Saturday, November 4, 2006

インドのお祭りのお話。



みなさんこんにちは、オレペコです。


この週末は三連休!という方も多いと思いますがみなさまいかがお過ごしでしょうか。





今日は、ハロウィン特集の時にちょこっと触れました、インドのお祭りのお話です。クリスマスは漸く認知され始めたけど、ハロウィンやバレンタインデーはまだまだというインド。ですが、いろんな宗教の方がいらっしゃるので実は土着のお祭りも多いんですよね・・・









デリーは、毎年秋に、“ダシェーラー”“ディワリ”というふたつの大きな伝統的な祭りが あります。今年は、それぞれ10月1日と10月21日でした。神話ラーマーヤナを起源と するお祭りであり、ダシェーラーは、ラーマー王子がランカーという悪者を退治した 日、ディワリ(あるいはディパバリ)はそのラーマーがデリーに凱旋した日(退治した場所はスリランカだったので)です。


神話では退治するのに10日間かかったことにちなみ、現在もダシェーラーの日の10日 前からそれぞれ毎日異なるお祭りが設定されており、またダシェーラー当日には、 市内の各所に張りぼてのランカー(高さ10mくらい)が立てられて燃やされます。 ディワリは、当日、爆竹や花火で祝われます。1日中朝から深夜まで爆竹や花火が市 内至るところ、家の前とか道端とかで絶えず鳴らされるので、デリー全体(もっと言うとインド亜大陸全体)が白煙でもうもうに包まれる状態になります。これは、土地 の古老に言わせると、この季節に活動が活発化する蚊やハエなどの虫を駆除する効果 もあるようです。すなわちデング熱やマラリアの媒介並びに蔓延を予防する意味があります。 僕は、ソウルでの会議の帰りで、22日早朝02:00頃デリー空港に到着した のですが、空港の建物の中までが(!)白煙で充満していました。



昔からのお祭りが、実はその時期に「生きやすく」するための知恵だったりするのは、どこも同じですね!それにしても空港まで・・・警報機はならないんでしょうか???






このディワリを過ぎると、デリーの季節は一気に冬に向かいます。ダシェーラーとディ ワリのふたつの祭りは、この土地における季節の境目も表しているのです。 それから、ムスリムにとっては、この時期イードというお祭りがあります。今年は10 月25日で、これは断食が明けたことを祝うものです。インドは多宗教の国なので、それぞれのお祭りが混在しています。



インドって“ずっと暑い”イメージだったんですが、みなさん、このようなお祭りを境に季節を感じていらっしゃるんですね!


来週あたりから日本も寒くなるのでしょうか。


残り少ない秋の行楽日和、みなさま、よい休日をお過ごしください!





Thursday, November 2, 2006

漂流する新人職員、丁雲氏の講演会に出没






こんにちは。浜村です(旧姓:三富)。





さて、なさん。


先日、「シンガポールの放浪作家 丁雲(ディン・ユン)講演会―シンガポール華人の喪失と漂流―」に行ってきました。





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シンガポールの華人作家である丁雲さん*1は、マレーシアに生まれ、現在はシンガポールに暮らし、祖籍を中国にもつ“漂流する作家”です*2。講演会では、ご自身の漂流体験をもとに、シンガポールにおける華人文学についてお話いただきました。





◆“やむをえず”漂流する作家





講演の中で丁雲さんは、「なぜ作家は漂流しつづけるのか?」という問いに、次のように答えていらっしゃいました。






作家は、“やむをえず”漂流するのです。


“やむをえず”の理由はさまざまであり、貧しさや戦乱、飢餓などがあります。






さらに、作家は漂流することで創作意欲がかき立てられること、またその一方で、漂流しながらもなお、生まれ故郷を思いつづけるている、という漂流する作家の複雑な心情をご自身の経験を交えながら説明されていました。





丁雲さんがマレーシアからシンガポールへ漂流したのも、マレーシア国内の政治的混乱という“やむをえず”の理由から。


シンガポールの永住権を取得してもなお、一貫してマレーシアを題材とした作品を発表しつづけていらっしゃるように、丁雲さんご自身の作家活動にも、漂流する作家の心持ちが強く現れているように思えます。





