Wednesday, September 26, 2007

「エリンが挑戦!にほんごできます。」って何がすごいの?(後編)






日本語国際センター(Nihongo Kokusai Center)のNCニコです。昨日に引き続き、「『エリンが挑戦! にほんごできます。』って何がすごいの?」の後編をお届けします。





日本語学習教材であるとともに、『エリンが挑戦! にほんごできます。』は、日本の文化を紹介する映像素材としても、とても力を入れて制作されているんです。簗島講師のプレゼンテーションの続きをどうぞ!



文化理解素材としての「エリン」





このDVD教材では、日本文化を「異文化」=「違う」という側面だけを捉えるのではなく、「多文化社会」の中でそれぞれの社会の文化背景を理解し、どのように「共生」していくのかということを学習者たちが考えていくための映像を提供しています。世界各国約1,100人の高校生からのアンケート結果や日本に留学経験のある人の意見を参考にしながら、40くらいのトピックを選びました。文化理解の方法についてはいろいろな学説・考え方がありますが、この教材では米国で外国語教育のカリキュラムや授業設計の指標として使われているNational Standardsに書かれている「3つのP」を取り入れました。これは、下の図にあるようなPerspective、Practice、Productsという3つの面・視点で文化という領域を考察するという考え方で、たとえば学校という場においてはPractice[部活に熱中する、授業を静かに受ける、図書館で勉強するetc.]、Products[制服、自転車、お弁当、手帳、電子辞書、携帯etc.]があることをDVDで映像として紹介し、Perspectives[例:人間関係(友だち、先輩、男女)、集団行動、受験戦争、テクノロジー、「かわいい」etc.]については映像を見る学習者たちの受け止め方によって、教師が一緒に選び、考えていけばいいのだと思っています。


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教材の中に「見てみよう」というコーナーがあるのですが、たとえば第14課では携帯電話を取り上げています。日本の高校生たちの携帯電話に電話本体よりもはるかに大きなぬいぐるみをいくつも付いていたり、ラインストーンできらびやかに飾られた携帯があったり、ジップロックに入れてお風呂にまで携帯を持って入る子( ̄■ ̄;)!?が登場したりします。正直、こんなシーンは年配の方からは受け入れがたいという声もあるのですが、出演してくれた高校生たちに「自分たちの生活の何を見せたいか」を聞いた生の声を尊重して映像内容を決めました。日本語学習レベルが中・上級くらいの学生さんであれば、こうした映像と、日本の携帯電話市場に関する新聞記事などを組み合わせて「携帯電話の功罪」について考えてみる、というような取り組みも可能かもしれません。





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また、「世界に広がる日本語」というコーナーでは、世界12ヶ国の高校生と、日本語を使って働いている人々を紹介しています。アジア、大洋州、南米、ヨーロッパ、アフリカ等、いろいろな国が見られるという点で気に入ってくださる人が多いです。今日はオーストラリアの高校生が「日本語探検センター」という施設で日本の家での住み方を体験しているところをご覧いただきますが、このように、「海外のいろいろな国でこんなに日本語をがんばっている人たちがいるのか」、「こうやって勉強してこの人はこんなに仕事ができるようになったんだ」と言ったように、学習者を励ます一助となればとても嬉しく思います。使われている日本語レベルが高いですが、「国際交流」という視点で、教師や日本人の方々の説明とともに映像を見せるだけでも、学習者は楽しんでくれると思います。



岩田講師:


外国人のための日本語教材というのが基本ですが、「世界に広がる日本語」を使えば、日本人向けの国際理解授業でも使えそうですね。これからの広がりを感じます。


A.T.:


DVDだと、コーナー別にまとめて見ることもできるということなので、「世界に広がる日本語」だけまとめても面白いドキュメンタリーになりますよね。海外のいろいろな場所で日本語を学ぶ人たちの熱意を見ると、その情熱に驚くと同時に、なんだか感動してしまいます。日本語をめぐってこんなに色々なストーリーがあるということを知るのは、日本人にとってもおもしろいですよね。


NCニコ:


第1課で登場する韓国のスーパー和食づくり少年の話なんかも、面白いんですよね~。私もこのコーナーはお気に入りです♪





岩田講師:


最後に僕が一言言いたいのは、価格。これはありえへんくらい安いです。DVD教材で2,400円(+税)ですよ。このクオリティでこの価格!!


NCニコ:


私もそれは声を大にして言いたいですね。売りたいから言うわけじゃありませんが(もちろん売れたらすんごく嬉しいんですがc(>ω<)ゞ )、日本人がフツーに見てても面白いです、これは。こないだの連休に家でエリンDVDをまとめて見てたんですが、いつのまにか私の親も「飽きないわねぇ、これ」とか言いながら一緒にずっと楽しんで見てくれて、「おっ。これは行けるかも」と思いました。意外に小さいお子さんのいる日本のご家庭なんかでも、高校生の可愛いオニイさん、オネエさんたちが登場して簡単な日本語を話していたりするのでお役立ちかもしれません☆


A.T.:


DVDの充実ぶりもさることながら、テキストもすごい盛りだくさんなんですよね。DVDのスキットは全てマンガになって載っていたりして、実は「単独にマンガとして読んでも楽しめる」という声もあったりします(@゚ー゚@)ノ


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NCニコ:


そうそう!このテキストのために、実写映像を見ながら本職の漫画家さんにスキットどおりのマンガを描いてもらったそうですよ。われらがセンターのことながら、ほんと手が込んでますよね。愛着を感じてしまいます☆。、::。.::・'゚





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『エリンが挑戦! にほんごできます。』の2巻と3巻は10月初旬に発売予定です。結局のところ宣伝に終わるのですが、本当に発見の多い面白い素材なので、一人でも多くの方に知っていただきたい一心です!NCのエリン・ワーキングチームからでした~~~。





Tuesday, September 25, 2007

「エリンが挑戦! にほんごできます。」って何がすごいの?(前編)






日本語国際センター(Nihongo Kokusai Center:通称NC)のNCニコです。8月23日に続き、2度目の登場です。((((o゚▽゚)o)))


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8月31日9月3日にロサンゼルス事務所の磯鍋さんも紹介してくださった「エリンが挑戦! にほんごできます。」DVDの発売について、NCからもレポートします。NCはこのDVD教材の制作現場ですので、今日はずばり、この教材の『何が新しいのか・どうすごいのか』迫ってみたいと思います。広報担当者の一人にすぎないNCニコには相当ハードルの高いテーマですので、制作チームの話を聞くのが一番!ということで行って参りました。


