Wednesday, April 4, 2007

MCJP10周年記念「必殺仕事人!パリ業務室で働く人々」(前編)



こんにちは。三富です。


以前コンドルズは(いまごろ)とんでいる(かもしれない)(1月11日付)でもお伝えしたとおり、パリ日本文化会館(Maison de la culture du Japan a Paris, MCJP)は今年10周年を迎えました。





ヾ(´ー`)ノ。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆ Felicitation・・・





パリ日本文化会館は、基金の海外事務所の1つではありますが、いやはや、、、それだけでは到底語りつくせない壮大なストーリーを抱えた組織なのです。





ちなみに、場所はエッフェル塔の近く、セーヌ川河畔という素晴らしい立地条件!!






手前味噌ながら、なんとパリ日本文化会館の入場者数は、  



パリには世界各国の文化会館が64あるが、中国などを抑えて入場者数はトップだそうだ。


宮城大学教授・久恒啓一ブログ日誌 今日も生涯の一日なり



ポリポリ (・・*)ゞ





このパリ日本文化会館を語る上で欠かせないキーワードが、日仏協力・官民合同。パリ日本文化会館は、実に多くの方々のご協力のもとに成り立っているのです。


基金本部内にも、パリ業務室というものがあり、その名のとおりパリ日本文化会館の運営を日本側でサポートする役割を担っています。





そこで、今回われわれブログチームの3人がパリ業務室にお邪魔しました。





*゚o゚)ノ*゚o゚)ノ*゚o゚)ノお邪魔しま~す





気になるパリ業務室訪問の様子は、また後日にお伝えすることとして、パリ日本文化会館では4月7日(土)まで、『棟方志功展―大原美術館コレクションより』を開催中!


お近くにお住まいの方、旅行などでパリにお立ちよりの方は、是非お越しください。





Tuesday, April 3, 2007

 第16号はロシア特集です(後編)~読書&ウェブ案内~






みなさんこんにちは、オレペコです。


昨日は年度始め、ということで、新たな一歩を踏み出された方も多いのでは? 


ヽ(゚・^*)^☆.。.:*・゚☆祝☆゚・*:.。.☆^(*^・゚)ノ


ジャパンファウンデーションにも、新しい仲間が11名加わりました。おいおい、このブログでもご紹介していきたいと思います!





さてさて、そんな春は、新しいことを始めたくなる季節でもあります。


近くて遠いロシア。昨日発売になった『遠近』第16号で特集した「お隣さん」について、もっともっと知るための読書&ウェブ案内(後編)が麦谷さんから届きましたので、早速ご紹介したいと思います♪





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◆ロシアの珠玉 リュドミラ・ウリツカヤ


巻頭鼎談でロシア文化の新しい動きと2度目の「日本文化ブーム」についてお話くださった沼野恭子さんが翻訳。『それぞれの少女時代』の中にあった、温かさを表現する一文で、「オーブンの中のピロシキのようにほかほかと」というフレーズに、おお、これがロシア流!と手を打ちました。特に女性にお薦めです!





『ソーネチカ』(新潮社)




ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)

ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)






 





『それぞれの少女時代』(群像社)



それぞれの少女時代 (群像社ライブラリー)

それぞれの少女時代 (群像社ライブラリー)










沼野恭子さんは、他にも様々なロシア文学の翻訳を手掛けてらっしゃいます。





『ペンギンの憂鬱』(アンドレイ・クルコフ著、新潮社)



ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)










『初恋』(トゥルゲーネフ、光文社)




初恋 (光文社古典新訳文庫)

初恋 (光文社古典新訳文庫)






 





◆不世出のロシア語通訳、エッセイスト米原万里さん


昨年5月に56歳の若さで逝去された米原万里さん。日経新聞の元論説委員で、現在も日露のジャーナリスト交流に尽力されている斎藤哲さんが、米原さんのデビュー時代のとっておきの逸話をお寄せくださいました。米原さんは名通訳として活躍されただけでなく、鮮やかなデビュー作『不実な美女か貞淑な醜女か』をはじめ、エッセイストとしても数多くの名作を送り出されました。





『不実な美女か貞淑な醜女か』(文庫、新潮社)



不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)










『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(文庫、角川書店)



嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)










『打ちのめされるようなすごい本』(文藝春秋)



打ちのめされるようなすごい本

打ちのめされるようなすごい本










◆ 5月には庄司紗矢香、読売日本交響楽団と競演のテミルカーノフさん


当基金の参与でもある紿田英哉が商社勤務時代から「マイブラザー」と呼び合う仲になったマエストロ、ユーリ・テミルカーノフさんが、サンクトペテルブルク建都300周年を記念して、2003年6月に指揮したサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団のガラコンサートの模様を収録





DVD 『サンクト・ペテルブルク ガラコンサート2003』



サンクト・ペテルブルグ ガラコンサート2003 [DVD]

サンクト・ペテルブルグ ガラコンサート2003 [DVD]










◆インターネットでロシア文化に触れよう


ロシア語のページもありますが、WEBページの自動翻訳サービスを使えば、ある程度は情報を把握できます。まずは雰囲気だけでも味わってみてください!


