Thursday, December 7, 2006

世界につながる日本語学習者の輪(学生編)






みなさん、こんにちは。三富です。





12月3日(日)に、日本語能力試験が実施されました。





日本語能力試験とは、日本国内および海外にて、原則として日本語を母語としない人を対象として日本語の能力を測定し、認定することを目的として行う試験です。日本国内では、財団法人日本国際教育支援協会が、日本国外では国際交流基金現地機関の協力を得て実施しています。





今年は日本を含む48カ国で実施され、約53万人が受験しました。特に目を引くのが、中国における受験者数の増加で、今年は約21万人(前年比46%増)が受験したそうです。スゴイ!!





今日は、世界各国で日本語能力試験を受験された方たちの声をご紹介します。





まずは、スペインから。






日曜日に日本語能力試験をしました。


スペインでは、バルセロナ日本総領事館が重要ですから、バルセロナだけでは試験します。場所はバルセロナ自治大学、翻訳通訳学部。


多くの人が西の、そして中央のスペインから来る予定でした。しかし、人の大多数はカタルーニャ人でした。多くの彼らが大学の翻訳学生でした。趣味として日本語を勉強していた人もいました。私のように。


FCバルセロナと日本。ワイタ君の実験日誌。






趣味として日本語を勉強している方、仕事上必要にかられて勉強している方など、日本語の勉強をはじめた動機づけは人それぞれのようですが、J-POPやマンガ、アニメ等の日本のポップカルチャーに刺激を受けて日本語を勉強されている方もたくさんいらっしゃるようです。






日本語能力試験の日。


年に一回しかないから、


レアな日でもございます。w





韓国の嵐ファンの皆、嵐に対する愛だけ、日本語の勉強にも熱心ですから、良い成績とれるはずですよね。


本当に思うんだけど、韓国ファンの中で日本語めちゃうまひと多いんですよね。


普段他の国の言葉を自分の母国語みないに話せるってこと、さすがに難しいことなのに、


ただ嵐が好き、だから日本語も話せる。ってことにも成立するわけで、


ほぉ~~~って思うんですよ。


もちろん台湾のファンでも日本語うまいひといっぱりあると思いますし。


大野智―嵐☆最高






受験された方々は、試験を終えてホッとした方、結果を待ちわびる方などなど、それぞれに違った感想をお持ちのようです。






昨日日本語能力試験を受けた


一級なんですけど、案外難しくなかった。


小孔の世界






このように余裕な声が聞かれる一方、不安いっぱいの方々もいらっしゃるようで...






昨日日本語能力試験がおわっちゃった~


でも。。。難しすぎる。。。


落第するかもしれない!実力が低いでしょう。。。本当は悲しくない~


教科書から学びことは。。。もっと重要なことは応用ですね~


とにかく、ね、日本語勉強が続けリますね。


頑張ってます~!


creativityjapanese



試験を終えて、今後の日本語の勉強に向けて意欲を新たにした人も。






昨日、日本語能力試験二級は終わった!


あまりよくなかった、でも、来年、頑張り続きましょ!


木米のブログ






まさに継続は力なり」、ですね。





明日は、世界各国で日本語を教える日本語教師の皆さんの声をお伝えします 


ヾ(@^▽^@)ノ~~~~~~~~~マタネー





Monday, December 4, 2006

第14号はベトナム特集です+今回もプレゼント企画もあります!




会う人ごとに「もう師走なんてシンジラレナイ」発言を聞いておりますが、2カ月ごとの『遠近』(をちこち)刊行ごとに現れる情報センターの麦谷です。





「ベトナムを再発見する」と題して日本とベトナムの交流をテーマに特集を組んだ第14号が発売中です。先日のハノイでのAPEC開催に安倍首相が経済界の代表を同行させたことに象徴されるように、政治や経済の分野ではますます緊密になってきている日本とベトナムですが、文化の交流、人の往来もますますさかんになってきています。