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…9月8日(土)に、東京・麹町にある書店・凡人社さんでDVD教材『エリンが挑戦! にほんごできます。』の店頭イベントがありました。この教材の制作チームのリーダーである簗島史恵NC専任講師が制作の意図、構成、そして使い方の工夫の仕方などについて、実際の教材をお見せしながら日本語教師などの一般の方々に説明しました。NCからは、NC内の各課スタッフと専任講師とで構成される5名の「エリン・ワーキングチーム」なるものがあるのですが、チームメンバーも3名(岩田一成NC専任講師、A.T. &NCニコ)で、話を聴きに行ってきました。





さっそく、簗島講師のプレゼンテーションの内容の一部をご紹介していきます。



教材紹介と制作意図


「エリンが挑戦! にほんごできます。」は、全3巻のDVD教材で、第1巻が既に発売されており、2巻と3巻は今年10月はじめに発売予定です。一部は昨年NHKの同名のテレビ番組で放映し、今もNHK教育テレビで再放送中(金曜日0:00~/5:10~)ですが、DVD教材はテレビ番組の内容20分に入らなかった内容も加えて、各回約25分に再構成し、全部で25課となっています。


もともと教材の対象は海外の若い日本語学習者たちを想定していたので、NCでは、海外の高校生や日本語教師たち約1,100名を対象に『日本のどんなことを知っているか?』『日本のどんな映像を見てみたいか?』といった内容のアンケートをとりました。そして、その結果をもとにしながら、日本の高校生の「生」の生活、高校生の視点から見る日本の文化や社会を紹介する映像教材づくりを始めました。


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アンケートの結果はまだ詳しく公表はしていないのですが、興味深い傾向が判明しました。各国にいる日本語教師たちは学生たちの興味・関心を慮って日本のアニメや映画などそれ自体を学習素材として日本語や日本文化を教えようと考えがちなのに対し、実は学生たちは、アニメや映画、J-POPなどについては教師たちをはるかに凌ぐほど多くの知識を持っているのです。中には、A4の紙1枚に、知っている日本の漫画のタイトルをびっしり(◎_◎;) 書いてくれた子もいました。日本人である私も知らないようなバンドの名前も、海外の高校生たちはたくさん知っているのです。


そのような状況の中、海外の高校生たちが求めている情報は、すでに手に入る漫画やアニメそれ自体ではなく、『漫画や映画の背景にある、日本人の普通の生活』なのだということが判りました。そうした学習者たちの気持ちを大切にしながら、日本の文化を紹介しつつ、語学としての日本語の勉強もできる、そんな教材を作ろうというのがスタートでした。



NCニコ:


『海外の高校生のほうが教師(時によっては日本人)よりも日本通!』というアンケート結果には、個人的にもいたく共感してしまいました。私は学生時代、東南アジアの某国に留学したのですが、友人のカーステレオでJ-POPの曲がかかっていたので「これ、日本語だね。誰の歌?」と何気なく聞いたら、「○○だよ。今すごく流行ってるのに知らないの?!NCニコってダサ~い。」と言われて落ち込んだことがありますo(;△;)o 。インターネットなどを通して、日本で流行している情報をリアルタイムでいくらでも入手できるんですよね。


岩田講師:

あはは。この教材づくりも結局、‘普通の生活’というところに落ち着いたようですね。DVDの中で、レンジでチンした惣菜を食べるシーンがあります。簗島先生もおっしゃってましたが、それを教材に載せるべきかどうかは、いろいろご批判もあったようですね。でもレンジのシーンなんて、すごくおもしろいと思いますよ~。中食*1なんていう言葉が定着してきていますしね。 ちなみに、私の食事なんてほぼ100%中食ですよ(^ー゚)ノ


A.T.:


そうですねー。「普通の生活」は当事者にとってはなんでもない、まさに「ふつう」の生活ですが、自分の外国語学習を思い返しても、学習者としてはそういう日常的な風景こそがおもしろいんですよね。ただ、簗島先生のお話を伺ってなるほど難しいなと思ったのは、価値観を押し付けずに普通の生活をありのままに見せる、ということです。レンジでチンしたお惣菜の夕食が良いとか悪いとか、メッセージを含ませないようにするという点、見せ方に工夫が必要だろうし、制作過程でも苦労があったのでは、と思いました。。



日本語教材としての「エリン」





実際にテレビ放映やDVDを見ていただくと分かると思うのですが、まったくの初級学習者がゼロから積み上げて使う教材としては内容的に難しいという面は確かにあります。むしろ、「ちょっと日本語学校で勉強している」「日本語学習にとりかかり始めている」くらいの学習者たちが、『いま習っている内容が実際に使えるんだ!』という自信をもてるようにすることが、「エリンが挑戦! にほんごできます。」の日本語教材としての目標です。まだ主流にはなっていないかもしれませんが、特に初級レベルにおける日本語教育は「CAN-DO(課題を遂行できるようにする)」を意識するのが先端的だと考えています。教科書どおり教えられたことをただ受動的に勉強するのではなく、学習者たちが自分でやりたいこと/やりたくないこと等を自発的にアピールできるようになる、そのことを強く意識しました。ですから、例えば第17課では『反対のことを言う』、第23課では『友達を誘う』となっているように、能動的に行動する、「口を開く」勇気p(´∇`)q ファイトォ~♪を主人公エリンと一緒に持っていく、そんな願いをこめて各課のタイトル選びをしました。


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そのため、各課のスキットの登場人物(日本人役)が話す日本語はできるだけ「オーセンティック(=本物に近い)」なことばを普通のスピードにすることを心がけました。全部を聞き取ることは難しいかもしれませんが、文字起こしをするようにスキットを聞くのではなく、学習者がエリンを自分と重ねて見て、「自分の置かれた状況を理解」し、「どう答えるか(対応するか)」をエリンと一緒に考えていただきたいと思います。



NCニコ:


英語についても、「ネイティブ・スピーカーは、日本の教科書に載っているとおりの英語を話していない」と言われることがありますよね。私の友人で日本語ぺらぺらの留学生がいるのですが、日本語学習でどうだったか聞いてみたところ、やっぱり「教科書で習った文法なんかは、実際の会話にはあまり役立たないと思ったこともある」と言っていました。「できるだけ本物に近い日本語」を使う、というのはとても大事な視点ですよね。例えばエリンDVDの『見てみよう』コーナーでは、標準語ではない日本語や、年代によって少し違うアクセントでしゃべっているシーンをそのまま載せてあります。農家のおばあさんと都会の女子高生とでは、明らかに話し方が違いますもんね。


岩田講師:


