Thursday, August 10, 2006

アジア人研修生との交流会@国際交流基金・関西国際センター







みなさんはじめまして!!JFサポーターズクラブ担当の鈴木です。





今日は「大阪でお好み焼きを作って食べるイベント」


あっ違った「関西国際センターでのアジア人研修生との交流会」のお知らせです。


一緒にお好み焼きをつくって食べようという企画。





それにしても、大阪人はお好み焼きへの思い入れ強いですよね。





実は私、今は東京で仕事をしていますが、大阪・浪速区の生まれです。


小学校のとき京都に引っ越すことになり、親が私の友達を呼んでお別れ会をしてくれることになったのですが、そのときリクエストしたのがお好み焼きパーティー。もちろんみんな大喜びでした!





大きくなって米国の田舎町に住んだことがありますが、そこで親しくなった日本人夫婦も大阪出身。


ホームパーティーでお好み焼きをやりたいからと、地元の鉄工所に頼んで、特注の鉄板とこてをつくり、バーベキュー用のコンロに乗せていました。スーパーでは豚肉のブロックしか手に入らないので、薄切り肉の代わりに、ベーコンを使用していました。


鉄板でカリカリに焼けば、これが結構いけます。





英国に住んだときには、ホットプレートを持参してお好み焼きをつくりました。


基本的に小麦粉とキャベツがあればそれらしいものができます。トッピングを自由にアレンジできる点がグッド。イスラム教の友人はベーコンもNGですから。作り方は全然違うんだけど、『ジャパニーズピザ』だと紹介して、結構好評でした!(ちなみに、ロンドン、大英博物館近くの『あべの』というお好み焼き屋では、日本らしいお好み焼きを食べることができます)





さてさて話が脱線してしまいましたが、大阪府泉南郡田尻町のりんくうポートにある国際交流基金の関西国際センターには宿泊施設もあり、たくさんの外国人が研修にやってきます。その研修生とJFサポーターズクラブ会員の交流会をやろうというのが今回の企画です。


詳しくはこちら





大阪だからお好み焼き、インターナショナルな集いだから、融通の利くお好み焼き。シャイな研修生も、いっしょにキャベツを刻んだり、粉をこねたりしているうちに、仲良くなれますよ。





研修生の研究テーマは、公共政策、女性教育、ナノテクノロジー、国際経済、海洋生物研究とさまざまです。日本で始まる彼らの研究生活を、バックアップしてあげてください。





JFサポーターズクラブ会員でなくても、参加費500円でご参加いただけます(当日入会もOKです)。ただし事前申込が必要になります。件名を「交流会」とし、お名前、会員IDを明記してinfo@jfsc.jp宛お申し込みください。 【締切8月21日(月)】


今回は、参加者全員に絶賛発売中の『遠近(をちこち)』最新号(村上春樹特集)遠近 (第12号(2006年8・9月号))


プレゼントします!!





Wednesday, August 2, 2006

ジャパンファウンデーションのリソースを教育の現場へ!



皆さんこんにちは、松岡です*1

以前このブログでも告知しましたが(6/7付記事)、武蔵野市国際交流協会が主催する、教員向けのワークショップに参加してきました*2




そういえば昔、1/20付の記事でも関連記事を書いてました*3。このときの集まりも、今回の「教員ワークショップ」の実行委員会でした。









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今回僕たちが参加したのは*4、3日間あるプログラムのうち、最終日のプログラムでした。


1日目、2日目は既に様々な授業実践をしてきている先生方の報告を聞いたり、ワークショップ手法を体験したり、専門家のお話を聞いたりしてきた先生方が、最終日の3日目では、具体的なリソースと出会って実践できる授業案を考えました。





その3日目にジャパンファウンデーションは、





「アジア漫画展」





という素材を持って乗り込んだわけです。





f:id:japanfoundation:20040705122030j:image





アジア漫画展に関して、詳しくはこちらをご覧下さい。これまで10回やってきている歴史のある展覧会でして、毎回テーマを決めて漫画(カトゥーン)を展示しています。こちらのページでは毎回の様子がわかりますので、ぜひご覧下さい。





さて、私たちとしましては、「アジアの多様な文化の豊かさを伝えたい(えっ、そんな見方もあるんだっ!!)」とか、「写真や文章ではなく、カトゥーンだからこそ広がる想像性があるのではないか?」といった想いから、この展覧会の作品を素材として活用できないだろうかと考えました。実際、カトゥーンであれば何らかのメッセージを発するときに、多少部分を強調したり、あるいは省いたり、そういったことができますよね。


リアルな写真とか文章とは違って、こうしたカトゥーンの場合は





見た人によってどんどん想像が膨らんでいきます





これは今回のワークショップでも感じました。





f:id:japanfoundation:20060728111559j:image ←会議の風景です。





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例えば皆さん、このカトゥーンをみてください。





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さて、この人たちは何をしてますか??


