昨晩『戦争と平和』(新潮文庫)を読み終えた興奮がいまだ冷めやらぬ久保田です。
光文社の古典新訳文庫では、昨年、亀山郁夫先生の新訳『カラマーゾフの兄弟』が発表され、
そして先月からは、望月哲男先生の新訳『アンナ・カレーニナ』の刊行が始まっていますが、
いずれは『戦争と平和』も新たに訳される日がくるのでしょうか?*1
さてさて今日は文学談義ではなく、日本語G(グループ)の近況をお伝えしたいと思います。
まずはつい先日、2008年度版に更新された「世界の日本語教育の現場から 日本語教育専門家・ジュニア専門家の声」のご紹介です。
こちらは先日、派遣・助成課のTさんからも公募のご案内があった
「日本語教育専門家」および「ジュニア専門家」の活動を垣間見ることができるページです*2。
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は日本語事業の一環として
世界各地の中核的な日本語教育機関に専門家を派遣しています。
まだまだ駆け出しではあるものの、日本語事業部の一員として、
また先生方の活動や世界各地での日本語教育(日本語学習)を巡る状況の実際には興味がありますし、
さらには日本語能力試験の担当者として、各地における日本語学習が
試験とどうリンクしているのかも気になります*3。
僕はまだ、東アジア、東南アジア諸国のコラムを拝見しただけなのですが、
そのなかで改めて認識したことがありました。
それは、場所によって日本語教育支援へのニーズが大きく異なるということ、
言い換えれば日本語教育専門家に求められる役割がいかに多様かということです*4。
日本語教育の歴史と経験の蓄積によって、
学習者の背景や学習者数の多寡によって、教員(教育体制)の充実度によって、
また同一国内でも地方であるか都市であるかによって、
派遣専門家へ寄せられるニーズ、そして派遣専門家のお仕事も大きく変わってきます。
そのようなニーズに対して、実際にどこまできめ細やかなサポートできるかという次元とは別に、
日本語教育に関わる者として、情況をフォローする努力は怠ってはいけないなと気持ちを新たにしました。
ご興味のある方は、ぜひ上のリンク先をクリックしてください!
また専門家の声は、『月刊 日本語』(アルク)誌上の連載
「国際交流基金レポート 世界の教室から」でもご覧頂けますので、
こちらもぜひお手にとって見てください。
2つ目は、もちろん文章の形でもいいけれど、
やっぱり専門家の生の声を聞いてみたい!
先生方と直接お話したり、質問したりしてみたい!という皆様へ、
「海外派遣 日本語教育専門家・ジュニア専門家・日本語教育指導助手 帰国報告会」のご案内です。
詳細はこちらをクリック!
ご覧のとおり、今月から来月にかけては、報告会ラッシュで、
8/20から9/25の間に8回、13カ国*5での活動を終えられた19名の先生方のお話を聞くことができます。
こちらは参加無料ですが、事前のお申込が必要です。
この貴重な機会もまたどうぞお見逃しなく!
*1:とはいっても、先日お亡くなりになられた新潮文庫版の訳者、工藤精一郎先生の端麗な訳文はまったく古びていないように感じられました。僕はロシア語をまったく解しませんが、日本語は見事の一言!先生、素晴らしい贈り物をどうもありがとうございました。
*2:公募はまだまだ受付中ですよ!締切は「日本語教育専門家」「ジュニア専門家」が9/5まで、「マラヤ大学予備教育課程(AAJ)派遣 日本語教育専門家」が9/3までです。詳細はこちら
*3:ラオス日本人材開発センターでの任期を終え、9/15の帰国報告会にもご登場の平田好先生は、2008年度版に「はじめての日本語能力試験」と題してコラムを寄せてくださっています。先生、試験への真摯なお力添えをありがとうございました!
*4:アジア諸国だけでこれだけ多様なんですから、中近東、アフリカ、中央アジア、ロシア、欧州、米州、大洋州…と見ていけば、もっとさまざまな有りようが目に飛び込んでくるんでしょうね。
*5:カザフスタン、ウズベキスタン、ベトナム、ケニア、フランス、シリア、ウクライナ、キルギス、ポーランド、カンボジア、ラオス、韓国、ドイツの13カ国です。
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