Wednesday, March 28, 2007

若者たちの旅はつづく



皆さん、こんにちは。


先週のフィギュアスケート世界選手権、ご覧になりましたか?


16歳の浅田真央選手のフリーでの挽回、そして19歳の安藤美姫選手の劇的な優勝に、図らずもお茶の間で感涙にむせんだ私、20+○歳の三富です(;へ:)





10代の若者が世界で活躍する姿に大いに触発され、私も目下基金職員としてのパーソナル・ベストを目指して修行中です。


(o゚ロ゚)ノ‥‥…━━━━━☆☆☆




さてさて、「若者」といえば、以前にもお伝えした「第11回漫画展-アジアの若者文化-*1ですが、昨年10月の東京での展示会以降、茨城県、長野県、岡山県、徳島県、埼玉県・・・と日本国内で巡回展を実施してきました。





そんなアジア漫画展の国内巡回も、ついに残り2ヵ所となりました!


そのうちの1つ、最後から2番目の巡回先である(財)大阪国際交流センターでは、3月29日(木)~4月4日(水)まで「漫画で知るアジアの若者文化~第11回アジア漫画展~」が開催されます。


皆さまのご来館を心よりお待ちしておりますヾ(*゚∇^*)ノ~





7月7日(土)からは、国内巡回展最後となる、愛知県・知立市で展示会が行われますので、お楽しみに。






Tuesday, March 27, 2007

国際交流の舞台裏~Vol.4 かつらこさんの場合~



みなさんこんにちは、オレペコです。

いよいよ今年度の職員募集(総合職)の締め切りが 来週月曜日(4月2日)に迫ってきました≡≡≡ヘ(*゚∇゚)ノ イソゲ~! ので、今日は、舞台裏シリーズVol.4として“かつらこ”さんに登場していただきます*1





まずはデスクを拝見!


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<仕事をするときの四種の神器。手帳、My pot and mug、ノート、入館証。オフィスには潤いが必要。最近はmugのみならず、私のようにmy potを持参する人、さらにはmy加湿器を持参する人が増えている。>





三種ならぬ(笑)、四種の神器を駆使してお仕事をしていらっしゃるかつらこさん!


早速お話を聞いてみましょう! (゚∇゚*)(。。*)(゚∇゚*)(。。*)ウンウン





Q1:かつらこさんは、管理部門、事業部門のいろんな部署を経験されていますが、これまでの基金人生の中で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。


各部署で泣いたり笑ったりのいろいろな思い出はありますが、やはり出張の時の思い出というのは、他のことに比べ、より新鮮にいつまでも比較的よく記憶に残っています。日本語教育の部署にいたときには、東南アジア地域を担当しており、出張では色々な国を訪問しました。





中でもミャンマーの出張は思い出深いです。日本語の専門家を派遣する前の、事情調査だったと思うのですが、特段教育施設が整っているわけでもない、普通のお寺に多くの学生さんが集まって日本語を必死になって習っている姿にまず驚きました。その後、ミャンマー大学の学長の方とお会いする機会があり、その際に、この国が内戦でいかに大きな損失を蒙ったかということを説明され、そして、この国を復興させるのに、まずは教育をしっかりしたものにしなくてはならず、日本語教育は、日本の進んだ技術を取り入れるのに必要不可欠なものであると力説されました。国際交流基金の事業が少しでもその取り組みにお役に立てられることがあればと強く思い、学長の熱意と先ほどのお寺での情景が重なり、非常に印象深い出張となりました。





Q2:日本語教育の部署には約3年間いらっしゃったんですよね!東南アジアにどっぷりつかったあとは、今度は心機一転、海外長期研修でイギリスに行かれたときいていますが、海外長期研修制度ってどういう制度なんでしょうか  (゚ペ)?  

これは、基金が若手職員に海外で修士レベルの学位をとる機会を提供するというもので、社内公募を経て実施しています*2


私自身は、営利を目的としない私たちジャパンファウンデーションのような組織が、自分たちの活動を評価するには、どのような方法がしっくりいくのだろうかという疑問をもち、それを研究テーマに選び、社内公募に応募して、ロンドンの大学院に留学させていただきました。





しかし、非営利組織の歴史が長いイギリスでの状況を学び、色々な方々のお話をきくうちに、これは1年間という時間で扱うには膨大過ぎる内容だと思い(実際、非営利組織の評価は、非常に難しく、国際交流基金でも試行錯誤する中進めており、営業成績等、比較的分かりやすい指標のある営利組織に比べて、絶対の正しいやり方というのはないのだと思います。)、急遽方針を転換し、近年、日本でも関心の高いCSR(Corporate Social Responsibility)と非営利セクターの関係について、深く掘り下げて考えてみることにしました。今私が所属する日米センターでは、非営利セクターの底上げを図って、フェローシップの供与や助成事業等をしているので、それらの事業を理解するためのバックボーンとなる知識を習得できたのは大きな収穫でした。





Q3:イギリスから帰られてからは、どのような事業をご担当されていますか?


帰国してからも、アングロサクソンから離れることなく、今度は、日米センターというアメリカ専門の部署で、日系アメリカ人関係のプロジェクトを担当しております。




私自身、この担当になるまではよく知らなかったのですが、日系アメリカ人の方々は非常に特異な歴史を背負われておられ、第二次世界大戦中は、従軍して多大な軍功を挙げた日系アメリカ人が多くいる一方で、本土の大多数の日系アメリカ人は強制収容所に収監されました。そのような歴史を背負われる日系アメリカ人の方々に、我々日本人と同じ民族ルーツを持ち、日米関係に非常に深く関わっておられるが故に、日米の架け橋として活躍していただきたいという願いを込めて、様々な事業を展開しています。私自身、ベストセラー作家の真保裕一さんの「栄光なき凱旋」*3を読むことに始まり、種々の素材にアクセスして、日系アメリカ人の方々をめぐる歴史、状況の理解につとめ、日系アメリカ人関係の事柄に非常に興味をもつようになりました。そして、より多くの日本人の方々に、この稀有な歴史について知っていただきたいと思うようになり、この思いが、担当事業を動かす際のモチベーションとなっていると思います。





今月は、その中の重要プロジェクトの一つである、「日系アメリカ人リーダーシップ招聘事業」の一環で、3名の日系アメリカ人のパネリストをお迎えして、広島で「岐路にたつ日系アメリカ人-過去・現在・未来をつないで-」というタイトルのもと、シンポジウムを開催しました(詳細はこちら)。コーディネーターの先生、共催機関、後援機関を探すところから始まり、私にとっては未知の場所で、全てゼロ地点から一つずつ立ち上げていくのは大変ではありますが、シンポジウムで多くの聴衆の方々をお迎えし、シンポジウムが拍手喝采で終わったときの充実感と安堵感はなかなかのものです。





Q4:最後に一般的な話になりますが、女性であるかつらこさんにとって、基金は働きやすい職場でしょうか?


