先日このブログでもご案内しましたように、今年も職員採用の季節がやってきました!
2月23日(金)を皮切りに、計5回行われる会社説明会は既にいっぱいになってしまいましたが(m(_ _)mゴメンナサイ!)、就職先にジャパンファウンデーションを考えてくださっているみなさまに少しでも実際のお仕事について知っていただきたい!ということで、これから3月にかけて、職員の 生の声 をお届けしていきたいと思います*1。
トップバッターは、インドネシア勤務を経て現在、
経理部財務監理課所属の堀川晃一さんに務めていただきましょう!☆ヽ(▽⌒*)
<向かって左が著者~マルク州アンボン市内の食堂前で~>
まずは、略歴から!
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1993年:外国語学部インドネシア語専攻卒業、同年、大阪府箕面市役所入庁
1995年12月:同退職
1996年1月:国際交流基金入社
1996-2000年:総務部、日本研究部、関西国際センターを経て
2000-2004年:ジャカルタ日本文化センター駐在員
2004年8月- 経理部~現在に至る
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Q:堀川さんは転職組と伺ってますが?
A:はい。正確に言うと、国際交流基金(以下、「基金」という)の採用試験は新卒組と同じ試験でした。試験の年齢制限が27歳までなっていたんで*2。
Q:地方公務員をやめて基金に転職された理由を伺っていいですか?
A:地方公務員としての仕事も面白かったんですけど、とにかく何でもええからインドネシアで働いてみたい、という夢を結局捨てきれへんかったからです。当時は後先のことは全く考えてませんでした。実は、基金の採用試験は4回受験しました(゚ー゚;。3回目までは筆記試験段階で撃沈、4回目の挑戦(27歳の時)で運よく採用されました。これだけ受験しているスタッフは他にはいないでしょう。両親からは、公務員やめてなんでそんなわけわからんところへ行くんや、と散々文句を言われて上京することになってしまいました(笑。
Q:基金に入ってどのような印象を持たれましたか?
A:入社当時最初に感じたことなんですが、決裁文書(稟議書)等の文体が、地方公務員から見ても非常に官僚的な文体でびっくり。また、総務部や経理部等の管理部門を称して「官房」と呼ばれていたのにも個人的には違和感を感じました。やっぱり国の制度の影響があるんでしょうね*3。組織体制はなんか堅いなあと感じた反面、それぞれのスタッフは皆個性豊かで、一般的な公務員のように上司部下の関係のヒエラルキーみたいなものは良い意味で希薄で、お互い自由に意見を言える雰囲気があるんで、働いていて面白い職場やなあと感じてます。
Q:ところで、インドネシアで働きたいという夢を実現することができたんですね?
A:はい、予想以上に早い時期に。なんで、基金に転職した目的が達成されてしまって、今後どうしていったら良いのか、今、真剣に考えているところです(笑。
Q:初めての海外勤務はいかがでしたか?インドネシア語を大学で勉強されていたということで、インドネシアでの勤務はスムーズにいきまいしたか?
A:インドネシア語ができるに越したことはありませんが、語学はあくまでも仕事を円滑に進めるための潤滑油的なツールであって、それができることで仕事がうまくいくということには必ずしもならないということを痛感しました。
海外で勤務するにあたっては、はじめに現地でのTPOに合わせた慣習に慣れる必要があるということは言うまでもありませんが、私の場合、まずは最初の1年ぐらいは仕事の進め方が良くわからず、毎日が試行錯誤の連続でした。というのも、基金に入って最初に配属されたのが人事課で、その次は日本語能力試験の運営を行う部署で、その後すぐにジャカルタ日本文化センターに赴任となったわけなんですが、2部署しか経験せず、かつ、その他の業務のことを全く知らない状況の中で海外勤務が始まったんで、最初のうちは、基金のやっている業務全般について勉強をすることから始まりました。
海外事務所で勤務する場合、基金本部の各種事業の受入及び海外事務所独自の事業実施以外にも、事務所の運営に関わる総務的な仕事もやらなければなりません。事務所の運営方針の策定や財務会計業務も担当することになるわけです。また、日本では若輩の「平職員」であっても、海外事務所ではローカルスタッフ*4の労務管理を行う「管理職」的立場にたたされることになります。つまり、ローカルスタッフの雇用や福利厚生等に関するマネージメントをする立場となり、時には、契約問題や賃金問題についてローカルスタッフと対峙しなければならない場面も出てくることもありますんで、現地の労働法や慣習等に関する知識を得るとともに相手方と交渉するスキルも会得しなければならない必要もあります。
このように広範囲に渡る基本的な知識を徐々に身に付けつつ、業務を「まわして」いかなければならないんで、日本で勤務している時よりも大変な労力を必要とする場合がありますが、その分やりがいは非常にあると思います。