多くの日本人がベトナムと言えば、まずイメージするベトナム戦争やドイモイによる経済発展だけでないベトナムを紹介するよう心掛けて編集しました。是非、ご一読ください。


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目次はこちらですが、主な内容は・・・。


・ 巻頭座談 誇りとアイデンティティ ―― ベトナムの心を理解するために


  小髙 泰 × コシノ ジュンコ × トラン・ヴァン・トゥ × 小倉 和夫


・ 「戦後」30年のベトナム 中野 亜里


・ 「東遊」するベトナム人、「南遊」する日本人 ファン・フィ・レー


・ ベトナム生まれ、日本育ちの私からの提言 森 絵里咲


・ 在日ベトナム人が住みやすい社会をめざして ハ・ティン・タン・ガ


・ 急増する若き日本語学習者 大舩 ちさと 


Amazonなどの主要オンライン書店で取扱っている他、お近くの書店でお取り寄せが可能です。


それでは、今回も、『遠近』をより深くお楽しみいただくために、記事や執筆くださった方に関連した読書&WEB案内をお届けします。





◆ 気鋭の若い研究者の視点で編まれたベトナム研究書


『ベトナム戦争の「戦後」』(中野亜里編、めこん、2005)


ベトナム戦争の「戦後」


編者の中野亜里さんだけでなく、森絵里咲さん、巻頭座談にご出席くださった小高泰さんも執筆者に名を連ねています。ベトナム戦争終結後から、ドイモイ下での活気ある経済成長までは、あまり知られていない時代ですが、これらの「ベトナム戦争の戦後」について、丁寧に描いている好著です。





◆ ベトナムの歴史をたどる1冊


『物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム』(小倉貞男著、中央公論社、1997)


物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書)


新書にしてはやや厚めですが、国としてのベトナムの歴史から紐解いて、中国支配時代やフランス植民地時代について、勇将や詩人など国民的英雄に焦点をあてた物語が重ねられています。巻頭座談会で話題になった、チュン姉妹の悲劇の抵抗、長篇詩『キム・ヴァン・キェウ』、ファン・ボイ・チャウの東遊運動、独立を勝ち取ったホー・チ・ミンなどについても分かりやすく書かれています。





◆ サイゴン陥落を伝えた日本人女性の激動の半生を綴る


『ハノイから吹く風』(中村伸子著、共同通信社、2000)


ハノイから吹く風 サイゴン陥落を伝えた日本女性


ファン・フィ・レー先生が言及されたベトナムの農学の貢献したルオン・ディン・クア氏は、第二次大戦中、南方特別留学生として九州大学で学んでいました。研究室で知り合い、クア氏と結婚した中村伸子さんは、その後、ご主人のクア氏、お子さんらと苦労してベトナムに渡り、後には北ベトナムに入って現地放送局で日本語放送アナウンサーとしても活躍しました。違う体制下という難しい状況や決して裕福とは言えない境遇にありながら、ご家族との生活が「幸せ」とおっしゃる日本人女性の激動の半生記です。





◆ 日本のベトナム人コミュニティを知る


70年半ばから80年代にかけて、インドシナ難民として日本に来た多数のベトナム人が日本に定住しています。


『越境する家族―在日ベトナム系住民の生活世界』(川上郁雄、明石書店、2001)


越境する家族―在日ベトナム系住民の生活世界 


川上郁雄先生は、『遠近』6号に「日本語を母語としない子どもたちと―多文化共生時代の日本語教育」をご寄稿くださっています。


『日本のベトナム人コミュニティ―一世の時代、そして今』(戸田佳子、暁印書館、2001)


日本のベトナム人コミュニティ―一世の時代、そして今





寄稿者のベトナム関連新著です。2冊とも暁印書館HPでご覧になれます。


◆「アメリカに勝った」ベトナム人民軍隊の真の姿とは


『ベトナム人民軍隊―知られざる素顔と軌跡』(小高泰著、暁印書館、2006)


◆ まもなく発売!


『現代ベトナムの政治と外交―国際社会参入への道』(中野亜里著、暁印書館)





また寄稿者に関連するWEBページです。


NGO ベトナム in KOBE


神戸周辺に住むベトナム人の生活相談のホットラインや、交流の企画、ベトナム文化の紹介などの活動をしています。阪神大震災での活動がその発端になっていますが、詳しい経緯や活動の様子は、代表のハ・ティン・タン・ガさんによる本誌への寄稿「在日ベトナム人が住みやすい社会をめざして」を是非、ご覧ください。タン・ガさん自身、難民として来日し、現在は5児の母でありながら、同胞の支援に奔走されています。


トラン・ヴァン・トウ研究室


巻頭座談会にもご出席くださった早稲田大学のトラン・ヴァン・トウ先生のHPです。ご専門のベトナムの移行経済、東アジアの経済統合、ASEANと中国のFTAなどに関する論文なども読むことができます。