もうひとつ大事な点は、流れている日本語は100%理解できなくてもいいよっていうスタンスですね。オーセンティックなことばを普通のスピードで流すので、100%理解は無理です。まじめな人ほど、「全部理解してから次に行かねば」って思ってしまいますが、わからないところは飛ばしながら必要なところを聞き取るっていうことも言語使用場面ではよくあることです。『ダーリンは外国人』に出てくるトニーは、「日本人は特に『全部理解してから次に行かねば』という傾向が強い」って言ってます。同感、そして僕自身もそうですね~、実感。


A.T.:


たしかに。1つ分からない言葉があるとパニック( ̄□||||!!になってしまって、全体理解どころじゃなくなってしまう・・・というのは私にも覚えがあります。エリンの中で使われている日本語は、確かにとても自然で、語学の教科書にありがちな「うそっぽさ」がなくていいですよね。いろいろな日本語が聞ける『見てみよう』コーナーは私も好きです。


つづきは明日の後編でお届けします。お楽しみに~!(゚∇゚ノノ"☆(゚∇゚ノノ"☆(゚∇゚ノノ"☆




*1:中食(なかしょく)とは持ち帰り惣菜のことを指す造語です。決して「ちゅうしょく」ではありません。





Friday, September 21, 2007

Boldog nevnapot kivanok! (名前の日おめでとう!)






みなさんこんにちは、オレペコです。
お久しぶり&今日で最後の「世界の独立/建国記念日シリーズ」は、ブダペストからの報告です*1!ある人物の「右手」のミイラが練り歩く・・・?




それでは、どうぞ~。

゚・:*:・。゚・:*:・。゚・:*:・。゚・:*:・。゚・:*:・。゚・:*:・。




ブダペスト事務所の河井です。
8月20日はハンガリーの建国記念日でした。この日はハンガリーの最初の国王、イシュトヴァーン王が聖人に列せられた日です。ハンガリーでは365日すべての日に「名前」が割り振ってあり、「名前の日」として誕生日と同じように祝われます*2。聖人にちなんで設定される日も多く、8月20日は、こうした記念日なのでやはりイシュトヴァーンさんの日。全国のイシュトヴァーンさん、Boldog nevnapot kivanok! (名前の日おめでとう!)




f:id:japanfoundation:20070820225952j:image:left建国記念日の由来が、独立戦争に勝利した日とか、革命を起こした日とか、そういった由来ではないため勇ましいというよりもお祭り気分がたっぷりただよう一日です。子供達も高いところにある銅像によじ登ってもおこられません。



(゜-^*)カワイイ






最初の目玉は、この日にあわせてドナウ川で開催される 飛行機の障害物レース 。世界各地で開催されるシリーズのひとつで、ブダペストは第七戦目です(今年は10カ所で開催のようです)。



飛行機は川下の方から進入してきて、くさり橋*3の下をくぐり、国会議事堂の前をスラロームで通過、マルギット橋まで行ってまた戻ってきます。これを二往復。最後はまたくさり橋をくぐってフィニッシュ。急上昇、きりもみ飛行なんかをサービスしたあとに、遠くへ去っていきます(写真上)。

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こんな近くで飛行機が飛ぶのを見るのも初めてだしくさり橋の下を飛行機がくぐるなんてなかなか信じがたい光景です。橋にぶつからないかと思ってハラハラ(写真下)。




飛行機レースが終わって、ドナウ川からペシュト側に少し入ればそこには 聖イシュトヴァーン大聖堂が。

ああああああああああああf:id:japanfoundation:20070821000422j:image




大聖堂には、イシュトヴァーン王の右手が安置されています。『Szent Jobb』(聖なる右手)と呼ばれていて、もちろんすでにミイラ化しています。金色の小さな祠に入って、大聖堂の奥に安置されています。




f:id:japanfoundation:20060820190118j:image:right大聖堂前で儀式が行われた後、各地から集まった代表団が大聖堂の近くを練り歩くのですが、この行列の最後にSzent Jobbが大聖堂内から姿を現します。輿にのせられて、お坊さんに担がれて街を歩きます。




イシュトヴァーン王は西暦1000年前後に生きた人物。今から1000年も前の人の右手が目の前を通り過ぎていく・・・。右手と共に1000年の歴史も通り過ぎていくような、不思議な感覚です。







f:id:japanfoundation:20060820210221j:image:leftそして最後はドナウ川での花火。川に沿って、打ち上げられる場所はいくつかあるのですが、ドナウの真珠と呼ばれたブダペスト。くさり橋、王宮あたりの夜景と色とりどりの花火の組み合わせはなかなか美しいものです。

そして花火の終了とともに、たのしい建国記念日のイベントも終了します。花火の間は橋の街灯が消されているのですが、最後の花火が消えたら、街灯も再点灯されます。一気に明るくなり、夢から覚めたように、現実に引き戻されます。これで夏休みも終わっていくんだなあ。。。




ここ数年は建国記念日も荒れてしまって、昨年は花火開始直後に嵐が吹き荒れ死者を出す程の事故になり、今年は「右手」が大聖堂に帰り着くころに激しい夕立に見舞われました。二年連続で市民はびしょぬれです。ううむ、イシュトヴァーン王は怒っていらっしゃるのでしょうか・・・。

来年は晴れますように。('-'*)ヨロシク♪



*1:第1弾(ニューヨーク)はこちら。第2弾(パリ)はこちら

*2:オレペコより:どんな感じで名前が振られているかについては、以前一度触れていただいているのでこちらをご覧ください→

*3:くさり橋って?という方はこちらの政府観光局東京事務所のサイトをご覧ください。この美しい橋はブダとペストを結ぶ最も古い橋で、「くさり橋」の愛称で親しまれているのは、夜間の電球を連ねた照明がまるで「鎖」のように見えるからだそうです。




Wednesday, September 19, 2007

せんだい地球フェスタ2007にJFも参加します!



おはよござりんす。三富ですぅ。





おらほ、国際交流基金がせんだい地球フェスタ2007に参加すっから、来てけろ。


開催は9月23日(日)、会場は仙台国際センター(仙台市青葉区青葉山)でがす。


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行がねのしゃ?


ほれ、せっかくの休みにのっつぉばりこがねで、ちょっこら基金のブースを覗いてみっぺ!!





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おはようございます。三富です。


私たち、国際交流基金が、せんだい地球フェスタ2007に参加しますので、ぜひお越しください。


開催は9月23日(日)、会場は仙台国際センター(仙台市青葉区青葉山)です。


行かないのですか?