就職活動をする際に、「女性にとって働きやすい場所」という点は、私は非常に優先度が高かったのですが、この点も非常に満足しています。女性の先輩の中には、子育てをされながらも、非常に有能なお仕事振りをされている方もおられますし、一般的に、離職率、転職率が昔に比べて高くなっている中、やめる方がそれほど多くないということも、働きやすい場であるということを証明しているような気がします。




そういう実際的な面も恵まれた環境とは思いますが、他に強調したいのは、これは女性に限らないことですが、知的好奇心が強い方にとっては、本当に多種多様な知的刺激を得られる場といえると思います。事業を通じて、学者、識者の方々との交流が多いため、求めればいろいろな形で知的な刺激を受けることができるので、幅広く色々なことに興味をもたれている方にとっては、絶好の職場環境といえるでしょう*4。事業を通じて、これまでの自分だったら、目の前を素通りしていた情報が、色味を帯びて、自分との関わりをもった形で見えてきます。その意味では、働きやすいだけでなく、働き甲斐のある職場といえるのではないでしょうか。


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<PCのハードウェア上のわが愛すべきマスコットくんたち。オフィスのほこりを吸い上げて、大分黒くなっちゃったね、ごめんね。>


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東南アジア、イギリス、アメリカ、、、と、正に世界をまたに掛けて大活躍ですね。


そんなかつらこさんの日米センターでのとある一日は、こんな感じ↓だそうです。





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*1:バックナンバーはこちら:vol.1, vol.2, & vol.3


*2オレペコより:その他研修制度についてはこちらをご覧ください。


*3オレペコより:ご興味のある方へ↓


栄光なき凱旋 上

栄光なき凱旋 上







栄光なき凱旋 下

栄光なき凱旋 下







*4:知的刺激を究極に求め続けると、学者に転進ということもありえると思いますし、現に過去にそういう職員の方もおられました





Monday, March 26, 2007

世界に広がる日本語学習者の輪(合格編)



こんにちは。潮風です。

2006年12月3日に実施された日本語能力試験(JLPT:Japanese-Language Proficiency Test)ですが*1


随時結果を発送した結果、世界各地の受験生の皆様の手元に届いたようです!





合格者のみなさん、教師のみなさんがブログでも喜びの声を届けてくれているので、それらを今回はご紹介したいと思います。





では早速、合格者ご本人たちの声~☆ヽ(▽⌒) 



日本語能力試験の二級を合格しました~゚(゚`∀´゚)゚





いやぁ、そんなになったのは思わないですよ





去年の12月に試験を受けだったですがその前に卒業のとこばっかりぜんぜん勉強していなかった


試験に行くの決定ても「試験の料金もう払ったなのに、せっかくのチャンスです、行って見よう」、、、、と思った。


まさか合格なんてつもりじゃないです


私にとってビーグ サプライズだ!!


ずっと六人のK-A-T-T-U-N




合格しました。ちょっと信じられないけど(;´Д`)





これは多分日本人にとって一生見たとこがないかもしれませんけど、外国人にとって、特に日本語を勉強している人が手に入らなければいけないものと思います。





でもね、手に入れた後、日本語もうペラペラ、うまく使えるわけではなく、日本語を本番的に始めると思っています。


台湾で日本語を使う仕事をしたいなら、必ず一級を取ることが必要。


でも例外もあるよ。アタシが例外です(笑


ゼロ。距離




あたし、合格しました。


すっごくすっごく嬉しかった。


死ぬほど嬉しい


(中略)


ほかの人にって大したことはないかもしれませんが、私は本当に嬉しいです。


いいじゃん、今日だけでお祝いさせていただきます


明日からもっともっとがんばるぞ


日本語はもっともっと上手になりたい。


がんばります。


★今日こそ最高の日だ~日々邁進★



みなさん、この合格を糧に、今後もぜひぜひがんばってくださいねー!





また、合格者を出した先生たちも喜びひとしおだったようです。y(^O^)y


まず生徒達からの合格第一報をもらった先生方は…



その日の大体5時半ごろクラスのk君から電話が・・。「先生 合格した~!」と嬉しそうな声で 合格報告第1号でした。(^^)


それから その日は晩遅くまで メールや電話での合格報告が相次ぎまるでどこかのテレホンセンターのようでした。(^o^;)


さといも台湾Life & Photo




携帯メールのけたたましい音が鳴った。学生からのメールだった。


「先生、2級受かりました!」


昨年12月に行われた日本語能力試験の結果を学生が報告してくれた。


わたしは、うれしくて、


       うれしくて。。。


すぐに、返信しようと思った。


わたしの持っている携帯では漢字、ローマ字の入力ができる。中国語で返信しようか、それとも英語学科の学生だから、一言英語で返そうか。でも、あえてローマ字で


「Omedetou!」


「日々喜怒哀楽in中国」日記



そしてしみじみと喜びをかみしめる先生方も。



インドネシアで日本語教師として働き始めたとき、一つの夢ができた。


その夢が現実になった。


夢を叶えたのは私の力ではない。


学生たちの努力の成果だ。


11人の学生が日本語能力試験の2級に合格した。


そのうち4人は、私が今の大学に赴任したときに入学してきた学年。


夢はその学年から私の契約期限が切れるまでに2級合格者を出すこと。


4人も合格するとは思っていなかった。


本当に頑張ったんだな…久々にうれしくて涙ぐんでしまった。


はっぱのまんま




昨年暮れに全世界で実施された「日本語能力試験」の合否通知が今年も届きました。一年で最も学校の中が沸く時であります。(中略)実際こういったものの勉強は誰が教えたかはあまり関係の無いもので、本人達が頑張った結果なんですよね。勉強とは本来自分ひとりでやるものなのです。


とはいえ教師をやっていて、合格して喜んでいる生徒を見られるのが一番嬉しい時であることは間違いありません。


今日のつれづれブログ






いやはや、本当におめでとうございました~\(*^▽^*)/\(*^▽^*)/\(*^▽^*)/





そしてそんな日本語を流暢に操る外国人の方に向けてのお知らせです☆

今年5月26日に行われる第48回外国人による日本語弁論大会では、4月3日まで出場者を募集しています!海外の方も応募可能です!*2応募方法等、詳しくはコチラをご覧くださーい!!