それ以外にも、例えば、業務上日本からいらっしゃる専門家の方々と一緒に食事をする場所の候補や、業務外のフリー時間にご案内できるスポットの候補を自分なりに「開拓」しておくといった日頃の努力(?)も、文化交流をする上で役に立つことがあります。また、大型の公演団等の受入の際には、1週間程度連日、早朝から深夜、時には明け方まで仕事をしなければならないこともあるんで、体力も蓄えておく必要があります。
あと、何か「一芸」、例えば日本の伝統楽器を演奏できるとか、折り紙を折れるとか、剣玉が上手であるとか、囲碁・将棋ができるとかいった特技を持っていると、何かの際に非常に役に立つ時があると思います。残念ながら、私の場合はそういった特殊技能がなかったんですけどね。折り紙を折って見せる機会は結構ありましたけど。
これ以外には、計画通りに物事が進まないときに、柔軟に対応できるかどうかということも重要な要素だと感じました。お国柄、極言すれば、目的を達するためには手段も選ばない(もちろん「合法的な」範囲においてです。)、という姿勢も時には必要とされることもあります。こういったことは、海外勤務をして初めて体験できるものなんで、「習うより慣れろ」という側面も多々あるかと思います。ただ、そうやってようやく慣れて頃に、日本へ帰国となってしまうんですけどね(笑
Q:海外勤務で印象に残ったことは何ですか?
A:そうですね、どれもこれも色々な意味で印象に残っているものが多いんですが、強いてあげるとすれば、2002年5月に東ティモールが独立した前後に、現地で事業を実施したときのことやと思います。
日本からやってくる柔道専門家のデモンストレーション準備のために、畳の下に敷くスノコを大量に調達してほしいという依頼がありました。完成品は現地で手に入らないため、木材を買出しに行き、素人の私が図面を書いて、こういう風に木材を加工して欲しいと現地の業者に依頼し、現地で完成品を作れるように、イベント開催スケジュールに合わせて納品してもらうようにしていたんですが、予定通りに作業が進まず、運送会社に納品する日になってもまだ半分ぐらいしかできていない状況であったため、日付が変わって未明まで作業をしてもらってなんとか運送会社に引き渡したものの、事前に手配していたにもかかわらず当日になってバリ島から東ティモールに向かうフライトに荷物の重量の関係で載せることができないと突如航空会社から言われ、空港で航空会社の責任者と交渉したものの、結局荷物を載せることができずに無駄骨を折ったということがありました。
結末は、ジャカルタで調達した木材は相変わらずバリの空港で留め置かれてしまったままで、その代替として東ティモール側でなんとか木材を調達できて、イベント当日は事なきを得たんですが・・・このときは本当に大変でした。これ以外に、東ティモール独立関連イベントとして、現地でJETROさん、JICAさんと一緒にそれぞれの組織が行っている事業PRイベントを実施したんですが、それだけでは現地の人達の関心をひきにくいんで、大使館、JETRO、JICAからイベント担当としていらしているスタッフさんにも参加をお願いして折り紙デモを連日実施しました。大人達は最初は関心を示していてもすぐに飽きてしまう反応を見せる一方、小さい子供達が一生懸命になって折り紙を一緒になって折ってくれたことが印象に残っています。
このように様々なことがありましたが、その時の苦楽を共にした他団体のスタッフの方々とは、「同じ釜の飯を食った仲間」ということで、現在も連絡を取り合ったりしています。このように綱渡り的に事業の準備をすすめていかなければならなかった例は他にもあるんですが、この事業が最も記憶に残っているもんです。
Q:最後に、基金への就職を目指される方にメッセージをお願いします。
A:基金の採用試験に何度も失敗してきた私が言うのもなんですが、様々な失敗や挫折経験に怯むことなく、そのことを糧にして、前向きに進んでいこうとする気持ちを大切にして欲しいと思います。あと、時節柄、こういったことを発言すると問題視されるかもしれませんが、最近、基金に入ってくる男性職員の数が非常に少ないんで、男性諸氏の健闘を祈っています!
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堀川さん、ありがとうございました。海外での勤務の「醍醐味」と「難しさ」がリアルに伝わってきますね~。
そんな堀川さんの、海外事務所時代の典型的な一日はこんな感じだったそうです。
*2:当時。昨年度は、「採用時点で原則として満30歳未満の方」となっています。今年度については2月末頃に公開予定の募集要項を必ずご確認ください
*3:注:今は、わかりやすい文体で書くように改められてます
*4:オレペコより:現地、つまり事務所所在国で採用するスタッフのことです
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