ほら、せっかくの休みなのだからダラダラしていないで、ちょっと基金のブースを覗きにきてください。





Tuesday, September 18, 2007

アチェ、津波と紛争からの復興にむけて






「将来の平和を担う子どもや若い世代が、心の中に憎しみを抱えたままだと、暴力と憎悪の悪循環は断ち切れないだろう」





インドネシアを代表する社会学者イグナス・グレデン氏の話に刺激をうけた佐藤(万)職員。グレデン氏の話を聞くなかで湧きあがったこの思いが、NGO関係者や心理学者等の協力を得て、紛争下で暴力の恐怖にさらされ、あるいは実際に被害をうけた子供たちの心のケアに、文化や芸術を通じて取り組む事業へと徐々に形作られていきます。




そして、2007年4月。「アチェの子供たちと創る演劇ワークショップ」として実現しました*1





さらに、このワークショップでの経験をより多くの方々と共有するため、7月下旬から8月上旬にかけて、ワークショップに協力いただいた現地NGO関係者、そして芸術家を招聘し、東京・京都の2箇所でセミナーを行いました。今回は、その様子を事業の副担当である、佐藤(訓)職員に報告していただきます。






ブログで以前に紹介した「アチェの子供たちと創る演劇ワークショップ」の企画者であり前担当者である佐藤職員の熱い意思を引き継ぎ、現在、副担当として本プロジェクトに関わらせていただいております(これまた)佐藤です。





この度、同ワークショップのフォローアップ事業として、7月27日から8月7日まで、ワークショップの共催団体だったコミュニタス・ティカールパンダン(以下、TP)の代表を務めるアズハリ氏、事務局長のユルファン氏、そして彼らとともに活動するストーリーテラーのアグス ヌル アマル氏(以下アグス氏)を日本に招へいしました。f:id:japanfoundation:20070727131003j:image:left


(写真:左からアズハリ氏、アグス氏、ユルファン氏)


招へいの主な目的は、来年実施予定の第2回目ワークショップについての打合せを行うことでしたが、せっかくはるばる日本まで来てもらうのだからということで、アチェと日本とのネットワーク形成を狙い、日本で彼らの活動と方向性を同じくするようなアーティストやNPO/NGOの関係者、研究者との交流の機会を設けました。また、アグス氏のパフォーマンス公演も含めた公開セミナーを京都と東京で併せて2度行いました。





一行は7月27日に関西国際空港から日本入りし、京都、大阪に滞在した後、東京に移動しました。私は彼らの関西での日程に同行しましたが、その中でも特に印象深かった京都大学でのセミナーについて皆さんにご報告させていただきます。





京都大学アジア・アフリカ研究所と共催で実施した今回のセミナーでは、休日だったにも関わらず、30名弱の方々の参加がありました。セミナーではまず、アズハリ氏から紛争下のアチェの状況と和平合意後のアチェについて発表がありました。プレゼンテーションのタイトルは「夜が来ました」。紛争下のアチェでは午後5時以降の外出は禁止されていたのですが、元来、アチェの人々にとって、スピリチュアルな夜という時間に行う文化活動が非常に重要であり、和平合意後にはそのような「時間」が戻ってきたという内容でした。






しかしながら、紛争下で人々の心に植えつけられた「恐怖」というものはなかなか消えず、トラウマを抱えた人々は自由にイマジネーションを発揮することができなかったのだそうです。それを打開するため、TPとアグス氏たちが行っている活動の一つに、TVエンオンという活動があります。彼らはアチェの各村々を訪問し、テレビの枠や、マイクや照明のスタッフなどに扮した人々を含めた実際のテレビ収録現場のようなものを作り出し、そこでパフォーマンスをしたり、逆に、観客である村の人々に実際にテレビの中に入って演じてもらったりしています。この活動を通じて、村の人々が笑ったり、自分の思いを言葉にすることを通じて、恐怖体験からトラウマに囚われ閉じてしまった心を解きほぐしたいというのが彼らの願いです。発表の最後にアグス氏が言っていた、「人々が自分たちの活動を通じて笑ってくれたら、それこそが『平和』だということなんだ。」という言葉が印象に残りました。





セミナーの後半はアグス氏のパフォーマンスで締めくくられました。f:id:japanfoundation:20070914165940j:image:left彼のパフォーマンスは日本人からよく落語と似ていると言われるようなのですが、見たことの無い方のために一言で表現するとすれば、「動きのある落語」もしくは「1人でやる狂言」というところでしょうか…。(余計イメージしにくくなったかも。)ただし、道具をたくさん使うところは落語、狂言とも大きく異なるところだと思います。ちなみにストーリーテリングというのはアチェの伝統文化で、伝統的にはアチェ語で行うところを、アグス氏はインドネシア語を使って、インドネシア各地で公演を行っているのだそうです。f:id:japanfoundation:20070728171617j:image:right


彼のパフォーマンスは基本的には即興なので、この日も結局、事前に観客に配っておいたストーリーとは全く違う話が展開しました。内容は、主人公の少年が母親の病気を治すために必要な薬(ガルーダの卵)を取りに冒険の旅に出るというもの。インドネシアからはるばる持ってきた一見ゴミ(?)のようなものたちが、ストーリーに合わせて化ける化ける。写真はその一コマですが、髭のように見えるのはスーパーでもらえるビニール袋、船のように見えるのはベビーバス、オールはほうきで代用です。その他、ペットボトルを利用したロケットなど、身近にあるものを変幻自在に操って観客を魅了しました。






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観客はアグス氏のパフォーマンスに大笑い。こうやって皆で声を出して笑えることが、平和ってことなんだなと実感した一日でした。







Wednesday, September 12, 2007

インド好き、集い語らう夜長かな






こんにちは。三富です。


恒例のJFサポータークラブ9月のイベントのご案内です。






インドの現在について、国際交流基金の雑誌『をちこち』がインド特集として、力作を発行しました。題して「インドを解く」。一読をおすすめします。


柳風子ブログ





と、大阪大学の荒木先生のブログでもご推薦いただいた『をちこち』第18号「インドを解く」*1の発売を記念して、インドに縁の深い、小川さん、佐藤さん、足澤さんの3名の職員が、インドの素顔を語ります。









「インドの夕べ ~をちこち第18号『インド特集』記念~」


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日時:9月20日(木) 19:00~21:00


会場:国際交流基金(アーク森ビル20F)


会費:JFSC会員は無料。非会員は200円。


申込み:件名を「9月のイベント」とし、お名前、会員ID、連絡先を明記してinfo@jfsc.jpまで。


※9月18日(火)までにお申し込みください。















ちなみに小川さんは、先日の「ものを書くこと」のススメ Part1(8/27)、「ものを書くこと」のススメ Part2(8/28)で、近著「テロと救済の原理主義」についてや、国際交流基金の職員としてモノを書くことについてお話いただいておりますので、こちらも併せてご一読ください。





皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております(´▽`*)




*1:「をちこち」インド特集についての詳細は、こちらをご参照ください。ブログ:「をちこち」インド特集号発売!、ホームページ:隔月刊「をちこち(遠近)」18号





Monday, September 10, 2007

今年のインターン生特集は一味違います!