*1:ブログでも受験にかかわった皆さんの声をご紹介しましたー
世界につながる日本語学習者の輪(学生編)
世界につながる日本語学習者の輪(先生編)


*2:日本国内交通費は主催者が負担します





Friday, March 23, 2007

 ◎インターン生特集◎その15~森下さんの場合~



みなさんこんにちは、オレペコです。


今日は、久々にジャパンファウンデーションでインターンを経験した学生さんからの感想をお届けします!






皆さん、初めまして。


立命館アジア太平洋大学の森下加那子と申します。


今回私は、国際交流基金の日米センター(以下CGP)で2週間インターンをさせていただきました。





実はこのインターン、去年の9月に送った何気ない1通のメールがきっかけです。自分が大学生活を送る中で国際交流に漠然と興味を持ち、実際にその現場を見てみたいとの想いからでした。インターンが決まった時、嬉しくて自分の感情を抑えることができなかったのを今でも覚えています。





そして実際にインターンを無事終えることができた今、振り返りいつも思うことは、「国際交流基金で働いている方々は、人を惹きつけるパワーを持っている人のグループだな」ということです。なぜ、そう思うのか。それは、2週間のインターン内容が、全て人とのコミュニケーションで成り立っていたからだと思います。





私が、実際CGPで手伝わせていただいたことは、主に、1)JOIプログラムの選考補助と会議出席、 2)船橋洋一氏のセミナー手伝い、 3)CGPのメールマガジンの編集、 4)外勤、 5)事務作業 です。





1)のJOIプログラムとは、米国(特に南部)で草の根交流を図るために日本からコーディネーターを2年間派遣するプログラムで、私はその選考の受付とマッチング会議を傍聴させていただきました。私は所属サークルで、よく意見のぶつかり合いをし、結論のない議論を繰り返すことがあります。しかしこの会議は、お互いの意見を聞きあいながら、それにプラスして自分の案を提示するという流れでした。結果、そうしたやり取りがとても会議をスムーズにしているのだと知り、効率的なコミュニケーション方法を学ぶことができました。




2)の船橋洋一氏のセミナー*1では、当日スタッフをしました。ここでは、自分の日常生活ではお会いすることができないような方々とお会いし、同じ場所にいることさえ刺激的でした。その中で、基金の方々からは、社会人としての大切なマナーも教えていただいきました。




その他には、CGPのHPで発信するメールマガジンのお知らせの概要を書かせていただきました*2。少ない文字数で読み手が興味を引くことができる見出しを書くことはとても難しく、予想以上に時間がかかってしまいました。またCGPの知的交流課の方と一緒に、外勤でセミナーや会議を傍聴し、今後の国際交流に関するトピックにも触れることができました。実際に外に出て、外部の話が聞けたことは、新しい知識を得て、国際交流の奥深さを知る貴重な機会となりました。そして空いた時間には、市民交流課知的交流課の2つの課で構成されているCGPの事務作業を手伝わせていただきました。「何でも屋」という感じで、任された事務を締め切り順から仕上げていたのですが、1つ1つの作業でも、それぞれの職員が携わっている大切な業務につながっているのだと感じ、交流の基盤となる事務作業の大切さを実感しました。




今回のインターンでは、CGP以外にも会社説明会*3日中交流センターが行う中国高校生招聘帰国報告会の補助もしました。人事課の方々と2008年度の会社説明会を手伝わせていただいたのは、本当に貴重です。なぜなら、私も学生だからです。説明会の1時間という限られた時間以上に基金のことを知りました。そして、日中交流センターでは、中国各地から1ヶ月間日本に招聘されていた高校生の帰国報告会の手伝いをさせていただきました*4。驚いたのは、中国の高校生がしっかり自分の意見を持って相手に伝えることができる点です。そして何より日本を好きになってくれたこと。一人一人のスピーチが日本人である私の心に届きました。ある女子学生は、「私の任務はまだ終わっていません。中国に帰ってから日本の良さをたくさんの人に広めることが私の義務です」と言っていました。これこそ、国際交流の意義があるのでしょう。彼らの言葉を聞き、もっと日本を知り、そして相手国を知りたいと思いました。そうさせてくれた彼らの言葉は人の相互理解をきっと促してくれると思います。





毎日がコミュニケーションに溢れ、刺激に満ち溢れたとても楽しいインターンでした。やはりそれは、基金の方々が人を惹きつけるパワーを持っているからこそ、インターンを充実させてくれたのでしょう。本当に基金の方々にはお世話になりました。国際交流基金を通じて出会えた縁をこれからも大切にしていきたいなと思います。そして宣言します!この機会のおかげで基金のことをたくさん知ることができました。今度は私が主体となって、友人や大学の後輩に基金のことを伝えていきます。そして私も少しずつ相互理解の担い手になれれば幸いです。



二週間という限られた時間の中で、多くを吸収したようですね!実は、受け入れた日米センターからコメントが届いていますよ。お疲れ様でした!





(゜-^*)σ "森下さん、2月に2週間のインターンに来てもらって、ありがとうございました。明るく元気かつしっかりとした取り組みをしていただいて、受け入れた私たちもとても楽しく過ごさせてもらしました!慣れないオフィス勤務で知らず知らずのうちに気を遣って疲れることもあったのでは、と思いますが、今後の学業や就職活動に向けて有意義な経験となっていれば、嬉しいです。東京にくる機会にはぜひ気軽に立ち寄ってくださいね!日米センター一同より”


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*1オレペコより:残念ながらこのセミナーは一般公開ではなかったのですが、日米センターは米国のシンクタンクであるブルッキングス研究所(米国)と共催し、船橋洋一氏の研究を支援しました。その研究成果として同氏が出版した近著『ザ・ペニンシュラクエスチョン~朝鮮半島第二次核危機~』について専門家向けセミナーを開催したものです(共催:財団法人平和・安全保障研究所)。同著は韓国語版も出版済み、近々英語版も出ることになっています。著書についてより詳しく知りたい方はこちら↓


ザ・ペニンシュラ・クエスチョン―朝鮮半島第二次核危機

ザ・ペニンシュラ・クエスチョン―朝鮮半島第二次核危機







*2オレペコより:手伝っていただいたメルマガは52号!詳細はこちら


*3オレペコより:このブログでも二度にわたり、その様子を紹介しています→前編後編


*4オレペコより:日中交流センターでは、一ヶ月間の「中期招へいプログラム」のほかにも、一年間日本に滞在する「長期招へいプログラム」や10日間ほどの短期プログラムなど様々なプログラムを実施しています。独自のHPも立ち上げ、中国人留学生たちの日記なども掲載していますので、ぜひご覧になってみてください!!!