ここはどこですか?





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「何か食べてる?」


「なんか辛そうな顔してない・・??」


「いや、この子は楽しそうだよー」


「女の子は働いていて、男の子は遊んでるね。」


「いやいや、男の子も食料を採ってるじゃん。働いてるよー」


などなど・・・。





カトゥーンを通じてコミュニケーションが生まれ、なるほどそういう見方もあるか、という発見があったりもしました。





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当日は3人の留学生も参加してくれて、そこに先生4名が加わり、僕と大島さんも参加しました。


参加した人の数だけ、カトゥーンからのメッセージの受け取り方があって、「国際理解」という切り口から入っておきながら、気づいたら「他人理解・人間理解」になっていましたね。まさにこれこそが狙い、でもあったりして。





ある参加者は、


「カトゥーンを通じて参加者の皆さんと対話ができたのが楽しかった」


と感想をくれました。





確かに「国際理解」といったときに、そのスタート地点というか根底にあるのは「他人を理解すること」であるわけですねー。








f:id:japanfoundation:20060728133648j:image ←カトゥーンをみて、みんなであーだこーだと言っています。











また、今回は国際理解という切り口からこの企画に関わり始めましたが、特にそこにこだわることが重要ではないということも学びました。


今回のワークショップに、同じく素材提供側として参加していたACTIONというNGOの代表である横田さんがおっしゃってましたが、NGOとしてもっている様々なリソースを学校の現場で活用して行く際に、別に「総合学習」とか「国際理解」という授業で無ければならないことはなくて、それこそ国語の授業の一部であったり、社会の授業の一部であったり、何でもいいんです、と(だいたいそんな感じのことを言ってた気がします)。これには僕も深くうなずきました。


別に「国際」交流基金だかといって、国際にこだわる必要は無いわけですからね。





当日、実際にワークショップのファシリテーションをやった大島からもコメントをもらいました。






皆さま、はじめまして。


4月に基金職員となりました大島 幸と申します。


松岡も触れていましたが、私はこの3月まで、4年間高校教師をしていました。


昨年の今頃は、3年生担任として、進路指導に文化祭のステージ準備に走り回っていたものです...(しみじみ)。


現在は総務部総務課に所属し、組織の管理(の一端)に携わっています。


そんな私ですが、周囲の方々の理解と協力を得て、6月より「基金のリソースを教育現場でどう生かせるか?」プロジェクトに加わることとなりました。


微力ながら、学校現場での経験を生かせれば、と思っています。


さて。


今回の教員ワークショップですが、まず午前中に、基金の分科会に参加してくださった先生方&留学生へ「こんな風に漫画作品を提示したらどうでしょう?」というデモンストレーション、午後は「学習指導案を作ってみましょう!」活動のファシリテーターをしてきました。


参加された方が本当に積極的に活動に関わってくださり、最終的には小学校・中学校・高等学校での学習指導案作成にまで至りました。また教材を通して、お互いに大いにコミュニケーションを取る活動となりました。私自身が参加者の方へ伝えること以上に、「こういう使い方もあるなぁ」「こういう導入の仕方もできるのか」と多くの発見をいただきました。また、教員経験者ということで、先生方から温かい応援・お言葉を頂いたことも大きな財産となりました。


学校現場にいた者として、基金のリソースを教材化する時に思うのは、それぞれの学校で実現可能なものにしたいということです。学校の置かれた状況、レベル、教科・科目でそれぞれに異なるニーズに対応できるよう、皆さまとコミュニケーションを取りながら進めることが出来たらと思っています。


そのためにも!興味をお持ちの先生・生徒の皆さんからのお声をお待ちしています!