みなさん、こんにちは。潮風です。ここ数回、世界からの報告が続いていましたが、今回は本部@東京の話題をご紹介。





約1ヶ月ほど前から、本部では廊下を歩いていると、あまり見慣れない顔の、そしてナンとも爽やかな空気をもった若人とすれ違ったりします。新入職員?( ・◇・)?(・◇・ ) イエイエ 、、


ジャパンファウンデーション夏のインターン生の皆さんです!!




そう、毎年ジャパンファウンデーションには夏に大勢の学生の方々がきていて、その様子はこのブログでもインターン生特集☆」として、それぞれに記事を投稿してもらい、ご紹介していたりもしましたね。この特集、インターンシップの報告となるだけでなく、就職活動の時期とかにも「参考になる」って声ももらったりしていました*1





そこで今年はまた新たな視点でこの特集をお届けしようと、インターン生の皆さんとブログチームによる座談会を開き、インターン生の皆さんにジャパンファウンデーションについてあれやこれやと話してもらうことにしました!全3回にわたってお送りする、今日は第1弾です。それでは、どうぞ!!





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こんにちは。8月13日から人事課でインターン実習を行っている上野です。


今回「ブログの原稿を書いてみないか」というお話を頂き、引き受けさせていただきました。よろしくお願いします。




国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では大学生・大学院生のインターンシップを行っており、8月17日(金)にインターン生8名と職員で座談会を行いました。*2出席したインターン生は、以下の方々です(カッコ内は受入部署)。



八重樫さん(事業開発戦略室)、上田さん(トリエンナーレ準備室)、川越さん(映像出版課)、吉岩さん(日中交流センター)、浅川さん(アジア・大洋州課)、留学生の車さん(企画調整課)、鍋島さん(秘書室)、上野(人事課)



ちなみに秘書室の鍋島さんは男性です!「秘書=女性」というイメージを覆したインターン配属先となりました。鍋島さん本人もビックリです。



Q.皆さん、配属先ではどんな仕事をしているのですか?


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上田(トリエンナーレ準備室):私は、本当にいろんな仕事をさせてもらいました。キュレーターに英語で手紙を書いたり、データ入力など、どれもすごく勉強になりました。


川越(映像出版課):私は主にデータ入力を担当しました。


八重樫(事業開発戦略室):中国と韓国のCSR(企業の社会貢献活動)の比較をしています。また、基金グッズのラッピングを手伝いました。


鍋島(秘書室):理事長が新聞のコラム欄に寄稿されているのですが、僕は主にその原稿入力を担当していました。また、他の秘書の方が不在のときには、お茶出しもしていました(笑)。たぶん役員の方たちは女性の秘書の方にお茶を入れてもらえた方が嬉しいんでしょうが、僕にとっては役員の方々と直にお話をするいい機会でした。


車(企画調整課):私は、中国の日本語教育機関を対象に実施したアンケートのとりまとめをやっています。


浅川(アジア・大洋州課):私は、データ入力や、アジア向けのフェローシップ・プログラムを手伝っています。


吉岩(日中交流センター):僕は、中国からの高校生招聘事業に関わっています。日本の受入高校との連絡業務を担当しています。




Q.率直に聞いてみたいのですが、みなさん、今はこうして国際交流基金のインターンシップに参加されていますが、この「国際交流基金」という組織のことはいつごろ知りましたか?*3

川越:私の学校には「先生」として基金の職員が来ていたので名前は知っていました。*4


浅川:私は過去に留学経験があるのですが、留学先の現地で日本語を勉強している友達が受ける検定試験(日本語能力試験)の主催団体として知りました。


車:韓国にいるときからもともと名前は知っていましたが、まさかインターンとして来るとは思いませんでした。





Q. 実習中最も印象に残った体験、上司や先輩の一言って何でしょう?


上田:社会人の方の会話を聞くことですね。トリエンナーレ準備室の先輩と一度昼食を一緒にとった時、「なんて芸術的な会話をしているの」って思いました(笑)「池に銀色の玉をぶわぁっと浮かべる」だとか、日常的な会話という感じではなかったのでビックリしました。


浅川:私も社会人の方の会話を聞くことです。上下関係はあっても、仕事上では意見を同等に述べる姿、下の立場であっても意見を言うときは自分の意見をしっかり言っている姿を見て、かっこいいなぁと思いました。


車:歓迎会を開いてくれたことです。私は留学生で時々間違った日本語を使ってしまうことがあるのですが、配属先が「日本語事業部」なので、日本語の先生方に食事中でもすぐに指摘されました(笑)


吉岩:基金のスタッフには海外を旅したり海外で働いたりした人が多いので、経験談を聞くことができ、参考になっています。僕はバックパッカーで旅をしたことがあるんですが、そうした経験が社会で役に立つこともあるんだなと実感しました。

八重樫:私も食事に連れて行ってもらったときに、化粧品の話になったんです。私の受入部署の室長(富岡室長)は、長年化粧品会社で商品開発に携わった後、JFに来られています。そのせいか、デザインという言葉にとても敏感で、商品開発に関する話の時は目がキラキラしていました。国際交流という分野とはまた違った話ができてよかったです。*5




Q. ちょうど富岡室長の話が出ましたが、皆さんは富岡室長(文化事業部事業開発戦略室)のレクチャー「事業戦略開発室について」を受けましたよね。富岡室長は、化粧品会社での長年の経験を経てJFに来られたこともあり、ユニークなお話だったようですね。感想を一言お願いします。*6


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上田:富岡室長が最後のスライドをお忘れになったときのこと。その内容が、たまたまさきほどの話にも出た「化粧品の商品開発」についてだったのですが、それまでご説明されてきた事業概要よりも、一番面白そうに話していらっしゃるのが印象的でした(笑)。


全員:確かに(笑)。


上野:私は大学の学部の専攻がマネジメントで、商品開発という分野に興味があるんですが、「大雑把に『女性が求める化粧品』として進めていくのではなくて、開発者側が女性の立場になって商品開発をすることで満足のできる商品が生まれる。」という話を聞いて、そういった消費者側への気遣いとこだわりに日本が誇る「商品の質」があるんだなぁと思いました。


鍋島:日本の企業の作り出す商品を一つの文化として捉えられていたことに興味を持ちました。商品開発という視点から国際交流の分野を見られた気がします。





Q. 基金でインターンとして働いてみて、ここは改善した方がよいと思うことはありましたか?


吉岩:基金に宿泊できる研修施設があるのなら、僕たちみたいな地方から来ているインターン生が宿泊できたらいいと思います。海外から来た研修生と共に生活をすることで、日本の文化を紹介することもできますし、インターン生にとっても住居面で助かります。


