13日(金)夜は消防署主催のダンス・パーティーで踊りあかし、14日(土)午前は、ニコラ・サルコジ大統領が登場した軍事パレードで人混みに揉まれ・・・(ブログのために!?)革命記念日の様子について体を張った取材を敢行してくださった、パリ日本文化会館の牧瀬さん。
昨日の「ニコラ、ミシェル or 巨大サングラス(注:タモリではありません!)?」に引き続き、フランス革命記念日の様子パート2をお送りします!
ミシェルと巨大サングラスの謎が本編後半部分でいよいよ明らかに・・・
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◆ 革命記念日無料コンサート
そして夕方からはエッフェル塔のある広大な公園シャンドマルスで、サルコジ大統領主催の無料野外コンサートがありました。ネットで情報を入手、無料と聞いて、いてもたってもいれず、そのままシャンドマルス公園に直行する自分。到着したのはコンサート開始1時間前の18時。頭上には久しぶりの夏空が広がっています。日がまだ高いので太陽光線がじりじり照り付けています。
友人と一緒だったのですが、最初からスタンディングで乗り切ろうという心構えだったので、芝生の上に座ってピクニックモードになっている一般市民を横目に、エコールミリテール側の特設ステージまでじりじりとにじり寄っていきました。ステージまで100メートルのところまでは何とか到着。しかし、それより前方には人だかりができていて、まったく進めない。仕方なく、ハイネケンやボルビックで水分補給しながら、コンサートの開演を待ちます。
19時ぴったりにコンサート開幕! おお、トップバッターはフランス三大DJの一人(と自分で勝手に思っている)ボブ・サンクラール*1ではないか! ちなみに後の二人はダビッド・ゲッタとローラン・ガルニエ。始まるなり、重いビートと耳をつんざくようなサウンドエフェクトで会場は巨大野外ディスコに変身。昨年の大ヒット曲、「ラブ・ジェネレーション」から次々とナンバーを流します。
その次はイタリアのローラ・ポージニ*2。唄はうまかったが、なんかイタリアのセリーヌ・ディオンみたいな感じでした。
そして、このコンサートの前半のハイライト、ドイツの10代のロックグループ、トキオ・ホテル(Tokio Hotel)*3の登場です。このロックバンドが登場するなり、会場前方に陣取っていた若い女の子たち(やっぱり10代)がヒートアップ! かなりヒステリックになって声を上げています。そうか、こいつらこのバンド目当てだったんだな。舞台上を所狭しと駆け回っては歌うトキオ・ホテル。
特にボーカルのビル・カウリッツがほぼビジュアル系(写真に出てます)、MCで何かトークするたびに(ちなみにすべてドイツ語)、女子の声援が乱れ飛んでいました。ただ、10代とかビジュアル系とかそういうのを抜きにして、演奏自体はかなり完成度高し。日本でも人気なんでしょうか?
トキオ・ホテルのパートが終わった時点で、ステージ最前方にいた思春期の娘たちが、「もう後は興味なし」と言わんばかりに退場し始めたので、姑息に僕は前進。やった、ステージ10メートルのところまで進んだぜ。
トキオのあとはポルトガル系カナダ人シンガー、ネリー・ファータド(Nelly Furtado)*4。全世界でファーストアルバム600万枚売ってます。僕は知らなかったですが。そしてその後、20分の舞台転換。待たされて、待たされてようやく、21時を過ぎた頃、ようやく真打登場。この無料コンサートは彼のために開催されたとも言って過言ではない、ミッシェル・ポルナレフの登場! 聞くところによると、ポルナレフはサルコジ大統領と非常に仲良しで、その関係でこのコンサートも引き受けたとか。
必要以上に巨大なトレードマークのサングラスをかけて、背中にフランスの三色旗をまとってポルナレフが出てきたときには僕は腰が抜けるかと思いました。三色旗かい! 舞台上部にはサングラス型のモニターがあしらわれています。そこまでミッシェルのためにセット作ったのかよ。そしていきなり、怒涛の70年代ヒットメドレー。Tout tou pour ma chérie(これは俗に「シェリーに口づけ」*5というタイトルがついてますが、シェリーって別に人の名前じゃないよ) love me please love me , dans la rue, goode bye marylou(これは《悲しきマリー》ってやつですか?)などと往年のヒットナンバーを披露。僕の周りでは、ある者は一緒に大声で歌い、ある者は体をスイングさせて、ほぼトランス状態で踊ったり、またある者は必死にミッシェルに手を振ったり、とある種いろいろなスペクタクルが繰り広げられていました。それぞれが、思いのままミッシェルとのひとときを満喫しています。ああ、ポルナレフというのは国家的財産なんだなあ、ヒット曲はフランスの集合記憶なんだなあ、などと実感。
ピンクの光の中で歌いまくるミッシェル。ステージを所狭しと駆けずり回って、踊り狂うミッシェル。かなり腹が出ているにも関わらず、70年代の振り付けそのままでマイクを観客に向けるミッシェル。スターってすごいです。しかも、至近距離。
ラストはOn ira tous au paradis(天国への道)*6。巨大サングラスセットの中に歌詞が出てきて、みんなで大合唱。
後の報道によるとシャンドマルス公園にはこのコンサートために60万人集まったそうですが、60万の合唱でした。僕もそのうちの一人か。
22時半過ぎコンサート終了。ミッシェルがステージ裏に引っ込み、興奮もさめやらぬうちに、恒例の花火大会が始まりました。今までエコールミリテール側を見ていた人がすべて反対側、トロカデロ方面を振り向きます。革命記念日の本当の主役、エッフェル塔越しに次々に花火が打ちあがります。それぞれの市民の思いを胸に。EU統合、軍人パレード、サルコジ大統領初の革命記念日、ミッシェルの巨大サングラス。花火は23時過ぎまで続きました。花火が終わっても人の波はひかず、公園も、舗道も、車道も、橋も、カフェも、レストランも革命記念日を祝う人々で溢れています。
翌朝、メトロの駅で朦朧とした状態で地下鉄を待っていたら、目の前で僕と同じ電車待ちをしているおばさんがon ira tous au paradisを鼻歌まじりに歌っていました。彼女も昨日、シャンドマルス公園にいたんでしょうか?
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映画『ウォーターボーイズのサントラとしても有名です。
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