Monday, March 19, 2007

国際交流の舞台裏~Vol.3:駆ける職員たち:ランニング同好会のご紹介



潮風です。

さてさて、ちょっと間があいてしまった国際交流の舞台裏シリーズ*1ですが、今回は第3弾として、職員有志の活動をご紹介したいと思います。





JFでは、ちらほら有志が集まり"部活動"が行われています。潮風が知っているのでも、さまざまな語学講座やフットサル、俳句の会などいろいろ。で、その中でも先月大きな注目を集めたのが、今日ご紹介するランニング同好会!!なななんと、何人かのメンバーが先月の首都東京の大イベント、「東京マラソン」に出場をし、雨の中、激走したのです。


└( ̄◇ ̄;)┐=3=3=3=3=3=3

そこで、その出場の記録をここで大公開*2


普段お届けしている国際交流の話題とは離れますが、番外編として、私たちJF職員の素顔が少しご紹介できるレポートかと思います。


ガツンと読み応えがありますが、どうぞーーーー


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こんにちは、一応ランニング同好会のキャプテン?パンチ*3です。 今、東京マラソン後の足の激痛の中、これを書いています。 今回で4回目のマラソンとはいえ、こんなに雨に降られるのは初めてで、どうなることかと思いましたが、何とか目標の3時間30分で走ることができました。\(^O^)/ 思えば1年半前、酔った勢いで周囲の人を駅伝に誘い、その後も水曜日の終業後に一緒に皇居を走るようになったのですが、週に1回でも練習を続けられたのが良かったと思います。マラソンの後半は苦しくて、何度も歩こうかと思いましたが、自称キャプテンのメンツもあってがんばれたのかもしれません。


基金の場合、そもそも職員の数がそんなに多くないところへ、職業柄?文化的趣味の人、単独行動が好きな人が多いような気がしますし、中心選手の海外異動もありますし、継続的なスポーツサークルが難しい部分がありますが、ランニング同好会は、ランニングブームという時流にも乗って、みんな参加できる時にマイペースで頑張っています。 いつまで続くか分かりませんが(おいおい)、誰でも気楽に参加できるよう、練習後のお酒を楽しみに、これからもゆるーく活動したいと思います。 では、痛む足を引きずりつつ、明日(2月19日)から東南アジア出張に行ってまいります。後は頼んだ、山崎君。



ハイ、無事海外出張に向かった(らしい)キャプテンからバトンを引き継いで書かせていただきます、山崎です。


まず簡単に当ランニング同好会について説明しますね。

練習は毎週水曜日の終業後*4、皇居または東京体育館で行っています。気が向いた人が集まって好きな距離を走るユルいシステムで、3、4名程度の少人数の時も、10名弱のメンバーが集まる時もあります。走ったあとは銭湯で汗を流して、マラソン談義に花を咲かせながら軽く一杯*5

体力維持のため、病気のリハビリのため、東京マラソンの抽選に通ったから、皇居を走ってみたかったから・・・とメンバーがランニングを始めた動機は様々で、純粋に走ることだけを楽しむ人もいれば、青梅マラソン、新宿シティハーフマラソン、東京マラソン、湘南国際マラソンなど、自分の体力とレベルに応じて目標を設定して練習している人もいます。このほか、「マラソンは無理だけど、数km程度なら走れるかも・・・」という同僚達を多数集めて、駅伝大会に参加することも*6


++++++


さて、今回は皆様ご存知、東京マラソンに当ランニング同好会から5名(男性2名:フル、女性3名:10km)の出走が決まり、抽選で外れて走ることが出来なかった松田、加藤、山崎の3名が日比谷公園まで応援に行きました。


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当日は前日夕方からの雨が冷たく降り続き、底冷えまでするバッドコンディション。応援団内では、こんな寒い雨のなか、みんな本当に走っているのかな?とテンションの低い会話を交わしていたのですが、程なくしてパンチキャプテンより連絡が。


「今、竹橋!」


ここで我らのテンションは盛り上がり、必死に目を凝らしてパンチキャプテンを探しました。すると、7、8分後に颯爽と走るキャプテンを発見!


「パンチさーーーん!!!」「頑張れーー!」


パンチキャプテンも我らに気づき、手を挙げて応えてくれました。


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このとき雨と寒さとで応援団もかなり辛かったのですが、続いてやってくるはずの女性3人は全員初レース*7だから、ラストスパートをしっかり応援しなくては ※o(≧∀≦)/※


寒さに震えながら探していると、3選手らしきランナーをそれぞれ発見!制限時間内に全員ゴールしたことを確認できました\(*^Ο^*)/


ここで3選手に、完走の感想を熱く語っていただきましょう。



皇居1周と銭湯と、その後のビール!に惹かれてランニング同好会に参加しました原です。練習の少なさとマラソン初挑戦で、当日まで弱音をはきまくり・・・。でも覚悟を決めてスタートしてしまえば、あれほど多くの人と一緒にゴールを目指して走る独特の雰囲気と、興奮と、高揚感で、体が前へ前へと進むのでした。後半はさすがに苦しくて、ほんと歯をくいしばってのゴールでした。今までチームプレーのスポーツばかりで、マラソンのような個人競技は未経験でしたが、一人ではないですね!メンバーと走る皇居での練習や、同じゴール目指して大勢が走る大会本番、そして選手以外にも当日まで多くの方が携わっていることなど、私は走らせてもらったのだ!を実感しました。そして何より、冷たい雨の中での同好会メンバーの応援、嬉しかったですっ。東京マラソン完走で、今まで知らなかったランニングの楽しさを実感できました。それもパンチさん率いる基金のランニング同好会だからこそ!です。