本誌10ページでもご紹介したリンク集に加え、「新しいカルチャーが胎動するモスクワ」から、選りすぐりのサイトを拾っています。この充実した情報は、河東哲夫さんからの情報に負うところ大でした。記して感謝申し上げます。





【音楽】


・イケメン男性歌手からセクシーなダンスクイーンまで、最新のロシアン・ポップスのビデオクリップがいっぱい (^^)σ http://vision.rambler.ru/clips


クラブ・ミュージックからロック、ポップスまで様々な音楽をサンプル音源で視聴可能


(^^)σ http://www.fidel.ru/mp3/


・民族音楽を取り入れた独自のロックを創造するインナ・ジェランナヤ


(^^)σ http://inasound.ru/ 


・アンダーグラウンドの香りを濃厚に漂わせ、同名のグループを率いるカリスマ的な女性ヴォーカリストのゼムフィーラ (^^)σ http://www.zemfira.ru/


・ロシアに独特のジプシー・ロマンス歌手の第一人者で、フリージャズ界での活躍でも知られるヴァレンチナ・ポノマリョーヴァ


(^^)σ http://www.russiandvd.com/store/person.asp?type=artist&id=1460&lang=eng 


・「バルド」と呼ばれるギターで弾き語りをするシンガーソングライターたちが勢ぞろい


(^^)σ http://www.bard.ru/bards.htm





【放送】


・インターネットでニュース、ドラマ、音楽番組まで24時間放送


(^^)σ http://www.rtrplaneta.com/


・独立系の硬派な時事番組で知られるラジオ「モスクワのこだま





【ファッション】


・中央アジアの民族衣装、画家ワシーリイ・カンジンスキーなどをモチーフに、ロシアや旧ソ連のアート・文化を強く意識しながら現代的なデザインで世界的に活躍するダーリヤ・ラズミーヒナ (^^)σ http://www.razumikhina.com/ 



【クラブ】


・モスクワで最も流行っているクラブの一つ「シャンティ」。収録されたライブの模様や、独自のラジオ番組も聞けるようになっています








◆ロシア語でカバーされた「島唄」はラジオ・チャートで6週連続ランクイン


2005年2月に宮沢和史さん率いる「宮沢バンド」モスクワ公演では、ロシアのロックスター ディアナ・アルベニナと共演。世界的な大ヒット曲「島唄」で締め括ったライブでは観客も大合唱し、地響きのようなアンコールで再熱唱したそうです。宮沢さん自らがブログで、初日のゴーリキー記念モスクワ芸術座、翌日のモスクワ最大のクラブ「べー2」でのライブでの様子を綴ってらっしゃいます。





◆沿ボルガ地域で日露ビジネス交流


ニジニ・ノヴゴロドという地名はご存じですか? モスクワから東へ450キロ。ソ連時代はゴーリキー市と呼ばれた閉鎖都市で、軍需優先の最大の製造集積加工地でした。日系電器メーカーマンとして長年ロシアビジネスに携わり、現在はニジニ・ノヴゴロド日本センターの所長として日露の民間経済協力に奔走する種村博雄さんは、厳重に機密保守された原爆開発拠点、ロシアへのトヨタ進出秘話、シベリア鉄道の近代化プロジェクトなどについてお寄せくださいました。写真はロシア第2の自動車メーカーGAZの生産ラインだそうです。


f:id:japanfoundation:20031217125817j:image:w250





◆ロシアの日本文学専門出版社


出版社ギペリオン(サンクトペテルブルク)の代表セルゲイ・スモリャコフさんは村上春樹だけでなく、ロシアでは古典から現代文学まで、様々な日本文学が読まれていることを報告してくださいました。


国際交流基金とイノストランカ社の共同出版で刊行したロシア語の現代日本文学アンソロジー・シリーズや、文化庁(日本)の「現代日本文学の翻訳普及事業」(JLPP)の紹介もあります。





◆もうここまできたら、ロシア語を始めよう!


