Thursday, December 27, 2007

 世界のクリスマス2007~vol.2 東方三博士ならぬ、ヨーロッパ東方三地域の職員(!)の場合~






みなさんこんにちは、オレペコです!

クリスマスも終わり、いよいよ2008年までカウントダウン、という感じですが・・・実はそのクリスマスについて、ヨーロッパに駐在している職員からおもしろい話題が届いたので今日はそのお話を。ホットワイン、ソーセージにあまーいお菓子・・・世界のクリスマスvol.2*1は、いつもとちょっと趣向を変え、ドイツ、オーストリア、ハンガリーから、クリスマスの「食」についてあつ~~く語ってもらいます!写真も必見!!ではでは、どーぞ。





■クリスマスマーケットといえば・・・ホットワイン♪


f:id:japanfoundation:20071202181850j:image:rightブダペストのKさん(以下ブダ):この時期になると、クリマ(クリスマスマーケットを省略してみた)が楽しみですよね。ヨーロッパ全体がクリマで盛り上がっているかなと思ってたんですが、それはドイツを中心とした一部だけかな?と気づきました。フランスでもドイツに近いアルザス地方ではクリマが盛んだ、と聞きましたし。ドイツのクリマは圧倒的に規模が大きいですね。


ベルリンのTさん(以下ベル):どうなんでしょうか。ドイツでいちばん歴史があると言われているのがドレスデンのクリスマス・マーケットで、今年で573回目です。


ブダ:おお。そりゃ、やっぱりドイツがクリマの中心地なんでしょうか。


さて、クリマの楽しみといえば買い物そっちのけでホットワインなんですが(*^^*)ポッ。ハンガリー語ではフォッラールトボール(Forralt bor)といいます。「沸かした」ワインという意味です。ドイツ語ではなんて言うの?


ベル:ドイツでは「グリューヴァインGluehwein)」。「グリュー」は、「熱くなる」「ほてる」っていう意味の「グリューエン(gluehen)」という動詞が他の名詞と連結するときに使われる形、「ヴァイン」はワインです。飲むとほてってぽかぽかすることから、グリューヴァインと呼ばれてるんですよ。


f:id:japanfoundation:20071222100705j:image:leftブダ:へえ。じゃあ、グリューというのは、たとえばホットチョコレートという場合にも使うのかな?ただの「ホット=熱い」の意味とはちがって、体を熱くしてくれるホットワインに特に使うのかな、という感じがしたけど。


ウィーンのKさん(以下ウィー):そうそう。ホットチョコレートは、ドイツ語ではハイセ・ショコラーデ。単なる「ホット」に相当するのが「ハイス」だから、ワインの場合は「体を熱くする」という意味で「グリュー」なんでしょうね。 実際、グリューヴァインがないと、氷点下の屋外でマーケットをのぞいて歩く気になれないなあ(~O~;) <写真は、ホットワインが入った壷@ブダペスト>





■ホットワインのカップのヒミツ。


ブダ:なるほどね。意味がわかるとますます暖まりそうヽ(^◇^*)/。ほんとに、あれがないとこの時期の市場巡りは凍えちゃいますよね。


グリューヴァイン自体もおいしくて楽しみですが、ワインを飲むカップ、あれは街ごとに違いますね。ドイツではたくさん種類を見ましたよ。やっぱり本場は違うね。


ベル:カップのデザインは、たくさんありましたか?おそらく、その年の年号の入ったカップは1都市もしくは1会場で1、2種類ですよ。いろんなデザインがあるとすると、それは過去のものが同居しているのかと(笑)。数年前のカップを平気で使っているお店もありますよ。カップも街によって微妙に形が違いますが、普通のカップとは明らかに違って長靴型もありますね。


ウィー:デザインはマーケットによって違っていて毎年変わってます。絵柄も街にあわせてあって、ウィーンはモーツァルトが書いてあったりしますよー。


ブダ:うん。街の風景が描いてあったりもしますね。カップはデポジット制で返却すればお金が戻ってくるし、そのまま返さずにおみやげにすることもできるんですよね。これもまた楽しみ。なかなか凝ったカップもありますよ↓↓↓


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<ウィーンのカップたち>


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<ドイツ:ニュルンベルグ+ミュンヘンのカップ> <ブダペストのカップ>





ブダ:ドイツ、オーストリアはグリューヴァインの種類も多いですね。ハンガリーは赤しか見ないけど、ほかでは赤も白も、さらにはコケモモとかブルーベリーとかいろんなから造ったグリューヴァインが売られてますね。


ウィー:グリューヴァインの他に、プンシュという飲み物もあります。ラムなどのアルコールとシナモン等のスパイス、お砂糖、お茶などで出来ていて、オレンジのプンシュ、ベリーのプンシュ、りんごのプンシュなどがあります。キンダー・プンシュ(子どものプンシュ)というのもあって、もちろんノン・アルコール。(・・。)オイシソウ...


