというのです!*1





(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)





ってことは、アニメや漫画を日本語学習のきっかけ作りのツールにすれば、日本語学習者80万人増は鉄板ってか?『追いつけ追い越せスペイン語!日本語学習者400万人』計画(未決済)も夢じゃないってか?!





…なんだけど、いざ具体的な話になると、著作権の問題や資金の問題もあるし、画力・絵心が無いから自前なんて無理だし、、、どうすんべ?





(´・ω・`)ショボーン




というわけで、『アニメで学習者増加さらに倍率ドン!ウッシッシ』計画(未決済)は開かずの引き出し奥深くに仕舞い込まれたままだったのですが、そんなこんなのある晴れた日に、制作事業課*2から一通のお知らせが…





こんなんできました~♪





と送られてきたエリンちゃん。彼女のピュアなアニメ顔を見て、LAスタッフ一同、思わずひらめいちゃいました!


           |


       \  __  /


       _ (m) _ピコーン


          |ミ|


        /  `´  \


         ∧ ∧


        (・∀ ・)アヒャッ


    


エリンちゃんをShonen Jumpに登場させて日本語学習をアピールすれば、一気に学習者80万人アーップ!ってカンジ?!(* ̄▽ ̄*)ニャハ


実は、NHK日本語講座『エリンが挑戦!にほんごできます。』はNHKワールドTVなどを通じて昨年10月の日本国内放映開始とほぼ同時に世界各地で放送されていて、米国でもテレビジャパンで見ることができるんです。でも、これは主に在外日本人を視聴者に想定した放送なので、現地の人が広く一般的に見られるというわけではないんですね。だから、エリンちゃんはまだまだ米国でも一般のアメリカ人には知られていない存在なんです。こんなに可愛いのに… (´;ω;`)ウッ…


そこで早速、Shonen Jumpさんに連絡して今年の6月号から隔月で一年間ジャパンファウンデーションと日本語教育の1ページ広告をドーン!と掲載することに。第一弾は、グローバルなイメージでエリンちゃんの紹介も兼ねてこんなカンジになりました。


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毎回、季節を意識したデザインで、エリンちゃんがいろいろな日本語で呼びかけます。8月号はさわやかな夏のイメージで。





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“Wow! Who’s she? So cute! What’s she saying? Is this Japanese? JFLALC? What’s that?”(おっ!誰、この娘?可愛いじゃん♪これって日本語?なんて書いてあんのかな?JFLALC?なんじゃこれ? 翻訳:磯鍋)


と読者が思えばしめたもの。ウッシッシ 





この極秘計画はまだ始まったばかり。これから一年を通して何が起こったかは、追々日を改めてご報告いたします。それまでは、


+   +


  ∧_∧  +


 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ


 (0゜∪ ∪ +        


 と__)__) +


で、お楽しみに!


 




*1http://www.shonenjump.com/mediakit/images/SJ_MEDIAKIT_Web.pdf参照


*2:潮風より:エリンプロジェクトの主管部署です。