沼野恭子さんが、この4月から新しくスタートする、NHK教育テレビの外国語講座「ロシア語会話」の講師を務められます。春は新しいことを始める好機!とばかり、書店に平積みになっているのを目撃した方も多いはず・・・。





雑誌 NHK テレビ ロシア語会話 2007年 04月号


番組HPもあわせてどうぞ。





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最後に編集部からのご案内です。


主に過去に『遠近』にご寄稿くださった方の近著などをご紹介します。


◆ オーストラリア演劇叢書が11巻を数えました


オーストラリアを特集した第11号で、アデレード・フェスティバルの創造性についてご寄稿くださった佐和田敬司さんが、翻訳書『アボリジニ戯曲選Ⅲ ドリーマーズ/ノー・シュガー』(ジャック・デーヴィス)、『リターン ダーウィンへの最後のタクシー』(レグ・クリッブ)が出版されました。


オセアニア出版社から1993年に刊行が始まったオーストラリア演劇叢書の第10巻、第11巻で、昨年の日豪交流年を契機に開催中の「ドラマチック・オーストラリア」で紹介された戯曲の数々が収録されています。





◆ 「ハコモノ行政」からの脱却をめざして


毎号「文化による都市創造」シリーズを連載でお届けしていますが、第5号に「創造都市の世紀が始まる」として欧米の代表的な創造都市論と金沢や横浜の事例を紹介してくださった佐々木雅幸さん編集の『創造都市への展望~都市の文化政策とまちづくり』(学芸出版社、総合研究開発機構との共編)が4月10日に発行予定です。

第1部「創造都市をめぐる理論とガバナンス」では、「創造都市」の基本概念、財源確保、評価指標などの手法・理論を示し、第2部「政策実践の現場から」では、札幌から福岡まで創意と工夫に満ちた各都市の戦略が報告されています*1





◆弊誌編集長の渡邊直樹が責任編集


「宗教を知らないと問題の本質は見えてこない」の宣伝文とおり、養老孟司、中沢新一、小林よしのり、高村薫など多数の学際的な書き手が、宗教と現代の社会問題を切り結んでいます。





『宗教と現代がわかる本2007』(平凡社)



宗教と現代がわかる本〈2007〉

宗教と現代がわかる本〈2007〉










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次の6月号は、 「酒がつなぐ人と文化」 (仮題)です。古今東西、酒を酌み交わすことで、人は交友を深めてきました。各地の風土が育んできた酒も、今やグローバルに流通しています。酒と人との出会い、酒がもたらす豊かな文化、そして酒が熟成するために大切な時間。今年1月に着任した新編集長の渡邊直樹が企画から手掛ける最初の号です、酒と人の文化のブレンド具合に注目した次号に乞うご期待!




*1第9号に「現代における都市再生の課題~行財政システムと創造性の関係」をお寄せくださった後藤和子さんによる「創造性へのインセンティブと都市政策~文化政策と産業政策の統合の視点から」も収録されています。





Monday, April 2, 2007

第16号はロシア特集です(前編)



すっかり桜の季節(東京)ですね。2ヶ月ごとの『遠近』(をちこち)刊行ごとに現れる情報センターの麦谷です。今回は  「隣人、ロシア」 と題して、ロシアの特集です。





政治・経済レベルでは、長年懸案の北方領土問題、そして、サハリン石油開発、リトビネンコ事件など、ここしばらくは、あまり明るいニュースを聞かないロシアですが、何と言っても日本海を挟んで実は隣国。


「お隣さん」とは仲良くしたいものですが、その割には、お互いに、現在の生活事情を共有できていないのでは?





日本人にとってのロシア文化⇒文豪、クラシック・バレエ⇒重くて古い、


ロシア人にとっての日本文化⇒フジヤマ、ゲイシャ⇒エキゾチック、





というステレオタイプなイメージを塗り替えるには、何事も互いに生身の姿を知るのが第一歩!


ということで、等身大のロシアを紹介する楽しい記事が盛り沢山ですので、是非、お読みいただければと思います。また『遠近』らしく、いろんな分野で日露交流に尽力した人についても特集しています。





f:id:japanfoundation:20070405174358j:image






○ 巻頭鼎談 ロシア文化の新しい動きと2度目の「日本文化ブーム」


河東哲夫×沼野恭子×日下部陽介


○ 新しいカルチャーが胎動するモスクワ


○ 人気推理作家にして日本文学者 ボリス・アクーニンに聞く 


  聞き手 沼野充義


○ アニメーション作家 ユーリー・ノルシュテインに聞く 


聞き手 児島宏子



特集以外でも、島田雅彦さんが初めてのイラン滞在を綴った「テヘラン小景」、藤井省三さんが村上春樹の中の中国に着目して論考した「魯迅と村上春樹」など、読み応えのある記事を多数、お届けしています。