もうすこし詳しい当日の模様は、近日中にうちのホームページかどこかでお伝えしようと思ってますので、どうぞお楽しみに。




*1:すいません、今回は若干長文です、が中身もつまってますんで・・・


*2:なぜトリエンナーレ準備室に異動になった僕が、このワークショップに参加しているのか?ここがまた自分で言うのもなんなのですが、ジャパンファウンデーションの組織の小回りが聞くところなんです(組織の程よいサイズのおかげですね)。以前にもどこかで触れたかもしれませんが、既存の事業には無い先駆性・創造性のある事業コンペのようなものが内部でありまして、そこに「ジャパンファウンデーションの持っている国際文化交流事業に関する様々なリソース(人、絵画、音楽、映像などなど・・・)を未来を担う子供達の教育現場に生かせないだろうか??」という想いをぶつけてみたのです。結果的にはその企画が運良く通りまして、昨年から内部にどんなリソースがあるのかリサーチしたり、関係者に話を聞いたりしていたのですよね。そうした成果を踏まえて挑んだ、自分達にとってはある種、中間発表会のようなイベントでした


*3:ワークショップの実行委員の先生がこの記事を見てくれていて、びっくり&感激でした。


*4:ジャパンファウンデーションからは松岡のほかに大島という新入職員も参加しました。彼女はなんと、元教師。総合学習のような授業の経験も豊富です。こういう「素材」もジャパンファウンデーションにはゴロゴロいます。





Tuesday, August 1, 2006

第12号は村上春樹関連特集です+プレゼント企画もあります!



今年は長梅雨(東京)でしたね。





隔月刊雑誌『遠近』(をちこち)の8月1日号を発行しました。今号は、「世界は村上春樹をどう読んでいるか」と題して、いま世界で愛読されている現代作家の一人、村上春樹氏の作品の翻訳に焦点をあて、国や世代を超えて共感を集める普遍的な魅力がどこにあるのかを探っています。


遠近 (第12号(2006年8・9月号))




村上春樹氏ご本人のエッセイ「翻訳することと、翻訳されること」*1 、村上作品の装丁でおなじみの安西水丸さんのエッセイ「村上春樹さんとの仕事のこと」、村上作品原作の『トニー滝谷』に主演したイッセー尾形さんのエッセイ「幸福の向こう側」など、盛りだくさんの内容でお届けしています。





また、村上作品の韓国語翻訳を手掛ける金春美(キム・チュンミ)さん、ロシア語翻訳を手掛けるイワン・ロガチョフさんから、それぞれの国で何故、村上作品がそれほどに受け入れられるのかについてのレポートも掲載しています。





3月にこのブログでもご紹介した、世界中の村上春樹作品の翻訳者が一堂に会した国際シンポジウム「春樹をめぐる冒険-世界は村上文学をどう読むか」に関連して、「冒険」に参加した15ヶ国・地域からの20名の翻訳家・評論家の紹介や、主催者ならでのメイキング話とあわせて、村上春樹氏のファンの方も、そうでない方も、是非、お読みください。





目次はこちらです。Amazonなどの主要オンライン書店で取扱っている他、お近くの書店でお取り寄せが可能です。





今回も、『遠近』をより深くお楽しみいただくために、記事や執筆くださった方に関連した読書&WEB案内をお届けします。





◆ 安西水丸さんが悩んだ「ふわふわ」はどうなった?


『ふわふわ』村上春樹、安西水丸 共著


ふわふわ (講談社文庫)





◆ イッセー尾形さんが「一瞬の喜びや、悲しみ」を演じ切りたかった作品


『トニー滝谷』監督:市川準、出演:イッセー尾形・宮沢りえ他


トニー滝谷 プレミアム・エディション [DVD]


イッセー尾形ファンの方、ブログもあります!





◆ ローランド・ケルツさんが21世紀に頭角を現してきた日本のアーティストについて書いた新著(英語です)


『Japanamerica: How Japanese Pop Culture Has Invaded the U.S.』


Japanamerica: How Japanese Pop Culture Has Invaded the U.S.