浅川:「職員のみなさんがほんわかしている」と感想を述べたら、「民間営利企業とは違うから」と言われました。企業だと利益を出さなきゃ~という意識があるけど、独立行政法人なのでそこまで鬼気せまるものがないのでしょうか。


スタッフ:「国際文化交流」に関心がある人が集まっているだけあって、やわらかい雰囲気を持った人が多いのは事実ですが、仕事となると目の色が変わる人が多いです(笑)。特に年度末やイベント直前は、鬼気迫る人がオフィスに溢れているような・・・(; ̄д ̄)。「民間企業とは違うから・・・」というのは、必ずしも短期的な成果や数字での達成を求められるわけではないから、雰囲気はちょっと違うかもね、ということをいいたかったのだと思います。





Q.最後に、これからインターンをする人、インターンをしようかどうか迷っている人へのアドバイスや一言をお願いします。


鍋島:インターン生を受け入れてくれる企業は最近多くなってきましたが、こうして参加してみると、インターン生として業務に没頭するのも大事ですが、あくまで「観察者」として客観的な目線で見ることも大事だと思います。


上田:私も同じ意見で、インターン生という立場を最大限利用することが大事なのだと思います。インターン生だからこそ得ることが多くて、客観的かつ企業の内部から見ることができるのは糧になると思います。


車:外国人という立場なので、メリットがあったりデメリットがあったりしましたが、外国人の目線からアイディアを出せたのが嬉しかったです。


浅川:私もインターン生として、いろいろ見られるところがあると感じました。社会に出たことが今までなかったけれど、インターン生として組織というものを見ることができたことが嬉しかったです。


吉岩:一緒に働かせて頂いた職員の経験を聞けたのが良かったです。仕事をしている職員の視点や気持ち、背景を知ることができました。短期でも社会人としてのライフスタイルを楽しめたのがよかったですね。六本木で働けたってことがすごい体験で。働いて自分たちを育ててくれた親の苦しみを知れた気がしました(笑)あと毎日Yシャツにアイロンをかける大変さですかね。


鍋島:僕も通勤ラッシュに飲まれながらスーツで通うのは大変なんだなと感じました。こういう体験って学生である今はそんなに体験できることではないですよね(笑)。


川越:学校に通っているときは着ないようなオフィス用の服を毎日選ぶのが大変でした。


上野:まさかこんな高層ビルで働けるとは思っていなかったので。違う大学の友達に「今インターンシップで六本木で働いているんだよ」って言ったらすごく羨ましがられて、ちょっと優越感に浸っていました(笑)組織の中にいることで、毎日組織がどう動いているのか、一人ひとりの仕事内容についても知ることができて良い体験でした。


八重樫:インターン生という立場を利用して、いろんな経歴をもった人と接することができたのがよかったです。受け入れ部署に限らず、積極的に関わっていくことをお勧めします。






インターンのみなさんお疲れ様でした!期間がまだある人も、今日で終える人もこれからの学生生活を楽しんでくださいね。




*1:実際、今年の新人職員のミカンちゃんも、入社前に見ていたそうです


*2:JFでは、大学との協定に基づき、主に夏(8月・9月)にインターン生を受け入れています。


*3:近年広報に力を入れているJFスタッフとしては、「普通の」学生さんの中での知名度が気になって、いきなりこの質問をぶつけてみました。大学のインターン募集の掲示、講義などを通じて知った人が多かったようです。


*4:基金の職員の中には、大学で国際交流論などの講義を担当している者もいます。


*5:富岡室長はこのブログでも登場済みです!その目のキラキラっぷりはここからチェック↓
Tシャツを買って国際貢献?(前編)
Tシャツを買って、国際貢献?(後編)


*6:JFのインターンでは、単に所属部署での仕事をしていただくだけでなく、経験豊富なスタッフによるレクチャーや、JFで実施されるイベントなどにも積極的に参加していただいて、国際交流の現場に少しでも触れていただくように努めています!





Thursday, September 6, 2007

 ロサンゼルスにねぶた祭りが出現?!(後編((前編はこちら!)))






f:id:japanfoundation:20070906145808j:image:rightさて、いよいよねぶた本番当日♪


オンラインで事前にボランティア登録をした我々基金職員2名は、午後1時半に実行委員会本部が設置されているお寺へ集合。受付で 「もし万一怪我をしても訴えませーん」という意味のことが書かれた合意書にサインし(さすがアメリカ、訴訟社会です(^^;))、背中に大きく「ねぶた」と書かれた真っ赤なTシャツに着替えてお手伝い開始です。





今回は青森からの応援団と地元ロサンゼルスの志願者合わせて 350名(!)もの跳ね人さんが集まりました。企業から寄贈された飲み物や食べ物を並べてスタンバイしていると、次から次へと跳ね人になる人々がやってきます。浴衣、山笠、たすき、鈴などが入った「跳ね人セット」を受け取ると、男女それぞれの更衣室に。そこでは、青森から駆けつけた助っ人さんが、一人一人丁寧に衣裳を着せてあげています。



女性だけでなく、男性もピンクや黄色のたすきでリボンのように大きく結び、足元にも色鮮やかな襦袢の裾をのぞかせ、肩には銀色の鈴を安全ピンで留めるという懲りようです。(男性がピンクの蝶リボf:id:japanfoundation:20070906155408j:image:leftン??と思われるかもしれませんが、これがなかなか爽やかな色気があってcoolに見えましたね~。(*^.^*)ポッ)


プロの着付けのお蔭で全員がびしっと衣裳を着こなし、パレード会場に向かって嬉しそうに走っていくのを見ていると、 「私も跳ね人やってみたかったな」 、とちょっぴり思いました。この後のパレード本番では、この跳ね人集団が非常に大きな効果を発揮することになります。何も知らない参加者がそれぞれ勝手な方法で衣裳を身につけていたとしたら、全然違った印象になったことでしょう(左の写真は、準備万端整った跳ね人さん達♪)。






f:id:japanfoundation:20070906134743j:image:right跳ね人さんが着付けを済ませている間、ねぶた運航係のメンバー(全員が地元ロサンゼルスっ子たち)は、教会に集合して本場青森からいらした「ねぶた運航プロ中のプロ」櫛引さんから丁寧な指導を受けています「まえ~」、「うしろ~」、「みぎ~」、「ひだり~」と櫛引さんの掛け声に合わせて、巨大なねぶたを乗せた台車を25人がかりで動かすのです。始まる前から一同は汗だくだく。本番では、途中で水分補給できるよう、大量のペットボトルの水を近くに置いておきます。我が事務所からボランティア参加した2名は、出発直前になって音響・照明車(手動)の押し手に抜擢、跳ね人集団350名のすぐ前方という絶好のロケーションからパレードを体感することができました。





f:id:japanfoundation:20070906143243j:image    f:id:japanfoundation:20070906155641j:image 