ランニング歴一年弱、駅伝2回、マラソン初挑戦の佐藤です。基金に来て間もない頃、お酒の席で左右を会計課長とランニング同好会キャプテンのパンチさんに挟まれ、皇居での練習に声をかけられたのをきっかけに、少しでも早く基金に馴染めるようにと始めたランニングでしたが、走ってみると気持ち良く、そして練習後のお風呂、反省会と称した食事が楽しく、気付けば東京マラソンのスタートラインに立っていました。冷たい雨の中立ちつくしているときはこんなにしてまでマラソンなんてと思いましたが、寒い中応援に来てくださった人の温かさ、無事ゴールできたときの達成感、マラソン翌日には多くの方に声をかけていただき、また次も(湘南国際マラソン10kmにエントリー済み)頑張ろう!と思いました。パンチさんをはじめ、メンバーの皆さんありがとうございます☆




ゼッケンナンバー8908ハヤクオワレ(´Д`)=の瀧田です。東京マラソンをきっかけにランニングを始めた超初心者です。当日は雨でとにかく寒かったですが、色々な方に応援していただいて人生初の10kmを完走することができ自分でもびっくりしています。普段走ることのない道路の上を多くのランナーとともに走っているのはとても不思議な感じでした。飯田橋(5km)を過ぎたあたりからは一歩一歩が自己記録!ゴール地点では山崎さん方先輩3名が待っていてくださり、それが大きな力になりました。これまで、ランニングは孤独な個人プレーというイメージでしたが、沿道やボランティアの方、一緒に走るランナーの皆さん、エールを送って下さった先輩や友人のパワーに支えて頂いてこそ走れるものなのだということを知りました。 基金同好会の皆さんは練習でも初心者を温かく迎えて下さいます。時に伴走して下さり、終わった後はたっぷりお酒に浸れます。基金に同好会がなければ、そして会計課にキャプテンがいなければ、マラソンに挑戦をしようとは思わなかったですから本当に感謝しています。せっかく衣装(?)も揃えましたし、これからも続けていきたいと思います!



ハイ、山崎です。それでは、当日12時過ぎに話を戻しましょう。





無事合流出来た女性ランナー3名と応援団とでご飯を食べていると、パンチキャプテンから連絡が入りました。見事3時間30分でゴールした旨!さすがキャプテン!!(*≧ヮ≦*)//♪♪


しばしマラソン談義に花を咲かせたあと、唯一日比谷で確認できなかった田口部長の話題になりました。部長は初フルマラソンですから、慎重に走っておられるだろうと思われましたが、何せこの雨。もしかしたら怪我でも・・・と心配しました('∂_∂`)≡З


しかし、そんな心配をよそに、部長は黙々と走っておられました。そして見事5時間半後にゴール!!!






パンチに誘われて1年半前にランニングをはじめた田口です。最初は懇親のつもりで月1回程度の皇居一周を楽しんでいましたが、何度か小さなレースに出ているうちにその気になり、生涯一度は是非フルマラソンを走ってみたいと思い立って挑戦したのがこの東京マラソン。しかし、まさか、登山用のレインウェアを着て40kmを走ることになろうとは思いもしませんでした。経験のない5時間台の壮年ランナーにとってはつらい天候に加えて、レース後半に支給されるはずのバナナ、アンパンも品切れという試練にあいました。25kmを過ぎてひもじい思いをしていたところに救いの手を差し伸べてくれたのが浅草近辺の沿道の住民。クッキー、チョコ、飴玉などを差し出してくれたのには感謝、感激。さすが浅草!大都会東京にも人情は残っているんですね。


なんとか完走できたのもキャプテン パンチをはじめ若い同僚の応援があってこそ。基金をリードするのはやっぱり若手です。



ランニング同好会5名、全員無事完走出来ました\(*^Ο^*)/\(*^Ο^*)/


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前日ゼッケンを取りにいったランナーたち


マラソンは一人で走る競技とはいえ、仲間や沿道の応援に支えられて、自分でも気づかないほどの力が発揮されることがあります。今回の全員完走も日頃の練習と仲間の支えが基礎になっていたことは疑いようがありません。国際交流基金ランニング同好会は、今後も走る楽しみを共有しながら、活動を続けていきます!




*1:バックナンバー等
国際交流の舞台裏~Vol.1 海外事務所で働く醍醐味:堀川さんの場合~
国際交流の舞台裏~Vol.2 :試験課Iさんの場合~
会社説明会レポもあります⇒前編後編
毎日就職ナビにも職員の声が載っています


*2:実は原稿入手からタイムラグがあります、が、臨場感を届けるためにそのままです。ご容赦ください…


*3:「パンチ」は「パンチパーマ」から来ていますが、怖い人ではありません。


*4:潮風補足:毎週水曜日を基金ではノー残業デーと定めていて、余暇・趣味を満喫する時間となっています


*5:走ったあとのアルコールは、本当は体によくないんですよ。ちゃんとたんぱく質や炭水化物等をバランス良く摂りましょう。


*6:これまで3回出場。昨年12月は男性9km女性6kmを各5名(計10名)で走った駅伝大会に出場しました。このときは、待ち時間を利用して、パンチキャプテンが川べりで豚汁を作ってご馳走してくれました。パンチキャプテンは野外キャンプが得意です。


*7:駅伝出場でのレース参加はありますが、個人参加という意味で。





Thursday, March 15, 2007

助成とドイツと、壊れかけのスーツケース。



Guten Tag! ( ´_ゝ`)ノ


2月下旬からの登場回数がめっきり減っていた三富です。





なぜかって???