国際シンポジウム「春樹をめぐる冒険」関連


『文學界』6月号


ワークショップ1「翻訳の現場から見る村上ワールドの魅力」とワークショップ2


「グローバリゼーションのなかの村上文学と日本表象」を収録しています。





『新潮』5月号


リチャード・パワーズさんの基調講演「ハルキ・ムラカミ-広域分散―自己鏡像化―地下世界―ニューロサイエンス流―魂シェアリング・ピクチャーショー」を、柴田元幸先生の翻訳にて掲載しています。


原文(英語)「The Global Distributed Self-Mirroring Subterranean Neurological Soul-Sharing Picture Show」は、ジャパンファウンデーション発行の「Japanese Book News」48号に収録しています。(無料ダウンロード可能です。)





「春樹ワールド」の案内人4名の先生方もそれぞれ、各誌に寄稿くださいました。


『AERA English』7月号


柴田元幸先生と、基調講演をしてくださったリチャード・パワーズさんの対談「柴田元幸がリチャード・パワーズに聞く! 世界が見た村上春樹」が日英2カ国併記で収録されています。





『東京人』7月号


沼野充義先生による「『春樹をめぐる冒険』顛末記」の寄稿があります。


沼野先生は、シンポジウムに先立ってロシアを訪問され、その結果を、「ルポルタージュ ロシアの村上春樹」として、『文學界』5月号に寄稿しています。





◆ 「週刊ヨモタ白書」


四方田犬彦先生の「週刊ヨモタ白書」から、シンポジウム「春樹をめぐる冒険」について


vol.69 世界ハルキ会議を終えて


vol.70 カミクイシキの思い出


なお、このシンポジウムの全容については、文芸春秋から単行本が今週発行される予定です。また、このブログでもご紹介しますね!





その他諸々、編集ノートからです。


◆ 「春樹ワールド」の案内人で、「東アジアと村上春樹」のテーマで国際共同研究も行なっている藤井省三先生は、「村上春樹のなかの中国を読む」を、東京大学出版会の『UP』で連載中。最新号は、「ジェイズ・バー」という歴史の記憶~『風の歌を聴け』論です。





村上春樹氏に関するものなら英語でも読みたい!という方向け


◆ アメリカの文芸誌『A Public Space』創刊号


ローランド・ケルツさんの村上春樹氏へのインタビューが掲載されています。ケルツさんは、この号で日本の現代文学特集の編集を担当し、小川洋子・阿部和重・中原昌也の短編小説の翻訳も取り上げています。(ただ、発売元でもこの創刊号は売り切れのようです。日本では青山ブックセンターが取り扱っていましたが、4月の時点で私が購入したのが最後の1冊だったようです。その後、追加入荷していると良いのですが・・・。)





◆ ローランド・ケルツさんも話題にした、アメリカの作家 ジョン・アップダイクによる『海辺のカフカ』(英語版)についての書評「Subconscious Tunnels」(『ニューヨーカー』誌 2005年1月24日、31日号掲載)





ロシア絡みで2つ。


◆ 『ポートレイト・イン・ジャズ』のロシア語翻訳でジャズ用語の翻訳に悩んだイワン・ロガチョフさんは、漫画『らんま1/2』のロシア語翻訳者でもあります。読売新聞に、日本漫画を初めてロシア語で翻訳・出版したとして紹介記事が掲載されています。





◆ ロシア語で私も読めないのですが、ロシア語翻訳者のドミトリー・コヴァレーニンさんのHP「バーチャル寿司」。ビリヤード台の握り寿司という不思議な写真が見られます(笑)。





長々とお読みくださりありがとうございました。





夏ですし、どーんと、今回、このブログの読者の皆さんの中から10名の方に、この『遠近』12号をプレゼントいたします。ご希望の方は、ご自身のブログで、「世界は村上春樹をどう読んでいるか」というテーマに関連した記事をお書きの上、このブログにトラックバックをしてください!!(さらに、トラックバックでメールアドレスを公開されていない方は、プレゼント発送のために、ご連絡先をwochikochi@jpf.go.jpまで、お知らせいただければ幸いです。お知らせいただいた個人情報は、プレゼント発送以外には他用致しません。)


希望者多数の場合は、こちらで内容を読ませていただいた上で、選ばせていただきますので、ご了承ください。締切は8月10日(木)の正午(日本時間)までとさせていただきます。





次号の10月号は、「日本のアニメーション」(仮題)です。世界中の子どもや若者だけでなく、大人までを魅了する日本のアニメーションについて、豊かで多様なその魅力と歴史や、『遠近』ならではの海外事情レポートをお届けします。どうぞ、お楽しみに!




*1:『遠近』の前身、『国際交流』73号(1996年10月発行)に収録のエッセイを、本特集に際してご許可いただき、再度、収録したものです。