左:「JFスタッフが押した手動の音響車」


右:「出発前、陣中見舞いに訪れた兒玉総領事と池井実行委員会会長ほかの皆さん」








私達、出発ギリギリまでは「日系社会が一致団結してやるお祭りなんだから、私達も貢献しなくちゃ」という気持ちで黙々と働いていたのですが、夜8時、夕闇迫るリトルトーキョーに賑やかな笛・太鼓・鉦のお囃子が鳴り響き、ねぶた内部に設置された600個の電球に次々と灯りが点され、その巨大な姿がゆっくり動き始めたとたん、雷に打たれたように我々の体内のアドレナリン(?)がどばーっと分泌され、一気に祭モードに入ってしまいました


f:id:japanfoundation:20070906142923j:image:leftf:id:japanfoundation:20070906142506j:image:right前日の台上げ式の際に、太陽光の下で間近に観たねぶたの精巧な作りにも十分感銘を受けていましたが、それが実際に動き出した時の迫力ときたら、死んでる人と生きている人ほどの大きな違いがありました。我々のすぐ後ろでは「正装」した350名の 跳ね人さん達が元気よく跳び続け、その向こうには灯りに照らし出された武田信玄像が前後左右にダイナミックに回転しながらゆっくりと近づいてきて。。。。 





リトルトーキョーに忽然と姿を現した「青森ねぶた祭り」の壮観さに圧倒されつつ、ふと横をみると、2年前からねぶた実現のために走り回っていた実行委員会のコアメンバー達の目には光るものが。。                                                                                                                                                      


嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああああああ 

資金調達が思うように進まず計画が頓挫しそうになったこと、日本への出張のついでに何度も青森を訪れて入念な打ち合わせを重ねてきたこと、ロサンゼルスでねぶたのパーツを組み立てたのは良いものの、予想より大きくて本番前夜になってから組み立て場であった教会の駐車場の門から外に出せないことが判明、LAPD(ロサンゼルス市警)の幹部も走り回ってなんと教会の門扉を切って事なきを得たこと*1、出発直前になって発電機が壊れてしまい、何人かで必死になって動かそうとしたものの断念、他のパレード団体から急遽借りてきて急場をしのいだこと、などなどが彼らの頭に走馬灯のように浮かんでは消えていったことでしょう。傍で見ているだけでももらい泣きをしてしまいました・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。




沿道の1万5000人の観客も突然出現した「青森ねぶた」の世界に熱狂し、1周約1時間半のパレードは、あっという間に終了しました*2。スケールが大きくて、賑やかで楽しいことが大好きなアメリカ人には殊のほかねぶたはアピールしたようです。イベント成功の蔭には、実に多くの関係者の情熱と忍耐がありました。怪我人一人出ることなく無事に一大イベントを終わらせることができたこの成功の陰には、実に多くの関係者の情熱、努力、忍耐がありました。ねぶたそのものの素晴らしさに加え、それを実現に至らせた日本人の意地、心意気というものに強く打たれ、誇らしい気持ちになった一夜でした。





打ち上げの席では、実行委員会の会長・幹部スタッフをはじめ、青森から来た方々もみんな晴れ晴れとした、とても良い表情をしていました。今度は是非本場青森のねぶた祭りも見てみたいものです。


                          


(了)




*1:その後はもちろん溶接しました。快く切断に応じて下さった教会関係者の度量の深さに感動


*2:たとえばcheecheeさんのように、日本では見たことがなかったけれど現地ではじめてみた!という方も多かったようです→こちら。そのほか、躍動感のある写真とともに日記を書いてる人もたくさん:samik51さん、いくこさんMichi Yamamotoさん などなど。





Wednesday, September 5, 2007

 ロサンゼルスにねぶた祭りが出現?!(前編)






f:id:japanfoundation:20070904193038j:image:leftみなさん、こんにちは。オレペコです。


9月に入り、秋の気配もちらほら・・・去り行く夏を思い、なんだかちょっと物寂しく感じていたところ、ロサンゼルス事務所からおもしろい報告が届きました!





日本の夏といえば、お祭り 


ヘ(^o^ヘ)(/^o^)/(←踊ってるつもり♪)


中でも東北三大祭り(仙台七夕祭り、青森ねぶた祭、秋田の竿灯祭)はひじょーに有名ですが、なんとっ、青森のねぶた祭がはるか太平洋を越えてロサンゼルスに出現したという、驚きのニュースですΣ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!! 臨場感あふれるたくさんの写真とともに、お楽しみください~☆


゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜




ロサンゼルスでは毎年8月に「二世ウィーク」という全米最大規模の日系アメリカ人のお祭があり*1、さまざまな文化イベントが開かれますが、今年はロサンゼルスに進出している日系企業さん、地元日系人コミュニティ、そして私達のような政府系団体が一致団結・協力して、青森から「ねぶた」を招へい、ダウンタウンのリトルトーキョーで盛大なパレードが行われました。




このイベントは、遡ること2年前、青森市に駐在経験のある大手日系企業米国法人の社長さんが、「昔と違ってどことなくさびれてきてしまったリトルトーキョーをもう一度元気にするため、日本人駐在員と日系アメリカ人が協力してイベントをやりたい」と企画を持ち出し、官民の関係者による実行委員会が結成されたところからスタートしました。その後、発案者の帰任、資金難などで中止にせざるを得ないかに見えた本企画でしたが、残った実行委員の方々の必死の努力により、晴れて二世ウィークへの参加が実現したという訳です*2





まず、青森において当代若手ナンバーワンといわれるねぶた製作者竹浪比呂央(たけなみ・ひろお)さん率いるロサンゼルスねぶた製作特別チームが結成され、本場青森と同じサイズでありながら、コンテナに収容して輸送できるように9分割したパーツ作りが始まりました。


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<総領事公邸で行われたプレスリリースの様子> 








f:id:japanfoundation:20070904201413j:image:left本番5日前に製作チームがロサンゼルス入りし、リトルトーキョーにある教会の駐車場に設置した特設会場において、9つのパーツを丁寧に貼り合わせたり、600個の電球を中に仕込むといった仕上げ作業が連日にわたり行われました。





←<仕上げ作業に余念のない青森からの製作チーム> 





f:id:japanfoundation:20070904200544j:image:right本番前日、完成したねぶたをパレード用の台車に載せる「台上げ式」という儀式(右の写真ご参照)と、ロサンゼルスの人々にねぶたについての理解を深めてもらうための、竹浪氏によるレクチャーが行われました。山吹色のハッピに鉢巻姿の青森からの一団が、笛、太鼓、鉦で威勢よくお囃子を始めると、集まったアメリカ人の観客達はこれから何が起こるんだろうと、ワクワクした表情で見守っています。