ベル:子供用という括りかどうかは分かりませんが、北のほうでは、グリューヴァインと言ってもアルコールが入っていないことがよくあります。その場合、ラムやアムレットなど追加します。


ブダ:へええ。流儀もいろいろありそうですね。ブダペストでは店によってはアルコールを感じないようなものも。兄さん、こりゃ沸かしすぎじゃ・・・(^▽^;)





■クリマで定番の食べ物とは?:ソーセージからあま~いお菓子まで


ブダ:さて、暖まったらおなかがすいて来ちゃうんですけど。クリマで食べるといったらやっぱりソーセージが定番かな?ブダペストではソーセージが多いけど、ロールキャベツとか、野菜炒めとかもあります。飲み屋のメニューみたいになってる(--;)。ハンガリーは買い物というよりも、こういった屋台に食べに来るという人が多いような気もするね。


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<ブダペストのソーセージ>  <ブダペストのロールキャベツ>


f:id:japanfoundation:20071219130311j:image:rightウィー:ウィーンのマーケットでは、おいもが人気があるかな。丸ごとのじゃがいもをアルミでくるんでオーブンで焼き、熱々ほくほくのおいもの上にチーズやソースをかけてたべるんです(右写真参照)。もちろんソーセージも売ってます。


ベル:ドイツではやはり王道は焼ソーセージ。その他、豚の背肉ステーキや、ひき肉やたまねぎを練って焼いた「ボウレッテ」と呼ばれるハンバーグのようなものをパンに挟んで食べます。たまに、魚のフライ(をパンに挟んで食べる)の売店もあります。


ブダ:いや、豊かですね。豊かですよ(うらやましい・・・)。


こうなるとお菓子まで話題を突っ込みたくなりますが。甘いものも売ってるよね?果物をチョコでコーティングしたやつとか、ウィーンではよく見かけましたけど。


f:id:japanfoundation:20071202175857j:image:leftウィー:日本のりんご飴によく似たお菓子もありますね。


ベル:ワッフルをよくみかけます。それに、ドイツのみなさんはたっぷりと生クリームを乗せて食べます。あとは、綿飴、焼き栗、砂糖をまぶして炒ったピーナッツやアーモンドなど。


ブダ:あの豆おいしいよねえ。


ベル:それから、ベルリンでクリスマスの頃に食べるお菓子といえば、必ずしもクリスマス・マーケットで食べるものではありませんが、「プファン・クーヘン」と呼ばれるドーナツのようなものがあります(中には、杏ジャムやブルーベリー・ジャムが、周りには粉砂糖がまぶしてあります)。このお菓子の面白いのは、ベルリン以外の地域で「ベルリーナー」と呼ばれていることですね。


ウィー:それはオーストリアでは「クラプフェン」です!中身は杏ジャムが王道。オーストリアでは、クリスマスというよりはカーニバルの頃の食べ物って感じです。1年中売っているけど(そして、私の朝ごはんの定番( ̄ー ̄;ウフ)。


f:id:japanfoundation:20071223153350j:image:leftブダ:ブダペストでは、クルトクシュ・カラーチが定番です。やっぱり一年中売ってるんだけど。店の前にはいつも行列ができてるけど、並んでると焼きたてが買えるからね。これもまた暖かくていいんですね。真ん中が空洞になってる、天体望遠鏡みたいな大きさのお菓子なんだけど、好きなんですよー。


ウィー:その天体望遠鏡みたいなお菓子、シナモン・パウダーとかをふりかけるやつですよね?私も大好きです!








・・・というわけで、盛り上がったクリスマスマーケットも24日の午前中には終了。クリスマス前日の午後からは一般の商店も閉まり、地下鉄もトラムも運休したり運行数が減ったりして、街は静かになります。前日までに休暇中の食料を買い込んで、みんな家族で楽しい休暇を過ごすのでした。日に日に日照時間が減り、気温が下がっていくこのシーズン、クリスマスのように光り輝くイベントがないと、気が滅入ってやってられないのかもしれませんね。というわけで今年のクリマも終わり。来年のクリマまであと340日




*1:vol.1のパリ編はこちら





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