それは、、、海外出張に行っていたからです。




移動途中の機内でスーツケースのキャスターが1個脱輪&紛失という、緊急事態に見舞われながらも*1無事に(!?)ミッションを終了して帰国いたしました。


……シタタタッ ヘ(*¨)ノ





今回の出張の目的の一つには、助成事業の視察というものがありました。





国際交流基金では、自ら主催で事業を行うほかにも、数々の助成プログラムを設けていることは、以前にも折に触れてこのブログ上でご紹介してきたとおりです。





「@インターン生特集@その12 馬歓歓さんの場合」


「審査って」


※助成プログラムの詳細はこちら→http://www.jpf.go.jp/j/about_j/program_j/index.html




私の所属する市民青少年交流課でも「市民青少年交流助成プログラム」というものを、年3回公募で行っています*2。申請いただいた案件については、課員総出で申請書を読み込み、課内会議で議論を繰り返し、専門家のご意見を伺い、、、とさまざまなプロセスを経て採用・不採用が決定するわけですが、採用したものについて、機会があれば私たち職員が実際に視察に伺うこともあります。





助成事業は審査等に大変な手間がかかる反面、申請団体の方々の国際交流にかける熱意に圧倒され、また創造力豊かな企画にインスピレーションを受けることもしばしばです。





今回私は「日独学生フェアトレード会議」の視察に伺いましたが、日独双方の参加者によるフェアトレードの普及に向けた真摯な取組みに感心し、またフェアトレードに関する目からウロコの情報を得ることができ、個人的にも非常に勉強になりました。





ちなみに、フェアトレードとは・・・



フェアトレード(公正貿易)とは?:


フェアトレードとは、貧困のない公正な社会をつくるための、対話と透明性、互いの敬意に基づいた貿易のパートナーシップです。フェアトレードは、特に「南」の立場の弱い生産者に、よりよい貿易の条件を提供しその権利を守ることによって、持続可能な発展を支援します。





フェアトレードの基準:


1. 生産者に仕事の機会を提供する


2. 事業の透明性を保つ


3. 生産者の資質の向上を目指す


4. フェアトレードを推進する


5. 生産者に公正な対価を支払う


6. 性別に関わりなく平等な機会を提供する


7. 安全で健康的な労働条件を守る


8. 子どもの権利を守る


9. 環境に配慮する


IFAT (International Fair Trade Organization)






日本国内でフェアトレードというと、「途上国の生産者の生活を改善するために!」のような途上国側に注目した議論が多いように思いますが、そのようなフェアトレードの意義を幅広く伝達するための活動と並行して、日本のような先進国における市場拡大に向けた取組みを強化する必要性、またそのためにドイツのような先進的な事例から学ぶことの重要性を認識することができました。





また今回の事業視察を機に、私個人としてのフェアトレードへの関心も高まり、基金本部のあるアーク森ビル1階のスターバックスでもフェアトレードコーヒーを取り扱っているのを発見するなど、(恥ずかしながら)今までとりたてて意識していなかったフェアトレードが一気に身近なものになりつつあります。





助成事業の参加者の方からは「国際交流基金でもフェアトレードコーヒーの導入を!」という課題をいただき、早速壊れたスーツケースに詰め込んで持ちかえったフェアトレード商品と宣伝用マグカップを用いて(細々とですが)基金内でも宣伝活動を行っています。





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↑ドイツで販売されているフェアトレード商品の数々


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↑デスク上のフェアトレード宣伝コーナー(仮)




*1:そういえば、基金職員のスーツケース被害例がここにも...


*2:平成18年度分までは年2回の公募。平成19年度より、12月、5月、9月の3回になりました。





Tuesday, March 13, 2007

文化芸術、咲き乱れ?






みなさんこんにちは、オレペコです。


暖冬暖冬といわれ続けた今冬、ここにきて肌寒い日が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか? (o^∇^o)ノ





ジャパンファウンデーションの文化芸術交流事業は3月初旬から、春まっさかり! 


先日ご紹介したイルホム劇場(ウズベキスタン)の『コーランに倣いて』に引き続き、今週15日(木)から18日(日)までは、ファミリア・プロダクション(チュニジア)の『囚われの身体たち』、23日(金)から27日(金)までは、ラビア・ムルエ氏(レバノン)の『これがぜんぶエイプリルフールだったなら、とナンシーは』の舞台があります。


また、先週金曜日からは恒例の アラブ映画祭 を開催中!普段なかなか見られない作品をまとめて見られるチャンスです。ぜひぜひ足を運んでみてくださいね。 


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実はオレペコも、土曜日にウズベキスタンの舞台を見に行って、非常に刺激的な週末を過ごしたわけですが、実際足を運ばれて感想を書いてくださっている方がたくさんいらっしゃるようですのでいくつかご紹介したいと思います。





まず、俳優さんたちのダンスもさることながら、音楽に感動した という声がたくさん聞かれます。


たとえば、BIGJOHNNY99さんは、



(前略)・・・俳優の演技を凌駕する存在感に満ちていたのが、アルチョムの音楽。なんというか、<セントラルアジアン・オリエンテッド・プログレッシブ・ロック>と勝手に命名してしまったのだが、ウズベキスタン、中央アジアの伝統的旋律や歌唱法をがっちり生かしつつ、それをプログレのような重いビートに乗せてしまうあたりがなんだかやっぱりタダ者ではない。文句なく音楽はカッコいい。まあこっちは日本人で<コーラン>というテーマに対する認識が薄いせいもあるが、正直いうと、音楽が完全にパフォーマンスをリードしているように見えた。


SHINE THE LIGHTより



と書いていらっしゃいます。確かに、コーラン自体やプーシキンの『コーランに倣いて』という長編詩に関する知識がない場合、誰もがすっと理解できるほど簡単な内容ではないなあとオレペコも感じました。でも、音楽は、力強く、そしてとてもまっすぐと心に迫ってくる印象を受けました!





続いてtomo9_2006さん。



全体にわたって音楽(アルチョム・キム)が重要な位置を占める。ピアノ、ベース、ギターに金属廃棄物などのパーカッションが硬質なビートを刻む。そこへ、イスラムの伝統的なスタイルの歌唱が乗ることで、語り部の存在感がより引き出されている。映像、ダンスなどがとてもバランスよくて、娯楽性も兼ね備えた美しい舞台だった。


TOMONOTEより



他に多かったのは 「多次元性」、「重層性」、あるいは「距離感」といったキーワードを使って、舞台の演出について書いてくださっているもの。


たとえばいっち~さん。



映像と音楽、身体表現が複雑に折り重なるような舞台。


映画監督が映画を撮る…という設定からコーランにあるのであろう内容との境目がなくなっていきました。





劇中劇のような中(実際、映画監督が撮っている映像がリアルタイムで流れる)で、一定の距離感・客観性があるはずなのに、同時に、映像とそこで行われている身体が表す物によって、まるで合わせ鏡の間に連れて行かれるようで…ふと気付くともう合わせ鏡に囲まれているような(実際に舞台上には合わせ鏡もある)距離感になっていて、どれが何なのか、どれが実像なのか…よくわからなくなりました。