完成したねぶたは風林火山をバックに見得を切る勇壮な武田信玄像。指の1本1本、頬のふくらみに至るまで立体的に和紙が張り合わせてある、まさに動く巨大な芸術品です。興味津々の観客は竹浪さんが語るねぶた製作秘話に熱心に耳を傾け、話が終わった後には 「どうやって運んだの?」 、 「材料は何?」 、 「ねぶたってどういう意味?」 と次々と質問が浴びせかけました。アメリカ人の反応の良さに、青森の一行も感激した様子。このレクチャーの司会と通訳は、本業は弁護士さんなのに仕事そっちのけ(?)でねぶた実現のために精力的に動きまわっていた実行委員の一人がボランティアで担当。皆さんの協力により、まずは台上げ式とレクチャーは大成功を収めました。 (つづく・・・)





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<竹浪氏によるレクチャーのようす>





゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜


今日はここまで。


「和紙」の魅力に取り付かれている芸術家さんや建築家さんは世界中にいると聞きますが、こんな大きな、雄大な作品が、「紙」でできているなんて、一般の人たちにすればすごい驚きだったでしょうね!





大興奮の当日の模様は、明日おとどけしま~す♪お楽しみにっ。




*1:もう67回も実施されてるんですねー。立派なサイトもあります→こちら。ちゃんとねぶた祭も紹介されてますよ!


*2:ジャパンファウンデーションでは、この実行委員会に加わるとともに、ねぶた製作チームの渡米と、後から紹介します、竹浪氏によるレクチャー部分をサポートさせて頂きました☆





Monday, September 3, 2007

 米国の外国語学習はスペイン語がダントツ…でもそんなの関係ねぇ!! (後編)



みなさん、こんにちは。愛の日本語教育隠密伝道師(自称)、磯鍋です。日夜、影になり日向になり米国で日本語学習の種を撒き散らしています。


        


        *'``・* 。


        |     `*。


       ,。∩      *   みんな日本語学習者にな~れ~☆


      + (`・ω・´) *。+゚


      `*。 ヽ、  つ *゚*


       `・+。*・' ゚⊃ +゚


       ☆   ∪~ 。*゚


        `・+。*・ ゚    


さて、前回のブログで日本語教育が米国ではまだまだマイナーであることをお伝えしました。そんな中、エリンタソが救世主のごとく舞い降り、我々は歓喜の舞をポンポコ踊ったわけです。それはなぜかといいますと…





現在日本のアニメやマンガが世界各地の若者を魅了しメディアを賑わせているのは、みなさんご承知の通りですね。米国でも、様々な日本のアニメ番組が吹き替えでTV放映されていて、各地のアニメ・コンベンションは大盛況。そして、現地の高校で日本語を教えている先生がコンベンション会場でひらく日本語入門レッスンにもかなりの数のコスプレさん達が参加するようです。





ふむむ、なにやら美味しい話の匂いが。。。・:*:・( ̄∀ ̄ )。・:*:・ヒホッ




おまけに、米国では『Shonen Jump』『Shojo Beat』といった、日本の漫画雑誌をアメリカ仕様に翻訳編集した雑誌が出版されていて、『NARUTO』や『ONE PIECE』、『NANA』等の人気漫画が英語で読めるのですが、これが結構な部数を発行しているのです。ちなみに、Shonen Jumpは、月に20万部以上発行されており、100万人以上の読者がいるんだとか。しかも、調査によれば、読者の8割以上が日本語学習に対してなんらかの興味を持っているというのです!*1





(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)





ってことは、アニメや漫画を日本語学習のきっかけ作りのツールにすれば、日本語学習者80万人増は鉄板ってか?『追いつけ追い越せスペイン語!日本語学習者400万人』計画(未決済)も夢じゃないってか?!





…なんだけど、いざ具体的な話になると、著作権の問題や資金の問題もあるし、画力・絵心が無いから自前なんて無理だし、、、どうすんべ?





(´・ω・`)ショボーン




というわけで、『アニメで学習者増加さらに倍率ドン!ウッシッシ』計画(未決済)は開かずの引き出し奥深くに仕舞い込まれたままだったのですが、そんなこんなのある晴れた日に、制作事業課*2から一通のお知らせが…





こんなんできました~♪





と送られてきたエリンちゃん。彼女のピュアなアニメ顔を見て、LAスタッフ一同、思わずひらめいちゃいました!


           |


       \  __  /


       _ (m) _ピコーン


          |ミ|


        /  `´  \


         ∧ ∧


        (・∀ ・)アヒャッ


    


エリンちゃんをShonen Jumpに登場させて日本語学習をアピールすれば、一気に学習者80万人アーップ!ってカンジ?!(* ̄▽ ̄*)ニャハ


実は、NHK日本語講座『エリンが挑戦!にほんごできます。』はNHKワールドTVなどを通じて昨年10月の日本国内放映開始とほぼ同時に世界各地で放送されていて、米国でもテレビジャパンで見ることができるんです。でも、これは主に在外日本人を視聴者に想定した放送なので、現地の人が広く一般的に見られるというわけではないんですね。だから、エリンちゃんはまだまだ米国でも一般のアメリカ人には知られていない存在なんです。こんなに可愛いのに… (´;ω;`)ウッ…


そこで早速、Shonen Jumpさんに連絡して今年の6月号から隔月で一年間ジャパンファウンデーションと日本語教育の1ページ広告をドーン!と掲載することに。第一弾は、グローバルなイメージでエリンちゃんの紹介も兼ねてこんなカンジになりました。


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毎回、季節を意識したデザインで、エリンちゃんがいろいろな日本語で呼びかけます。8月号はさわやかな夏のイメージで。





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“Wow! Who’s she? So cute! What’s she saying? Is this Japanese? JFLALC? What’s that?”(おっ!誰、この娘?可愛いじゃん♪これって日本語?なんて書いてあんのかな?JFLALC?なんじゃこれ? 翻訳:磯鍋)


と読者が思えばしめたもの。ウッシッシ 





この極秘計画はまだ始まったばかり。これから一年を通して何が起こったかは、追々日を改めてご報告いたします。それまでは、


+   +


  ∧_∧  +


 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ


 (0゜∪ ∪ +        


 と__)__) +


で、お楽しみに!


 




*1http://www.shonenjump.com/mediakit/images/SJ_MEDIAKIT_Web.pdf参照


*2:潮風より:エリンプロジェクトの主管部署です。