◆「知らずば愛し合えず」





丁雲さんは講演会の開催に際し、「日本への手紙」と題された文章を寄せていらっしゃいます。






おはよう、日本。


私は来た。戦々恐々と、喜びと憂いの交じった心持で。


・・・・



手紙の中で丁雲さんは、ご自身が日本について知りえることは、著名な作家、映画監督などの文学や映画、雑誌などを通じて得ることのできた限られたものであるとして、未知の国日本へ渡る「戦々恐々とした」心情を説明されています。また、マレー人の「知らずば愛し合えず」ということわざを引用しながら、『だからこそ今、私は日本を知り、そして愛し合うために来た。』と、訪日の抱負を語っていらっしゃいます。





大阪、東京につづき、仙台、函館の二都市を訪問される丁雲さんですが、異文化との触れ合いを通じて何を感じとられたのか、日本でのプチ漂流経験について、また改めてお聞きしたいものです。





講演会や東京滞在中の様子などは、今夜NHK・BSで放映される予定です。是非ご覧下さい!



NHK衛星第一「きょうの世界」 22:15~23:45


http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/


『“アジア的な民族共生”を語る ~華人作家 丁雲~』





*1:丁雲さんは、情報センターの丁寧さんとご親戚、ではありません。


*2:ちなみに、私も出身は静岡、大学は大阪、大学院は愛知、そして現在は東京と、日本全国を漂流してきたジャパンファウンデーションの職員です。





Wednesday, November 1, 2006

世界のハロウィン事情2~実はアメリカでも・・・~



みなさんこんにちは、オレペコです。


昨日ご案内したように、今日はインドのお話を書いてみようかと思っていたのですが、NY事務所に勤務する同僚からハロウィン当日の様子についてのメールが来たのでそちらをご紹介します o(^^)o



「ハロウィーンの起源って知ってる?」と、アメリカ人のスタッフ2名に聞いたところ、一人はWikipedia、もうひとりはHistory Channelで早速調査を開始。というぐらい、ハロウィーンの起源は忘れられ、今や「お祭り」として定着しているようです。





コスチュームを身にまとい、子供は「Trick or Treat」、大人はパーティーやパレードに参加。このコスチュームにかける意気込みはかなりのもの。週末に行ったハロウィーン・ショップは、店の外に50メートルほど人が並ぶほど盛況でした。子供用からオトナ用まで、魔女やお化けにお姫様、民族衣装、動物のかぶりもの、スパイダーマンにスーパーマン、あらゆる衣装がととのっています。手作りの衣装も見かけるのですが、目をひいたのは、ホットドッグやパンプキン、そしてチョコレートのハーシーズなどの食べ物でした。(え?私だけ?)






ふむふむ。


アメリカでは盛り上がるには盛り上がるけど、どちらかというと日本みたいな感じで「宗教的に」というよりは、「楽しいから」盛り上がってるという要素がおおきいのですねー。


たとえば


    f:id:japanfoundation:20061025142027j:image:w150 とか、f:id:japanfoundation:20061031183004j:image:w150 とか、


めちゃめちゃかわいいけど、特に左の子なんかは、どこがハロウィンやねん!と思わず突っ込んでしまいそうになりますね(笑)。


    f:id:japanfoundation:20061031190510j:image:w150   みたいなお馬鹿なコスチュームもあったり。





そういえば、メキシコの同僚からのコメントも、





メヒコ*1にはハロウィンはないのですが、アメリカからの商業化の波に抵抗しきれず、何故かジャックオーランタン*2だけは骸骨と並んで溢れてます・・・



というものでした。やっぱり、商業化の波は強し。


そうそう、これから二週間程度、メキシコの町はこの「骸骨」で埋め尽くされるのだそうです。


このお祭りについては写真と共に改めて。。。(こちら




*1:スペイン語の発音では、メキシコのことを”メヒコ”といいます。


*2ハロウィンの時期によく見る、かぼちゃのおばけです