その他の記事については、目次をご覧下さい。Amazonなどの主要オンライン書店で取扱っている他、お近くの書店でお取り寄せが可能です。それでは、今回も、『遠近』をより深くお楽しみいただくために、記事や執筆くださった方に関連した読書&WEB案内をお届けします。





◆日本の「含蓄の美学」に影響を受けたベストセラー作家


人気推理小説家にして日本文学者のボリス・アクーニンさん。沼野充義さんのインタビューに応じて、日本との出会い、ロシアの現状と未来、日露交流などについて語ってくださいました。


アクーニンさんの代表的な作品、19世紀末から20世紀初頭を舞台にした歴史探偵小説「ファンドーリンの捜査ファイル」シリーズはロシアで大ベストセラーとなり、これまでに11冊が刊行され、映画やテレビドラマにもなっています。日本語では、巻頭鼎談の沼野恭子さんらが翻訳した3冊を読むことができます。





『堕ちた天使―アザゼル』(作品社)第1作



堕ちた天使―アザゼル

堕ちた天使―アザゼル










『リヴァイアサン号殺人事件』(岩波書店)


主人公が外交官として日本へ赴任する途上の豪華客船での密室殺人事件を描いた第3作







『アキレス将軍暗殺事件』(岩波書店)


柔術の達人のシバタ・マサヒロが登場する第4作







本名のグリゴーリイ・チハルチシヴィリで、世界の作家の自殺について論じた著書も。


『自殺の文学史』(作品社)







(゜-^*)σ アクーニンさんの公式HPは、ロシア語ですが犯罪のプロファイリングのような雰囲気満載です。筆名「アクーニン」の命名の秘話については、是非、本誌記事で!





◆蕪村の俳画を愛するアニメーション作家


表紙を飾った「こぐま」と「はりねずみ」、その愛らしい姿に見覚えがある方もいらっしゃるのでは? 手書きの切り絵を少しずつ動かして撮影するアニメーションの元祖とも言える手法で作品を制作するユーリー・ノルシュテイン監督。来日の度に通訳も務める児島宏子さんがインタビュアーとなって、日本映画や日本文化について、25年来製作中の『外套』の進み具合などについてお話を伺いました。





DVD 『ユーリ・ノルシュテイン作品集』


代表作の一つ『霧につつまれたハリネズミ』も収録されています。



ユーリ・ノルシュテイン作品集 [DVD]

ユーリ・ノルシュテイン作品集 [DVD]










絵本『きりのなかのはりねずみ』


↑で紹介した短編アニメーションの傑作『霧につつまれたハリネズミ』をもとに、児童文学作家セルゲイ・コズロフさんの物語に、アニメーション美術監督でノルシュテイン監督の創作パートナーであり夫人でもあるのフランチェスカ・ヤルブーソヴァさんが絵を担当した素敵な絵本です。弊誌の編集長の渡邊もこの本を見たとたんに、表紙はこれだ!と即決でした。







DVD 『連句アニメーション 冬の日』


松尾芭蕉七部集「冬の日」の連句を、高畑勲、鈴木伸一を始めとした世界屈指のアニメ作家35人のコラボレーションによりアニメ化した大作で、ノルシュテイン監督も参加しています。



連句アニメーション 冬の日 [DVD]

連句アニメーション 冬の日 [DVD]










みやこうせいさんによる写真集


『ユーリー・ノルシュテイン』



ユーリー・ノルシュテイン

ユーリー・ノルシュテイン










◆ 人間味あふれるロシア人とロシア社会の一端をのぞく


外交官としてのべ11年にわたるモスクワ勤務経験を踏まえ、インターネット時代の日露交流について様々な提言をくださった河東哲夫さん。外交官としての知見をまとめた著書の他に、熊野洋のペンネームで、ロシアを舞台にペレストロイカからソ連崩壊前後の激動期の社会を描いた大河小説も。





『ロシアにかける橋―モスクワ広報・文化交流ノート』(かまくら春秋社)




 


『外交官の仕事』(草思社)



外交官の仕事

外交官の仕事










『意味が解体する世界へ 一外交官の考察』(草思社)







『遙かなる大地―イリヤーの物語』(草思社)


遙かなる大地―イリヤーの物語〈第1部〉    遙かなる大地―イリヤーの物語〈第2部〉





(゜-^*)σ 河東哲夫さんが主宰するブログ Japan-Worlds Trendsでは、日英中露4ヶ国語で国際問題や共通課題について様々なオピニオン・リーダーが白熱した議論をオンライン上で戦わせています。


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読書&ウェブ案内はまだまだ続きます。後編は明日掲載しますので、お楽しみに!