◆ 森絵里咲さんのベトナム戦争と文学に関するコラムが読めます


東京財団のリサーチ・フェローでもある森さん。東京財団HPに、「『金縛り』―ベトナム戦後生まれ世代作家の挑戦」、「『ダン・トゥイ・チャム日記』」が掲載されています。森さんは、この号の編集のピークに、編集部にかわいいハロウィンの手のりかぼちゃを差し入れてくださいました~!(まだ私の机で愛嬌を振りまいています。)





コシノジュンコ公式サイト


ベトナム文化交流ミッションメンバーで、ファッションデザイナーとしてもご活躍のコシノジュンコさんのサイト。ショーの様子を写真入りで紹介するブログ「コシノジュンコの、ねっ。」もあります。


◆ 日本語教育事情をもっと詳しく


日本語教育専門家の大舩ちさとさんは、基金HP「世界の日本語教育の現場から」にも、「大きな成長」と題して、主に彼女の主業務である教師研修や教科書制作についてレポートを寄せています。またハノイだけでなく、ホーチミンで奮闘する派遣専門家からのレポートもご覧になれます。


さらにベトナムの日本語教育を概観したいときは、「日本語教育国別事情」(ベトナム編)をご参照ください。





さて、最後に編集部からのニュースです。


主に過去にご寄稿くださった方の近著などをご紹介します。


◆ アーサー・ビナードさん構成・文の絵本


『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』


ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸


人類の大問題、原水爆を幻の名画で訴える絵本です。アーサー・ビナードさんは、『遠近』6号で作家の島田雅彦さんと「言葉に夢中になる快楽」をテーマにご対談くださいました。


◆ ローランド・ケルツさんの講演収録


今年6月20日に国際文化会館(東京)で行なわれた講演会(主催:文化庁、J-Lit Center)での講演が、「なぜ日本文学はアメリカで読まれているのか」として『群像』2006年12月号に掲載されています。翻訳は柴田元幸先生です。ローランド・ケルツさんは、『遠近』12号に「村上春樹について語るときに我々の語ること」をお寄せくださいました。


◆ ジャパンファウンデーションの2004年度のフェローの著書が、サントリー学芸賞に選ばれました


『戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ』


戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ


ミネソタ大学准教授のマイケル・モラスキー先生は、2004年度のジャパンファウンデーションのフェローとして来日なさいましたが、その研究をまとめた著書が、第28回サントリー学芸賞社会・風俗部門に選ばれました。12月11日に贈呈式が行われるそうです。おめでとうございます!


◆ 中上紀さんの最新短編集


『蒼の風景』


蒼の風景


巻頭随筆「をちこち散歩」にこの8月まで連載くださっていた中上紀さん。心地よくて懐かしい、そして少し不思議な物語が15篇が収録されています。多国籍の女子生徒が学ぶ高校が背景になった物語などは、中上さんの高校時代はこんな風だったのでしょうか?


◆ ノーベル賞作家、J・M・クッツェーのサイン本がJFICライブラリーに展示されています


9月29日~10月2日に早稲田大学で行われた「国際サミュエル・ベケットシンポジウム 東京2006」での講演のため、初来日したノーベル賞文学賞作家のJ・M・クッツェーさんですが、来日中にジャパンファウンデーション関係者と会い、ノーベル賞授賞式の際の講演を収録した特別本にサインの上、ご寄贈くださいました。現在、JFICライブラリーにて展示中です!


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私自身、直接お目にかかることができ、もの静かな佇まい、知性が滲み出るその姿に接して、是非、日本に長くご滞在くださり、日本の作家や知識人との交流、また読者との対話の場が設けられる機会が早く来ればと思いました。いくつもの作品が邦訳されていますが、代表的な1冊と、日本で最初の本格的研究書をご紹介いたします。


『恥辱』


恥辱 


『J.M.クッツェーの世界―“フィクション”と“共同体”』


J.M.クッツェーの世界―“フィクション”と“共同体” 


今回も随分長くなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。


今回も、このブログの読者の皆さんの中から先着10名の方に『遠近』14号をプレゼントいたします。ご希望の方は、ご自身のブログで、ベトナムに関連した記事をお書きの上、このブログにトラックバックをしてください!! 