舞台上で同時に行われている映像とパフォーマンスも、リフレインになっていたり補い合っている時もあれば全く矛盾している時もあって、ただ…言える事は、矛盾したままでも確かに「そこ」には存在していて、おそらく矛盾そのものはそれほど問題じゃないんだろうなぁ。


橘月より



yochuさんも同じような視点から感想を書いてくださっています。



詩人で映画監督という設定の人物が、映画を撮るためのオーディションを行うシーンから始まります。役者さんたちが入ってきて、同じセリフを次々に口にしていく。カメラが回っていて、その映像がスクリーンに映し出される。あるいは舞台上にある鏡にその様子が反映する・・・という具合に、多次元の空間となっていて、また、役者が役者を演じるというこれまた二重の層になっていて、視点がブレるギリギリのところにいる感じでした。





そもそも、コーランを下敷きにしたプーシキンの長編詩をさらに映画のシナリオとして読んでいる・・・というところも、空間的多層性と併せて重層的で、何が真のテクストなのかと思う瞬間もあります。しかし、あくまでも軸となっているのは、プーシキンの詩だということ(演出のマルク・ヴァイル氏によれば)。ダンスシーンも見ごたえあるし、ムダなくリズミカルに展開される舞台は、目が離せませんでした。


ロシア文化情報Knigaより



実は今回のイルホム劇場の舞台は、日本で初めて本格的に中央アジア現代演劇を紹介する機会となりました。


この事業の担当者のひとりが


 「最終的には、作品の力で、お客さんが集まってくれました。素晴らしい作品に出会えて、私自身、幸運でした。」


と漏らしていたのが印象に残っています。





Friday, March 9, 2007

舞台裏から表舞台へ・・・



Selamat siang. Nama saya Mitomi.


(こんにちは。三富です。)





国際交流基金職員の握手会 講演会のお知らせです。





普段は国際交流を陰で支え、表舞台にたつことはほとんどない私たち国際交流基金の職員ですが、今回JFサポーターズクラブのイベントにおいて、職員自ら海外事務所での経験や海外の文化交流事情についてお話することになりました!!





ヘ( ̄▽ ̄*)ノ・ ・.♪ヒャッホーイ♪.・ ・ヾ(* ̄▽ ̄)ノ





今回は、先日のブログ「国際交流の舞台裏~Vol.1海外事務所で働く醍醐味:堀川さんの場合~」で、すでにジャカルタ日本文化センターでの熱い経験を語ってくださった堀川さん、帰任したばかりの逢坂さん、ジャカルタ派遣職員としては珍しい女性の佐藤さんの3人が登場します。






「国際文化交流最前線の舞台裏 海外事務所の一日」


日時:2007年3月17日(土)14:00~16:00


会員:入場無料、非会員:200円(当日入会もできます)


参加申込:3月14日までに、EメールもしくはFAXにてお申込みください。


Eメール:info@jfsc.jp(件名を「3月のイベント」としてください)


FAX:03-5562-3534


URL:http://www.jfsc.jp/webmember/event/ev-0207-0080






みなさん、お誘い合わせのうえ、是非ご参加ください。





Wednesday, March 7, 2007

Casa Asiaの活動 その2 「ドラえもん」からみる日本文化のアイテム






こんにちは。


松岡と申します。





以前、クリスマスイブという貴重な日付をブログ編集チームから頂きまして、こんな記事を書いたのですが、続きを書こうと思いながらだいぶ経ってしまいました・・・。

今日はもう少し具体的なお話を*1





☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆








日本にいるとなかなか気づかないのですが実は、世界には日本の文化を私たちの知らないところで現地の皆さんへ紹介している団体があったりします。





まあ、私も「あります」と言っておきながら、別に全てを知っているわけではないのですが、例えばニューヨークにはJapan Societyという団体があります。ここでは定期的に、日本の美術展やシンポジウムが開催されている歴史のある団体です。





前回もお伝えしましたが、このCasa Asiaは、まさにそういった団体で、アジアの文化をスペインに紹介することを目的に、スペイン政府、カタルーニャ州政府、そしてバルセロナ市が共同出資して設立した文化交流団体なんです。


日本人にとっては、なんだかありがたい団体だと思いませんか??





このCasa Asiaでは、俳句や生け花といった日本文化のクラスや日本語のクラスが有料で運営されていて、たくさんの受講生がお金を払って日本文化を学びに来ています。他にも、学校単位でCasa Asiaを訪問し、授業の一環として日本文化を体験し学ぶというプログラムもあるんです。


先日、その授業現場を見学させてもらうことができたので、今日はその時の様子をご報告しようと思います。





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この日は、地元の小学5~6年生20名ほどのグループがCasa Asiaへやってきました。

一般的に子供達というのは非常に元気がいいものですが、さすがスペインの小学生、その元気のよさが突き抜けていました。エレベーターを降りた瞬間から日本人っぽい僕の顔を見つけるなり、「オラ、オラ~」と挨拶してきました*2。若干圧倒されながらも、一応僕も応えます。





今日の先生は日本人。でもカタルーニャ語もペラペラです。先生はカタルーニャ語を駆使して、生徒と積極的にコミュニケーションをとっていきます。





最初は挨拶。日本人のお辞儀をするスタイルでみんな挨拶をしてみます。


「『セニョール・マツオカ』にみんなで挨拶をしてみよう!」と、僕も少し参加しました。





ここからが先生の腕の見せどころなんですが、正直言って先生の技術には驚きました。非常にテンポ良く教室中のみんなとコミュニケーションをとりながら、徐々に先生が話をしたい方向に持っていきます。


この日は最終的に習字やお茶、お寺等にある独特のアイテム(木魚、数珠、文鎮、茶筅、御椀・・・等)を参加者に触らせて、「これはなんでしょうか?」という質問ゲームをやったのですが、突然のそのようなアイテムを見せるのではなく(強引にもっていこうとすると生徒の興味が逸れてしまいます)、自然と参加者の知っている話題から話が始まります。


それはこんな具合でした。







「みなさん、日本って知ってる?」



(知ってる人多数)


「日本ってどこにあるの?」



(大体みんな知っていた)


「日本の何を知っている?」


(スシ、サムライ、ゼン、アニメ*3・・・)