トラックバックをいただき次第、発送させていただきます。メールアドレスを公開されていない方は、プレゼント発送のために、ご連絡先をwochikochi@jpf.go.jpまで、お知らせいただければ幸いです。(お知らせいただいた個人情報は、プレゼント発送以外には他用致しません。) お待ちしています。





次号の来年2月号は、「市民社会を支える財団」(仮題)です。


市民社会には欠かせない存在と言われる財団ですが、普段の生活ではあまり縁がなく、その活動内容はあまり知られていないのではないでしょうか? 国際交流に関わる助成財団・事業財団を中心に内外を比較しながら、その役割や意義を検証します。堅いテーマかもしれませんが、政府・公共部門(第1セクター)、企業など営利法人(第2セクター)につぐ、第3のセクターとして、これからますますその重要性が高まる非営利公益組織部門について、理解を深める1冊としてご期待ください。





それでは、みなさま、体調を整えて、よいお正月をお迎えくださいませ。






Friday, December 1, 2006

国際交流基金は国内広報にも積極的に取り組んでいます!






こんにちは。三富です。


今日は、基金の国内広報への取り組みについてご紹介します。




残念ながら国内での認知度がいまいちの国際交流基金ですが*1、実は国内に向けた広報にも積極的に取り組んでいるのです。





このブログもその一例。


1人でも多くの方に私たちの活動を知ってもらいたい、見てもらいたい」という思いから、ブログというツールを使用して、国際交流基金の事業などを紹介しています。





その他にも、




などなど、いろいろな取り組みを行っています。





が、残念なことに、まだまだ国際交流基金の認知度は向上していない様子...



翻って、わが国政府はこれまでそのような広報・文化交流のための機関を設立するために何をしてきたのであろう。


私は寡聞にして「国際松下村塾」とか「適塾インターナショナル」とか「漱石インスティチュート」とかいうものがあることを知らない。


あるいは文科省はすでにそのような海外機関を設置しており、日本語日本文化日本の国際社会における立場についてご理解いただくための広報活動を全世界的に展開しているのかもしれない。


いや、当然、そういう活動があるに違いない。なくては困る。


単に私ひとりがその名称も活動内容も知らなかっただけであろう。


だが、私が知らなかったということは、たぶん日本人の80%くらいは、そのような広報機関の活動について十分な知識を持っていないということである。


自国民の80%にその機関の活動について周知徹底させることのできない広報機関が外国民に対してのみ選択的に活発な広報活動をしていると推論することは困難である。





内田樹の研究室






先日ブログチームが参加したサイエンスアゴラ2006のワークショップにおいても、参加者20名ほどのうち、国際交流基金を知っている方はたった2名のみ、というリアルな現実に直面しました。





このようなご指摘を受けるのはもちろん残念なことなのですが、より一層の国内に向けた広報活動の必要性を実感し、より広く国内の方々にも国際交流基金の活動をご理解いただけるよう、もっともっと頑張らねば、と気持ちを新たにしたのでした。ご指摘ありがとうございます。








ブログチームとしても、このブログを通じて、もっと多くの方々に国際交流基金を知っていただけるよう、そして国際交流の魅力をより多くの方々と共有できるよう、国際交流基金のいろいろな取り組みについて、どんどん紹介していきます!!





また、12月6日には、学生さん向けの就職セミナー「文化放送就職LIVE!2008」に参加します!


基金に興味のある方はもちろん、基金についてはあまり知らないけれど国際交流に興味を持っているという方も、是非基金のブースにお立ち寄りください。






◆ 文化放送就職LIVE!2008 ◆


http://bunnabi.jp/2008/sp_event_1206.php


日時:2006年12月6日(水)11:00~18:00(10:30受付開始)


会場:東京ドーム プリズムホール


※参加にはWebサイトから事前予約が必要です。





*1:私も国際交流基金への就職が決まった際に、留学生の友人からは「Japan Foundation?知ってる!知ってる!私の国にも、オフィスがあるよ。」というなかなか良い反応が返ってきたのですが、日本人の友人は一様に「Japan Foundation?日本財団?競艇?」という反応のみ。という具合に、基金に入る前から、基金がもっと積極的に国内広報に取り組む必要性を痛感していたのでした...ちなみに日本財団の英語名称はThe Nippon Foundationです。さらに、正式名称は(財)日本船舶振興会で、日本財団は通称だそうです。詳しくは、こちら→http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html


*2:現在国際交流基金では、福岡、名古屋、仙台の3ヵ所を拠点地域とし、国内連携の強化に努めています。