「アニメといえば何を知ってる?」



(みんな知っているアニメ番組のタイトルを連呼。)






そしてそのあと、先生がしたのはこんな質問でした。





「みんな、ノビタの家とスネオの家は知ってる?」


「2つの家は何が違う?」








僕らはドラえもんを見ていて、「このカットのここが日本的だ」ということを意識することは少ないと思いますが、彼らがノビタの家を見て押入れやちゃぶ台というアイテムに遭遇すると、それ自体が珍しいものだったりするわけです。むしろ彼らにとってはスネオの家のほうが近いのかもしれません。


また、スネオの家が金持ちであるという点は、みなわかってました。家の大きさからわかるのでしょう。





☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆





こうした会話を通じて、「タタミ」や「フトン」といったアイテムの話になったのですが、何気ないアニメの1コマをうまく利用した先生の授業は、大人の自分が見ていても非常にワクワクするものです。


こんな日本文化の紹介の仕方もあるんだなと勉強になった1日でした。





(続く・・・・)



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*1オレペコより:ジャパンファウンデーションとCasa Asiaとの関係や、松岡さんがなぜCasaに研修にでることになったか等については前回の記事に詳しく書かれています。


*2:”hola”。スペイン語で「やあ」と挨拶する時に使う言葉です。とりあえず皆、会ったら「オラ~と言っていました。」


*3:バルセロナでは毎朝、同じ時間帯にほとんどのテレビ局がアニメ放送を流していました。しかも半分以上が日本のアニメ。ドラエモンやこちカメ、犬夜叉、アラレちゃん・・・等





Tuesday, March 6, 2007

会社説明会潜入レポート2



みなさんこんにちは、オレペコです!


週末から、コートも要らないほどの陽気ですね。もう春もすぐそこ、でしょうか?





さて、今日は会社説明会潜入レポート第二弾(3月2日(金)開催分)をお送りします。


全体の流れは前回と同じですので、Q&Aからいくつか抜粋してお伝えします。


・:*:・゚・:*:・゚・:*:・゚・:*:・゚


(´ー`)σ ちなみにこの会社説明会レポート、主に就職活動中の学生さんに向けた情報ではありますが、一方で、学生さんの質問はなかなか鋭いところをついているものが多く、職員からの回答部分は、ジャパンファウンデーションという組織について広くみなさんに知っていただける内容になっていると思います。ぜひご参考になさってください!


・:*:・゚・:*:・゚・:*:・゚・:*:・゚


Q事業を行っていく中で、重視したい分野や地域というのはどのように決めるのですか?



A:まず分野については、事業実績額で見ると浦和・関西に専門施設を持つ日本語分野が他の分野に比べて多いのですが、実際は、どの分野も同じように重要な分野だと考えています。また、国や地域についても、基本的にどの地域との関係も等しく重要なのですが、アメリカや中国、韓国など、もともと二国間関係が緊密な地域は予算も多めに投下されていますね。また、外交関係の記念年である周年事業の年にはその対象国に重点をおいて事業を実施しています。





基金の強みは、単一分野のみを強化させるより、様々な分野の事業を組み合わせることで相乗効果を生み出せることにありますから、各国の事情に基づいて、より効果的に事業を行うよう工夫しています。



Q:事業の企画に関心があるのですが、どの事業にどのくらいずつリソースを配分していくかというのはどの部署が決めていて、どのくらいの割合の人がそれに関わっているのですか?



A:二つのレベルにわけて考える必要があると思います。まず、マクロレベルでは、理事長をはじめとする経営陣が、経理部や企画評価部の様々なデータや提言なども参考にしつつ、総合的見地からどういう事業をやっていくかを決めます。また、ミクロレベルでいうと、毎年各プログラムへの申請を締め切った後、ひとりひとりの職員が担当分野の申請書を読んで採否の案をつくり、それを課→部→理事レベルへと上げていくことによって個別の事業の採否が決まるわけです。こうした、トップダウンとボトムアップの両面から事業が決まっていくので、広い意味では多くの職員がこのプロセスに関わっていくことになりますね。



Q社会人で入った人の前職について知りたいのですが。


A:在京の大使館や在外公館で働いていた人のほか、メーカーや銀行、製造業、学校の先生や地方公務員など多様なバックグラウンドの方が入っていらっしゃいます。その中には、新卒の時に一度基金の採用試験を受けられた方で、社会人としての経験を積まれた後、再チャレンジされた方も少なくありません*1






ちなみに、漸くHPにも、今年度の募集要項が掲載されました!


みなさんのご応募お待ちしております♪♪




*1国際交流の舞台裏シリーズの第1回目に登場していただいた堀川さんも、社会人経験を生かした再チャレンジ組です!





Friday, March 2, 2007

 金の豚/『コーランに倣いて(ならいて)』



突然ですが、みなさん 金の豚 ってご存知でしょうか?


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2007年は中国・韓国ではとってもおめでたい年だそうです。


これについては、いずれ現地の職員からのレポートをお届けする予定ですのでお楽しみに!





ところで、明日、あさってと、先日このブログでもちょこっとご紹介した、ウズベキスタンの「イルホム劇場」によるプーシキン原作の『コーランに倣いて』の長野公演があります!






イルホム劇場[ウズベキスタン] プーシキン原作『コーランに倣(なら)いて』長野公演


日時: 2007年3月3日(土) 14時 公演/3月4日(日) 14時 公演


 ※日曜日は、終演後、ポスト・パフォーマンス・トークあり。マルク・ヴァイル(イルホム劇場演出家)、串田和美(まつもと市民芸術館芸術監督)予定。


会場: まつもと市民芸術館 実験劇場


料金: 全席指定(税込) 3,000円


共催: まつもと市民芸術館





1月に共同演劇を担当した畠さんが、”ぜひとも日本に紹介すべき!”と感じたマルク・ヴァイル氏*1の演出です(しかも日曜日にはご本人にお会いできるトークセッションもあります!)。まだお席に十分余裕があるようですので、お近くの方はぜひ足を運んでみてください*2




*1:マルク・ヴァイル氏についてもっと知りたい方へ:2006年10月にジャパンファウンデーションにおいて行われた同氏のレクチャーの内容が、「東京国際芸術祭」のサイトにアップされています。ぜひごらんください!


*2:お問い合わせは まつもと市民芸術館チケットカウンター までどうぞ!